消防士から医療事務への転職、そして将来は看護師を目指して。|私の転職体験談
転職前
- 職業
- 消防局
- 職種
- 消防員
- 従業員規模
- 約300名
- 年収
- 450万円
転職後
- 職業
- 医療機関
- 職種
- 医療事務
- 従業員規模
- 250名
- 年収
- 350万円
目次
YYさんの転職ストーリー
1これまでの私
消防士の、仕事。

大学を卒業後は、消防士として働いていました。
学生のころは関西に住んでいて、阪神淡路大震災を体験しました。
そのときの消防士の方々の活動を目の当たりにして、「自分もこの仕事に就きたい」と思ったのがきっかけです。
消防士の仕事は、第一に災害予防と警防(危険・災害を警戒し防ぐこと)。そして、いざというときの救急、救助活動です。
どの消防士もそうでしょうが、業務のメインは訓練とトレーニングです。
私はそのほかにも事務仕事として給与計算業務、予算管理、職員の福利厚生業務を行っていました。
消防士の仕事は、性に合っていたと思います。
トレーニングは体力・筋力だけでなく精神的にも鍛えられます。そうして自分のコンディションを高めていくのは楽しみがありましたし、いざというときに人助けに役立てられることにやりがいを感じていました。
勤務時間は、24時間。これはどこの消防署も大体そうでしょう。
30歳を過ぎてからは仕事終わりに重たい疲れを感じるようになりましたが、家に帰ってまだ小さい子どもたちに触れ合ってまた元気をチャージして──。そんな日々でした。
家族構成は妻、子ども2人、そして私の4人です。
消防士は公務員ということもあって休みは取りやすく、年に1~2回家族旅行に行くことを生きがいとしていました。
2転職のきっかけ
私が「転職しよう」と思った理由。

転職のきっかけは、先にもお伝えした通り年齢とともに消防士の仕事がきつく感じるようになったことです。
このまま消防士として、更にトレーニングに励み40代でも現場で活躍できる消防士を目指すか、それとも管理業務にシフトするか、または転職してまったく別の職種になるか──。ずっと悩んでいました。
最終的に、3つ目の「別の職種」を選んだわけですが、その理由は日々の業務で医師や看護師と仕事を共にしていく中、医療の専門的技術、知識また患者さんに対し的確且つスピーディに処置をする姿に強い関心と憧れを持ち始めるようになったからです。
ですが、そのとき私は33歳。今から医師や看護師を目指すのは難しいだろうと、妻や知人とも相談して決めたのが医療事務の仕事でした。
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3転職活動中
医療事務への転職に向けて、まずは資格取得。

転職を決めてから、まずは医療事務の資格取得に取り組みました。
目指したのは医療事務技能審査試験(メディカルクラーク(R))の資格です。
働きながら通信講座を受けまして、8ヶ月後に無事資格を取得。
「通信」といっても土、日曜日は教室に通い授業を受ける必要があり、そのため職場には転職の意思を伝えたうえで勤務日を調整してもらいました(これは大変ありがたかったです)。
資格取得後は、コメディカルドットコムという転職エージェントに登録し、担当エージェントのサポートを受けつつ転職活動を行いました。
苦労したことは、資格習得の勉強。30歳を越えるとさすがに記憶力も落ちてきていましたし、仕事の疲れで頭が回らないことも多々ありました。
それから、職務経歴書の作成ですね。とくに志望動機の文章がなかなかまとまらず、1つ目の職務経歴書作成の際は完成まで1週間以上かかりました。
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そんな苦労もありましたが、4つ目の職務経歴書を提出した施設の医療事務の求人から採用のご連絡をいただき、私は次の転職先を決めることができました。
4転職後
新しい職場で、待ち受けていた状況は。

医療事務としての、新しい職場はどうだったか──。
まあ、大変でした。
まず違和感が大きかったのは、女性職員の割合が多かったこと。
前職は男性ばかりの職場でしたから、最初のうちは全く慣れませんでした。
また、資格は持っていてもとうぜん実務は右も左もわからない状態でしたし、年齢だけは他の職員よりも平均以上ということもあって、他の職員への気遣いにも苦労しました。きっと、周囲も私に対してそうだったのでしょうけれど。
とにかく他の職員さんの業務を見よう見まねで訳も分からないまま慌ただしく仕事をして──といった日々でした。
仕事にようやく慣れてきたのが2ヶ月目の後半あたりから。
その頃になってようやく、同僚の職員さんたちの気さくさや明るさに気付き始め、「職場環境はけっこう良いところなのかもしれない」と思えるようになりました。
5その後、どうなったか。
気づけたことは、コミュニケーションの大切さ。そして、私のこれからの目標。

医療事務として転職して特に学べたことは、コミュニケーションですね。
前職の消防士のときもさまざまな人と関わってきましたが、一人ひとりに対してじっくりコミュケーションを取ることは稀でした。
ですが、現在の職場は患者さん一人ひとりに密接に関わることが求められます。
たんに話を聴くだけでなく、たとえば、その人の目線に合わせて話すこと。
こちらへの視線に気づいたら、オープンな話しかけやすい反応を示すこと。
「この人には、どうやって接していくのがいちばん良いのだろう」といつも考えます。
それだけ考えるのは、コミュニケーションを良好にしておくことで、多くの業務がスムーズに進みやすくなるからです。
また、患者さんが気持ちよく笑顔になってくれると私も嬉しいですし、やりがいを持てます。
こうしたコミュケーションの大切さを再確認できたのは、とても良かったことだと思います。──だって、これは仕事に限らずのことですからね。
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◇ ◇ ◇
いま現在、将来に向けて考えているのは、まず今の職場をより良くしていくこと。
同僚、患者さんとしっかりとコミュニケーションを図り連携をしていくことで、より良い職場環境にしていけると思っています。
それから、私自身の働き方について。
医療現場で働くようになって、改めて「医療に携われる仕事を、もっとしていきたい」と思うようになりました。
具体的には、看護師を目指したいと考えています。
看護師になるにはまた資格取得をしなければなりませんが、「働きながら看護師の資格を取得した」という話はよく聞きます。
看護師になれば、私が望んでいた医療提供をより深いところまでできるようになるでしょう。それを、実現したいのです。
思えばずっと、「人の役に立てること」にやりがいを感じて仕事を選び、そして従事してきました。
──こういうとなんだか自画自賛のように聞こえてしまいそうでしたが、そうではなくて、そこに私自身が関われているのが純粋に嬉しいんですよね。
だから、私は自分が嬉しいから、仕事をする。
これって、とても幸せなことではないでしょうか。
もちろん、家族のこと、そして職場や同僚のことも大切に、感謝をしつつ、この歩みをたゆまずに進んでいければと思っています。