転職体験談:出版社の契約社員から書店の正社員へ。転職活動で助けてくれたのは担当だったお客様
転職前
- 職業
- 出版業
- 職種
- 営業職
- 従業員規模
- 100名
- 年収
- 240万円
- 会社名
転職後
- 職業
- 小売業
- 職種
- 販売職
- 従業員規模
- 30名
- 年収
- 360万円
- 会社名
目次
ミシカさんの転職ストーリー
1これまでの私
生きがいは家族。

今から3年前、私は福岡県で出版社の営業をしていました。
この出版社には約2年間在籍していました。契約社員だったということもあり、給料はそこまで高くありませんでした。
自分が担当した本がテレビなどで紹介されると誇らしい気持ちになれましたし、モチベーションを持って仕事ができていたと思います。
家族構成は妻と子ども一人の3人家族で、出身地は福岡県です。
私にとって、一番の生きがいは家族の存在でした。
当時、息子がちょうど幼稚園から小学生に上がるくらいで一番手がかかる時期でしたが、同時に可愛い時期でもありました。
家族と過ごすプライベートの時間は、非常に充実していました。
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2転職のきっかけ
お客様からのクレームをきっかけに社内での邪険に扱われて。

仕事にはモチベーションを持って取り組んでいました。
でも、あることがきっかけで、会社に居づらい状況になってしまったのです。
そのきっかけというのは、取引先である書店の担当者からのクレームでした。
出版社の営業は、基本的にはルート営業です。
朝出社すると、事務処理を行った後は夜間まで担当の書店に足を運びます。
書店では在庫チェックや販促活動を行うのですが、私の担当地域は九州全土となっていたので、それほど頻繁に訪問できない書店も少なくありませんでした。
そのため、最近なかなか訪問できていなかった書店から、
- 書店
-
「最近全然うちの書店に来ないじゃないか。担当者はどうなってるんだ?」
と、クレームが入ってしまったのです。
出版営業は、書店との関係構築が肝心です。訪問できない時期が続いた場合は電話・メール等でコミュニケーションを取っていくことが大切なのですが、当時私はそれが出来ていませんでした。
クレームをしてきた書店の方の怒りはしばらく収まらず、それは上司や同僚の耳にも入りました。
もともと私は、職場でうまく立ち回るとか、そういうのが苦手な方でして。
この時も周囲からは「仕事をサボっていたんじゃないか」「あいつは仕事ができない」といった評価を受けて、社内でも孤立してしまいました。
更には、入社時からずっと可愛がってもらっていた上司からも距離を置かれるようになって、そこでもう心が折れてしまいました。
──これが、私が退職しようという想いに至った経緯です。
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3転職活動中
前職の顧客に助けられた転職活動。

転職活動期間は約3か月でした。
まずは、ハローワークへの登録に向かいましたが、これはそもそも「失業手当」をもらう目的だったこともあり、転職活動のメインとしては利用しませんでした。
失業手当とは
雇用保険に加入している場合、会社を辞めてから次の会社に入社するまでの期間、「失業手当」を受け散ることができます。
ただし、失業手当を受け取るには、ハローワークが定めている「就職しようとする積極的な意思があり、いつでも就職できる能力があるにもかかわらず、職業に就くことができない」という状態であることが前提となります。
また、受け取れる失業手当の金額やその時期は、離職理由や雇用保険(失業保険)の加入期間、年齢、給料などの条件により変わります。
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並行して転職サイトも登録をしました。
希望としては、やはり出版業をやりたかったのですが、斜陽産業ということもありかなり狭き門で、何社か受けましたが全て不採用でした。
- 私
-
(どうしよう…なかなか決まらない。やっぱり出版業への転職は難しいのだろうか…)
そんな状況で四苦八苦していると、お客さんとして付き合いのあった書店の社長から声をかけて頂きました。
その店長とは、日頃から休みの日にテニスをしたり、日帰り温泉にいったりして親しくさせてもらっていて。
そしてある日、いつものように一緒にテニスをしていたのですが、帰りの車の中で、
- 書店の店長
-
「○○さん、よかったらうちで働いてみなよ。君には担当してもらった時からしっかりやってくれたから信頼もしてる。○○さんさえよかったら人事に掛け合ってみるよ?」
提案されたのは出版ではなく書店の営業でしたが、嬉しかったですね。
なかなか転職が決まらなかった最中でもありましたし、また誘っていただいたのは「この人と働いてみたい」と思えるような方でしたので。
私は、その申し出を二つ返事で承諾しました。
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4転職後
新しい職場で、待ち受けていた状況は。

そして、現在はそのまま書店の営業として勤務しています。
転職前は出版の営業であり、転職後は書店の営業になったわけですが、あくまでも取り扱う商品は同じ本ということで「それなりにやっていけるだろう」と甘くみていたところもありました。
しかし、実際にはかなり違いました。
出版社の営業というのは、あくまでもルート営業で決まった担当店に自社の本を置いてもらう事が主な仕事です。ですので、自社の本が断られるというのは殆どありません。
一方で書店の営業というのは、「実際に買ってくれるお客様」を探さなければなりません。
これにはかなり苦労しました。
出版社から依頼されたあらゆるジャンルの本を、全く興味のないお客に話術を使って売らなければならないこともしょっちゅうでした。
5その後、どうなったか。
転職を振り返って、今思うこと。これから、目指したいこと。

今回の転職で一番に学んだことは、「日頃の行動が大切である」ということです。
というのも、私の場合は転職活動で一番力になってくれたのが出版社時代の担当先だったので。
日頃から単なるお客として割り切った営業活動をするだけなら、おそらく困った時に手を差し伸べてくれる方はいなかったと思います。
日々の頑張りは自分を納得させるだけではなく、必ずそれを見てくれている周りの人が存在するのだと実感しました。
そう考えると、出版社時代にもう少し自分のことをわかってもらえるように努めるべきだったのかなと思いますが、今の会社でそれを活かしていこうと思っています。
◇ ◇ ◇
転職前を考えると当時の私はあまり向上心がありませんでした。
それは契約社員であるという働き方にも関係していたのかもしれないですね。
それに比べて現在は正社員として働かせて頂いていますので、より責任があります。
私を推薦してくれた店長の期待に応えるためにも、積極的に動いていきたいと思っています。
具体的には、徐々に事業展開をさせていくこと。
現在、山口県と福岡県が主な事業範囲となっていますが、こういった「事業範囲」や「担当地域」という概念はこの先インターネットを介してのコミュニケーションが進むことによって希薄化していくでしょう。
何もしなければ淘汰されてしまうでしょうが、その流れに乗って全国的に事業を展開できるようにしていきたいと思っています。
本は「知識の媒体」であり、出版業はそれを人々に届ける「橋渡し」的な存在です。
出版業界全体があまり景気の良い時代ではありませんが、プライドを持って業務に臨み、時代に抗っていきたいと思っています。