転職体験談:システムエンジニアとして、自動車業界から物流業界へと転職
転職前
- 職業
- 自動車メーカー
- 職種
- システムエンジニア
- 従業員規模
- 15,000名
- 年収
- 700万円
- 会社名
転職後
- 職業
- 物流
- 職種
- システムエンジニア
- 従業員規模
- 500名
- 年収
- 550万円
- 会社名
目次
カズオさんの転職ストーリー
1これまでの私
充実したシステムエンジニアの仕事、そして大好きな家族。

大学を卒業した後は、希望していたシステムエンジニアの世界に入りました。
システムエンジニアとは
システムエンジニアの役割は、クライアントにヒアリングを行い、要求に最適な仕様のシステム開発を行うことです。開発の現場において、システム設計やプログラミングなどの業務を担当します。
引用元:「ITエンジニアの職種図鑑 システムエンジニア」マイナビAGENT
あわせて読みたい
-
- SE(システムエンジニア)に未経験から転職するには?仕事内容、求められるスキル、準備するポイントを紹介
- 未経験からSE(システムエンジニア)に転職しようと検討している方に、SEの主な仕事内容、求められるスキル、キャリアパス、そして転職成功に向けて準備するポイントを紹介します。...
就職先は、某大手自動車メーカー。車の制御装置に関わるのが主な業務で、仕事にはとても充実感を得られていました。
システムエンジニアとして数年を過ごした後、当時お付き合いをしていた彼女と結婚。子どもも授かりました。
仕事の状況によっては朝早く家を出て、夜遅くまで仕事に励むこともあります。帰宅すると夜中、なんてこともしばしばあり、休日出勤もざら。
それでも仕事自体は好きですし、何より私には家族という存在があるので、そんな忙しい日々も全く苦になりませんでした。むしろ、家族のためと思えば、そんな仕事に追われる日々も楽しんでいたと思います。
給料も同世代と比べてもそこそこ貰っているので、特に何の不満もない生活を送れていました。
あわせて読みたい
-
- 転職する際に「残業時間」をどう考えるべきか?
- 現在の職場で残業が多いことが転職検討理由の1つという方、転職を希望している業界や企業の残業が多めで心配だという方に向けて、転職と残業について解説しています。...
あわせて読みたい
-
- 仕事に「やりがい」は必要?やりがいを感じられない自分との向き合い方
- 仕事をしていく上で「やりがい」は本当に必要なのでしょうか。そもそも「やりがい」とは何か、「やりがい」とどのように付き合っていったらいいのか解説しています。...
2転職のきっかけ
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、子会社へ人事異動を受け。

大学を卒業し、システムエンジニア一筋で働いた20年。好きでやっている仕事だったことはもちろん、「この分野では誰にも負けない」という自信とプライドも当然ありました。
実際に職場でも、私は重要な人材とされていて、給料を含めてそれなりの待遇を受けていました。
しかし新型コロナウイルスの感染が拡大すると、状況が一変します。
テレビをつければ「倒産、リストラ、感染者数の増大」など、暗いニュースばかり。
でも当初は「私には関係ないだろう」と、まるで他人事のように捉えていて。
コロナ禍で状況が変わっていることを「自分事」と捉え始めたのは、職場に流れる嫌な雰囲気を感じてからです。業績は悪化していき、会社、そして自分の将来までも不安に覚えてきたのです。
そんな不安は、現実になります。
- 上司
-
「○○さん、申し訳ないのだが今回のコロナ渦の状況を受けて、君には子会社の営業に出向してもらうことになった」
――なんと私は、人事異動の対象になってしまったのです。この時は「まさか自分が」という思いで…。
ただし、給料は据え置きという条件でした。こんなご時世で多くの人々が大変な時を過ごしている中、職種は変われど給料は下げられないという待遇は、まだ恵まれている方なのかもしれません。
でも、この仕事が大好きで誇りを持っていた私には大問題で…。その時は目の前が真っ暗になりました。
そして初めて、「転職」が頭によぎったのです。
あわせて読みたい
-
- 不況時に転職することになったら?不景気の影響を受けやすい業種と転職成功のためのポイント紹介
- 一般的に、転職は好景気のときほど有利に進めやすいといいます。 ですが、景気のタイミングを見ながら転職活動をすることはあまり現実的ではありません。 ときに、「不況時に転職しなくてはならなくなった...
あわせて読みたい
-
- 30代のITエンジニアが転職で失敗しないためにやるべきこととは?
- 30代のITエンジニアが転職するにあたり、失敗を避けるためにやるべきこと、注意することをまとめています。転職を成功に導くためにも是非ご一読ください。...
3転職活動中
システムエンジニアとして、自動車業界から物流業界へ。

「大切な家族がいるにもかかわらず、自分のやりがいを理由に仕事を変えていいのか?」――そんな葛藤もありました。
でも、どうしてもシステムエンジニアという仕事がしたかった。そんな想いで家族に相談したら、
- 妻
-
「大変だと思うけど、あなたのやりたいことを尊重する。頑張ってね。」
――と、妻は応援してくれたのです。そこで私は転職を決意しました。
あわせて読みたい
-
- 転職を妻・家族から反対された場合の対処法と思考の切り替え方!
- 「転職したい!」という思いを、パートナーに反対されてしまったら…? 反対を押し切って転職すべきか思いとどまるべきか、判断するためのポイントを紹介いたします。...
その時の年齢は40代前後、また経済はコロナ渦で不況だったので、転職活動は厳しいものになることは当然覚悟していたのですが、予想以上に厳しくて…。
早速、最寄りのハローワークに行って転職活動をスタート。最初は自動車業界にばかり目がいってしまい、なかなか上手くいかずに焦りました。
転職活動を始めてから3か月、コロナ禍の影響もあるのでしょう。特に自動車業界は需要が一気に減少しています。そんな状況では当然ですが、希望の業界、職種の求人がなかなか見つからず。
せっかく書類選考に通っても不採用ばかり…。
さすがに自力での転職活動に限界を感じて、転職サイトの「doda{リンク}」に登録。
転職活動が全く上手くいかずに自信をなくしかけていましたが、担当のアドバイザーの方から
- 担当者
-
「○○さんの経歴なら仕事はいくらでもありますよ、思い切って業界を変えてみてはどうでしょう?」
――と提案されたのです。
自信になりましたね。「自分は他の業界でも勝負できるんだ」と。何となく「他の業界も見た方がいいかも」と頭ではわかっていましたが、業界を変える自信も勇気もなかったので。
そんな自分に色々な選択肢を与えてくれたと同時に、背中を押してくれた感じがしました。殻が破れた感覚です。
それ以降は様々な業界にも視野を広げていって。
最終的には物流系の会社で、前職と同じシステムエンジニアとして仕事につくことができました。
あわせて読みたい
-
- SE(システムエンジニア)の転職に!おすすめ転職エージェントランキングTOP15
- この記事では、SEへの転職を目指す際の「おすすめ転職エージェント」をランキング形式で紹介しています。記事を読めば、あなたにとっておすすめの転職エージェントと有効な使い方がわかるでしょう。 ...
あわせて読みたい
-
- 転職活動のモチベーションを保つための対処法は? 行動・思考パターンを解説
- 当初の予定よりも転職活動が長引いている場合や、不採用が続くと、どうしても転職へのモチベーションが下がってしまうこともあると思います。その際の対処法について詳しく解説していきます。...
4転職後
前職で培ってきた、システムエンジニアとしての経験が活かされました。

「システムエンジニア」という職種は同じですが、自動車メーカーから物流業界へ転職しましたので、最初のうちは大変でした。
これまでは、車一筋で働いてきたのですが、新しい職場では物流センター内での効率化や自動化に関わる仕事になります。
物流業界未経験の私には仕事の流れや仕組みさえ分からない状況だったので、まずはエンジニアの仕事というよりも、物流という仕事の勉強からのスタートでした。
しばらくの間は「とにかく、やって覚えるしかない」という感覚でしたが、あるとき自動車を制御するシステムを作っていることと、物流センターの稼働システムを構築することに共通項を見つけたのです。
それは、「どちらも、人が安心して作業できる空間を提供する」ということでした。
車なら、もしもの時に自動で危機を退避する為の自動制御システム。物流センターでは、従業員の方々が少しでも働きやすい環境づくりのためにシステムをつくる。
「お互い目的は一緒なんだな」――それに気づいた時、モヤモヤした心がスッキリしましたね。それ以降、新たなやりがいを見つけたことで仕事が楽しくなりました。
5その後、どうなったか。
どこで仕事をしても、「誰かの為に」は変わらない。

今回の転職で、「見方を変えれば、景色が変わること」を学びました。自分の思い込みやこだわりで、自分自身の可能性を閉ざしていたということを。
仕事って結局は、「誰かの為に」ということがベースになっているんですよね。このことに気づいた結果、今では「この仕事は好きだ、嫌いだ」などと、色眼鏡で見ることがなくなりました。
おかげ様で仕事はもちろんですが、日常生活においても、経験したことがないことに関して、選り好みで物事を選別することなく判断できるようになったと思います。
何に対しても積極的にチャレンジする精神が芽生えたことと同時に、新鮮味を満喫しています。
今回の転職活動では、幸運も重なったことで業界は違えど、同じ職種につくことができました。でも今なら、どんな業界・業種の仕事でも前向きに捉えて、受け入れられる気がします。
心が広くなったというか、社会人として、人間として、ワンランク上のステージに立てた感じがしますね。
◇ ◇ ◇
視野が広まったことで、今まで経験できなかったことを肌で感じられているので、新鮮な気持ちでいっぱいです。
正直、毎日が楽しいです。今は何でもいいから、新しいことに何でもチャレンジしたいと思っています。
ですが、やっぱり「誰かの為になること」がしたいです。
現在の職場では、物流センター内で働く従業員の方から「ああしてほしい、こうしてほしい」と、要望を受けます。その要望を元にシステムを構築すると、「重い荷物を運ぶことが少なくなって身体が楽になった」「施設内がごちゃごちゃしなくなって仕事がはかどる」とお礼を言われるのです。
自分が必要とされているという実感と、従業員の笑顔が何より嬉しくて仕方ありません。
家族はもちろん、今では従業員の方の笑顔が仕事の原動力になっています。
妻からも、「パパが生き生きしているのが1番」と言ってくれます。
今後は、「誰かを笑顔にできるようなことにどんどんチャレンジしていきたい」――そう考えています。