転職体験談:生活が困窮して、妻が実家に帰って。そして私は、転職活動を始めた。
転職前
- 職業
- 福祉
- 職種
- 精神保健福祉士
- 従業員規模
- 20名
- 年収
- 250万円
転職後
- 職業
- 学校法人
- 職種
- 事務職
- 従業員規模
- 200名
- 年収
- 300万円
目次
berryさんの転職ストーリー
1これまでの私
給料も少なく、仕事のやりがいも感じられない日々

転職前、私は「精神保健福祉士」として正社員として働いていました。
精神保健福祉士とは
「精神保健福祉士」は、精神保健福祉の領域で専門的な知識や技術を持ち、精神に障がいがある人たちの社会復帰を手助けしたり、必要な訓練をおこなったりする精神科ソーシャルワーカー(PSW:Psychiatric Social Worker)です。社会福祉士、介護福祉士とともに福祉系の国家資格として知られています。
私は障害のある方の就労継続支援を行う「A型作業所」で働いていました。
休みは週1日と少なく、給料は手取りで16万円ほどでした。
やりがいも感じられず、ただ黙々と作業を15時までして、残務処理をして、17時半に終わって帰る──そんな感じでした。
もちろん、精神保健福祉士は大切な職業ですし、同僚でやりがいを感じながら働いている人もいました。
ただ、私に任された業務は利用者さんを支援する、支援に関わるといったことが何一つなく、ただのいち作業員として働いている感覚があって、そこに虚しさを感じていたのです。
私には、同い年の妻がいました。
妻は働いておらず、精神障害がありました。
だから、私一人で生活を支えなければ行けませんでした。
住宅ローンも抱えており、家計はとても困窮していました。
2転職のきっかけ
このままでは、住宅ローンの支払いが滞ってしまう

住宅ローンを組んだのは、当時から遡って3年ほど前でした。
当時は別の仕事をしていたのですが、残業が多くて苦労していたところに知人から精神保健福祉士の仕事を紹介されました。「残業は殆どないよ」と言われて実際その通りだったのですが、そのかわり給料は大分下がってしまいました。
更には妻の通院の医療費も嵩むようになって、転職前の数か月間は、貯金を切り崩しながらの生活が続いていました。
そんな折、妻が実家に戻ってしまったのです。
-
妻
-
「私がいることで、あなたの負担になってしまうから」
電話で、彼女は泣きながらそう言いました。
とてもショックでしたし、また、自分の不甲斐なさを呪いました。
ですが、現実問題として、このままではいずれ住宅ローンの支払いが滞ってしまうのは目に見えていました。そうなれば、妻を連れ戻すどころか、私までも路頭に迷ってしまいます。
今より、もっと収入を多くしなければならない。
そして、妻の前でも暗い顔をせずに済むように、もっとやりがいのある仕事をしたい。
──そう考えて、私は転職をすることに決めました。
3転職活動中
半年間の長きにわたって。

私が転職活動を開始したのは、2020年の3月の頃です。
当時は新型コロナウイルスが大変流行していて、求人もかなり少なくなっていました。
ハローワークで良い求人が見つかって応募しようとすると、1名の枠に30人ほどの人が殺到することもありました。
また、応募しても書類選考で落ちてしまうことが多かったです。そのため、面接すら1ヶ月に2、3社しかたどり着けない状態でした。
仕事がなかなか決まらないまま、とうとう6月になってしまいました。
-
私
-
(今のやり方を変えないと、ずっとこのままだろう…)
そう思い、私はハローワークだけでなく転職エージェントにも登録をして、転職活動をサポートしてもらうことを考えました。
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転職エージェントは、dodaとリクルートエージェント、そしてマイナビ介護職に登録しました。
そのうち、dodaからは「現在、紹介できる求人がありません」と断られてしまいました。
リクルートエージェントとマイナビ介護職はかなり昔に登録していたこともあってか、「こんな求人がありますがどうですか?」と提案してくれ、実際の応募時には履歴書、職務経歴書の書き方のアドバイスなどの相談に乗ってくれました。
そこからも応募しては落ちてを何度も繰り返すことになりましたが、9月になってようやく、学校法人の事務職の仕事の内定をもらうことができました。
リクルートエージェントからの紹介でした。
4転職後
新しい職場で、待ち受けていた環境は。

10月1日から、新しい職場で働き始めることになりました。
事務職の経験は過去に3年ほどあったため、そこまで違和感なく業務に馴染むことができました。
完全週休2日制で、職務内容もデスクワークの仕事に変化しました。元々私はパソコンを扱うのが得意でしたので、効率よく業務を進めようと色々考えるのは苦にならなかったです。
また、作業物を提出した際に、相手から感謝の言葉をもらうこともあり、そこでやりがいを感じることができました。
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ありがたかったことは、職場の雰囲気が良かったことです。
相談しやすかったり、それから経営的な余裕があるからこそなのでしょうが、仕事の納期も余裕があって、職員も皆おだやかなムードでした。
5その後、どうなったか。
転職を振り返って、今思うこと。そして、妻とのこと。

今回の転職で、私は自分の「適性」について、より深く知ることができました。
私は身体を使った作業的な仕事はあまり得意ではなく、一方でデスクワークでの事務的な作業は得意で素早くこなせることに気付きました。
リクルートエージェントの転職サービスで適性検査を行ったのですが、そこでも同じような結果でした。私が前職でやりがいを見出せなかったのは、もしかしたら苦手なことを無理に続けていたからだったのかもしれません。
得られた教訓は、転職する際は「本当に自分に合った仕事なのか」「給与はいくら貰えるのか」を求人票で確認すること。
そして、転職エージェント経由で給与条件の交渉をし、納得した上で就職すべきだということです。
──もしかしたら、ほかの人は当たり前にやっていることかもしれませんね。
ですが、若いころは後先考えずに新しい職場に飛び込もうとしてしまうものでしょう。そういった人にも、このことを伝えてあげられたらと思います。
◇ ◇ ◇
現在、私は契約社員として働いています。
ですので、今は正社員登用に向け、色々な仕事を任せられる存在になることを目標として頑張っています。
具体的には、事務職として基本となる電話対応やパソコンでの作業、また一部用務員的な物を修繕する仕事があるため、それらをマスターしたいと考えています。
また、妻とはまだ別居したままです。
先日、妻の両親と電話で話した際に、「大分症状は改善しているけれど、まだ万全ではないから」と伝えられました。私との生活でまたストレスを抱えてしまうことを、危惧しているのでしょう。
妻が安心して帰ってこれるよう、今以上に安定した収入、余裕のある生活を、1日でも早く実現したいです。