転職体験談:電気工事士から現場代理人へ転職「安定した働き方、生き方」を求めて。
ちょっと失敗
転職前
- 職業
- 電気工事業
- 職種
- 電気工事士
- 従業員規模
- 5名
- 年収
- 450万円(コロナ禍中は350万円)
転職後
- 職業
- 建設業
- 職種
- 電気施工管理技士
- 従業員規模
- 70名
- 年収
- 470万円
目次
トラ介!さんの転職ストーリー
1これまでの私
開業して、結婚して、そして転職をして。

3年前まで、私は接骨院で働いていました。
高校を卒業後に、接骨院で働くため「柔道整復師」の資格取得を目指して専門学校へ通い、卒業以降は接骨院に勤務、30歳のときに接骨院を自分で開業しました。
柔道整復師とは
「接骨院・整骨院の先生」として知られる医療技術職です。主に捻挫や打撲、骨折、脱臼などのケガを治療するほか、運動療法、運動指導も行い、健康へと導きます。骨折や脱臼を手技で元の位置に戻したり、包帯やテーピングで固定するなど、ケガの発生から治癒まで全てに関わることができる国家資格です。
その後、33歳で結婚して子どもが産まれるのを機に、より安定した年収の獲得を目指して電気工事業への転職をしました。
それからは電気工事士として、戸建て住宅、マンション、アパートなどの集合住宅の電気配線工事、照明、コンセントなどの器具の取り付けを行いました。
電気工事士とは
ビル、工場、商店、一般住宅などの電気設備の工事に関する、専門的な知識と技能を有する者に与えられる国家資格です。
これら電気設備の工事は、電気工事士の資格のある人でなければ行ってはならないことが法令で決められています。
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生きがいは、家族と月に1回のキャンプに行くこと。
アウトドア好きの妻に誘われて、私もその楽しさにどっぷりハマりました。
仕事は覚えなくてはいけない知識、身につけなくてはいけない技術は山のようにありましたが、そうした家族との余暇の時間を糧に、毎日の仕事を頑張りました。
2転職のきっかけ
新型コロナウイルスで、収入が激減。

電気工事士と働いて、3年の歳月が流れました。
経験を積んで、知識もスキルもそれなりに積むことができました。
ですが、「収入も増えた」かというと、その逆でした。
その理由は、会社の業績が悪化したためです。
当時は2020年、まさに新型コロナウイルスの感染拡大が見られた年でした。
緊急事態宣言が出る前から徐々に案件が減っていき、2019年では月~土曜日の週6回出勤であったのが、2020年の4月は週4~5日勤務となってしまいました。
会社は日給月給制という給与形態(1日を計算単位として給料を定め、毎月1回まとめて支払う給与体系のこと)でしたので、勤める日数が少なくなれば収入が減ってしまうのです。
そのため、以前と比べて月の給与が8万円ほど減ってしまいました。
あと数年経つと、子供が小学校に入ります。
それからは教育費がかかってくることでしょう。今の年収では満足な教育費をかけてあげられないことは目に見えていました。
また、私は持病を持っており右足の調子が悪く、日によっては歩くのが困難になるくらいの状態が続くこともあって、そのことでも悩みました。
現場での作業は歳をとってからは難しいだろうとは思っていましたが、それが思った以上に早く来てしまったのです。
毎日、陰鬱な気持ちで居ることが続きました。
ですが、このままただじっと待っていても、明るい兆しがやってくるようにはとても思えません。
さんざん悩んだ結果、
- 私
-
(今が、仕事の転機なのだろう──)
私は自分にそう言い聞かせて、転職することに決めました。
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3転職活動中
コロナ禍中の、転職活動。

転職活動を始めたのは2020年の7月のことです。
転職活動の方針は2つありました。
ひとつは、妻と3歳になる娘を養っていける分の収入のある会社を見つけること。
そしてもうひとつは、右足の状態が悪化しないように、管理側の仕事に回って、体の負担を減らすことです。
2つの条件に合致して、かつ私のこれまでの経験を活かせる仕事でまず思いついたのが、「現場代理人」でした。
現場代理人とは
現場代理人は、工事現場における工程管理と安全管理を担当し、職人をはじめとする関係者を統率し、指示を出していく仕事です。
「リクナビNEXT」や「doda」などのいくつかの転職サイトに登録して、現場代理人の求人検索を行いました。
なるべく自宅から近く、かつ給与も一定水準で支給されるという条件で検索をしたのですが、なかなかそれに見合う求人は見つかりませんでした。
たまに「ここがよさそう」という会社を見つけられましたが、面接日を休日に組めなかったりと、スケジュール調整にも大変苦労しました。
そんな中で、ほとんど唯一といって良いくらい私の条件にマッチして、そして面接日をスムーズに調整できたのが、いま私が勤めている会社です。
平日遅くの面接にも対応していただき、服装も作業着のままで了承をして頂いたので、仕事終わりに伺うことができました。
これまでと異なる職種ではありましたが、私のことを「真面目そうな人柄がとても気に入った」と言っていただき、1回の面接で採用を決めてくれました。
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4転職後
新しい職場で、待ち受けていた環境は。

転職先の会社は70名ほどの規模で、以前の会社は5名ほどの家族経営だったこともあり、かなりの大所帯に感じました。
役割も現場の作業員から現場を管理する現場代理人に代わり、仕事内容は一変しました。
まず、パソコン作業がとても増えました。
また、現場では施工方法の指示をして、他業種との日程を合わせたり工事の方法を打ち合わせをしたりしますので、多くの方と接するようになりました。
そのため、最初のうちは慣れるまで精神的な疲労感が大きかったです。
人に合わせて仕事を進める大変さを、この歳になって改めて感じました。
良かった点は、土日、祝日の休みがあることです。
そして、給与形態も月給制になり、「祝日の多い月でも給与が減らない」というのはとても安心感がありました。
5その後、どうなったか。
安定した働き方、生き方を得るために「必要なもの」とは。

今回の転職で気づいたことは、「行動することの大切さ」です。
私は3年間ほど個人事業主として働いて、その収入の不安定さをいやというほど味わいました。そして、「会社員として働いて、安定した生き方をしよう」と思い前職に入社しました。
たしかに会社員は個人事業主より安定していると思います。ですが、2020年のコロナ過でその認識をも覆されたという人は多いでしょう。私も、その一人でした。
会社は平気で潰れますし、経営が厳しくなればリストラもされます。
そして、不安定な状態とは、そのままその人の精神状態に影響します。
その状態を改善していくためには、「行動」するしかない。
行動することによって、改めて自分の現状を知れることもあると思います。
私の場合はたまたま良い条件の会社が見つかりましたが、転職活動していて「意外と自分のいた会社って条件が良いんだな」と気付くこともありました。
転職をする、しないはひとつの手段です。
今の会社に留まって頑張ろうということも一つの行動になるでしょう。
ですが、いちどほかの会社を見ることによって、凝り固まった視野を広げられるかもしれません。
また、満足いく転職を実現していくためには、個人として活躍できるスキルや知識を常に蓄えておくことも求められます。私は今回の転職を通じて、そのことを強く感じました。
◇ ◇ ◇
現在私が目標としていることは、「まずは今の会社の業務に慣れて、いち早く会社の戦力になれること」です。
また、それと同時進行で会社に頼らなくても生きていけるような知識やスキルを付けたいと思っています。
そして最近は、いろんなことを新しく始めています。
ブログを開設したり、金融や経済に対しての勉強を始めたり、それからクラウドソーシングを使っての副業も始めました。
将来は、自分の知識・スキルだけで収入を得られるフリーランスになれたら──そんなことも考えるようになりました。
今回の転職は、そんな自分の生き方、将来どういうふうになっていきたいかを考える良いきっかけになりました。
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