子供のために働いていた事務職から、自分の夢のためにカフェ経営へ|私の転職体験談
ちょっと失敗
転職前
- 職業
- 一般事務
- 職種
- 経理
- 従業員規模
- 10人程度
- 年収
- 200万円
転職後
- 職業
- 自営業
- 職種
- カフェ経営
- 従業員規模
- 1人
- 年収
- 300万円
目次
ポンタさんの転職ストーリー
1これまでの私
子供の将来のために、安定した収入を得ること。
私は約6年間、小さな会社の事務職についていました。
勤務時間は朝8時半から夕方5時半まで。人間関係のトラブルもなく、安定した生活を送っていました。
私には「正社員で、安定した収入があること」が重要でした。
私は1人の子を育てるシングルマザーです。子供は当時、専門学校に通っていたのですが、子供の夢を支えるためにも、学費分の収入は確保しておかなければなりません。
なので6年間はひたすら子供のことを第一に考え、仕事を続けていました。
好きな仕事ではありませんでしたが、不自由なく生活ができていたため、あまり苦はありませんでした。
子供が将来に向かって頑張る姿を見ているだけで、私自身も「頑張ろう!」と思えていました。
2転職のきっかけ
母の店じまい。その時、私を突き動かしたある「夢」。
子供があと半年で専門学校を卒業するという時期の出来事です。長年飲み屋をやっていた実家の母が「お店を閉める」と言ってきました。
- 母
-
「もう年だし、景気も悪くなってきたからねえ。ここらが潮時かな、と思ったのよ」
母の言葉を聞いたときに、私のかねてからの「夢」が顔を覗かせたのです。
- 私
-
(子供が独り立ちしたら、カフェでも開きたいな)
具体的な目途はたっていませんでしたが、そう思っていたのです。
私は事務職の仕事に就く前、自営業でリサイクルショップを経営していました。その期間は13年ほどになります。
ですので、経営に関する算段は、自分の中である程度持ってはいたのです。
もっと言えば、リサイクルショップを経営している時代に、「いつかカフェを開くこと」を想定しながら、使えそうな小物(食器やインテリアなど)をコツコツと集めていました。
- 母
-
「お店を誰かに渡すか、それとも壊しちゃうか悩んでるのよねえ」
- 私
-
「お母さん!ちょっと待って!!」
もう「チャンスは今しかない!」という気持ちでした。
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3転職活動中
お金が無い……そうだ、自分でやろう!
ただ、すぐにお店を引き継ぐことはできませんでした。
まだ事務職の仕事を続けていましたし、母の店は飲み屋でしたので、カフェを開くには改装工事も必要になります。
ですが、改装工事費は馬鹿になりません。子供もまだ学校に通っている中、工事代も負担するなんてとてもじゃないですが無理な状況でした。
散々悩んだ挙句、
- 私
-
「うん、これはもう、私が改装するしかないな!」
と、決心しました笑。
DIYって流行ってますよね。私もちょっと違いますが、一通りの工具は持っていました。
それからは毎日が忙しかったですね。昼間は事務の仕事をして、夜や休みの日は改装工事。
壁を壊して、ペンキを塗って、テーブルも自分で作りました。気分はもう棟梁でしたよ。
リサイクルショップからのよしみで、知り合いに「なんでも屋さん」という人がいまして。たくさんお手伝いいただきました。
やはり男性でしかできない作業(重い資材を運んだり)もありますので、本当に助かりました。
4転職後
新しい職場で、待ち受けていた状況は。
事務職で働いていた会社は人手不足だったのもあり、私の後任が決まるまでは、しばらくの間会社とカフェを往復する生活でした。
体力的にはもちろん疲れていましたけど、カフェの方でもう一つ頭を抱える出来事が……。
改装前が飲み屋だったので、スナックのような場所なのかと勘違いしたお客様が、お店で酔っ払って騒ぎ出すことが多々あったのです(カフェでもお酒は扱っていたので)。
そんなお客様に対して、どのように接すればいいのかが分からなかったのです。
その酔っ払いというのが、近所の飲み屋のマスターなんですけど。
私の店では、週に一度将棋倶楽部のお客様たちが集まって将棋をしていました。
最初はお客様として来ていただいていたんですけど、もう「ここ(私の店)を会場にしてもらおう!」と思い、週一で倶楽部を開催していました。
そのマスターも、最初のうちは将棋に混ざりたいからと顔を出していたのです。
ですがそのうちに将棋はやらずずっとお酒を飲んでいたり、将棋倶楽部の方に何やら話しかけている様子……。
しばらく観察していたり、将棋倶楽部の方にお話を聞くうちに、私はピンと来ました。
- 私
-
(ははん、ゆくゆくは将棋倶楽部を自分の店に持っていくつもりだな)
ですが、将棋倶楽部の方は穏やかな方ばかりで、強引なマスターの誘いにも迷惑している様子でした。
そしてついに、マスターと将棋倶楽部の方で口論に発展してしまったわけです。
しまいにはマスターの矛先は私に向かい、
- マスター
-
「お前が終わったあとメンバーを連れてうちの店に来るべきだろう!」
と怒鳴られました。
……ちょっと考えてみましたけど「ん?」という理屈でしたし、お店とお客様は私が守る!という正義感から、私は思わず怒鳴り返しました。
- 私
-
「うちの店で騒ぐなら、今すぐ出て行け!二度と来るな!」
──と。その後はマスターもおとなしくなりました。
5その後、どうなったか。
転職を振り返って、今思うこと。これから、目指したいこと。
接客の仕事をすると、人の良い面も悪い面も垣間見ることになります。
しかし大切にしなくちゃいけないのは「お店の雰囲気を守ること」だと思いました。
雰囲気を守るということは、すなわちその店を好んで通ってくださっているお客様を守ることでもあります。
強い信念を持ち、自信をもって営業する。あくまでお店のルールの中で快適に過ごしていただけるように、私も気遣いができなければ、と強く感じています。
そして私自身の未熟さで言えば、酔っ払ったお客様に対し、どこか軽蔑的なまなざしを向けていたことです。
もっと大人にならなくちゃなと思います。
◇ ◇ ◇
私が住んでいる場所は離島で、人口にして約1万人ほどの小さな場所です。
狭い地域なので顔見知りも多く、色々な人に出会います。
カフェには比較的若いお客様が多く、その中でも悩みを相談してくださる方もいます。
みんな、どこかで何かに悩んでいるのだな、と思います。
話を聞くくらいならいくらでもできるのですが、それだけでは埋められない傷や悩みを抱えている方もいると思います。
そんな方のための交流の場を設けられたらな、と思う今日この頃です。
手始めに毎月、バーベキューやたこ焼きパーティーなんかを開催しています。
都会に比べれば娯楽の少ないこの場所で、皆さんにとっての「日常の楽しみ」になってほしいです。
そして何より私自身も、その輪の中で楽しく生活ができたら、そんなに嬉しいことはありません。
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