親の介護をきっかけに銀行員を退職。「前職より高い給与は、まず無理だろう」|私の転職体験談
ちょっと失敗
転職前
- 職業
- 銀行員
- 職種
- 金融
- 従業員規模
- 1,400人
- 年収
- 950万円
転職後
- 職業
- 医療事務
- 職種
- 事務
- 従業員規模
- 100人
- 年収
- 500万円
目次
夏祭りさんの転職ストーリー
1これまでの私
順調に出世コースを進んでいた行員時代。
私は当時、銀行員でした。
バブル崩壊、リーマンショック等、金融業界は常に逆風に吹かれている状況でした。
それでも、地域の皆様のため、奔走してきました。
私が勤務していた頃は、積極的に融資を提案し業績を上げるというよりは、もう少し保守的に、お金の回収業務など再生に向けて動いていた印象です。
非常に大変な時代でしたが、自分自身とても成長できたと思っています。
真摯に業務に取り組み続けた甲斐あってか、順調に昇進もできましたし、30代後半には重要なポジションも与えられました。
そのことは私に、大きなやりがいと使命感を与えてくれました。
家族構成は妻と子供2人です。
やはり銀行員は転勤も多く、単身赴任で週末に家族と過ごす、という生活を送っていました。
家族との時間が、私にとっての生きがいでした。
2転職のきっかけ
母の死去。父の世話を担うことに。
そんな私が転職を決意したのは、母が脳梗塞で亡くなったのがきっかけです。
遺された父も高齢でしたので、身の回りのフォローなどに回ってあげなければ、と思ったのです。
私には2人の妹がいますが、やはり長男である私が父の面倒を見るべきだろうと思いました。
しかし実家は勤務先から離れていましたので、銀行で働きながら父のもとに通うのは実質的に無理な状況でした。
上司からは
- 上司
-
「実家の最寄りの支店へ異動するのはどう?」
と打診されたのですが、また数年で異動になるだろうことを考えると、あまり現実的な選択では無いように思えたのです。
そのため、そのお話はお断りしました。
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また、当時の銀行の体制にも疑問を抱えていました。
長期的な視野を持って収益構築に臨むべきところを、手の届く範囲の収益確保にばかり手を伸ばす。そして結果的に収益が伸びないという負の連鎖。
そしてそんな状況を認めず改善しようとしない上層部の態度……。私としても、そのような体制の中に身を置き続けるのにも限界が来ていました。
3転職活動中
「前職より高い給与は、まずあり得ないだろう」
転職活動にあたってまず初めに行ったのが、ハローワークでの失業保険受注の手続きでした。
やはり転職活動が長期化した場合のことも考えると、一定の収入は確保しておかなければ、と思いました。
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私が幸運だったのは、ハローワークに知人が勤務していたことです。
手続きもスムーズに済みましたし、私の希望や、それに見合う企業探しも行ってくれました。
ちなみに私の希望事項は、「前職とは違う分野の仕事であること」「失業保険給付終了を待っての就職」の2点です。
後者に関しては、少し休みの期間を取って、家族と過ごす時間が欲しかったからです。
そうして休みの期間に考えたのは、
- 私
-
「前職より高い給与はまずあり得ないだろうな」
ということです。
しかし、これまで通り家族を養っていかなければなりませんし、それに加えて父の面倒も見なければいけません。
給与の問題は一番の悩みの種でした。
前職の経験から、資産運用に関する知識や資格は有していたので、株式、FXで利益を上げようと考えました。
その日から必死になって勉強し、実際のトレードに臨んだりもしていました。
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4転職後
新しい職場で、待ち受けていた状況は。
転職後は医療事務として勤務しています。私のポジションは管理職になります。
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転職先の求人募集の理由を聞いたときは驚きました。
私の前任者が病院から数千万円ほどを着服していたそうです。
その方が失踪してしまったがために、後任が必要だったようです。
私なりに(前職の癖が抜けていなかったのかもしれません)管理体制を調べてみたところ、資金管理を前任者1人で行っていたため、そのようなことが起こったのだろう、という結論に至りました。言ってしまえば、やりたい放題の環境だったわけです。
私は最初の業務として、「リスクが生じやすい業務に対しての、チェック機能の強化の徹底」を理事長に提案し、採択してもらいました。
それに伴って税理士や銀行などの関係各位へも、今後の事業展開に関する情報共有に奔走しました。
銀行員時代にも経理担当の着服事案はありました。
それでも転職後いきなりこんな事件処理をすることになると思っていませんでした。
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5その後、どうなったか。
転職を振り返って、今思うこと。これから、目指したいこと。
前任者の着服事件や、それに伴う作業工程の見直しにより、従業員のモチベーションに変化が無いか心配でした。
しかし、皆さんむしろ「気づかなかった自分たちも悪い」と反省されていました。
私は
- 私
-
「きっと、自分には関係ないと思って、他人事のように見ているんだろうな」
と思っていたので、そんな自分を恥じました。
そのような素直な方ばかりですので、人間関係も良好で、ストレスなく働くことができています。
ただ、職場のコンプライアンス意識はやや希薄な印象です。
部署間のコミュニケーション機能についてもまだまだ改善の余地がありそうです。
今後も、気になったことがあれば新しい提案ができるよう努めていきたいです。
◇ ◇ ◇
病院自体の経営は順調で、今後も新たに病院を建設する予定があります。
私自身も銀行時代には多くの新規事業のお手伝いをしてきました。
その経験を活かすためにも、ファイナンスの知識を駆使して、病院のに貢献したいという思いがあります。
新たな病院建設の事業計画、設計プラン、銀行との交渉などの一翼を担い、計画の実現化を推し進めていきたいです。
そして、新規の病院が開業した暁には、単に病院の事業拡大の一面だけではなく、「地域のみなさんにとって、なくてはならない存在」になる病院を目指していきたいです。
その中で私自身も成長していけたら、という思いです。
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