私の転職体験談:40代ソフトウェアエンジニアとしての転職。「管理職経験の無さ」が裏目に出て。
転職前
- 職業
- ソフトウェアエンジニア
- 職種
- IT・通信・インターネット
- 従業員規模
- 1,000人以上
- 年収
- 720万円
- 会社名
転職後
- 職業
- ソフトウェアエンジニア
- 職種
- IT・通信・インターネット
- 従業員規模
- 240名
- 年収
- 800万円
- 会社名
目次
とりいさんの転職ストーリー
1これまでの私
研究に没頭することに魅力を感じ。

ソフトウェアエンジニアとして勤めてきました。
私の会社はインクジェットプリンターが主力事業で、その開発部門で勤務していました。
私が主に携わっていたのは画像処理技術に関する研究です。
その他にもAI等の先進技術の導入や産学連携の推進に力を入れていました。
研究自体は私の性格に合っていると思います。
特に昇進を望んでいるわけではなかったので、40歳を過ぎても部下はいませんでした。
研究の成果として特許を出願するのが目標でした。
自分の技術を後世に残したい。そんな気持ちがあったからです。
家族構成は妻と3人の子供たち。
10年前から、お金をためて購入した持ち家に住んでいます。
2転職のきっかけ
先行きの見えない会社の現状に耐え切れず、転職を決意。

競合他社と比べると、今一つ売り上げが伸び悩んでいる時期が続きました。
それに伴い、社内の空気も徐々に閉塞感が強まっていたように思います。
ある日、経営刷新が行われ、外部から多数の人材が招聘される、といった出来事がありました。
そのおかげで売り上げも回復、となればよかったのですが、結果は芳しくなく。
かえって社内の閉塞感は高まり、私自身も将来への不安を高めるようになりました。
また、「技術さえ上がれば、待遇も上がるだろう」と、積極的に管理職を目指さなかったことも裏目に出始めました。
徐々に私よりも年下の社員が上司になり始め、複雑な気持ちを抱えていました。
以前は比較的自分の意見を主張できていたのですが、それもできなくなっていき、不満は溜まっていく一方でした。
3転職活動中
家族に支えられながら、執念の転職。

そのような背景があったので、私は転職を決意しました。
転職にあたって、家族が支えになりました。
社内の同僚には何となく相談ができず(上にバレたら……という危惧がありましたので)、そこで言えない悩みも、妻は聞いてくれました。
私の会社では以前に、転職活動をしていることが分かった途端、機密情報を漏らしたとして解雇された方もいました。
そういう会社だったのです。
- 妻
-
「あなたの人生なんだから、悔いのないように色々とチャレンジしてみたら」
妻の言葉が、そっと私の背中を押してくれていました。
ですが実際、40代の転職は厳しいものでした。
様々な企業の面接を受けては落とされ……を繰り返し、ようやく内定をいただけたのは転職活動を始めてから半年後です。
自宅は静岡あるのですが、首都圏にある企業面接にも足蹴く通っていましたので、その際の交通費もかさみました。
妻には家計の面でも不安にさせましたし、それでも文句ひとつ言わなかった妻には、本当に感謝しています。
4転職後
新しい職場で、待ち受けていた状況は。

前職と同じソフトウェアエンジニアとして転職しましたが、業務内容は想像していたものとは異なりました。
研究職での採用だったはずが、実際に入社してみると管理職(マネージメント)系の職務がほとんどだったのです。
そちらの分野への知識は乏しかったため、周りの期待にも応えることができず、あまり職場に馴染めませんでした。
入社して1週間後に、上司から要領の悪さを叱責されたこともありました。
- 私
-
「そうは言われましても、採用時とは違う仕事内容ですし、何らかの説明をいただけませんと……」
そう言っても、上司からは「慣れるしかない」という無責任な一言だけ。
仕事の成果を全然上げられませんでした。
研究にあたっての「計画立案と部署のマネジメント」が私に課せられた業務だったのですが、研究自体を主に行ってきた私には、計画を立てる能力はおろか、マネジメントスキルも備わっていなかったのです。
5その後、どうなったか。
転職を振り返って、今思うこと。これから、目指したいこと。

内定をいただけた時は嬉しかったのですが、やはりその会社がどういう場所なのかを知るには、実際に働いてからでないと分からないのが転職の難しいところだと思います。
今回の転職活動は、私にとっては2回目でした。
はじめの転職は30代の時で、その際の転職活動はスムーズに行えたという実感があったため、「今回も何とかなるだろう」と高をくくっていました。
実際には30代と40代では企業からの求められ方も全く異なります。
やはり40代の社員に求められるのは管理職スキルなのでしょう。
これまで管理職になるのを避けてきたことが悔やまれます。
ある日、私の業務に対して上司からの叱責メールが届きました。しかも、社内一斉送信です。
非常に不快な気持ちになりました。
◇ ◇ ◇
大変な思いをしながら転職をして、新しい職場でより大変な仕打ちを受けました。
企業の求める人間像には近づけないと判断した私は、結局その会社を退職するに至りました。
今は、以前の職場でお世話になっていた上司が独立して興した会社にお世話になっています。
収入は減るに至りましたが、パワハラも無く、良い環境で働くことができています。
家族との時間も増えました。
支えてくれた家族のためにも、今の所属先で全力を尽くしたいと思います。
そして将来的には自分で会社を興すのが目標です。
そのための人脈づくりや知識を、日々蓄えている最中です。