スーパーマーケットの正社員になるには? 仕事内容と未経験から転職のポイント
[最終更新日]2022/05/12

食料品や日用品の買い物に訪れる機会の多いスーパーマーケット。多くの人にとって身近な存在であるスーパーマーケットで働いてみたいと考えたことはありませんか?
スーパーマーケットで正社員として働くとしたらどのような仕事をするのか、どんなやりがいや大変なことがあるのか知りたい人もいるでしょう。
目次
1)スーパーマーケット正社員はどんな仕事?
はじめにスーパーマーケットの正社員がどのような仕事をしているのか、仕事内容の概要を見ていきましょう。
実は、消費者としてスーパーマーケットを利用していて目にする仕事内容は、スーパーマーケットの仕事のごく一部に過ぎません。まずは仕事内容への理解を深めておくことが大切です。
また、未経験からスーパーの正社員になることは可能かどうか気になっている人もいるはずです。
異業種から転職する場合には重要なポイントとなりますので、しっかりと理解しておきましょう。
スーパーの正社員の主な仕事内容

接客・販売
スーパーに来店されるお客様への接客・販売業務は、パートやアルバイトスタッフだけでなく正社員も担当します。
とくに入社して間もない時期には現場での業務を一通り経験することになるため、接客・販売は必ず通る道になると考えてください。
接客・販売の仕事内容としては、レジ打ちや店内の案内、サービスカウンターでの対応、ポイントカードの発行・ポイント付与などが挙げられます。
大半のスーパーでは商品のバーコードを読み取るだけでレジ打ちが完了しますが、最もお客様の目に触れる業務のため感じの良い対応や気配りが求められる仕事です。
品出し・在庫管理
納入業者から届いた商品を検品し、所定の商品棚へ陳列していく仕事です。消費・賞味期限を過ぎた商品が陳列されていることのないよう、マニュアルに従って商品棚の入れ替えを行います。
また、品切れが発生することのないよう適切に在庫管理を行うことも重要な仕事の1つです。
発注業務は店長やマネージャーがまとめて行うことも多いものの、各売り場での在庫状況を正確に報告するのはスタッフの役割となります。
最近はネットスーパーを利用できる店舗も増えているため、ネット注文された商品のピックアップを担当することもあります。
品出し・在庫管理は、スーパーの品揃えと品質を支える重要な仕事といえるでしょう。
マネジメント
スーパーではパート・アルバイトスタッフも大勢働いています。
パート・アルバイトスタッフを適切に管理し、店舗全体が円滑に運営できるよう指導していくことも正社員の役割です。現場ではパート・アルバイトスタッフと同じ仕事を担当することもありますが、正社員にはマネジメントの視点も求められるという違いがあります。
パート・アルバイトの中には、店舗での就業年数が長いスタッフもいるはずです。
雇用形態こそ違うものの、一緒に店舗を作り上げていくスタッフとして協力していくチームワークが求められます。
正社員はスタッフをマネジメントする立場にありますが、時には経験豊富なスタッフから「教えてもらう」といった謙虚な姿勢を持ち続けることも大切です。
未経験からスーパーの正社員になれる?

スーパーの正社員になるにあたって、必須の資格や学歴はありません。中にはパート・アルバイトとしてキャリアをスタートし、社員に登用される人もいます。
また、中途採用の場合は本社勤務となることもありますが、研修期間には現場での業務を経験する期間が設けられるのが一般的です。
中途採用で入社する場合、未経験者でも意欲さえあれば採用される可能性は十分にあります。
ただし、接客や販売、食材加工などスーパーでの業務内容と親和性の高い職種の経験者であれば優遇されることもあるでしょう。
学生時代にスーパーでアルバイトをしていた人など、スーパーでの業務内容を理解している人も重宝される傾向があります。
では、完全な業界未経験者で前職の仕事内容もスーパーとあまり関わりのない場合はどうでしょうか。
スーパーによって採用方針は異なりますが、一般的には未経験者でも採用されやすい業種といわれています。
なぜスーパーで働きたいのかを明確に伝え、熱意が評価されれば転職できる可能性は十分あります。
2)スーパーマーケット正社員の仕事のやりがいと大変なこと
スーパーの正社員のやりがい

- 地域の暮らしを支える仕事に直接携わることができる
- お客様との距離が近く、感謝されることも多い
- 担当している売場の売上増加など、仕事の成果を実感しやすい
スーパーは地域の方々の暮らしを支える仕事であり、自分の仕事が地域のために役立っていると実感できる仕事です。幅広い年齢層の方々がスーパーを利用しますので、人の役に立ちたいと考えている人におすすめの仕事といえます。
また、お客様との距離が近く、反応がダイレクトに伝わってくることもスーパーの仕事の醍醐味です。
お客様から直接「ありがとう」と言ってもらえた時には、自身の仕事にやりがいを感じられるでしょう。
スタッフの対応によって、スーパーの評判が良くなることも十分にあり得ます。店舗の売上を支える重要な役割を担っていると実感できるはずです。
スーパーでは季節ごとにさまざまな企画を打ち出し、売場の配置を変更していきます。
お客様のニーズに応えるセール企画などを打ち出すことで、売上増加に大きく貢献できることも少なくありません。目に見える結果となって仕事の成果が分かることは、スーパーで働く大きなメリットといえます。
スーパーの正社員の大変なこと

- 業務範囲が幅広く常に忙しい
- お客様からクレームを受けることがある
- 昇進しない限り、給与水準はあまり高くない
スーパーで正社員として働く場合、パート・アルバイトスタッフがこなす仕事を正社員も担当しつつ、さらにマネジメントなど社員ならではの仕事も担当しなければなりません。
幅広い業務を担当することになるため、年間を通じて常に忙しくなることを覚悟しておく必要があります。
また、お客様と直接関わる場面も多いため、クレームを受けることも少なくありません。
パート・アルバイトスタッフの手に負えないクレーム処理を、正社員が代わりに引き受けなくてはならないこともあります。不満を抱えたお客様の中には語気を荒らげる方もいるので、メンタルの強さが求められるでしょう。
スーパーの正社員は未経験から目指せるのが魅力である一方で、後述する通り平均年収は決して高くありません。
能力や貢献度を評価され、昇進することができれば役職手当などが付いて給与水準が上がることもあり得るものの、一般社員であれば高収入はあまり期待できないのが実情です。
3)スーパーマーケット正社員の待遇と将来性は
スーパーの正社員の平均年収

スーパーの正社員の平均年収は356万円(※1)です。全業種の平均年収が433万円(※2)ですので、平均よりも約18%程度低い水準となっています。
ただし、勤務するスーパーの規模と担当するポジションによって年収には幅があり、昇進することでより高い年収を目指せる職場もあります。
たとえば、全国チェーンのスーパーで就業する場合、部門リーダーになれば年収400万円台、店長クラスで年収500万円台を得ることも可能です。
また、大手スーパーでは本社勤務の社員も含めると年収800万円以上を目指せる職場も少なくありません。一例として、イオン株式会社の平均年収は829万円(※3)となっています。
一方で、小規模なスーパーでは店長や管理職のポジションが限られており、昇進のチャンスも少なくなりがちです。転職先の企業規模や給与水準を事前によく調べ、将来的に希望年収に届くかどうかを確認しておきましょう。
※1)平均年収ランキング(96業種別の平均年収/生涯賃金)より
※2)令和2年分民間給与実態統計調査より
※3)イオン株式会社 2021年2月期有価証券報告書より
スーパーの正社員の将来性

スーパーは人々の暮らしに欠かせない食料品を扱う業種であることから、経営が安定している企業が多いのが特徴です。とくに大手スーパーの正社員であれば、将来にわたって安定的な収入を得ることができるでしょう。
ただし、近年はAmazonも食料品を扱うようになるなど、実店舗のないECサイトが競合関係になりつつあります。
顧客の利便性や満足度を高め、ネットショッピングにはない実店舗ならではのサービスを充実させていく工夫が欠かせません。
また、スーパーでの仕事は正社員であってもまずは売場からスタートするのが一般的です。
前述の通り決して平均年収が高い業界ではないので、年収を上げたい場合は昇進を目指す必要があります。
リーダーから店長、エリアマネージャーとステップアップしていくことを見据え、キャリアプランを立てておくことが大切です。
4)スーパーマーケット正社員への転職で意識すべき3つのポイント
スーパーマーケットは未経験からでも比較的目指しやすい転職先ですが、転職を成功させるには相応の準備が必要です。
経験者が優遇される点は他の業界と変わりませんので、業界未経験であれば入念に準備を進めておくべきでしょう。
未経験からスーパーの正社員に転職する際に、意識すべき3つのポイントを紹介します。
スーパーの正社員に求められる適性を知っておく

スーパーの正社員はハードな仕事です。専門知識が求められる仕事ではない反面、幅広い能力がバランスよく求められる職業と考えてください。スーパーの正社員に向いている人の主な特徴は次の通りです。
スーパーの正社員に求められる適性
- 長時間の立ち仕事に対応できる基礎体力がある
- 幅広い年齢層のお客様に合わせてコミュニケーションを図ることができる
- クレーム対応など想定外の場面にも臨機応変に対処できる
- 店舗全体を見渡して人をまとめられるマネジメント能力に長けている
- 顧客ニーズやトレンドに敏感で売場づくりを楽しめる
上記の適性は、スーパーが求めている人材像と読み替えることもできます。
自身の長所や強みに当てはまる点があれば、選考で存分にアピールできるよう準備しておくことが重要です。ポテンシャル重視で人材を採用するスーパーも多いことから、とくに上記のような汎用的な能力を意識しておく必要があります。
収入や将来性を考えるなら、大手チェーンがおすすめ

転職後の収入や将来性を考慮すると、限られた地域のみで営まれている小型のスーパーよりも大手チェーンのスーパーのほうがおすすめです。
大手チェーンのスーパーに転職する主なメリットとして、次の点が挙げられます。
大手チェーンのスーパーに転職するメリット
- 売上規模が大きく、社員の給与水準も高い傾向がある
- 転勤や部署異動によってキャリアアップできるチャンスが豊富
- 各種手当など福利厚生が充実している企業が多い
スーパーの規模が大きくなればなるほど、エリアマネージャーや本社の間接部門といった現場以外のポジションを担う人員も必要です。自身の適性に合ったポジションに異動できるチャンスが多く、将来性の面でも期待できるのです。
大手スーパーの中には、金融事業をはじめ消費者の暮らしに関わるさまざまなサービスを展開している企業も少なくありません。
多角経営を実現している大手スーパーは経営面でも安定性が高いため、正社員として長く働くのであればおすすめの転職先といえるのです。
スーパーの正社員支援に強い転職エージェントを活用する

スーパーの正社員求人は、さまざまな転職サービスで探すことができます。しかし、大手チェーンのスーパーなど転職希望者から注目が集まりやすい求人は、転職エージェントを通じてのみ応募可能な非公開求人というケースも少なくありません。
スーパーへの転職を成功させられる確率を高めるには、転職エージェントを活用することが重要です。
転職活動の際には、多くの人が「転職エージェント」を利用しています。
その主な理由は、国内の少なくない企業がハローワークや転職サイトではなく転職エージェントのみに「非公開求人」を出しているからです。

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ですが、私たちが転職エージェントを利用する際は「求人を紹介してくれる人」としてではなく、「転職活動全般を相談できる人」として活用したほうがより効果的でしょう。

上記図で表す通り、「求人紹介」は転職エージェントが提供するサービスの一部でしかありません。
それ以外のサービス、例えばキャリアプランのアドバイス(キャリア相談)、書類添削、面接対策などの選考通過のためのサポートも受けることによって、転職成功の角度を高めていけるはずです。
とくに、大手スーパーへの転職を目指す人は、その企業の採用の傾向や求められる人物像を知ったエージェントから、書類添削や面接対策のサポートを受けられるのは大きなメリットでしょう。
転職エージェントは各社に得意分野や転職支援に強い業界・職種があります。
小売業を中心にスーパーへの転職支援に強い転職エージェントを選ぶのがポイントです。
過去に未経験でスーパーへの転職に成功した事例があれば、未経験者に有効なアピールポイントを教えてもらうこともできるでしょう。
自身で求人を探すことも大切ですが、転職エージェントを併用することで有益なアドバイスを得ることができ、非公開求人の紹介も受けられます。
スーパーの正社員への転職支援に強いエージェントについては、次章で紹介します。
5)スーパーマーケットへの転職におすすめの転職エージェント
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拠点 | 北海道、宮城、東京(2か所)、埼玉、栃木、神奈川、静岡、愛知、京都、大阪、兵庫、岡山、広島、福岡 |
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スーパー正社員の公開求人数 | 約700件(2022年5月現在) |
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まとめ)スーパーへの転職は「入社後の働き方」を十分に検討しておこう
スーパーの正社員は、異業種からの転職先として有力な選択肢となり得ます。特別なスキルや資格を必要としないため、未経験からでも挑戦しやすいのがスーパーの仕事の魅力といえるでしょう。
一方で、転職後の仕事内容やキャリアプランについて十分に検討しておかないと、入社後のミスマッチにもつながりかねません。選考を通過できるかどうかだけでなく、入社後の働き方を見据えておくことが非常に重要です。
今回解説してきたポイントを参考に、ぜひスーパーへの転職準備を進めてください。十分に情報収集を行い、準備を整えた上で転職活動に臨むことで、後悔のないキャリアの選択ができるはずです。