30代でフリーターから正社員になるには?未経験からの転職を成功する3つのルート
[最終更新日]2023/09/08

「現在30代フリーターの方で、正社員として就職を目指している方、こんな悩みを抱えていませんか?
「正社員として働きたいけど、なかなかその機会を見いだせない」
「【未経験可】の正社員雇用の応募をしても通らない」
「30代から正社員になることの難しさを感じている」
目次
30代から正社員を目指すうえで、意識したいポイント

一般的に、フリーターからの正社員転換は、年齢の上昇に伴い難易度が高くなります。
採用する企業の多くで、実務未経験の人材について「なるべく若い年代の人を採用したい」という意識が働いているからです。
ですが、30代から正社員を目指すことは十分に可能です。
2015年に改訂された「日本再興戦略」※では、国は非正規雇用の労働者の雇用の安定と待遇の改善に向けて「正社員転換・待遇改善に向けた取組」を強化することを明言しています。
また、近年では企業側も「これからの変化の激しい世の中で、中長期的に一緒に働いてくれる人材」を求める機運は高まっており、以前と比べて「30代から正社員になる道」はより開かれつつあるのです。
※厚生労働省「正社員転換・待遇改善に向けた取組」より
30代で正社員を目指すなら、一日も早く行動を!
30代で、これから「正社員としての働き方」を目指すのであれば、活動は今すぐにでも始めるべきです。
冒頭でもお伝えした通り、年齢を重ねれば重ねるほど、「正社員化」への難易度は高まるからです。
一方で、30代はまだまだ思考力も柔軟で成長しやすく、体力的にも一番成熟している時期です。
いちど正社員になって2~3年の経験を積めば、大抵の場合は他の正社員の人達と遜色ない働き方ができるでしょう。
つまり、年齢的に一番若い日である「今日」が、あなたにとって最も正社員になる可能性を高められ、ひいては人生を切り開くチャンスを多く持てるタイミングなのです。
正社員を目指す「業種・職種」の目星を付けよう
30代のフリーターの方が「これから正社員を目指そう」としたときに、まず考えておきたいのが「どんな業種・職種」で働くかです。
これまでの人生で経験した仕事で、特定分野での知識・スキルが相応に培っているのでしたら、その業種・職種で正社員採用を目指すのも良いでしょう。
また、「30代からでも充分知識・スキルのキャッチアップが可能」であったり、「慢性的な人手不足にある」業種・職種では、30代フリーターからの正社員化に前向きな企業も少なくありません。
具体的に、どんな業種・職種があるのか見ておきましょう。
30代フリーターの人が正社員化を目指しやすい業種・職種の例
業種・職種 | 求人の特徴 |
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営業職 | 未経験でも求人が多い職種。 コミュニケーション力や礼儀正しさなどのスキルに自信がある人、人と接するのが好きな人におすすめです。 |
ITエンジニア、Webディレクター | 人材不足が深刻な業界。そのため未経験でも求人を募集していることが多いです。 ただし、未経験でもある程度スキルや知識が求められる場合が殆どですので、事前にスクールに通うなどのスキル向上の「自助努力」をしておくことが大切です。 |
事務職 | 人気職種のため、まずは「派遣社員」として実務経験を積むと良いでしょう。 経験を積みつつ「日商簿記検定」(2級以上)や「秘書検定」(準1級以上)の資格を取得すれば、正社員登用面談や転職面接などでのアピールポイントになります。 |
製造業 | 未経験での製造業への就職は、「期間工」として半年間や1年間など働いた後に正社員として登用される制度があります。 |
サービス業(販売、飲食) | フリーターの方はこれまでのアルバイトでサービス業の経験が豊富な人も多いはず。 そこで培った知識・経験を活かしてサービス業の正社員を目指すこともできます。企業によっては、正社員登用制度も用意されています。 |
介護職 | 介護職も人材不足が深刻な業界で、少子高齢化が今後も進む日本ではますます需要が高くなるでしょう。 資格を持っていなくても正社員登用されることも多く、また転職サービスや都道府県の支援制度を利用することで、資格を取得しながら就職を目指すこともできるのです。 |
カスタマーサポート | カスタマーサポートも、正社員登用制度が用意されている企業が多いです。 30代からの転職の際は、まず「派遣社員」または「契約社員」として採用され、その後その職場での正社員化を目指すのがおすすめです。 言葉遣いを含めた「礼儀正しさ」やコミュニケーション力に自信がある人におすすめです。 |
上記表の「30代フリーターの人が正社員化を目指しやすい業種・職種の例」からは、30代フリーターが正社員を目指す際に、大きく3つのルートがあることが分かります。
30代フリーターからの正社員ルート
- ルート1)直接正社員を目指す
→未経験から営業職、サービス業、介護職などの職種で正社員転職を行う。またはその他現在すでに知識・経験を積んでいる業種・職種から正社員化を目指す - ルート2)実務経験を積み、その後正社員化を目指す
→正社員登用のある企業で、まずは派遣社員として事務職、製造業、カスタマーサポートなどの職種で経験を積む - ルート3)スクールなどで知識・スキルを培った後に正社員化を目指す
→プログラミングスクールや職業訓練所でIT・プログラミングなどの専門知識を学ぶ
それぞれのルートを見て、まずはあなたにフィットするルートがどれになるのかを確認してみると良いでしょう。
以下の章からは、上記3ルート毎の具体的な方法・進め方について紹介していきます。
【ルート1】「直接」正社員を目指す

現在すでに知識・経験を積んでいる業種・職種があって、その分野での正社員化を目指す人、その他営業職、サービス業、介護職といった職種・業種を目指す人は、直接正社員を目指しての活動がおすすめです。
その際は「30代の正社員化に強い転職エージェント」を利用するとよいでしょう。

転職エージェントは、転職者への求人紹介のほか、キャリアプランのアドバイスや書類添削・面接対策などのアドバイスを無料で行ってくれます。
30代フリーターの人が正社員化の転職をする際に、転職活動を進めていく上での強力なパートナーとなってくれるのです。
以下に、30代フリーターが正社員を目指す際におすすめの転職エージェントを紹介します。
転職エージェントは始めに複数登録して、「ここのサービスが自分にフィットする」と感じたところに徐々に絞っていくと、より効果的な活動に繋げられるでしょう。
参考:30代から正社員化を目指す際の、おすすめの転職エージェント
サービス名 | マイナビエージェント![]() |
doda![]() |
リクルートエージェント![]() |
パソナキャリア![]() |
type転職エージェント![]() |
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メリット |
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デメリット |
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公開求人数 | 約4.7万件 | 約21万件 | 約44万件 | 約3.6万件 | 約1.2万件 |
得意業界/職種 | ◎全業界 | ◎全業界 | ◎全業界 | ◎全業界 | ◎全業界 |
対象年代 | ◎全年代 | ◎全年代 | ◎全年代 | ◎全年代 | ◎全年代 |
対象地域 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 | 東京・神奈川・埼玉・千葉 |
おすすめの人 |
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公式サイト |
表内の求人数は2023年9月時点のものです。
転職エージェントを利用する際に大切なポイントは、「自分に合った担当者を見つける」ことです。
どの転職エージェントを利用したとしても、担当キャリアアドバイザーのサービス品質の差はありますし、更にはあなた自身との「相性」の問題もあるでしょう。
先にお伝えした通り、なるべく最初のうちに複数の転職エージェントに登録して、自分に合った担当者を見出していくことをおすすめします。
参考:担当キャリアアドバイザーとの「相性」見極めポイント

- ポイント1:キャリアの相談に親身に乗ってくれるか。
- ポイント2:求人を紹介する際に「何故おすすめなのか」についてきちんと納得できる説明をしてくれるか。
- ポイント3:求人紹介の量・その後の連絡ペースが適切と感じられるか。
【ルート2】派遣社員などで「実務経験」を積み、正社員を目指す

「正社員になりたいけど、現在のスキル・経験では不安…」という方は、一度派遣社員(製造業の方は「期間工」など)で実務経験を積んで、その後正社員化を目指すといった、1クッション置いたプロセスがおすすめです。
その際に知っておきたいのが、「紹介型派遣」という仕組みです。
紹介型派遣とは
紹介予定派遣とは、まずは一定期間に派遣社員として働いて、勤務期間が終わった後に、求職者・転職者と派遣先が合意した上で正社員になれるという仕組みです。
つまり、「派遣社員として実務経験を積んだ後に、企業が正社員化の打診をしてくれる」ということですね。
紹介型派遣は、「入社してからのミスマッチを防げる」といったメリットもあります。
求職者側は企業の雰囲気や環境を実際に働くことで知れますし、企業側も働く姿を見ることで「戦力になるか」を判断できます。
派遣期間中にしっかりとパフォーマンスを発揮する、またはポテンシャルを見せられれば、正社員として採用される可能性は高くなるでしょう。
紹介型派遣は、人材紹介サービスから申し込めます。以下、紹介型派遣を行っている代表的なサービスを紹介します。
30代で「紹介型派遣」を目指す際の、おすすめの人材紹介会社
サービス名 | アデコ![]() |
テンプスタッフ![]() |
スタッフサービス![]() |
リクルートスタッフィング![]() |
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特徴 |
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求人数 | 約1.2万件 | 約5.6万件 | 約16万件 | 約1.0万件 |
対象年代 | ◎全年代 | ◎全年代 | ◎全年代 | ◎全年代 |
対象地域 | 全都道府県 | 全都道府県 | 全都道府県 | 全都道府県 |
おすすめの人 |
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公式サイト |
表内の求人数は2023年9月時点のものです。
「製造業」への正社員転職を検討している人は、「期間工」も検討を

期間工とは、製造業の工場などで一定期間働く「契約社員」のことです。
紹介予定派遣のように、勤務期間が終了した後に正社員として採用されるというわけではないのですが、「職務経歴」がつきます。
これは、就職活動を行う際のアピールポイントにもなるので、正社員として製造業などに就職するチャンスも増えるでしょう。
加えて、期間工の多くは寮が工場の近くにあり、食費や光熱費もかからないことがほとんどなので貯金ができます。
「まずは仕事の経験を積みたい」という方は、期間工に挑戦してみると良いでしょう。
参考:期間工の求人を扱っている転職サービス
転職サービス | 特徴 |
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![]() はたらくヨロコビ |
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![]() 工場求人ナビ |
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「本当にこの会社で働きたい」という職場がある場合は、「アルバイト」として入社するのも手

現在、「この会社でいずれ正社員として働きたい」と思っている会社があって、かつその会社で「正社員登用制度」がある場合は、アルバイト入社を検討してみるのも良いでしょう。
正社員登用制度とは、一定期間アルバイトとして勤務した後に正社員として登用される制度のことです。
会社からしても、新たに採用をかけて正社員の転職者を募るよりも、自社で優秀なアルバイトを正社員にしたほうが安心ですし、採用にかかる人件費も大幅に削減できます。
実際に、大手の上場会社にアルバイトとして入社し、その後正社員としてのキャリアアップを果たしたという人は少なくありません。
一点注意しておきたいのが、正社員登用制度は「必ずしも正社員になれる」ことを保証するものではないということです。
正社員になれない方もいれば、なれたとしてもアルバイトとして長期間働いた後に、ということも可能性としてあります。
また、正社員になるために試験を用意している企業もあります。
正社員化に向けては相当な努力と、かつ会社との信頼関係を構築していくことも求められるでしょう。
【ルート3】「知識&スキルアップ」後、正社員を目指す

最後に、30代フリーターが正社員化を目指す3つ目のルート、「現状からのスキルアップ」をして正社員になるルートについて見ていきましょう。
まず、このルートを選ぶ際は「目指したい業種・職種がある」ことが前提です。
単に「正社員になりたいから」という理由だけでスキルアップを果たそうとしても、何について勉強すれば良いのか明確でなければうまく行くはずもありません。
また、「自主学習でスキルアップを」と考えている人もいるかもしれませんが、この場合は相当な努力と根気がなければ挫折する可能性もあります。
スキルアップをサポートしてくれる専門機関を利用したほうが安心でしょう。
ハローワークの「職業訓練」を活用する
「スキルアップをサポートしてくれる専門機関」として、代表的なものにハローワークの「職業訓練」があります。
ハローワークを利用して無料の職業訓練を受けることで、就職する前に知識やスキルを身に付けられるのです。
訓練内容としては、「WEB制作」や「パソコン・オフィス」、「プログラミング」、「宅建不動産・金融FP」、「医療事務」、「介護」など、様々なコースが用意されています。
それぞれ「基礎コース」と「実践コース」に分かれていて、期間は3ヶ月から6ヶ月です。
加えて、収入などの一定の条件を全て満たせれば、月額10万円の給付を受けながら職業訓練を行えます。
詳しくは「職業訓練受講給付金(求職者支援制度)」厚生労働省にて、ご確認ください。
また、ハローワークでは、職業訓練に加えて「求人の紹介」も行っています。
ハローワークの求人は近隣が勤務地のものが多いため、お住いの近くで就職したい方にとっては良い方法です。
ただし、都市部にあるような待遇の良い大企業や人気企業は少なくなります。
「より多くの選択肢の中から選びたい」「なるべく条件の良い求人を探したい」という人は、2章で紹介した「30代フリーターが正社員を目指す際のおすすめ転職エージェント」にある転職エージェントの利用を優先することをおすすめします。
ITエンジニアを目指す人は、「エンジニアスクール」がおすすめ
「ITエンジニアとして、正社員を目指したい」という30代フリーターの方は、エンジニアスクールの活用がおすすめです。
こちらはハローワークの職業訓練と違って費用が発生します(おおよそ10万円~25万円程度)が、比較的短い期間で、かつ職業訓練よりも実践的なスキルを習得することが期待できます。
一昔前までは現地集合型のエンジニアスクールが多かったですが、現在はオンラインで受講できるエンジニアスクールも増えてきています。
また、受講後のキャリア支援を行ってくれるスクールもありますので、「ITエンジニアとしての知識・スキルを早い段階で獲得したい」という方は検討してみると良いでしょう。
参考:正社員としてITエンジニアを目指す際の、おすすめのエンジニアスクール
エンジニアスクール | 特徴 |
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![]() コードキャンプゲート |
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![]() DMM WEBCAMP |
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![]() Tech Academy(テックアカデミー) |
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まとめ)30代フリーターが正社員を目指すなら今!

今回の記事でご紹介した、30代フリーターが正社員を目指すための方法は以下の通りです。
30代フリーターからの正社員ルート
- ルート1)直接正社員を目指す
→未経験から営業職、サービス業、介護職などの職種で正社員転職を行う。またはその他現在すでに知識・経験を積んでいる業種・職種から正社員化を目指す - ルート2)実務経験を積み、その後正社員化を目指す
→正社員登用のある企業で、まずは派遣社員として事務職、製造業、カスタマーサポートなどの職種で経験を積む - ルート3)スクールなどで知識・スキルを培った後に正社員化を目指す
→プログラミングスクールや職業訓練所でIT・プログラミングなどの専門知識を学ぶ
ご自身が就職活動を行う上で活用できそうな方法はありましたでしょうか?
もし、「これだ!」と思うものがあればすぐにでも行動に移しましょう。
大切なことは、「行動に移すこと」です。
誰でも、はじめは「未経験者」からのスタートです。
「いずれチャレンジしよう」よりも「今月チャレンジしよう」、「明日から始めよう」よりも「今日から始めよう」という風に、「今から行動する」ことを意識して、取り組んでみてください。
より良い就職・転職活動と正社員化へのチャレンジに向けて、この記事がお役立てできることを心より願っています。