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あなたの会社が吸収合併(M&A)されたとき、どうする?留まるか転職かの判断軸

[最終更新日]2022/10/18

会社が吸収合併されたら?留まる?転職?

勤務先が吸収合併(M&A)されることになった際、「そこにいる社員の 4 割以上が転職を考える」といいます(※1)。

今まさにM&Aを受けて、または合併・買収によって職場環境が大きく変わろうとしていて、「留まるべきか、転職すべきか」を悩んでいる人も多いでしょう。

※1 参考:「意識調査2016分析結果:被買収企業、M&Aの発表を聞いて転職を考える人は4割以上」クレイア・コンサルティング株式会社

目次

1)合併(M&A)とは、どういうものか

M&A(企業の合併・買収) 合併・買収された側の企業は買収した企業の組織の傘下に入る

M&AはMergers & Acquisitions(合併と買収)の略語です。

本来は資本業務提携も含みますが、一般的にM&Aという場合には企業の合併・買収を指します。
よって、本記事においても自社が合併・買収されるケースについて解説していきます。

企業が合併・買収されると、一般的には買収した側の企業へと経営権が移ります。
したがって、合併・買収された側の企業は買収した企業の組織の傘下に入るのが基本です。

とくにリーダークラス以上の役職者は合併先のポジションとバッティングしやすいことから、実質的な降格扱いとなるケースも少なくありません。

なぜ会社は合併(M&A)をするのか

会社が他社と合併をする主な目的は、次の5点が挙げられます。

  • 事業規模の拡大のため
  • シナジー効果を得るため
  • 経営の立て直しのため
  • 事業承継・後継者を得るため
  • 創業者の利益確保のため

事業規模の拡大のため

M&Aによって、合併先企業は事業を譲り受けることができます。
合併先企業がこれまで着手していなかった事業領域にも進出できるため、事業規模を効率よく拡大できるのです。

合併する企業の事業がすでに軌道に乗っていれば、1から事業を立ち上げなくてもノウハウや販路、人材といったリソースを獲得できます。

シナジー効果を得るため

合併する企業と合併される企業の事業に類似性がある場合、技術やノウハウを取り込むことで既存事業をいっそう強化できます。

結果的に事業を展開するスピードが向上したり、ノウハウがより研鑽されたりする効果が期待できます。
事業のシナジー効果を高めることで市場競争力の増強を図ることも、M&Aの目的として多く見られます。

経営の立て直しのため

企業が経営不振に陥っている場合、経営の立て直しを図るためにM&Aに応じることもあります。
自社と比べて体力のある企業に合併されることにより、事業支援や資本注入を受けられるからです。

事業承継・後継者を得るため

企業の後継者不在の課題を解決するためにM&Aが行われることもあります。
事業承継によって、より長いスパンでの企業存続を目指すことが主な目的となります。

創業者の利益確保のため

M&Aによって株式譲渡が行われると、合併される側の企業の創業者は売却益を得られることがあります。
資本・株式資本の合計と売却額の差額は創業者利益と呼ばれ、M&Aに応じる理由の1つです。

M&Aの成功率は、36パーセント

M&Aの成功率は、36パーセント!失敗の要因は… ●合併・買収前の調査不足 ●組織再編の失敗

上に挙げたM&Aの目的は、(「創業者の利益確保」以外においては)どれも社員にとってもプラスになりうる取り組みです。

一方で、デロイトトーマツコンサルティング社の調査によると日本企業のM&Aの成功率はおおよそ36%(※2、3)。

失敗の要因は様々ですが、多いのが「合併・買収前の調査不足(明るみになっていないリスクがあった)」、「組織再編の失敗(新たに設けた人事制度が機能しなかった、キーマン同士の対立、およびそれら要因に伴う退職者の続出等)」などです。

※2 参照元:デロイト トーマツ コンサルティング社「M&A経験企業にみるM&A実態調査(2013年)

※3 成功率の定義:上記※2の調査において、およそ8割超の企業がM&Aの目標達成率80%を成功と定義しており、そのうち実際に目標達成できた割合が36%だった。

2)合併(M&A)後に転職すべきか留まるべきか悩んだ際の、3つの判断軸

M&Aの成功率は36パーセントと聞いて、「すぐに転職活動を始めなければ!」と思った人もいるかもしれません。

ですが、それだけを理由にすぐに転職するという判断はおすすめしません。
どういうことかというと、前述の調査で残りの63%の企業は「失敗」と言っているわけではなく、「成功・失敗のどちらでもない」と答えている層が48%もあるのです。

過去のM&Aを振り返って、目標他性を振り返るとどのように評価できますか。 成功した:36% どちらでもない:48% 失敗した:16%

※2 参照元:デロイト トーマツ コンサルティング社「M&A経験企業にみるM&A実態調査(2013年)

実際、M&A後は組織変革が進みやすく、合併前よりも状況が悪くなることもあれば好転することもあります。

また、前述したM&Aの目的はすぐに結果が顕れるものではありません。
M&Aによって職場環境が良くなるかどうかは、しばらく様子を見てみければ判断できないことが多いのです。

したがって、転職のカードはM&A後の状況を見極めるまで取っておくのが妥当でしょう。
性急な判断は転職失敗にもつながりやすいため、まずは落ち着いて状況を見極めていくほうが得策です。

ここで、「その見極めはどのような観点で行うとよいか」と悩む人もいるはずです。
見極めをなるべく早く行いたい人は、まず以下の3点を判断軸に検討してみましょう。

当面の年収は現状をキープできるか

雇用条件や、年収が上がるのか下がるのか、十分に確認し、不安や疑問点を解消しておく。

M&A後は、一定期間経過後に合併先の給与体系に統合されるのが一般的です。
人によっては従来よりも給与が下がるなど、不利な扱いを受ける可能性もないとは言い切れません。

ただし、合併される企業の従業員は年収水準を1〜2年間は保証されるケースがほとんどです。
雇用条件が合併先と統合された結果、不利益を被る可能性のある従業員に対しては、個別に説明の機会が設けられるでしょう。

雇用条件がどの程度変わるのか、年収が上がるのか下がるのかといった点をここで十分に確認し、不安や疑問を解消しておくことをおすすめします。

その上で、もしどうしても納得できない条件があるようなら転職という選択をするのもよいでしょう。

今後も自分が成長または活躍できると思えるか

合併後の組織で、自分自身が成長・活躍できるかどうか見極める。判断軸となるポイントは、 ①尊敬できる人物を見つけられるか ②新しい知識や経験を得る機会がありそうか ③いずれ自分が期待する働き方ができそうか

合併後の組織で自分自身が成長・活躍できるかどうかも重要なポイントの1つです。

M&Aによって事業がスケールし、仕事の幅が広がることは十分に考えられます。
一方で、同僚や上司、担当する仕事内容が一変することも十分に想定されるため、長い目で見て自分にとってプラスになるかどうかを見極めましょう。

主な観点として、次の3点を判断軸とすることをおすすめします。

  • ① 尊敬できる人物を見つけられるか
  • ② 新しい知識や経験を得る機会がありそうか
  • ③ いずれ自分が期待する働き方ができそうか

とくに①に関しては、新たに着荷した上司や同僚の顔ぶれから直感的に判断しがちな要素です。
一定期間働いてみないと分からない部分もあるため、先入観で判断しないように注意しましょう。

②③についても、直近で自分に与えられた役割だけでなく、部署や企業全体としての事業方針をよく見極めておくことが大切です。

職場環境を「良くしていこう」と思えるか

合併後の職場環境を「良くしていこう」と全く思えないなら、早めに退職・転職を検討するのがおすすめ

ここまでに挙げたポイントを押さえた上で、まずは「今後の職場を良くしていくため」の努力を重ねることが重要です。
しかし、場合によっては合併後の職場にポジティブな要素を1つも見出せない・良くなっていく気がしないということもあるでしょう。

もし職場環境を「良くしていこう」と全く思えないようなら、早めに退職・転職を検討することをおすすめします。

ネガティブな感情を抱えるからには、相応の理由や原因があることでしょう。
しかし、そのような心理状態で勤務し続けることは、同僚や取引先・顧客にとって、さらには自分自身にとってもマイナスに働いてしまう可能性が高いです。

M&Aという一連の状況に対して、自分自身の心理状態を本音の部分で探っておくことをおすすめします。

3)合併(M&A)を受けて「転職しよう」と思った時の、取り組み3点

転職するきっかけがM&Aだったとしても、転職活動そのものは通常のケースと変わりません。
転職先の確保をゴールにするのではなく、転職後のキャリアも織り込んで準備を進めていくことが大切です。

とくに次の3点については、転職に際して必ず押さえておく必要があるでしょう。

まずは、キャリアプランを立てよう

予想していたキャリアプランとの分岐点イメージ 「こっちの道は予想外だった…どうしよう?」

最初に取り組んでおくべきことはキャリアプランの策定です。

キャリアプランが明確になることで転職先に求める条件が絞り込まれるだけでなく、転職後に目指すべき到達点を踏まえて仕事に取り組むことができます。

キャリアプランを立てる主なメリットは次の通りです。

  • 「将来のありたい姿」が実現されやすくなる
  • 仕事への長期的なモチベーションが得られる
  • 転職活動での「自己PR」に繋げやすい

とくに勤務先のM&Aが直接的な転職理由の場合、「将来のありたい姿」をしっかりと確立しておくことが重要なポイントです。

応募先企業が知りたいのは過去の出来事ではなく、入社後にどんな活躍をしたいのか、何を目指して働いていきたいのかといった未来への見通しです。
キャリアプランを立てることで、自身の未来像を明確化しておきましょう。

キャリアプランの立て方

キャリアプランを立てる際の基本的な流れは、下図の4ステップです。

キャリアプランの建て方 Step1 キャリアの棚卸しを行う これまで経験した業務を洗い出します。そして更に「得意なもの」「これからも続けていきたいこと」についても考えていきます。 STEP2 新たにチャレンジしたいことを考える STEP1で出したリストを見ながら、「新たにチャレンジしたいこと・実現したいこと」を考えてリストに追加します。 STEP3 実現するために、必要な知識・スキルを考える STEP2の「実現したいこと」を叶えるために、どんな知識・スキルが必要になるか、またそのために求められるアクションを考えます。 STEP4 キャリアプランのスケジュールを建てる STEP2と3で導き出した「実現したいこと」と「必要なアクション」を時系列で整理します。 ※ まず1年~3年のスパンで考えると、整理しやすいです □キャリアプランの例 1年後 実現したいこと ・リーダー職 ・ディレクターとして充分な業務遂行スキルを持つ そのためにやること ・ディレクションスキルを高める ・業界知識を深める 3年後 実現したいこと ・マネージャー職 ・プロジェクトの責任者として活躍 そのためにやること ・マネジメントスキルを高める ・育成スキルを高める 5年後 実現したいこと ・自身のサービスを手掛ける、または独立起業 そのためにやること ・事業運営の上流から下流までの経験 ・経営の知識を深める

STEP1で自身が今できること・強みとなることを洗い出しましょう(現状把握)。
次にSTEP2で今後取り組みたいことを書き出していきます(将来像の策定)。

STEP3では、できることとやりたいこととのギャップを埋めるために必要な知識・スキルを明確化します。
最後にSTEP4で向こう1〜3年のアクションプランを整理します。

「やりたいこと」は、必ずしも「現状できること」でなくても大丈夫です。
現状できることの範囲内で転職先を探すと、選択肢が限られてしまうこともあるからです。

一方で、現状と理想とギャップがあまりにも大きいと、理想を叶えるための手段が限られてしまうので注意が必要です。

自分にとって「現実的に目指せる」こと、そしてそれを「実現したいと思えること」を意識してキャリアプランを創っていきましょう。

絶対に揺るがない「転職方針」を立てる

転職に求める条件に優先順位をつけることで、応募すべきかどうかといった判断を下すときの軸になる

キャリアプランを立てたら、次に向こう1〜3年間で実現したいことを叶えられる職場の条件を言語化していきます。
条件は1つだけでなく複数挙がることも多いでしょう。まずは転職先に求める条件を思いつくままに書き出して構いません。

ただし、転職の方針を立てる際には書き出した条件に優先順位を付けておく必要があります。
転職先に求める条件として「これだけは絶対に譲れない」という最優先事項を決めておくことで、揺らぐことのない転職方針を定められるからです。

転職方針が曖昧なまま求人を探し始めると、条件の良さそうな企業を見かけるたびに判断軸が揺らぎがちです。

結果的に自分が最も叶えたいはずの条件を満たしていない職場に転職してしまう恐れがあります。希望条件には必ず優先順位を付け、優先度の高いものを転職方針として掲げましょう。

転職活動は在職中から。中長期的にじっくり進める

急ぎの転職は結果としてミスマッチ転職になりやすいため、中長期的な活動を意識する
 

M&Aに伴う転職の場合、現状の職場環境に嫌気が差しているケースも少なくないはずです。
そのため、「できれば早く転職したい」という心境になりやすい面があります。

しかし、慌てて転職先を見つけようとすると失敗するリスクが高まることは十分に理解しておく必要があるでしょう。希望条件に合致する企業がタイミングよく求人を出しているとは限らないからです。

転職活動は「通常、一定期間を要するもの」であることを念頭に置き、在職中から中長期的な視点を持って進めていく必要があります。
現状の職場環境に不満があるからといって、退職を急ぐのはあまりおすすめしません。

少なくとも向こう半年間は転職活動を続けるつもりで、現在の職場で就業を続けながらじっくりと転職先を吟味するほうが得策です。

4)ひとまずでも「留まろう」と思った際の、取り組み3点

M&Aによって職場環境が一変したとしても、すぐに転職を決断するのが正解とは限りません。

ひとまずでも現在の職場に留まるという決断をしたのであれば、留まっている期間を有意義に過ごすことを意識するべきでしょう。
とくに次の3点を重視して取り組んでいくことをおすすめします。

否定から入らないこと

新たな環境に対して否定から入らず、フラットな視点で捉えることが大切

合併先の企業と従来の職場では、企業文化や事業方針が大きく異なることも想定されます。
場合によっては、これまで大切にしてきた文化や理念を根本的に見直さなくてはならない局面に立ち会うこともあるでしょう。

このとき注意しておきたいのが、新たな環境に対して否定から入らないことです。
環境が大きく変わるのは自明のことと捉え、変化に対して「おかしい」「違和感がある」といった受け止め方をしないよう意識する必要があります。

合併先の理念や方針には、必ず何らかの根拠や理由があるはずです。
先入観や固定観念に囚われず、「なぜこうなっているのだろう?」とフラットな視点で捉えるスタンスを大切にしてください。

実際、合併先企業への理解を深める姿勢が求められるケースも多いため、疑問点は積極的に質問することも大切です。

相手のリクエストや課題をキャッチするアンテナ精度を高める

配属先での課題を洗い出し、解決に向けて自分が役立てそうな領域で積極的に働きかける

これまで筆者は自身でも二度の企業合併を体験し、またそのほか多くの合併を身近に見てきました。
そこでよく見られたのが、「合併先の会社の社員が、合併される会社の社員の活躍の場をうまく見いだせない」ケースです。

また、合併される会社の社員のほうでも、「受け身の姿勢」になってしまうことが多いように思われます。

逆に合併後の組織変革がうまく行く事例で多いのは、合併される会社の社員がいちはやく新しい環境に馴染み価値発揮できているケースです。

「それは結局、経営層の問題では」と思った人もいるかもしれませんが、個人レベルでも働きかけは可能です。
まずは配属先の部署・チームの課題がどこにあるかを探ってみましょう。大抵の場合は1つや2つではなく複数あるはずですので、それを洗い出していきます。

その後、リストアップした課題で優先度の高そうなものと「解決に向けて自分が役立てそうな領域」を見出し、そこに積極的に働きかけていくのです。

新しく入ってきた側だからこそ、見える視点があるものです。
合併される会社の社員がその視点を持って行動することは自身の経験・成長にも繋がるでそうし、先に話した「M&Aの成功率」を高めていくこともできるはずです。

環境に慣れたタイミングで、キャリアプランを立てる

ライフプランとあわせて、これからのキャリアプランを立てていく

合併直後はめまぐるしく環境が変わるため、しばらくの間は今後のキャリアプランを立てる余裕がないかもしれません。
しかし、状況は次第に落ち着いていくはずですので、一定期間が経過したらキャリアプランを立てるための時間を確保することを心がけましょう。

目安として、合併後の新組織で働き始めてから3ヶ月〜半年が経過したら、現状の組織でどんな働き方をしていきたいのかを考えておくことをおすすめします。

この期間中に、今後の労働条件やポジションなどについて会社側から説明があることも想定できます。

提示される待遇と自身のキャリアプランを照らし合わせた上で、目指すべきキャリアが実現できる環境かどうかを判断することが重要です。

まとめ)M&Aによる職場環境の変化は弾力的に対応することがポイント

M&Aによる職場環境の変化は、とくに合併される側の社員にとって大きなストレスとなるケースが少なくありません。
慣れた環境が一変し、先行きが突然不透明になってしまうのですから、不安に感じる面があるのは致し方ないことでしょう。

しかし、職場環境が一変したことで一足飛びに「退職・転職」という重大な決断を下さないほうが無難です。

新たな職場環境が自分にとって有益なものかどうかは、しばらく時間が経過してみないと分からない面も多々あります。

今回解説してきたポイントを参考に今後のキャリアプランを立て、弾力的に対応していくことを心がけてください。

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