未経験から社内SEに転職するには?仕事内容・年収・キャリアパス・準備するポイントまとめ
[最終更新日]2023/01/26

社内SEはITエンジニアのなかでも、人気のある職種の1つとなっています。
「安定している」「楽そう」このようなイメージを持つ方もいるのではないでしょうか。競争率が高いことも、人気を裏付けるポイントの1つです。
一方で社内SEは、他のIT職種にはみられない特徴があります。キャリアアップにつなげるためには、転職後を見据えることも欠かせません。そのためには、職種の内容と実態をよく知ることが不可欠です。
目次
1)社内SEの仕事内容・年収イメージ・キャリアパス
社内SEに転職したものの、「思っていた仕事と異なる」などの理由で再び転職を目指す方は少なくありません。
転職を成功させるためには、まず社内SEという職種を正しく知った上で、しっかり準備することが重要です。このことは、あなたのキャリアアップを実現するためにも欠かせません。
ここでは社内SEの仕事内容と年収イメージについて、詳しく解説していきます。
どのような仕事が待っているか、順に確認していきましょう。あなたの臨むキャリアと一致するかどうかチェックしてみてください。
社内SEの仕事内容
社内SEの仕事内容は、大きく3点に分けられます。それぞれについて、詳しくみていきましょう。
社内システムやセキュリティの管理・設計

社内システムやセキュリティの管理は、社内SEの最も重要な業務です。
パソコンやサーバーはもちろん、ネットワーク機器やプリンター、スマートフォンといった機器の管理も、社内SEの業務に入ります。このため、幅広い機器への対応が求められます。
日々の管理を行いトラブルの芽を摘むことはもちろん、業務改善に資するための工夫や提案、設計を行うことも社内SEの重要な業務です。
ベンダーを呼んで説明を受けることも多々あるでしょう。
そのほか、予算を獲得するために経営陣や他の部門との折衝をすることもあります。
システム開発に関する業務

社内システムの開発も、社内SEの主な業務にあげられます。小規模なシステムであれば、部署内で開発してしまう場合もあります。開発現場さながら、プログラムを組むケースもあるでしょう。
その一方で、開発業務を外部のベンダーに任せる企業も多いです。この場合は定期的に打ち合わせを行った上で、ベンダーが正しく開発を進めているかチェックすることが主な役割となります。
ヘルプデスク業務やトラブル対応

社内SEは「システムに関する相談窓口」の役割も担うことは、認識しておくべきポイントです。問い合わせに対する回答はもちろん、トラブルがあれば現場へ出向いて解決しなければなりません。
多くの拠点を抱える企業に就職した場合は、出張する場合もあるでしょう。ときには深夜まで対応しなければならないケースもあります。
社内SEの年収イメージ

社内SEの平均年収は、500万円~550万円といわれています。
ただし年収の幅が300万円台から800万円台まで大きく広がっていることに注意が必要です。
これはあなたのスキルや就職先の企業、職務内容などにより、大きく変動することを示します。
一方で社内SEは他の職種と同様に、年齢が上がるほど平均年収も高くなる傾向にあります。
キャリアデザインセンター「@type」では、年代別の年収を以下の通り示しています。
年代ごとの社内SEの年収イメージ
・20代:360万円~410万円
・30代:490万円~540万円
・40代:630万円~680万円引用元:キャリアデザインセンター「システムエンジニアの人気職種 社内SE(社内システム企画)の仕事内容、人気の理由とは」
年代が上がるごとに、平均年収が急上昇していることがわかります。社内SEはスキルや業務経験を積むことで、年収のアップにつながる職種といえるでしょう。
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社内SEのキャリアパス
社内SEになった人のキャリアパスとしては、以下のケースが多いようです。
- 社内SEとして関与しつつ、企業の管理業務や経営に携わる
- 社内SEとして、より専門的な業務に携われる企業への転職
- インフラ系エンジニアやプロジェクトマネージャーなど、別職種へのキャリアチェンジ
社内SEからのキャリアパスは、「経営志向・技術志向」どちらを目指すかによって大きく変わります。
詳しくは、記事後半の「社内SEのその後のキャリアパスイメージも持っておこう」をご確認ください。
2)社内SEのやりがい・面白さと大変な点
社内SEのやりがい・面白さ
- 顧客は「社内メンバー」。直接感謝されることも多い
- 会社のコスト削減・経営状態の改善に寄与できる
- 働き方によって、幅広い知識・経験が得られる
顧客は「社内メンバー」。直接感謝されることも多い

社内SEの顧客は社外の人ではなく「社内メンバー」になります。
普段から顔を合わせてコミュニケーションを取る人からの依頼や相談から、業務が発生することも少なくありません。
業務をしっかり丁寧に、かつ納期に合わせて対応することによって、相手から感謝されることも多いでしょう。
筆者も以前Webサービス系の会社に勤めていた時、ふとしたトラブルや障害時に対し、嫌な顔をせずにすぐ対応してくれる社内SEの人にいつも頭が上がらない思いでした。
会社のコスト削減・経営状態の改善に寄与できる

企業の社内システムにかかる運用コストは非常に大きくなりがちです。
一方で、どの企業も業務効率化に向けての「DX推進」に勤しんでおり、社内システムの品質維持・向上は会社のコスト状態・経営状態に少なからず作用します。
あなたが社内SEとして価値発揮できた際には、会社のコスト削減・経営状態に大きく寄与することでしょう。
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働き方によって、幅広い知識・経験が得られる

企業にもよりますが、近年のDX推進への注目にあわせて社内SEの業務範囲は広がりつつあります。社内SEを経験していく中で、今まで携わってこなかった分野・領域にチャレンジする機会は自ずと多くなるでしょう。
社内SEの大変な点
- 常に突発的な障害・トラブルへの対応を控えなくてはならない
- キャリアアップが難しい(頑張りが評価されにくいこともある)
常に突発的な障害・トラブルへの対応を控えなくてはならない

基本的に社内システムは24時間365日稼働しています。
よって、障害・トラブルが発生した際は深夜帯や休日においても対応しなくてはならないことがあります。
通常、システム障害時は担当社内SEのところへアラートメールが届きます。
休日ゆっくりしていた時に急遽緊急対応せざるをえなくなる──ということもあるでしょう。
キャリアアップが難しい(頑張りが評価されにくいこともある)

社内のシステム部として体制がしっかりしている企業ならあまり問題にはならないでしょうが、中小企業では「社内SEが社内に1~2人のみ」というケースも多いです。
この場合、社内SEの業務品質を評価するのはエンジニア経験のない上司になるでしょう。あなたの頑張りを適正に評価してもらえないこともあるかもしれません。
また、ITに少しでも関係する問い合わせは全て社内SEのところに回されてしまい、雑多な対応に追われてスキルアップを図りづらい状況になる可能性もあります。
これらのデメリットを極力最小限にするためには、社内SEとして転職する際に、応募先企業のシステム部の体制をしっかり確認しておくべきです。
目安として、社員100名に対して社内SE1人以上の割合で配置されていない組織は、社内SEにかかる負担が過大になっている可能性が高いでしょう。
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3)社内SEの仕事が向いている人

- コミュニケーション・調整力のある人
- 企業やそこに働く人に対して愛着を持てる人
- 裏方業務・サポート業務が好きな人
社内SEは、社内メンバーからの要望や相談、経営層から課題改善の依頼を受けながら日々の業務をこなしていきます。
相談・依頼の中には詳しく聞かないと要領を得ないものであったり、依頼内容のままでは技術的に実現が難しいと感じることもあるでしょう。
その際に、相手をうまく立てつつ最適解を一緒に模索していくためのコミュニケーション力・調整力があると、社内SEの業務はとても進めやすくなります。
また、その際に企業やそこで働く人に対して親しみ・愛着を持って接していける人は社内SEに向いているといえるでしょう。
そのほか、社内SEとして長く業務に携わる人は、「裏方業務・サポート業務が好き」という人が多いです。
これらの適性を自身に感じられる人は、社内SEとしてのキャリアチェンジを前向きに検討すると良いかもしれません。
4)社内SEで働く際に求められる知識・スキル
社内SEで働くならば、以下にあげる知識やスキルが求められます。
それぞれの項目について、詳しく解説していきましょう。
システムの運用・管理に関する知識やスキル

システムの運用・管理に関する知識やスキルは、社内SEとして働く上での必須条件です。
そもそも社内SEが働く職場は、ITに詳しい方が少ないケースが多いです。システムに不具合が生じた場合は、独力で解決しなければならない状況に直面することも少なくないでしょう。
このため社内SEにはシステムの運用や管理における、豊富な知識やスキルが求められます。
また、日々の問い合わせやトラブル対応をこなしつつ、管理業務をできるだけ楽にする工夫も求められます。
多くの企業において、社内SEが働くシステム部門は間接部門です。
人件費の圧縮という観点から「業務効率化」を求められることも多く、その際もシステム運用・管理に関する知識・スキルが必要となるでしょう。
システム開発に関する知識やスキル

社内SEには、システム開発に関する知識やスキルも求められます。要件定義から設計、プログラミングからテストまで、ひと通りの知識が必要です。
小規模なシステム開発やツールの作成、既存システムの修正などは、社内で行う場合も少なくありません。このため、何らかのプログラミング言語に精通していると強みになるでしょう。
また、大規模なシステム開発はベンダーを通して行う場合も多いです。この場合には要件のすり合わせやベンダーの管理といった調整力やスケジュール管理能力、そのほか折衝力や社外コミュニケーション力も求められます。
打ち合わせの内容がわからなければ、ベンダーの言いなりになってしまうこともあるかもしれません。対等な立場で打ち合わせに臨むためには、最新の技術動向に関する知識を身につけておくことも大切です。
相手のレベルにあわせてコミュニケーションを取れるスキル

社内SEは開発担当者のように、会話する相手がITエンジニアばかりとは限りません。
むしろ会話する相手は、あまりITに詳しくない場合も多いでしょう。トラブル対応などでは状況を説明する場面も多くなりますが、相手のレベルにあわせてわかりやすく表現するスキルが求められます。
特に社内上層部や他部門の幹部、ベテランの方に説明する場合は、注意が必要です。
正しく説明してもわかりにくいと、相手から「煙に巻かれた」などと思われてしまいかねません。
あなたが評価されるためには、正確さとわかりやすさの両立が求められます。
一方でベンダーなどITの専門家と話す場合は、専門知識を存分に生かしたコミュニケーションが求められます。
転職先の企業や業界に関する業務知識

社内SEとして入社を実現するためには、応募先企業の業種を知り、業務知識を身につけることがとても大切です。
社内SEとして入社した後は、稼働している業務システムの管理を任されます。それぞれのシステムは、以下の要件に従って稼働しています。
- 業界ごとの商習慣や、業界の常識として行われている業務内容
- 企業ごとのビジネスルール
- 法令
- 企業間の契約内容
上記の項目を知らないまま管理を行った場合、利用者から苦情が来るかもしれません。たとえば月末に立て込む業務において、月末日近くにメンテナンスでシステムを止めるようなケースがあげられます。
業務にフィットした管理を行いシステムの改善を適切に行うためにも、業務知識は必要です。
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5)社内SEの転職を成功するために、準備したいポイント
社内SEへの転職を成功させるためには、以下にあげる4つのポイントを押さえておくことがおすすめです。
それぞれのポイントについて、順に解説していきましょう。
同じ社内SEでも、入社後に求められるスキル・働き方は大きく異なる!企業研究は入念に

あなたに合った社内SEの求人を見分けることは、簡単ではありません。
その理由として、企業により求めるスキルや働き方が異なる点があげられます。
たとえば以下にあげる3つの業務はそれぞれ求められるスキルが異なりますが、いずれも募集要項には「社内SE」と記されます。
- 新しい社内システムの企画、およびベンダーとの折衝
- 社内システムの開発
- 社内システムの保守・運用、ヘルプデスク
このため企業を選ぶ際には募集要項や求人票の内容をよく読み、求められるスキルや入社後の働き方を確認しておきましょう。あなたが持つスキルや希望する働き方とマッチしていればベストです。
また社内SEの実情は、外からはなかなか見えづらいものです。そのため社内SEに強い転職エージェントの活用(※後述します)など、内情を把握している人からのアドバイスを受けられるようにすることをおすすめします。
企業研究 見るべきポイント
企業研究を行う際に、優先して見るべきポイントは以下の通りです。
チェック項目 | 確認ポイント | どこで確認するか |
---|---|---|
事業内容 | 自分自身の知識領域にあるか、また今後も興味・関心を持続して持ち続けられる内容かを確認する | 企業HP |
主力商品・サービス | その商品・サービスの開発・運用を自身が携わることになる際に、どの範囲まで知っていて、どの範囲を知らないかを確認する | 企業HP、業界ニュース、四季報、業界地図、競合他社のHP等 |
強み・独自性 | 同業他社をいくつか確認し、「この会社ならではの特色・強み」がどこにあるかを見出す | |
企業理念 | 企業理念から、求められる人物像(主にスタンス面)をイメージし、自身との適合性を家訓する | |
社風・雰囲気 | 歓迎される人物像や業務への取り組み姿勢をイメージする | インタビュー記事、口コミサイト等 |
求められる知識・スキル | 現在の自身の知識・スキルと照らし合わせて、過不足を確認する | 企業HP、求人票等 |
こうしたリサーチを重ねた結果、「この企業で働いてみたい」「こういった文化の会社なら馴染めそうだ」といった手応えを得ることができれば、入社後のミスマッチを軽減する効果が期待できます。
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「社内SEのその後」のキャリアパスイメージも持っておこう

転職後、その会社でずっとキャリアを積み上げられればそれがベストです。一方で以下の理由により、転職先の会社を離れる可能性もあります。
- 会社自体が業績不振に陥った
- 働き続けても成長を感じられない
- 人間関係が嫌になった
- もっと魅力的な職場を見つけた
エンジニアとして働くなら、キャリアアップを果たしたいもの。このため社内SEであっても、将来どのようなエンジニアになりたいかを考えることは大変重要です。エンジニアとしての方向性を決めた上でキャリアイメージを持つことが、あなたのスキルを高めます。
社内SEから目指せるキャリアパスとしては、例として以下のようなものがあります。
参考:社内SEのキャリアパスイメージ(一例)

職種・働き方 | 説明 |
---|---|
企業の管理職・技術責任者 | 管理職は、人員育成はじめ企業の組織体制に関わる仕事です。エンジニアの技術と併せてマネジメント・スキルが求められます。 参考:ITエンジニアでもマネジメントスキルを伸ばすべき? メリット・役割と必要なスキルについて 技術責任者は、企業の経営方針に沿って、IT戦略の立案や推進を行うポジションです。上位職種には、CTO・CIOなどがあります。 最近トレンドとなっている、DX推進やサステナビリティ経営にも関わるケースも多いでしょう。 経営目標を達成するために資源・資産・リスクを管理し、効率的に運用することで効果を上げることが求められるため、経営視点も求められます。 参考:DX推進に関わる仕事がしたい!求められるスキル、転職の際のポイントは? |
プロダクトマネジャー(自社開発) | プロダクトマネージャーは、自社内のプロダクト(システム・製品・サービス)の開発・運用及び計画において総合的な責任を持つ職務です。 企業課題に対して、適切な回答やソリューションを導き出し、そして実現に向けてアクションを取っていくことが主な役割です。 業界によってプロダクトマネジャーの仕事内容は変わりますが、多くの業界・企業でビッグデータやIoT、AIなどといったIT改革への推進の需要が高まっている中でいうと、プロダクトマネジャーもまたITに関して専門的な知識・スキルが求められることが多い傾向にあります。 参考:プロダクトマネジャーは新しい「社内SE」の形?やりがい・魅力と求められるスキルとは |
インフラ系エンジニア | ネットワーク、サーバー、セキュリティ、データベース等の企業インフラに関わるシステム面に関わる企画・開発・運用・保守を受け持つ職務です。 多くの場合、社内SEからインフラ系エンジニアへのキャリアチェンジを行う際は転職が伴います。 社内SEとしての経験を積む中で、これら分野への知見と関心の高まりがみられる場合はキャリアパスの候補として検討すると良いでしょう。 セキュリティエンジニアをはじめ、インフラ系エンジニアの需要は高まりを見せていますので、スキル次第で年収アップ等のキャリアアップを期待できます。 参考:インフラエンジニアに転職するには?仕事内容、求められるスキル、待遇、準備するポイントまとめ |
プロジェクトリーダー・プロジェクトマネジャー(PL・PM) | システム開発を主とするプロジェクトの計画の立案から実行までを担う職務です。 プロジェクト運用に関わるディレクションスキルだけでなく、アプリケーションやインフラなど、幅広い知識・スキルが求められます。 社内SEからPL・PMへのキャリアパスを辿る際は、(在籍する会社でそのポジションがある場合は別ですが)多くの場合IT系企業やコンサル系企業などへの転職が伴います。 エンジニアスキルを活用しつつ、より開発の上流工程で活躍したい人、大規模開発に関わりたい人にフィットしやすい職種といえます。 参考:プロジェクトマネージャーに転職したい!未経験で転職成功するためのポイント・仕事内容を紹介 |
ポイントは、「経営志向」、「技術志向」どちら寄りのキャリアパスを目指すかです。
「組織の一員として、メンバーに貢献していきたい」という志向の強い人は「経営志向」のキャリアパスがフィットしやすいでしょう。
「最新技術をキャッチして、業務に発揮していきたい」意思の強い人は「技術志向」のキャリアパスがおすすめです。
「現時点では判断が付かない…」という方は、一旦は社内SEとしての業務経験を積みつつ「PL・PM」として活躍できるための知識・スキルを蓄えていくことを意識すると良いでしょう。
PL・PMは組織(チーム)マネジメントと技術習得の両面が求められます。将来に何かしらの環境変化があっても、経験が役立ちやすいです。
企業経営の視点を持っていると業績向上に役立ち、評価も上がる

社内SEは間接部門として「コストがかかる部署」とみられることも少なくありません。こうしたネガティブな評価や意見を回避するためには、企業経営の視点を持つことが有効です。
例えば「システム改善のプロジェクト」を立てる場合、重要視されるポイントは、システム導入や改善を行った結果、どれだけ業績が改善するかということです。
現場の声を重要視するとどうしても使い勝手の話が中心になってしまいます。これは業務効率化のためには重要なものの、経営サイドを動かす理由としてはいま一つの場合が少なくありません。
期待できる効果を数字で提示できれば、経営サイドを納得させることができ、「業績アップに貢献できるシステム部門」という評価も得られやすいでしょう。
社内SEはITのプロであることはもちろんですが、経営の知識も学んでおくと社内評価のアップに役立てられます。
業界に強い転職エージェントを利用しよう

社内SEは、一般の求人媒体には紹介されない「非公開求人」として募集される場合が多いです。その為、転職の際は転職エージェント経由で求人を紹介してもらうのが良いでしょう。
また、転職エージェントへの登録は、以下のメリットもあります。
- キャリアプランのアドバイスを受けられる
- あなたに適した求人を紹介してもらえる。応募も転職エージェントを通じて行える
- Webに掲載されていない、応募先企業の情報が得られる
- 履歴書や職務経歴書といった、応募書類の添削が受けられる
- 模擬面接など、応募先企業にあわせた面接の対策が受けられる
- 応募先企業とのスケジュール調整や、条件交渉を行ってくれる
面接そのものは、あなた自身が受ける必要があります。しかし準備やその他のやり取りは、転職エージェントが強力にサポートします。

6)社内SEの転職におすすめの転職エージェントと、その活用法
社内SE向けの求人を取り扱う転職エージェントは多くあります。
選ぶ際は、「社内SEの求人が豊富か」「希望する転職地域に対応しているか」「担当者はこちらの希望をしっかり聴いて理解してくれるか」の3点を意識すると良いでしょう。
1点目の求人数と2点目の対応エリアについては、本記事が紹介するおすすめサービスにてあわせて説明します。
3点目の「担当者の品質」については、まずは「ここが良さそう」と感じたサービスを2~3つ登録して、そのうえで自分に合った担当者を見出して利用を絞っていくのがおすすめです。
ITエンジニアの方が転職エージェントを利用する際の選び方・活用法を紹介します。「自分に合った転職エージェントを見つけたい」という方は、以下ご参考ください。


社内SEでの転職で、転職エージェントを活用するポイントは以下の3点です。
- Point1 各ITエンジニア向け転職エージェントの、それぞれの特徴を知っておく
- Point2 はじめに2~3つ「複数」の転職エージェントに登録しておく
- Point3 何度かのやりとりで「相性」と「やりやすさ」を確認する
特にポイント3つ目の「相性とやりやすさ」は重要です。転職エージェントの担当者とは、転職期間中はずっと付き合いを続けていきますので、「自分に合った担当アドバイザー」を早めに見出していくことが、転職成功のひとつの要となるでしょう。

- キャリア相談に、親身に乗ってくれるか
- 求人を紹介する際に、「何故おすすめなのか」についてきちんと納得できる説明をしてくれるか
- 求人紹介の量・その後の連絡ペースが、適切と感じられるか
マイナビITエージェント──丁寧かつ親身なサポートを受けたい人におすすめ
-
社内SEの公開求人数 約2,200件(2022年9月時点) 特徴 - 大手人材会社マイナビが運営
- アドバイザーがIT・Webエンジニアの転職事情に精通している
- 年収・スキルアップも目指せる
対応エリア 全国 公式サイト https://mynavi-agent.jp/it/
マイナビITエージェントは、マイナビが運営するIT・Webエンジニアの転職支援に特化した転職エージェントです。
在籍するキャリアアドバイザーはいずれもIT・Webエンジニアの転職事情に精通しており、エンジニアの視点からキャリア相談や求人紹介を行ってくれます。
マイナビIT AGENTの活用メリットと社内SEの転職へのおすすめポイント
マイナビIT AGENTの所属アドバイザーは、全員がIT・Web業界に精通したプロフェッショナルです。
幅広い職種に対応している総合型転職エージェントとは異なり、エンジニアの転職事情を十分に理解しているため、転職者一人ひとりに適した開発環境や企業へのアプローチ方法についてアドバイスしてもらえます。
また、マイナビIT AGENTは優良企業のレア案件(=非公開求人)を独自に保有しています。

就業条件が恵まれているエンジニア求人には、大量の応募者が殺到する傾向があります。そのため選考の競争率も高くなりやすく、強力なライバルが数多く現れる可能性もあるでしょう。
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レバテックキャリアの活用メリットと社内SEの転職へのおすすめポイント
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ワークポートの活用メリットと社内SEの転職へのおすすめポイント

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- 「面接力向上セミナー」や「レジュメビルダー」のサポートツールも充実
- 国内転職サービストップの求人保有数
対応エリア 全国 公式サイト https://www.r-agent.com/
リクルートエージェントは国内でも最大の求人数と転職支援実績を誇る全国展開の転職エージェントです。
「リクルート」のブランドの信頼性の高さから、企業に転職者を紹介する営業力・提案力の高さに定評があります。
リクルートエージェントの活用メリットと社内SEの転職へのおすすめポイント
リクルートエージェントでは、志望企業の特徴・評判といった分析から選考のポイントまでをまとめた「エージェントレポート」を用意してくれます。
業界・企業情報はネットで公開されていないものも多いため、レポート情報はあなたの活動に大いに役立つはずです。
また、担当アドバイザーもこれまでの実績をもとに社内SEへの転職に関する有益なアドバイスを提供してくれるでしょう。
リクルートエージェント登録後に無料で活用できる、職務経歴書を自動で作成できる「職務経歴書エディタ」や無料の「面接力向上セミナー」のサービスもおすすめです。
![]() 職務経歴書エディタ | テンプレートや入力例に沿って、職務経歴書を半自動で作成できるサービス。作成後にWordファイルにダウンロードして利用することも可能。 |
![]() 面接力向上セミナー | 企業が「採用したい」と思える面接の必勝法が学べるセミナー。参加者の99%が「満足」以上の回答。 現在(2022年9月)はLIVE配信(オンライン)で行われている。 |
一方のリクルートエージェントのデメリット・注意点としては、これらサポートの提供は適切かつとても「スピーディ」であるということです。担当者によっては、活動ペースを急かしてくることもあるかもしれません。
「じっくりと、自分のペースで転職活動をしたい」という場合は、パソナキャリア(全世代向け)、マイナビエージェント(若手社会人向け)、JACリクルートメント、リクルートダイレクトスカウト(ハイクラス向け)にも併せて登録し、より自身にマッチするサービスを選んでおくと良いでしょう。
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まとめ)社内SEを目指すなら仕事内容をよく確認し、希望に合った転職を実現しよう
社内SEは決して楽な仕事ではありませんが、さまざまなスキルを得られる職種でもあります。募集する企業により、仕事内容が大きく異なる点にはぜひとも注意したいもの。希望に合った転職を実現するためには、仕事内容を事前にしっかり確認することが重要です。
加えて、ITエンジニアとしてのキャリアイメージも持っておくとよいでしょう。よりあなたにフィットした職場選びにつながり、転職後の満足度が高まると同時にあなた自身の価値向上にもつながります。
また社内SEは情報が少ないこともあり、独力で転職活動を進めにくい場合も多いもの。社内SEに強い転職エージェントを活用することで必要な情報やアドバイスが得られ、あなたに合った転職先を見つけやすくなります。ぜひ活用してみましょう。