社内SEに転職したい!未経験で転職するポイント・注意点まとめ
[最終更新日]2020/12/09

社内SEはITエンジニアのなかでも、人気のある職種の1つとなっています。
「安定している」「楽そう」このようなイメージを持つ方もいるのではないでしょうか。競争率が高いことも、人気を裏付けるポイントの1つです。
一方で社内SEは、他のIT職種にはみられない特徴があります。キャリアアップにつなげるためには、転職後を見据えることも欠かせません。そのためには、職種の内容と実態をよく知ることが不可欠です。
目次
1)そもそも社内SEとは?
社内SEに転職したものの、「思っていた仕事と異なる」などの理由で再び転職を目指す方は少なくありません。転職を成功させるためには、まず社内SEという職種を正しく知った上で、しっかり準備することが重要です。このことは、あなたのキャリアアップを実現するためにも欠かせないポイントです。
ここでは社内SEの仕事内容と年収イメージについて、詳しく解説していきます。どのような仕事が待っているか、順に確認していきましょう。あなたの臨むキャリアと一致するかどうか、事前にチェックしてみてください。
社内SEの仕事内容
社内SEの仕事内容は、大きく3点に分けられます。それぞれについて、詳しくみていきましょう。

- 社内システムやセキュリティの管理・設計
- システム開発に関する業務
- ヘルプデスク業務やトラブル対応
社内システムやセキュリティの管理・設計
社内システムやセキュリティの管理は、社内SEの最も重要な業務です。
パソコンやサーバーはもちろん、ネットワーク機器やプリンター、スマートフォンといった機器の管理も、社内SEの業務に入ります。このため、幅広い機器への対応が求められます。
日々の管理を行いトラブルの芽を摘むことはもちろん、業務改善に資するための工夫や提案、設計を行うことも、社内SEの重要な業務です。
ベンダーを呼んで、説明を受けることも多々あるでしょう。予算を獲得するためには、経営陣や他の部門との折衝も欠かせません。
システム開発に関する業務
社内システムの開発も、社内SEの主な業務にあげられます。小規模なシステムであれば、部署内で開発してしまう場合もあります。開発現場さながら、プログラムを組むケースもあるでしょう。
その一方で、開発業務を外部のベンダーに任せる企業も多いです。この場合は定期的に打ち合わせを行った上で、ベンダーが正しく開発を進めているかチェックすることが主な役割となります。
ヘルプデスク業務やトラブル対応
社内SEは「システムに関する相談窓口」の役割も担うことは、認識しておくべきポイントです。問い合わせに対する回答はもちろん、トラブルがあれば現場へ出向いて解決しなければなりません。
多くの拠点を抱える企業に就職した場合は、出張する場合もあるでしょう。ときには深夜まで対応しなければならないケースもあります。
社内SEの年収イメージ

社内SEの平均年収は、500万円~550万円といわれています。
但し年収の幅は、300万円台から800万円台まで広がっていることに留意が必要です。これはあなたのスキルや就職先の企業、職務内容などにより、大きく変動することを示します。
企業選びが重要であることを示す、1つのデータといえるでしょう。
一方で社内SEは他の職種と同様に、年齢が上がるほど平均年収も高くなることが特徴です。キャリアデザインセンター「@type」では、年代別の年収を以下の通り示しています。
年代ごとの社内SEの年収イメージ
・20代:360万円~410万円
・30代:490万円~540万円
・40代:630万円~680万円
引用元:キャリアデザインセンター「システムエンジニアの人気職種 社内SE(社内システム企画)の仕事内容、人気の理由とは」
年代が上がるごとに、平均年収が急上昇していることがわかります。社内SEはスキルや業務経験を積むことで、年収のアップにつながる職種といえるでしょう。
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2)社内SEで働く際に求められる知識・スキル
社内SEで働くならば、以下にあげる知識やスキルが求められます。

- システムの運用・管理に関する知識やスキル
- システム開発に関する知識やスキル
- 相手のレベルにあわせてコミュニケーションを取れるスキル
- 転職先の企業や業界に関する業務知識
上記のとおり、広範囲にわたり多種多様な知識・スキルが求められることが特徴です。それぞれの項目について、詳しく解説していきましょう。
システムの運用・管理に関する知識やスキル

システムの運用・管理に関する知識やスキルは、最も重要なスキルの1つです。
そもそも社内SEが働く職場は、ITに詳しい方が少ない場合が多いでしょう。システムに不具合が生じた場合は、独力で解決しなければならない状況に直面するかもしれません。
このため社内SEにはシステムの運用や管理における、豊富な知識やスキルが求められます。
日々の問い合わせやトラブル対応をこなしつつ、管理業務をできるだけ楽にする工夫も求められる業務の1つです。
多くの企業において、社内SEが働くシステム部門は間接部門となっていることが多いもの。
人件費の圧縮は常に求められますから、業務の効率化を行うためにも、やはり運用・管理の知識やスキルは必要です。
システム開発に関する知識やスキル

社内SEには、システム開発に関する知識やスキルも求められます。要件定義から設計、プログラミングからテストまで、ひと通りの知識が必要です。
小規模なシステム開発やツールの作成、既存システムの修正などは、社内で行う場合も少なくありません。このため、何らかのプログラミング言語に精通していることが求められます。
また大規模なシステム開発は、ベンダーを通して行う場合も多いです。この場合に求められる社内SEの業務は、要件のすり合わせやベンダーの管理となります。
例えばベンダーの提示内容を精査し折衝するスキルや、スケジュール管理などがあげられます。
加えて打ち合わせの内容がわからなければ、ベンダーの言いなりになるかもしれません。対等な立場で打ち合わせに臨むためには、最新の技術動向に関する知識を身につけることも必須です。
相手のレベルにあわせてコミュニケーションを取れるスキル

社内SEは開発担当者のように、会話する相手がITエンジニアばかりとは限りません。
むしろ会話する相手は、あまりITに詳しくない場合も多いでしょう。トラブル対応などでは状況を説明する場面も多くなりますが、相手のレベルにあわせてわかりやすく表現するスキルが求められます。
特に社内上層部や他部門の幹部、ベテランの方に説明する場合は、注意が必要です。
正しく説明してもわかりにくいと、相手から「煙に巻かれた」などと思われてしまいかねません。
あなたが評価されるためには、正確さとわかりやすさの両立が求められます。
一方でベンダーなどITの専門家と話す場合は、専門知識を存分に生かしたコミュニケーションが必要です。日ごろから最新情報にアンテナを張り、知識をしっかり身につけておきましょう。
転職先の企業や業界に関する業務知識

社内SEとして入社を実現するためには、応募先企業の業種を知り、業務知識を身につけることも必要です。
あなたが入社した後は、転職先で稼働している業務システムの管理を任されるわけです。それぞれのシステムは、以下の要件に従って稼働しています。
- 業界ごとの商習慣や、業界の常識として行われている業務内容
- 企業ごとのビジネスルール
- 法令
- 企業間の契約内容
上記の項目を知らないまま管理を行った場合、利用者から苦情が来るかもしれません。たとえば月末に立て込む業務において、月末日近くにメンテナンスでシステムを止めるようなケースがあげられます。
業務にフィットした管理を行いシステムの改善を適切に行うためにも、業務知識は必要です。
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3)社内SEの転職を成功するために、準備したいポイント
社内SEへの転職を成功させるためには、以下にあげる4つのポイントを押さえておくことがおすすめです。

- 同じ社内SEでも、入社後に求められるスキル・働き方は大きく異なる!企業研究は入念に
- 「社内SEのその後」のキャリアイメージも持っておこう
- 企業経営の視点を持つと業績向上に役立ち、評価も上がる
- 業界に強い転職エージェントを利用しよう
それぞれのポイントについて、順に解説していきましょう。
同じ社内SEでも、入社後に求められるスキル・働き方は大きく異なる!企業研究は入念に

あなたに合った社内SEの求人を見分けることは、簡単ではありません。
その理由として、企業により求めるスキルや働き方が異なる点があげられます。
たとえば以下にあげる3つの業務はそれぞれ求められるスキルが異なりますが、いずれも募集要項には「社内SE」と記されます。
- 新しい社内システムの企画、およびベンダーとの折衝
- 社内システムの開発
- 社内システムの保守・運用、ヘルプデスク
このため企業を選ぶ際には募集要項や求人票の内容をよく読み、求められるスキルや入社後の働き方を確認しておきましょう。あなたが持つスキルや希望する働き方とマッチしていればベストです。
また社内SEの実情は、各社ともなかなか外に出てこないもの。そのため社内SEに強い転職エージェントの活用など、内情を把握しやすい経路で応募することもおすすめです。
「社内SEのその後」のキャリアイメージも持っておこう
転職後、その会社でずっとキャリアを積み上げられればそれがベストです。一方で以下の理由により、転職先の会社を離れる可能性もあります。
- 会社自体が業績不振に陥った
- 働き続けても成長を感じられない
- 人間関係が嫌になった
- もっと魅力的な職場を見つけた
エンジニアとして働くなら、キャリアアップを果たしたいもの。このため社内SEであっても、将来どのようなエンジニアになりたいかを考えることは大変重要です。エンジニアとしての方向性を決めた上でキャリアイメージを持つことが、あなたのスキルを高めます。
以下に示した図は、キャリアパスの一例です。社内SEにはさまざまなキャリアパスがありますから、あなたの方向に合った転職先選びがおすすめです。
参考:社内SEのキャリアパスイメージ(一例)

企業経営の視点を持っていると業績向上に役立ち、評価も上がる

社内SEは間接部門として、コストがかかる部署とみられがち。この評価を打破するためには、企業経営の視点を持つことが有効な方法の1つです。
システム改善のプロジェクトを立てる場合、現場の声を重要視するとどうしても使い勝手の話が中心になってしまいます。これは業務効率化のためには重要なものの、経営サイドを動かす理由としてはいま一つの場合が少なくありません。
重要視されるポイントは、システム導入や改善を行った結果、どれだけ業績が改善するかということです。
効果を数字で提示できれば経営サイドを納得させることができ、「業績アップに貢献できるシステム部門」という評価も期待できます。
社内SEはITのプロであることはもちろんですが、経営の知識も学んでおくと社内評価のアップに役立ちます。
業界に強い転職エージェントを利用しよう
社内SEは、非公開で募集される場合も多いもの。転職したい場合は、業界に強い転職エージェントの利用がおすすめです。登録することで、以下のメリットが得られます。
- キャリアプランのアドバイスを受けられる
- あなたに適した求人を紹介してもらえる。応募も転職エージェントを通じて行える
- Webに掲載されていない、応募先企業の情報が得られる
- 履歴書や職務経歴書といった、応募書類の添削が受けられる
- 模擬面接など、応募先企業にあわせた面接の対策が受けられる
- 応募先企業とのスケジュール調整や、条件交渉を行ってくれる
面接そのものは、あなた自身が受ける必要があります。しかし準備やその他のやり取りは、転職エージェントが強力にサポートします。この点は、直接応募と比べた場合の大きなメリットといえます。

4)社内SEの転職におすすめの転職エージェントと、その活用法
ここでは社内SEの転職支援に強い転職エージェントと、あなたに合ったサービスの見つけ方について解説していきます。
Webエンジニアでの転職を進める際は、以下の3つのポイントを意識することが大切です。
- Point1 各ITエンジニア向け転職エージェントの、それぞれの特徴を知っておく
- Point2 はじめに2~3つ「複数」の転職エージェントに登録しておく
- Point3 何度かのやりとりで「相性」と「やりやすさ」を確認する


特にポイント3つ目の「相性とやりやすさ」は重要です。転職エージェントの担当者とは、転職期間中はずっと付き合いを続けていきますので、「自分に合った担当アドバイザー」を早めに見出していくことが、転職成功のひとつの要となるでしょう。

転職エージェントに登録したら、担当者からの連絡があった際に上記の「親身に相談に乗ってくれるか」「紹介する求人について、おすすめの理由をきちんと説明してくれるか」「紹介・連絡のペースは適切か」について確認すると良いでしょう。
そうすると、自然とあなたにマッチする担当(サービス)かの判断がつきやすくなります。
ITエンジニアへの転職で、おすすめの転職エージェント一覧
エンジニア業務経験1年以上の人向け
転職エージェント | 特徴 |
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![]() レバテックキャリア |
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![]() マイナビITエージェント |
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![]() GeekOut(ギークアウト) |
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![]() doda IT エンジニア |
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![]() Geekly(ギークリー) |
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ITエンジニア実務未経験・業務経験1年未満の人向け
転職エージェント | 特徴 |
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![]() リクルートエージェント |
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![]() doda |
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![]() ワークポート |
|
![]() type転職エージェント |
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まとめ)社内SEを目指すなら仕事内容をよく確認し、希望に合った転職を実現しよう

社内SEは決して楽な仕事ではありませんが、さまざまなスキルを得られる職種でもあります。募集する企業により、仕事内容が大きく異なる点にはぜひとも注意したいもの。希望に合った転職を実現するためには、仕事内容を事前にしっかり確認することが重要です。
加えて、ITエンジニアとしてのキャリアイメージも持っておくとよいでしょう。よりあなたにフィットした職場選びにつながり、転職後の満足度が高まると同時にあなた自身の価値向上にもつながります。
また社内SEは情報が少ないこともあり、独力で転職活動を進めにくい場合も多いもの。社内SEに強い転職エージェントを活用することで必要な情報やアドバイスが得られ、あなたに合った転職先を見つけやすくなります。ぜひ活用してみましょう。