転職で役立つ『ポータブルスキル』って?身につけるためのポイントと活用方法
[最終更新日]2020/04/06

ポータブルスキルという言葉を聞いたことがありますか?
転職活動において、今まで身につけてきた業務知識やスキルが重要なことは言うまでもありませんが、業種・職種に限定した知識・技能以外にも人材価値を大きく左右するスキルがあります。それが、今回ご紹介する「ポータブルスキル」なのです。
目次
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1)ポータブルスキルってどんなもの?

ポータブルスキルは「持ち運び可能な、仕事をする上で重要な能力」と定義されています。
つまり、転職して別の職場で働くことになったとしても持ち運びでき、どこでも通用する能力のことを言います。
仕事をする上で身につけられるスキルには2種類があります。持ち運びできないスキルと持ち運び可能なスキルです。
持ち運びできる/できない、の違いはどこにあるのでしょうか。
持ち運びできないスキルとは、特定の職場だけ、あるいは特定の業種・職種だけで活用可能な能力のことを指します。
たとえば、ある会社特有のルールがあるとします。そのルールを知っていれば適切に対応でき、知らなければ対応できないことになります。
つまり、知っているか知らないかの違いでしかありません。これはいわゆるローカルルールであり、その職場を一歩出たら別の会社で使い回すことはできない知識です。
これに対して、持ち運びできるスキルとは普遍的な能力により近いスキルのことを指します。スケジュールをきちんと建てていく「計画力」や業務のPDCAを回していく「推進力」、対人コミュニケーションの際に求められる「説得力」や「傾聴力」といったスキルがこれにあたります。
持ち運びできるスキル「ポータブルスキル」の例

上記の一覧表を見ても分かります通り、ポータブルスキルは「業界や職種に限定された専門スキル」というよりは、より「裾野が広く本質的な能力」であることが分かるはずです。
ポータブルスキルは、しばしば「仕事で残した成果」や「取得した資格」と混同されがちです。
しかし、「成果をあげた」「資格を取った」というのは事実に過ぎません。
持ち運び可能な能力にまで昇華させるには、結果を出すまでに経てきたプロセスや考え方も含めた総合的な能力を高めていく必要があります。
2)ポータブルスキルを身につけるための3つのポイント

これまでの経験や身につけたスキルが職場限定のものでないかチェックする
仕事を進める上でのスキルの中には、
- 1. その組織の中でのみ通用するスキル
- 2. 業界や職種で共通するスキル
- 3. ビジネスの世界一般で通用するスキル
があります。転職を検討している人にとって、3→2→1の順に優先度が高い能力と言えます。
ときどき、1のスキルが蓄積されてきたことで「自分は多くの経験を積んできた」と考え始める人がいますが、職場を一歩出ると別の組織では評価されにくい能力だった、ということもあり得ます。
特に、今まで一度も転職した経験がなく、新卒からずっと同じ職場で働いてきた人は、勤続年数が長くなればなるほどローカルなスキルとポータブルスキルを区別しづらくなる傾向があります。
これまで勤務先で経験してきたことや身につけてきたスキルは、今の職場限定のローカルな環境でのみ通用し、評価される能力ではないかどうかを客観的にチェックしてみましょう。
本質的かつ普遍的なスキルを意識的に伸ばし、社会人基礎力を高める

たとえば、「スケジュール管理」はビジネスパーソンにとってほぼ例外なく重要な能力の1つです。仕事は期日が決まっていることがほとんどですから、ゴールから逆算して計画を立て、いつまでに何をやっておくべきか段取りをつける能力が高い人は、別の職場に行ってもその能力を発揮することができます。
スケジュール管理が得意な人は計画性の面で優れているだけでなく、途中で小さなゴール地点を設定して達成度をこまめにチェックしていたり、計画通りにいかない場合に軌道修正したりする能力にも長けているからです。
スケジュール管理は一例ですが、他にも属する組織が変わったとしても通用する本質的かつ普遍的なスキルは多く存在します。
そういった持ち運び可能なスキルを「ローカルなスキル」と区別しつつ、意識的に伸ばしていくことで、いわゆる社会人基礎力を高めることにつながっていきます。
大企業出身者は社会人基礎力が高い人の割合が多いと言われることがありますが、組織が大規模になると属人的なローカルルールでは仕事を回せなくなり、業務を標準化せざるを得なくなります。
仕事の進め方を標準化する過程で多くの人にとってやりやすい方法に最適化されていくため、結果的に似通った業務フローになりやすい面があります。
そのため、大規模な組織で身につけた仕事のやり方は別の組織でも応用できる可能性が高いのです。
大手企業に勤めている人は、そのポテンシャルを十分に活かすことで希望通りの転職を実現することにつながるかもしれません。
業界や職種を問わず一定量以上の知識・情報のインプット量を維持する

ポータブルスキルは一朝一夕に身につけられるものではありません。
成功した体験だけでなく失敗の経験も含めて総括し、次につながる仮説を立てるといった地道な努力の積み重ねを通して体得していくものです。
ポータブルスキルを手に入れたいからといって、たとえば資格を取得したとしても、本当の意味での「持ち運び可能な能力」としては弱いと言わざるを得ないのはこのためです。
体験を通して得られる能力はもちろん重要ですが、それと同じぐらいに知識・情報のインプットによるブラッシュアップも重要です。
今現在属している業界や携わっている職種に関する知識に限定せず幅広く興味を持ち、一定量以上の情報をインプットし続けることで、体験と情報が結びつき有用性の高い知識となっていくのです。
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3)ポータブルスキルを転職活動で活かすにはどうしたらいいの?

「なぜ?」という目的に立ち返って考え、知識やスキルを言語化する
ポータブルスキルは、実は特殊な技能ではありません。
それだけに、ふだんの仕事の中で何気なくやってきたことの蓄積をいかに客観視し、身につけてきたスキルとして自覚するかが大切なポイントだったりするのです。
たとえば、対人コミュニケーション能力などはその最たるもので、常日頃から意識せずとも顧客や同僚とうまくコミュニケーションが図れている人ほど、自分が持っているスキルに気づきにくい面があります。
そこで、自分がいま携わっている仕事について、事あるごとに「なぜ?」という目的に立ち返って考えてみるようにするといいでしょう。

「なぜ?」と自問自答することによって、今まで意識しないまま進めていた仕事の手順の1つ1つに意味があることが分かり、客観的な方法論として言語化されていきます。
この過程で、たとえば「〇〇さんのやり方をそのまま踏襲した」といった属人的なローカルルールが、実は目的意識が薄いものだったことが分かってくる、といった効果も期待できます。
自分が持つ知識や経験を抽象化・一般化して伝えるトレーニングをする

自分が持っているポータブルスキルを意識できるようになってきたとしても、転職活動の面接の場で伝わる言葉にできるかどうかは別問題です。
初対面の相手にも伝わるようにするには、自分が持つ知識や経験をいったん抽象化・一般化して伝える訓練をしておくことが重要です。

たとえば、「試行錯誤を重ねて軌道修正を繰り返し、成功させることができた」という経験を伝えたい場合、単に個人的な経験として伝えるのではなく、ビジネスシーンでよく使われるPDCAの概念に当てはめて考えてみるのです。
すると、試行錯誤を重ねる際は必ず小さな仮説を立てていたこと、その仮説を検証しながら軌道修正していたことがよりはっきりと自覚できるのです。
自分の行動がPDCAの実践だったことを自覚できれば、同じ経験について話していても「この人はPDCAを実践してきた経験について話しているのだな」と相手に伝わりやすくなります。
また、自分が経験してきた仕事を一般的なビジネススキルに結びつけて考えられるということは、それだけ自分の仕事を客観視できていることのアピールにもつながります。
客観的な意見をもらい、自分のポータブルスキルがどう役立つかを分析する

ここまで、自分の仕事を言語化したり客観視したりといったことが大切なことについて見てきました。
ただし、慣れている仕事ほど改めて第三者の視点から見直すことは容易ではありません。
どうしても主観が入ってしまい、「いつもやっていること」「当たり前のこと」といった思い込みから抜けられないところは誰にでもあります。
もしかしたら、そういった何気ない仕事の中にこそポータブルスキルが隠れているかもしれませんので、見過ごしたままになってしまうのは非常にもったいないことです。
そこで、自分が持っているポータブルスキルがどういったものなのか、また、そのポータブルスキルをどう役立てて転職成功に結びつけられるのか、といったことを、転職エージェントに相談することで客観的にアドバイスしてもらうといいでしょう。
また、転職エージェントに相談する前に、自身でポータブルスキルを明確にし、希望する条件においてそのスキルをどう活かせるか・活かしていきたいのかを充分に分析することが重要です。
自身で振り返るときは、「ポータブルスキルを活かせる仕事」や「やってみたい仕事」といった前向きな分析も必要ですが、それだけではなく「やりたくないこと」「譲れない条件の優先順位」といった視点でも振り返るようにしましょう。
例えば以下のような項目においてどんな希望があるのかを洗い出してみると良いでしょう。
- 仕事内容(より大きな仕事をしてみたい・やりがいのある仕事をしたい)
- 就労環境(働きやすい環境で就労したい・残業など長時間労働を改善したい)
- 給与条件(今よりも年収アップしたい・成果に見合った報酬を受け取りたい)
- 事業内容(将来性のある仕事をしたい・世の中への貢献度が高い仕事をしたい)
このような自己分析を行い自身の希望を明確にしたうえで転職エージェントに相談すると、より具体的なアドバイスが返ってくるはずです。
自己分析に漏れがないかチェックする意味でも、転職エージェントの意見を参考にするのは効果的なのです。
4)ポータブルスキルを活かしたい方におすすめの転職サービス
ポータブルスキルを活かしたいという希望は、転職エージェントを利用する動機として一般的なものではないかもしれません。
だからこそ、転職エージェント各社の特徴やメリットを理解し、目的意識をもって登録・利用することが大切です。
ただし、最初から「ここだ」という転職エージェントを見つけるのは至難の業かもしれません。
迷ったら、まずは2〜3社の転職エージェントに登録し、相談から始めてみることをおすすめします。
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自分が持つポータブルスキルが自覚していたよりも幅広かった…ということは十分にあり得ます。
もともと希望していた職種や業種以外にも、自分が持つポータブルスキルを求めている業界があるかもしれないのです。
転職エージェントに相談した結果、異業種へのジョブチェンジが可能であることを知る、というのは決してめずらしい話ではないのです。
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職場が変わったとしても評価されるポータブルスキルに自信ありの人は、こうした中小の優良企業を目指してみると、一期一会の良いマッチングが実現できることがあります。
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現在の勤務先でもゼネラリストとして活躍してきた万能タイプの人は、ポータブルスキルも高いレベルで持っていることが高いため、転職しても早くから即戦力として活躍し頭角を現していく可能性大です。
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登録者のビジネススキルも高いレベルで判断されますが、ポータブルスキルのレベルが高い人であれば人材価値を高く評価されることも十分考えられますので、チャレンジしてみる価値はあるでしょう。
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5) ポータブルスキルは転職において強力な武器になる!

中途採用を行う企業の多くが「即戦力」を求めています。
即戦力とは、業種・職種に特有のスキルを持つ人のことですが、同時に「新たな環境に素早く適応できる人」のことでもあります。
環境に素早く適応して力を発揮するには、特定の組織に依存しない持ち運び可能なスキルを持っていることがマストです。
特定の組織において有用なスキルではなく、持ち運び可能なスキルを持つ人材は、転職市場において高く評価されます。
自身のポータブルスキルを見出しブラッシュアップしていくことは、転職において強力な武器となるのです。
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