【年代別】エンジニアがキャリアアップ転職するコツ
[最終更新日]2022/01/17

転職にはリスクが伴います。リスクを冒してでも転職に踏み切るのは、現状より何らかの条件を改善したいとか、もっと希望に近い条件で働きたいといった理由によるものでしょう。
実は、ITエンジニアがキャリアアップ転職するには「年齢」「タイミング」「キャリアプラン」という3つの要素がとても重要になります。
目次
1) エンジニアが希望するキャリアと、企業が求めるキャリアにあるギャップ

キャリアアップを目指して転職にチャレンジしよう!と思い始めているITエンジニアの方に、自問自答してみてほしいことがあります。
それは、「自分にとって『キャリアアップ』とは何か?」という問いです。
なぜなら、自分にとって今後進みたい方向性と、多くのIT企業が求めているキャリアの間には、大きなギャップがあることも少なくないからです。
まずは、ITエンジニアにそのような現象が起こりやすい理由について確認していきましょう。
企業は 30代以降のエンジニアにリーダースキルを求める

技術的な話題に対して好奇心旺盛なSEやPGほど、現場の第一線で活躍し続けたいと考えるものです。
経験を重ねることで自分にとっての得意分野が分かってくるなど、仕事の面白さを実感し始めるエンジニアもいるはずです。
ところが、ここで一人のエンジニアとして活躍するためのスキルや経験に固執してしまうと、30代以降の転職が厳しくなってきます。
20代までであれば、「いろいろな現場を経験してきた」「複数の言語を扱える」といった、エンジニアとしてのポテンシャルや将来的な伸び代を期待されて採用に至ることもありますが、30代に入るとそれだけでは十分とは言えません。
ミドル層以降の年代に企業が期待するのは、大勢のエンジニアを束ねてチームを引っぱっていくことができるリーダースキルなのです。
エンジニアが一人でこなせる仕事の範囲には限りがありますが、リーダースキルのある人材を採用することができれば、一人の人材を採用することで何十倍もの効果を得ることができるかもしれないからです。
エンジニア自身は、30代と40代以降で「希望するキャリア」が変わる

キャリアを重ねてきたエンジニアに企業がリーダースキルを求める傾向があるのに対して、エンジニア側が希望するキャリアはこれと必ずしも一致していません。
40歳以上のエンジニアが目標とするキャリアとして最も多い回答が「特定技術のスペシャリスト」だったという調査結果も見られます。
エンジニアとしては経験を重ねるほど専門分野を極めたいというスペシャリスト志向になっていく人が多いことが伺えます。
リーダーやマネージャーになると、仕事の軸足が「管理」に移っていきます。つまり、自分がプレーヤーとして実務をこなすことよりも、メンバーの仕事の進捗やモチベーション管理など、自分以外のことを気に掛ける機会が格段に増えるわけです。
これを「実務から離れてしまって寂しい」と感じるか、「仕事の幅が広がって面白い」と感じるかによって、自分がマネジメント向きかどうかある程度分かると言えるかもしれません。
ただ、現実問題として企業の多くがミドル層に求めているのはマネジメント寄りのスキルです。
エンジニアと企業との間で、希望するキャリアにずれが生じているという現実は知っておくべきでしょう。
「リーダー職」になるか、「技術スペシャリスト」になるか選択を迫られる

30代、40代と年齢が上がっていくほど、20代のような「ポテンシャル」「伸び代」といった裾野の広い能力ではなく、「何に力を発揮できる人材なのか」といったシビアな目で見られるようになるのは避けられません。
「それなら専門職系でキャリアアップできるように専門スキルを伸ばしていこう」と考える人もいるかもしれませんが、そもそも転職を希望する企業にそういったポジションが存在するのかどうか、よく確認しておくことをお薦めします。
なぜなら、「専門職系に進みたい希望は強くあるものの、そういった前例がない」「結果的にマネジメントの道に進むしかなくなった」といった事態に直面し、悩んでしまうエンジニアは非常に多いからです。
マネジメントの道に進むことにどうしても抵抗があれば別ですが、もしマネジメントの方向も考える余地があるのなら、将来的なキャリアの幅を大きく広げられる可能性があるのです。
「自分はマネジメントに向かない」と決めつけず、今後のキャリアを広げる意味でもさまざまな可能性を摸索しておきましょう。
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2)年代ごとのキャリアアップ転職のコツ
企業側がITエンジニアに期待することは年代ごとに異なることが分かりました。
裏を返せば、戦略的に転職を成功させるためには各自の年代で求められているスキルや経験は何かを理解し、その部分をアピールできれば採用される確率が高まることになります。
求められるスキルを自分のコアスキルにすることで、多くの企業が欲しがる強みを持った人材になることも可能なのです。
ここからは、キャリアアップのコツを年代ごとに整理していきます。
20代は「今後のキャリアプラン」を明確にすること・実績を積むことがポイント

20代と言っても、20代後半になると即戦力としての活躍を期待されるようになります。
それまでに何らかの強みを持っておくことが大切です。
ただし、この年代で高スキルの人材を採用するのは企業にとって競争率が高いため、20代前半までの伸び代がある年代の人材をポテンシャル採用するケースも見られます。
新卒で就職してから数年間で多いケースとして、「残業が多くて体力的にきつい」「希望している仕事を任せてもらえない」といった、職場に対する不満を理由とした転職です。
もちろん転職理由は必ずしもポジティブなものばかりではありませんが、目の前の状況を変えることを第一の目的として転職すると、転職先でも同じようなことで悩んでしまい、結果的に転職を繰り返すことになりかねません。
20代の転職でキーポイントとなるのが「今後のキャリアプラン」です。
5年、10年というスパンで考えたとき、どのような方向へ進んでいきたいのか決めておくことで、目の前のことに振り回されることなく転職すべきかどうかを判断しやすくなるのです。
キャリアプランが明確化することで、身につけておくべき知識やスキルも浮き彫りになっていきます。
進みたいキャリアの方向性へ向かって経験を積み、実績を増やしていくことで人材価値を高めることへとつながっていきます。
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30代は「リーダー職」と「技術スペシャリスト」の分かれ道

30代に入ると、企業が求めるスキルも大きく変化していきます。
30代前半のエンジニアに対しては、多くの企業がほぼ間違いなく「即戦力」を求めています。
20代で経験を積み、多くの場数を踏んできた経験を存分に発揮してほしい、ということです。
また、その延長上には近い将来リーダー職、さらにはマネージャーとして活躍してもらいたいという期待も込められています。
よって、ひとりのプレーヤーとして優秀で経験豊富であると同時に、マネジメントの資質も持ち合わせているような人材が高く評価されやすい傾向があります。
「マネージャーとして人を管理するよりも、エンジニアとして開発の現場に携わり続けたい」「技術的な興味は尽きないけれども、マネジメントに対してはどうも興味が湧かない」という人は、技術スペシャリストとしてのキャリアを望むようになるかもしれません。
将来的にマネジメントの方向へ進むことを見越してリーダー職にキャリアアップするか、技術スペシャリストの方向へ舵を切るかの分かれ道は、多くの場合30代なのです。
ここで自分の適性や将来進みたい方向性を見誤らないことが非常に重要になりますので、よく考えて後悔のない選択をするようにしましょう。
40代はマネジメント経験が問われるが…

一般的に、40代以降のエンジニアが転職するのであれば、前職までのマネジメント経験に注目が集まると考えるのが自然です。
中堅以上の企業だけでなく、たとえばベンチャー企業でも若手社員が中心の職場では中堅以上のベテラン勢を採用したいというニーズは存在します。
では、マネジメント経験があまりない場合や、そもそもマネジメントの方向へ進みたいと思っていないエンジニアは、40代から転職するチャンスはないのか?というと、決してそうではありません。
とくにSEの場合、プロジェクトを管理しつつ自らもプログラムを書くということは決してめずらしくありません。
つまり、プレーヤーとしての一面とマネージャーとしての一面を両方とも併せ持つ人材のほうが現場で重宝されることもあるのです。
反対に、エンジニアとしての技術的な土台が不十分なままマネジメントの方向へ進むと、現場のエンジニアとの意思疎通がしっかり図れないなど、さまざまな不都合が生じることも考えられます。
エンジニアのキャリアは「エンジニアとして全うするか、マネジメントに専念するか」の二択ではありません。「どちらもこなせる」というマルチなポジションを狙ってみるのもひとつの手です。
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「しっくりくるキャリアプランが描けない…」という場合は転職を視野に入れてみても

ここまで、年代ごとの転職のコツを見てきましたが、共通しているのは先々のキャリアプランを描き、明確にしておくことが非常に重要になるという点です。
しかし、5年、10年というスパンでキャリアプランを設計するのは決して簡単なことではありません。
自分がこれまで経験してきた仕事内容・分野や、客観的に見た場合の自分の適性、さらには転職市場における自分自身の人材価値、現状のスキルレベルといったことを勘案した上で、適切なキャリアプランを作成するのは骨が折れる作業です。
「今の会社では希望通りのキャリアに進めない」と感じているのであれば、おそらく転職を検討する時期に来ているのでしょう。
ただし、同時に「かと言ってこれからどんな方向へ進んだらいいか決めかねている」という状況であれば、一人で悩まず第三者に相談することをお薦めします。
転職する・しないを決めかねている状態の人も、まずはキャリアプランについて相談に乗ってもらうこともできますので、転職エージェントに登録してアドバイスしてもらうことからスタートしてみてはいかがでしょうか。
3)ITエンジニアにお薦めの転職エージェント
自分の強みを最大限に活かしたい方は、レバテックキャリアがお薦め
レバテックキャリアはIT・Web系企業に特化した転職エージェントです。
IT業界に精通し高度な専門知識を持つカウンセラーとマンツーマンで行われる面談は、質が高く参考になると定評があります。
独自の「強み発見テクニカルヒアリング」で強みを引き出し、エンジニア自身も気づいていなかったアピールポイントを掘り起こしてくれます。
さらに、引き出した強みを元に企業への推薦状を作成してもらえるため、自信を持って応募することができるのです。
自分が希望するキャリアと自身の強みが符号していないと、せっかくのスキルや経験を十分に評価してもらえない可能性もあります。
客観的に強みを分析してもらうことによって、採用担当者にしっかりと伝わるアプローチ方法が見つかるはずです。
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若手社員のエンジニア転職なら、DYM IT転職がおすすめ
DYM IT転職は、「エンジニアのキャリアアップ・キャリアチェンジ」にも「未経験からのエンジニア転職」にも適した転職エージェントです。
転職者のスキルや志向に合わせた求人紹介を行ってくれるため、転職後のミスマッチも極力避けることができます。
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たとえば「今後、技術スペシャリストを目指す道はないだろうか」と摸索しているエンジニアにとって、転職エージェントからごく限られた数件の求人を紹介されて「現在ご紹介できる案件は以上です」と言われたとしても、そう簡単には納得できないでしょう。
転職はその後のキャリアを大きく左右する重大な節目となる出来事ですから、しっかりと納得して決断に踏み切ることが大切です。
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国内最大級とも言われるDODAの豊富な求人保有数を活かし、幅広くたくさんの企業を紹介してもらうことが可能です。
できるだけ多くの求人を見た上で比較検討したい人にとって、DODA ITエンジニアは最適な転職エージェントと言えるでしょう。
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4)まとめ 妥協点を探すより、積極的なキャリアプランを目指そう

企業によってエンジニアに求める能力は少しずつ異なります。
しかし、全体的な傾向として年代ごとにエンジニアに期待する能力が変化していくのは事実です。
自分がやりたいことと企業側が求めることが食い違っているとき、先々のキャリアプランをどう考えるのか悩む人もいることでしょう。
キャリアプランを考える際には、「妥協点を探す」という消極的な考え方をすると、かえって苦しむこともあります。
「求められる力に歩み寄る」発想に変えることで道が開ける場合もありますので、ぜひ積極的なキャリアプランを目指して転職活動に取り組んでみてください。