20代の「経験・実績に自信がない…」 転職活動中にスキル不足を感じた時へのアドバイス
[最終更新日]2023/09/18

転職活動をすでに進めている人や、これから転職活動をしようと考えている人の中には、「自分はスキル不足だ」「この仕事をこなすだけのスキルがない」と感じたことがある人もいるかもしれません。
スキルが足りないと感じると、多くの人は「あきらめる」のではないでしょうか。でも、ちょっと待ってください。もしかしたら、スキル不足という認識そのものがただの思い込みかもしれません。
目次
年代別 転職時に実績・スキル不足を感じたときの対策
1)20代転職者がスキル不足を感じるパターンとその原因
20代の転職希望者が「自分はスキル不足かもしれない」と感じる瞬間には、代表的な2つのパターンがあります。「スキル不足」と捉えると、問題を解決するには「スキルを身につける」しかなさそうな気がしますが、実際はそれ以外にも対策はあるのです。
では、具体的にどのような場面で20代の転職希望者がスキル不足を感じやすいのか、パターン別に見ていきましょう。どちらかのパターンが今の自分の状態に当てはまるようであれば、「スキル不足」を理由に転職を諦めるのは時期尚早かもしれません。
よくあるパターン① 経験・資格の無い分野に臨もうとしている

スキル不足ではないか?と心配になるのは、実務経験のない業種や職種に転職しようとしているからではないでしょうか。経験がある分野であれば、経験業務の内容や経験年数をアピールすればいいからです。
未経験の業種や職種に転職する場合、必要なスキルレベルがどうしても見えづらくなります。応募要件を満たしていたとしても、「本当に今のスキルレベルで通用するのだろうか?」と不安になってしまうのです。
しかし、人材を募集している企業の側も、十分なスキルレベルを持った人がそう簡単に応募してこないことは覚悟の上で募集をかけているはずです。転職先の職場で通用するレベルにあるかどうかは、最終的には応募先の企業が判断することです。応募する前から「通用しないかもしれない」などと不安に感じていても仕方がありません。応募要件をおおよそ満たしているのであれば、自信を持って応募してみましょう。
よくあるパターン② 応募倍率の高い求人は、「やる気」よりも「経験・スキル」を重視されがち

応募している企業が、いわゆる有名企業や人気企業の求人の場合、倍率が高くなりがちです。企業としては応募者多数の状況であれば、現実的に面接可能な人数になるようふるいにかけなくてはなりません。
たとえば、次の3人の応募者から1人選ばなくてはならないとしたら、誰を選ぶでしょうか。
Aさん:意欲に溢れている。
Bさん:意欲に溢れていて、スキルはそこそこある。
Cさん:意欲に触れていて、スキルも十分にある。
この場合、十中八九「Cさん」が選ばれるのではないでしょうか。
有名企業や大企業のように人気のある求人には、応募者が殺到します。企業にとっては「選びたい放題」の状態なのです。「人柄」や「意欲」といった抽象度の高い要素は、応募者の倍率が高くなればなるほど通用しにくくなるのです。
スキルが十分でなくても意欲を買ってほしい!という場合、いわゆる有名企業や人気企業だけでなく、中小企業やベンチャーを視野に入れて求人を探したほうがいい場合もあるのです。
2)そもそも、20代の転職活動において“スキル”は必要?

20代の転職でスキル不足を感じやすいパターンとして、
- 未経験分野への転職
- 高倍率求人への転職
が挙げられることについて見てきました。
では、これ以外のパターンにおいては、そもそも20代の転職活動において「スキル」はそこまで重視されるものなのでしょうか。
転職といえば「即戦力」「スキルは必須」というイメージを持つかもしれませんが、20代の転職においては必ずしもそうとは言い切れないところがあります。スキルの解釈や捉え方を少し広げるだけで、転職の自由度が驚くほど増すかもしれないのです。
20代の応募者には、現状でのスキルの高さよりも「スキルを学ぶ意欲」に注目する企業が多い

20代の社会人経験者に企業が期待するのは、まずは「社会人としての経験」です。新卒との違いとして、一定の社会人経験がありゼロから研修を施す必要がないという点は、企業にとって非常に助かるポイントなのです。この社会人経験があることにより、勤務先が変わったとしてもいち早く新しいルールや文化を理解し、適応できることを期待されているのです。
クリエイティブ系など経験やスキルが問われやすい職種の場合も、このことは例外ではありません。学生時代に習ったことがある技能や、独学で制作した経験があれば、そのスキルを実務に活かすことができる可能性があります。そして、ある程度の社会人経験があれば、実務未経験であっても他業種のスキルをうまく転用し、大事なところは外さずに仕事を進められる場合があるのです。
会社で経験した技能だけが「スキル」として通用するわけではありません。学校で習った技能や独学で習得した技能があれば、ポートフォリオとしてまとめておき、「ベースとなるスキルはあるので、実務で学びながらスキルを伸ばしたい」ことをアピールできるようにしておきましょう。
それでも「スキルが必要な求人に応募したい」と悩んでいるなら

意欲や社会人経験ではどうにもならないようであれば、そもそも20代のスキルレベルでは転職が難しい職種の可能性があります。そういった場合、まずはその職種の下流工程を請け負う仕事に着目してみるのも手です。
たとえば、「書籍編集者になりたい」と思ったとして、編集の経験が全くない転職希望者を出版社が雇うことはめったにありません。そこで、出版社と著者の間に入って編集実務を請け負っている編集プロダクションへの転職を検討してみるのです。
編集プロダクションは良くも悪くも出版業界を支えています。そのため、ときに無理難題を飲まなくてはならないこともあれば、残業が続くこともあります。しかし、編集という仕事をゼロから覚えるには最適な環境である上に、若手であれば未経験者も受け入れているケースが多いのです。
よって、編集プロダクションで何年か経験を積み、自信がついたら出版社へとステップアップしていく、というキャリアプランを軸に転職活動を進めていくことになります。
このように、最初から上流工程にトライするのが難しければ、下流工程にも視野を広げ、キャリアプランを長期的な視点で構築していくことも考える必要があります。
3)20代で「スキル不足」を感じた時の対策3つ

応募したい求人があるけれども、自分の今のスキルでは不足しているような気がしてしまう・・・。そんなとき、どう対処したらいいのでしょうか。
仕事を遂行するためのスキルがある日突然伸びることはありませんので、可能な対策としては次の3つになります。
- スキルに代わるものをアピールする
- 少々時間をかけてでもスキルを身につける
- 第三者にアドバイスを求める
この3つのうち、どの対策が採用の決め手になるというものではありませんので、自分の状況に最も合った方法を選ぶことが重要になります。それぞれの対策について、具体的に確認していきましょう。
スキル不足を解消したいという「熱意」をアピールする

スキルをアピールしなくては、と思うあまり「自分にはこんなことができます」「経験があります」「資格も持っています」と面接で並べ立てる人がいますが、こうしたアピールは場合によっては逆効果になることがあります。見方によっては「うちの会社の仕事を甘く見ているのではないか?」「良いことばかり言っているが、本当だろうか?」と思われてしまう恐れもあるのです。
それよりも、「うちに入社したらものすごく頑張ってくれそうだ」という熱意を感じられる人のほうが、面接担当者としても「この人と働きたい」と感じるものです。熱意と言っても「死にものぐるいで努力します」と訴えることではありません。たとえば、次のような面からも「熱意」は伝わります。
- 業界研究や企業研究を熱心にしてきた形跡がある
- 履歴書や職務経歴書から、時間や労力を費やして作成したことがうかがえる
- 入社後に働く姿を具体的にイメージできている
- 転職したい理由が志望動機ときちんとリンクしている
こうした熱意の伝え方は思いつきでできるものではありませんので、応募や選考までの下準備をどれだけやってきたかが問われるのです。
社会人向けスクールや職業訓練校で学ぶ

熱意だけでなく実際のスキルも伸ばしたいと感じている人は、少々時間をかけてでもスキルを研鑽するといいでしょう。具体的には、社会人スクールや職業訓練校を活用するのがおすすめです。
社会人スクールとは、主に仕事が終わった後やオフの日に通うものを言います。独学と比べると学習のペースがつかみやすく、習慣化しやすいというメリットがあります。反面、費用がそれなりにかかることや、仕事と並行して通うため時間的な制約がどうしても生じることはデメリットと言えるでしょう。
遅くまで残業せざるを得ない状況が続いている人や、週末も出張などの用件が入りやすい人には向かない場合があります。時間の捻出が難しい人にはオンラインスクールなどもありますので、検討してみるといいでしょう。
また、職業訓練校を活用する方法もあります。職業訓練校は受講料が無料という大きなメリットがあり、中には資格が取得できるものもありますので、挑戦してみる価値はあるでしょう。ただし、職業訓練を受けられるのは離職者に限られます。やりたいことが明確に決まっているのであれば、職業訓練校という選択肢も検討してみる価値はあるでしょう。
転職エージェントに相談してみる

スキル不足に悩んだ末、行き詰まりを感じたときは、第三者にアドバイスを求めるのも有効な解決策です。
転職エージェントは無料で利用できる上に、転職のプロであるアドバイザーにスキルや長所を客観的に評価してもらうことができます。自分では気づいていなかった自身の強みや長所を再発見できるかもしれません。
転職活動の際には、多くの人が「転職エージェント」を利用しています。
その主な理由は、国内の少なくない企業がハローワークや転職サイトではなく転職エージェントのみに「非公開求人」を出しているからです。

ですが、私たちが転職エージェントを利用する際は「求人を紹介してくれる人」としてではなく、「転職活動全般を相談できる人」として活用したほうがより効果的でしょう。

上記図で表す通り、「求人紹介」は転職エージェントが提供するサービスの一部でしかありません。
それ以外のサービス、例えばキャリアプランのアドバイス(キャリア相談)、書類添削、面接対策などの選考通過のためのサポートも受けることによって、転職成功の確度を高めていけるはずです。
ただし、転職エージェントは国内多くのサービスがあり、またどの担当者が付くかによってもサポートの提供のされ方が変わります。
あなたに合った転職エージェント(または担当アドバイザー)を見つけるためにも、はじめに2~3つのサービスに登録して、利用のしやすさやコミュニケーションの取りやすさを比較しておくことをおすすめします。
転職エージェントでは、応募書類の書き方や面接でのアピールの仕方など、効果的な方法についてもアドバイスしてもらえますので、自力で全てを乗り切るのと比べると効率良く転職活動を進めることができます。
このように、転職エージェントに相談することで複数のメリットを得ることができます。スキル不足に悩んでいる人は、転職エージェントへの活用を検討してみるといいでしょう。
4)20代で「スキル不足」を感じた方に、おすすめの転職エージェント

20代のスキル不足を理由に求人への応募を躊躇してしまいがちな人は、転職市場における実際のスキルレベルや自身のアピールポイントについて客観的な指標を得る意味でも、転職エージェントを活用するのは得策と言えます。
では、どのような転職エージェントを選んだらいいのでしょうか。スキル不足をどのような方向で解決していきたいかによって、適する転職エージェントを使い分けていくのがおすすめです。
そこで、あなたに合ったサービスを見つけやすくするためにおすすめの転職エージェントをパターン別にピックアップしました。
タイプ別のおすすめ転職エージェント
どれか一つのタイプではなく、複数のタイプが当てはまるという人もいるでしょう。
その場合は、それぞれのタイプでおすすめしているサービスを見て、自分にマッチしそうなサービスを2~3ピックアップしてみてください。
なるべく早く転職したい、積極的に求人提案を受けたい人はdoda・リクルートエージェント

20代の転職で、「なるべく早く転職したい」、「積極的に求人提案を受けたい」という人はdoda、リクルートエージェントのサービス利用がおすすめです。
両サービスは共に国内最大手の人材紹介会社として、豊富な求人と充実したサービス体制があり、スキル不足・実績不足の課題についてもこれまでのノウハウから適切なアドバイス・サポートを受けやすいでしょう。
また、職務経歴書などの書類添削や応募企業の情報収集、面接対策についてもしっかり行ってくれます。
ただし、doda・リクルートエージェントは若手のキャリアアドバイザーも多く、当然その品質は一定ではありません。
相性の良くないアドバイザーや経験の浅いアドバイザ―が担当になったときにうまくリスクヘッジできるように、複数の転職エージェントに登録しておきサポート品質を比較確認できるようにしておいた方が良いでしょう。
サービス名 | 特徴 |
---|---|
![]() doda |
|
![]() リクルートエージェント |
|
キャリアアドバイザーにじっくり相談してもらいたい人はマイナビエージェント・パソナキャリア

転職エージェントを「相談役」として活用したい方、または今後のキャリアをどうしていくか等で転職に不安を感じている方は、じっくり相談を聴いてもらえると評判の転職エージェントがおすすめになるでしょう。
相談をどれだけ聞いてもらえるかは担当となるキャリアアドバイザーによっても変わってきますが、以下の転職エージェントは「話をよく聞いてもらえた」という評判が多いです。
マイナビエージェントは中小企業とのリレーションが強く、実績・スキル不足の20代転職者に対しても「この企業ならポテンシャルを評価してくれるだろう」という判断のもと求人紹介をしてくれます。
パソナキャリアは全国都道府県に支店があり地域企業との繋がりが強固です。また、キャリア相談についても時間をかけて話を聴いてくれるという評判が多く、特に女性転職者からの評価が高いです。
サービス名 | 特徴 |
---|---|
![]() マイナビエージェント |
|
![]() パソナキャリア |
|
初めての正社員転職・就職になる人はJAIC、就職ショップ、マイナビジョブ20’s、ハタラクティブ

今回が初めての正社員転職/就職を目指すことになるという人は、「フリーター・既卒者向け」の転職エージェント利用がおすすめです。
それらの転職エージェントでは、正社員未経験者の採用企業に対してどうアプローチしていくと良いかのノウハウを多く持っているからです。また、サポート体制が充実しているところも多く、「正社員になりたいけど、実現できるか不安を感じている」という人も相談しやすいでしょう。
紹介される求人は、実績・スキル不足を気にする人も目指しやすい「未経験者歓迎」のものが多いです。選考に向けての書類添削・面接対策にも応じてくれます。
具体的なサービスとしては、以下があります(※表参照)。
サービスの特徴を見て、自分に合いそうと感じたものから登録を検討してみてください。
サービス名 | 特徴 |
---|---|
![]() JAIC(ジェイック) |
|
![]() 就職Shop |
|
![]() マイナビジョブ20’s |
|
![]() ハタラクティブ |
|
専門スキルを活かしたい人は、「特化型」の転職エージェント

ITエンジニアや管理業務、マスコミや介護など、すでに前職である程度特定業種での経験を持った人は、「特化型」の転職エージェントがおすすめです。
特化型の転職エージェント利用いちばんのメリットは、担当となるキャリアアドバイザーがその分野の業界情報やトレンドに詳しいということです。
「まだまだ実績・スキル不足だが、引き続きこの分野で働きたい」という20代の方向けに、今後もキャリアを積み上げる為にどのような知識やスキルの開発が必要かであったり、現在のスキルではどのような業務内容や企業がおすすめかなど、具体的なアドバイスを貰いやすいでしょう。
各分野別のおすすめ特化型転職エージェント
タイプ | ITエンジニア | ITエンジニア | IT・Web系職種 | 管理職・エキスパート | 管理職・エキスパート | 管理職・エキスパート | 会計・経理・税務・財務 | マスコミ・メディア | アパレル・ファッション | 管理部門 | 外資・グローバル | 外資・グローバル | 製造系エンジニア | 介護・福祉 | 介護・福祉 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
サービス名 | マイナビITエージェント![]() | レバテックキャリア![]() | ワークポート![]() | JACリクルートメント![]() | リクルートダイレクトスカウト![]() | ビズリーチ![]() | ジャスネットキャリア![]() | マスメディアン![]() | クリーデンス![]() | MS Agent![]() | エンワールド![]() | ロバート・ウォルターズ![]() | メイテックネクスト![]() | レバウェル介護![]() | かいご畑![]() |
メリット |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
デメリット |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
公開求人数 | 約1.7万件 | 約2.0万件 | 約7.9万件 | 約1.2万件 | 約55万件 | 約9.5万件 | 約3,400件 | 約3,900件 | 約1,300件 | 約9,000件 | 約1,000件 | 約2,100件 | 約1.3万件 | 約5.5万件 | 約1.0万件 |
得意業界/職種 | IT・Web | IT・Web | ◎全業種・職種 | ◎全業種・職種 | ◎全業種・職種 | ◎全業種・職種 | 会計・経理・税務・財務 | マスコミ・メディア | アパレル・ファッション | 管理部門・士業 | 外資系 | 外資系 | 製造系エンジニア | 介護・福祉 | 介護・福祉 |
対象地域 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 | 関東・関西・中部(東海) | 東京・大阪 | 関東・関西・東海 | ◎全都道府県 | 東京・愛知・大阪+海外 | 東京・愛知・大阪+海外 | 東京・名古屋・大阪・福岡 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 |
おすすめの人 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
公式サイト |
表内の求人数は2023年9月時点のものです。
まとめ)20代の転職でスキル不足は致命的な問題とは限らない
中途採用者には即戦力が求められる、とよく言われます。そのため、「転職=スキルは必須」と思い込んでしまう人は少なくありません。
しかし、近年は売り手市場の状況が続いていることもあり、企業にとって人材募集が厳しい時代になりつつあります。希望通りの人材がすぐに入社してくれるとは考えていない企業も多いため、たとえ「求人から読み取れるスキルレベルには十分達していないかもしれない」といった状況であっても、チャレンジしてみる価値は十分にあるはずです。