未経験からITエンジニアを目指す前に知っておきたい、 エンジニア転職の「ウソ・ホント」
[最終更新日]2021/11/29

「実務経験はないけれど、転職してITエンジニアとして働きたい」と考えていませんか。
ITエンジニアと言えば、現在「ほとんどの企業が欲しがっている」と言っても過言ではないくらいの「売り手市場」となっています。
実務未経験者であったとしても、一定の知識・スキルがあればITエンジニアとして転職することはそれほど難しくはないでしょう。
目次
1)未経験からのITエンジニア転職は、「ウソ・ホント」を正しく理解することが成功のカギ

さて、現在ITエンジニア未経験の皆さまが抱く「ITエンジニアのイメージ」とはどのようなものでしょうか。
「お客様と対話をしながら画面のデザインをする」と答える方もいれば「サーバなどの端末と向き合ってプログラムを作る人」と答える方もいらっしゃることでしょう。
これら2つのエンジニア像は、全く真逆のイメージではあるもののどちらも正解と言うことができます。
画面のデザインなどに携わるタイプのエンジニアは「フロントエンジニア」と呼ばれ、サーバなどの構築を行うタイプのエンジニアは「バックサイドエンジニア」と呼ばれ、どちらもITエンジニアなのです。
このように、一言でITエンジニアと言っても、その業態や必要とされるスキルは多岐にわたります。
求人サイトで「ITエンジニア」というキーワードだけで調べて転職活動をしていた場合、転職後に自分のイメージとのギャップに戸惑い後悔してしまう可能性が大いにあります。
ITエンジニアとしての転職を目指す際は、まず自分はITエンジニアとしてどういった仕事をイメージしているのか、そしてどんな業務やスキルに興味があるのかを明確にする必要があります。
もし、まだ「明確ではない」「ぼんやりしている」ということでしたら、まだITエンジニアとして転職先を決める時期ではないでしょう。
「ITエンジニアって実際はどんなものなの?」に関する知識を深めていく
どんなITエンジニアを目指すかについては、書籍やネットの情報だけでなく、実際にエンジニアとして働いている知人・友人から話を聴いたり、転職者向けの説明会などで実際に企業の方に会って話を聞くことが大切です。
ITエンジニアについて理解を深めていくうちに、これまで信じていたイメージが実はそうでなかったり、またはその逆もあったりと、段々と明確になっていきます。
こうした、ITエンジニアにまつわるイメージの「ウソ・ホント」を明らかにしていくことが、未経験からのITエンジニアを成功していくための第一歩となることでしょう。
さて、この記事でもITエンジニアにまつわるイメージについて、これからいくつか紹介していきたいと思います。皆さんはこれらについて「ウソ・ホント」どちらだと思われるでしょうか。

2)転職前に知っておきたい。ITエンジニアのこんなイメージは本当?

売り手市場で需要が高いから未経験からでも目指しやすい?
結論から言うと、このイメージは「ホント(YES)」です。ただし、いくつか注意点もあります。
ITエンジニアの市場は需要が高く、売り手市場であることは間違いありません。エンジニアになりたいということだけであれば、すぐに転職先は見つかると言っても過言ではないでしょう。
配属前に研修を行っている会社もありますので、その場合は技術力も身につきます。
しかし、IT業界は技術の変遷が非常に速く、そのとき知っている(または学んだ)技術が実践で活用できるのは長くても5年といったところです。
その間にも、最新の技術を学んだ転職者が続々と押し寄せてきます。
更には、IT業界では、積み上げてきたキャリアよりも、今現在どれだけ最新の技術を知っていて、それらを実務で活かせるかが重宝されることが多いのです。
ですので、ITエンジニアとしての最大の適性は「エンジニアの知識・技術を学び続けることを楽しめるか」という部分に尽きます。
その適正に対して「あまり自信がない」という方は、転職後に大変な苦労をすることになるでしょう。
──つまり、「売り手市場だから」と言って安易にITエンジニアの転職を決めるのは危険だということですね。
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ITエンジニアになれば手に職が付けられる?
「ITエンジニアになれば『手に職が付いた』状態になれやすい」──このイメージは、どちらかと言えば残念ながらNOです。
もちろん、エンジニア経験は重宝されますが、それは「ITエンジニアになったから」付いた経験ではなく、「ITエンジニアとして日々学びながら業務に取り組んだ」からこその経験だからです。
たとえば、一つの技術で「食べていける」期間は、良くても数年といったレベルでしょう。
つまり、一念発起して勉強しエンジニアになれば一生の安泰を得られるといったものではないのです。
ですが、一方で「常に最新の技術を学んでいこう」というスタンスを持ち、かつ行動に移せる人は非常に重宝されることでしょう。
また、その際は、すべての分野について学ぶ必要はありません。
得意な分野に特化して最新技術を勉強するもよし。開発言語に関わる分野を広く浅く学んでいくもよし。
自分自身を常にアップデートしていくモチベーションがある人は、大抵の場合において組織・チーム内で大きく活躍していけるはずです。
ITエンジニアは高収入?
こちらは、「ホント(YES):8割」で、「ウソ(NO):2割」と言ったところでしょうか。
一昔前のITバブルの時代の名残からか、現在でも「ITエンジニアといえば高収入」というイメージを持たれる方は多くいらっしゃいます。
実際に、IT系企業でITエンジニア職の給与テーブルを他の職種の物より若干高めにしているところは少なくありません。
特に、技術力が傑出しているエンジニアに対しては、ほとんどの企業がそのスキルに相応した高い年収を提示する傾向にあります。
ただし、ここで意識したいのは、ITエンジニアの待遇は、「現在のスキルまたは今後の成長への期待」を込めて設定されているということです。
実務未経験で入社される場合は当然ながら現在のスキルはそれほど高くない状態でしょうし、かろうじて「将来もしかしたら活躍してくれるだろう」といった若干の期待値があるくらいでしょう。
そして、ITエンジニアとして入社したのちに相応の努力や成長が見られなければ、その期待値自体も消滅し、年収も頭打ちになってしまうかもしれません。
つまり、「ITエンジニア=高収入」という図式は必ずしも正解ではなく、「努力と成長をし続けられるITエンジニア」のみが、待遇を向上し続けていけるのです。
ITエンジニアは激務で“ブラック企業”が多い?

ITエンジニアは激務で、勤務する会社のほとんどは「ブラック企業」──こちらは、「YES、NOどちらでもない」と答えるべきでしょう。
たしかにIT業界にブラック企業はありますが、それは「ITだからブラックになる」という因果関係があるわけではありません。
因果関係という観点で唯一注意すべきは、「多重下請」構造となっているIT企業です。
こちらは、仕事を受託した企業が下請けに作業を依頼し、その下請け会社がさらに下の孫請けに仕事を依頼するという構造の下流にある企業のことです。
孫請け会社は一般的に利益率が低く、かつ納期が親会社からの意向等で短期になりやすいため、いわゆる「ブラック企業」としての特徴を有しやすい傾向にあります。
その他、ゲーム会社やWebメディア制作会社などでは、休日や時間帯に関わらずサービスを利用するユーザーがいる場合は、トラブル時の緊急対応であったりリリース納期に間に合わせるための時間外業務(残業)の発生が起きやすいとされています。
これらは、「ITエンジニアだから忙しくなる」ということではなく、あくまでその企業の事業内容や業務体制に起因するものです。
つまり、ITエンジニアに向けて転職をされる際は、勤務先企業の事業内容・業務体制についても意識をしておくと良い、ということですね。
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3)後悔しないために、ITエンジニアへの転職を考えたらやっておきたいこと

転職は、人生の中でも大きな決断の1つです。
後悔のない転職活動を行うためにしっかりと準備をしてから挑みたいものです。
ITエンジニア未経験の方が転職を目指す際は、特に以下の3つの観点で準備を進めておくと良いでしょう。
- 自身がITエンジニアに向いているかを確認する
- どんな仕事がしたいのか、希望を具体的にする
- 正しい「現状」を知るために転職エージェントを活用する
各項目について、それぞれ順を追って見ていきましょう。
自身がITエンジニアに向いているかを確認する
ITエンジニアを目指したいと思ったら、まずはその為の勉強を始めましょう。
そんな急にと思われるかもしれませんが、ひとたびエンジニアとしてのキャリアが始まれば常に勉強をして自身のスキルをアップデートする日々が始まります。
厳しい言い方かもしれませんが、何かを教わるという受け身な気持ちの方はITエンジニアとしてキャリアをスタートできても技術変遷の波にのまれて埋没してしまいます。積極的な姿勢も、エンジニアとして大事な適性です。
勉強する内容としておすすめしたいのは「プログラミング学習」です。
勉強の方法は書籍を購入し独学で行うほかに、夜間や週末に実施されている社会人向けの講座に通うといった方法があります。
プログラミングの知識を学ぶことは、自分自身の向き不向きを知ることができるほか、身に着けた技術力は転職活動でも大きなアピールポイントになります。
また、可能であれば専門の講座に通うことをおすすめします。
講師からIT業界のトレンドを聞いたり、同じ道を志す仲間に出会えるなど転職活動の支えとなることが多々あります。
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どんな仕事がしたいのか、希望を具体的にする
ITエンジニアを目指す際には、以下の3点を踏まえつつ、ご自身がこれからどんな仕事をしたいのか、想いや希望を具体化していくと良いでしょう。
- 1.転職先で自分が何をしたいのか
- 2.どんな環境の転職先で働きたいのか
- 3.転職先に何を求めているのか
ITエンジニアの業務は、システムを設計する仕事からプログラムを作る仕事、更には稼働中のサービスの保守運用を行う仕事など、非常に多岐にわたります。
まずは、自分が考えている「ITエンジニア像」を明確にして中長期的なキャリアイメージを構築しましょう。
目標を明確にするなかで、自分のやりたいことがすぐに実現できないという現実に直面することがあるかもしれません。
エンジニア未経験からの挑戦ではスキルも不足しているため、いきなり目標とする業務に従事できるとは限らないからです。
そういった、「今の実力と自分の目標とのギャップがある」という場合は、今後のキャリアでそれをどのように埋めていくかを考えていきましょう。
長期的なキャリアのイメージを描いたら、次は転職先に求めるものを整理していいきます。
大きな指標となるのは「お金」「やりがい」「時間」の3つでしょう。
この3つの中で2つ以上を満たしている会社を選ぶことをおすすめします。
例えば、やりたい仕事に携わるにはスキルが不足している場合「お金」と「時間」にある程度の余裕がある会社に転職できれば、休日などの時間を使って勉強をすることでその後のステップアップなども臨めます。
正しい「現状」を知るために転職エージェントを活用する
ITエンジニアへの転職の際は、IT分野に強い・または特化した転職エージェントのご利用をおすすめします。
転職エージェントは、言うまでもなく「転職支援のプロ」です。
更に、IT分野に強い転職エージェントであれば、業界のトレンドを熟知しており、企業のニーズが高い技術や採用が活発になる時期など転職活動を成功させるための具体的なアドバイスや情報を得ることができます。
まずは転職エージェントからIT業界について情報やアドバイスを得て、トレンドにマッチした勉強を行ってスキルを習得した後に転職活動を行えば、より良い結果を得やすくなるでしょう。
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4)情報収集にも役立つ!IT特化型のおすすめ転職エージェント
さて、ここからは初めてITエンジニアの転職を検討している方向けの、おすすめの転職エージェントを紹介します。
紹介するエージェントは3点。
すでにご存じであったり、登録済みのサービスもあるかもしれませんが、もし転職の成功の確度を少しでも上げていきたいという場合は、1つだけでなく2~3つの、複数のサービスに登録しておくことをおすすめします。
未経験だけど、本当にITエンジニアで転職できるが不安…という方にはワークポートがおすすめ
「ITに強い転職エージェントのサービスを受けたいけど、自分が未経験だから話についていけるか不安…」という方はワークポートの転職エージェントの利用をおすすめします。
ワークポートは元々IT業界に特化した転職エージェントでしたが、現在はサポートする業界の範囲を広げており、また「業界初心者」向けのフォローも強化しています。
つまり、ITエンジニア未経験の方が、ITエンジニアについて詳しく教えてもらいながら希望する企業を見出していく際に、ワークポートはうってつけの転職エージェントということですね。
より多くの求人情報を確認していきたいという方は、リクルートエージェントがおすすめ
リクルートエージェントはITに特化した転職エージェントではありませんが、求人数の多さでは国内随一を誇る、国内最大手の転職支援サービスです。
ITエンジニア関連の求人も多く、かつ全国都道府県の転職支援サポートに対応できる点も魅力的でしょう。
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「実務経験が若干ある、それなりにエンジニアリングの勉強もしている」という方にはマイナビITエージェントがおすすめ
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企業名 | 株式会社マイナビ(1973年8月) |
まとめ)ITエンジニアは未経験でも十分に目指せる分野。目指す際は、正確かつ入念な情報収集と学習を。
ここまでお読みになられて、いかがでしたでしょうか。
もしかしたら、記事を読む前とで「ITエンジニアのイメージが若干変わった…」という方もいらっしゃるかもしれませんね。
正しい知識・情報は、皆さんの今後のキャリアを歩んでいく際に適切な判断・決断を下しやすくしてくれるものです。
皆さんが、望むキャリアを目指してより良い選択をしていけるように、この記事の内容が少しでもお役立てできることを、心より願っています。