PHPエンジニアの転職事情は?求められるスキル・働き方、将来性について
[最終更新日]2021/02/12

「PHPエンジニアをきっかけとして、ITエンジニアの一歩を踏み出したい」このような方も多いことでしょう。PHPエンジニアは、募集の件数や案件の多いことが魅力です。一方で転職する際に気になることは、未経験でも転職できるのか、難しいのか、どうやれば転職を成功できるのかという点ではないでしょうか。
初心者でもPHPエンジニアになることは可能ですが、一日も早くプロジェクトで活躍するためには事前の準備が必要です。また満足する転職の実現には、IT業界に詳しい転職エージェントの活用がおすすめです。
目次
1)「PHPエンジニア」の転職事情は?

プログラミング言語として使われ始めてから、20年以上が経過したPHPですが、その需要は今も高い状況が続いています。
2020年7月にレバテックが公表した「プログラミング言語別求人案件ランキング」によると、PHPの求人割合は16.43%。
Javaに次いで第2位の位置を占めており、2018年度よりも2019年度のほうが上昇していることも、特筆すべきポイントです。
PHPは、将来性のある言語でもあります。たとえばPHPで開発されたシステムが多いことは、主な理由の1つです。
新規だけでなく、既存システムの改修や保守、追加開発といった案件でも活躍できるでしょう。長年使われているため安定していることも、選ばれやすいポイントに挙げられます。
またCMS(コンテンツマネジメントシステム)で高いシェアを占めるWordPressも、PHPで作られています。このような点もあり、PHPの需要が高い状態はしばらく続くものと見込まれます。
参考:PHP開発で多く見られる案件
- Webアプリケーション開発
- ECサイト開発
- 業務システム開発
- ゲーム開発
上記に挙げたように、PHPは幅広い業務・業界のシステムで活用できます。BtoB、BtoCを問わず、さまざまなシステム開発に活用できる点も、特徴といえるでしょう。またパソコンのWebブラウザだけでなく、スマートフォンで動くシステムに使える点も、特徴に挙げられます。
これらの案件は、新規ばかりとは限りません。すでに稼働しているシステムの追加開発や改修、保守案件も、豊富にあります。
新規以外のプロジェクトにアサインされるケースも多いことは、認識しておきたいポイントです。
一方でPHPを使って開発する案件の多くは、ブラウザを介して動作するシステムとなります。どうしても「PHPならWebシステムの開発」となりがちな点は、留意しておくべきポイントといえるでしょう。
PHPエンジニアは、未経験でもなれる?

PHPエンジニアには、未経験でもなれます。
そもそも誰もが、最初は未経験者です。PHPは習得しやすい言語の1つであり、初めて学ぶ言語に選ぶ方も多いもの。未経験者がITエンジニアになる一歩を踏み出す上で、適した言語の1つです。
とはいえPHPエンジニアを募集する企業では、PHPでプログラムを組める人材を求めていることを忘れてはいけません。したがって応募する際には、あらかじめPHPでシステムを組めるスキルを身につけておく必要があります。
PHPは、開発環境も簡単に作成できる言語です。せっかくのチャンスを逃さないためにも、積極的に手を動かし、プログラミングする努力を惜しまないようにしましょう。
PHPエンジニアからのキャリアパス・キャリアアップイメージは

PHPエンジニアからのキャリアパスは、大きく以下の2つに分けられます。
- プロジェクトを管理する立場になる
- 技術を究める
プロジェクトを管理する立場を目指す場合は、プロジェクトリーダーからプロジェクトマネージャーを目指すことになるでしょう。その先には、管理職などの方向があります。
一方で技術を究める場合は、PHPの技術を究める「PHPスペシャリスト」や、複数のスキルを持ち合わせて業務に活かす「フルスタックエンジニア」(マルチエンジニア)への道があります。
フルスタックエンジニアは、ここ数年で注目されていることが特徴です。加えてPHPから他の言語のスキルを身につける方も、少なくありません。
どの道を選んでも、PHPエンジニアとして培った経験は無駄になりません。あなたの希望に合わせて、進むべき道を決められることも特徴の1つです。
2)PHPエンジニアで働く際に求められる知識やスキルは?
前の章で解説したとおり、PHPエンジニアには未経験でもなれます。その際に求められる知識やスキルには、以下の4点が挙げられます。

- PHPで開発できるスキルを身につける
- PHPの開発案件で良く利用されるフレームワークを知り、理解を深めておく
- Webサーバーやデータベース、HTML、CSSに関する知識も必要
- チームでの開発が多いため、コミュニケーションスキルも重要。開発に関する用語もマスターしよう
いずれも働く上で、重要な知識やスキルです。それぞれのポイントを、順に解説していきましょう。
PHPで開発できるスキルを身につける

「PHPエンジニアは、未経験でもなれる?」でも説明したとおり、PHPエンジニアで働くならPHPでプログラミングができるスキルは必須です。
幸いにもPHPは無料で開発環境を組むことができ、情報も豊富です。書籍やコンテンツで学んだ後は実際に開発環境をつくり、システムを作って動かしてみることが重要です。
プログラムを実際に動かそうとすると、さまざまなトラブルに遭遇する方も多いはず。
トラブルを1つ解決するごとに、あなたのレベルや経験値がアップします。
早めにトライアンドエラーを繰り返すことが、優秀なエンジニアになるための第一歩です。その経験は開発現場でも役立ちますから、積極的に取り組みましょう。
PHPの開発案件で良く利用されるフレームワークを知り、理解を深めておく

現在のシステム開発では効率的な開発を行うため、フレームワークが使われています。
PHPに対応するフレームワークは多いものの、どれを学んでも均等に仕事があるわけではありません。 このため、案件の多いフレームワークを選び、理解を深めておくことをおすすめします。
代表的なフレームワークに、LaravelとCakePHPが挙げられます。Laravelは「Web職人のためのフレームワーク」をキャッチフレーズ としており高速処理が可能、きれいなコードを書けることが特徴です。 一方でCakePHPは「ケーキを焼くくらい簡単」というコンセプト を持ち、初心者でも取り組みやすいことが特徴です。
どちらも案件数は多いため、あなたに合ったほうを選ぶとよいでしょう。
Webサーバーやデータベース、HTML、CSSに関する知識も必要

PHPを使って適切に開発するならば、Webに関する以下の知識も欠かせません。
- HTML(Web上に掲載する文書の記述ルールを定めたもの)
- CSS(Web上に掲載する文書の装飾を行うもの)
- Webサーバーやデータベースサーバーの知識
これらの知識を身に着けることで、しかるべき場所にきちんと、かつ見やすく表示されるWebアプリケーションを作成できます。
現にHTMLやCSSの知識を求める現場は多いです。またWebサーバーやデータベースサーバーに関する知識は、データの読み込みや表示の際に必要です。このため、これらの知識を求める現場も少なくありません。
上記に示した知識は、本やWebなどで学習することができます。HTMLやCSSについては、実際に手を動かして学ぶことも必要です。
チームでの開発が多いため、コミュニケーションスキルも重要。開発に関する用語もマスターしよう

PHPによる開発は、その多くがチームで行われます。
チームメンバーをはじめ、さまざまな方とのやり取りも思いのほか多いもの。このため要件や報告内容をきちんと聞き取り、説明すべきことは正しく、かつしっかり述べる「コミュニケーションスキル」も重要です。
相手の話を正しく理解するためには、あらかじめ開発に関する用語もマスターしておく必要があります。
最近の開発案件では、顧客と仕様を調整しながら段階的に開発する「アジャイル開発」や、少人数・短期間で行う「スクラム開発」が選ばれやすい傾向にあります。
プロジェクト内でコミュニケーションが取れないと、生産性や品質が下がりがち。よいシステムをつくるためにも、コミュニケーションは重要です。
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3)PHPエンジニアの転職を成功するために、準備するポイント
あなたがPHPエンジニアとして転職を成功させるためには、事前に準備しておきたいポイントが4つあります。

- +αのエンジニアスキルを習得しておく
- 実務経験や実績が少ない人は、独学+ポートフォリオ作成を
- 自社開発か、他社に常駐か、希望をはっきりさせる
- IT業界に強い転職エージェントを活用する
いずれも転職後にあなたが満足するためには、重要なポイントです。それぞれが重要な理由について、順に解説していきましょう。
+αのエンジニアスキルを習得しておく

PHPは優れた言語ですが、サーバーサイド、それもWebに関するシステム開発に限られがちなことが難点です。
あなたが画面周りの開発を行える「JavaScript」を習得することで、フロントエンド・サーバーサイド両方を開発できるエンジニアになれます。
1人でどちらもできるエンジニアの価値が高いことは、言うまでもありません。
またPHPは歴史の長い言語であるため、エンジニアがたくさんいます。
加えてPHPは、どんなWeb開発にも向いているわけではありません。
たとえばPythonを学ぶことでWeb以外、また複雑な開発案件にも対応可能です。仕事の幅を広げるためにも、プラスアルファのスキルを習得しておくとよいでしょう。
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実務経験や実績が少ない人は、独学+ポートフォリオ作成を
未経験者は、実務経験や業務実績が少ないことが悩みの種です。これらの代わりになるものとして、ポートフォリオが挙げられます。
PHPを学習した成果をプログラミングに活かし、何か動くシステムを作るとよいでしょう。
PHPはWebサービスを構築する言語ですから、あなた自身を紹介するWebサイトを作成できれば、それがそのままポートフォリオとして使えます。積極的に活用し、アピールするとよいでしょう。
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PHPは書籍を使った独学、Web上のコンテンツ、オンラインの講座や教材など、さまざまな方法で学べます。これからPHPを学ぶ方におすすめする書籍には、以下の3冊が挙げられます。
内容をチェックした上で、あなたに合った書籍や方法を選んで学びましょう。
自社開発か、他社に常駐か、希望をはっきりさせる

PHPを開発に用いる企業は大きく分けて、自社で開発する企業と、他社への常駐を主体とする企業に分けられます。この2つの特徴は、それぞれ異なります。
自社開発の企業では事業運営に直結するサービスを開発するため、モチベーションがアップすることは見逃せません。
また始業時間が遅い、私服勤務が可能、さらにフリーアドレスなど、働きやすい環境が整っている企業が多いことも特徴です。
一方で専門分野がはっきりしている開発会社の場合、多くの種類の案件に携われないという点はデメリットとなります。
他社への常駐を主体とする企業の場合は、案件ごとに常駐先が変わる場合も少なくありません。このため、さまざまな案件に携われる点が長所となります。
一方で常駐先の案件や就業環境を選びにくい、ラッシュ時の通勤やスーツ着用を求められるケースがある点はデメリットです。体系的なスキルアップが難しい場合があることにも、注意が必要です。
このように自社開発と他社に常駐、それぞれにメリットとデメリットがあります。PHPプログラマーを目指す場合は、募集する企業のこともよく調べた上で応募しましょう。
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IT業界に強い転職エージェントを活用する

PHPは主な開発言語であるため、IT業界専門でない転職エージェントで対応してもらえるケースも多いでしょう。しかしIT業界に強い転職エージェントを活用したほうが、よい結果につながりやすいものです。
IT業界に関する情報を多く得られるため、転職市場の動向に合った対応を行えること、企業に関する情報をITエンジニアの目で得られる点などが、メリットに挙げられます。
すべての業種を対象とする転職エージェントと比べて、保有するITエンジニアの求人数が多いことも見逃せません。これによりあなたに合った求人を紹介しやすくなり、転職後の満足度が高まる効果が期待できます。
ここからは、PHPエンジニアの転職におすすめする転職エージェントを紹介します。
4)PHPエンジニアの転職に、おすすめの転職エージェントと選び方
ここではIT・Web業界の転職支援に強い転職エージェントと、あなたに合ったサービスの見つけ方について解説していきます。
Webエンジニアでの転職を進める際は、以下の3つのポイントを意識することが大切です。
- Point1 それぞれの転職エージェントの特徴を知っておく
- Point2 「自分に合いそう」と思える転職エージェント2~3つに登録する
- Point3 面談やメール・電話のやり取りから「相性」と「やりやすさ」を確認する
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特にポイント3つ目の「相性とやりやすさ」は重要です。
転職エージェントの担当者とは、転職期間中はずっと付き合いを続けていきますので、「自分に合った担当アドバイザー」を早めに見出していくことが、転職成功のひとつの要となるでしょう。
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転職エージェントに登録したら、担当者からの連絡があった際に上記の「親身に相談に乗ってくれるか」、「紹介する求人について、おすすめの理由をきちんと説明してくれるか」、「紹介・連絡のペースは適切か」について確認すると良いでしょう。
そうすると、自然とあなたにマッチする担当(サービス)かの判断がつきやすくなります。
Webエンジニアの転職で、おすすめの転職エージェント一覧
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まとめ)未経験でもPHPエンジニアへの転職は可能。まずは手を動かし、ポートフォリオを作ろう

PHPエンジニアへの転職は、未経験でも可能です。
但しPHPで開発を行えるスキルがなければ、転職できる企業の選択肢は狭くなってしまいがちです。独学でもPHPを学べる方法は多いですから、まずは学習を始めましょう。
その上で手を動かしてプログラミングを行い、ポートフォリオを作ることをおすすめします。
せっかくPHPエンジニアとして転職するなら、できるだけよい転職先を選びたいものです。
そのためには転職後のイメージを持ち、希望をある程度はっきりさせることも重要です。
IT業界に強い転職エージェントは業界全体に加えて、転職先企業の事情もよく知っています。うまく活用して、転職先での活躍につなげましょう。