不動産営業ってどんな仕事?求められるスキル・資格と未経験から転職する際のポイント
[最終更新日]2021/12/31

「不動産営業ってどうなんだろう…」「自分に不動産営業は向いているだろうか」と、悩んでいませんか。
「不動産営業」は、その需要の高さから「常に求人が安定して多い」職種であり、かつ「実務未経験者歓迎」としている不動産会社も多いことから、ジョブチェンジ・キャリアチェンジを検討する際に、多く方が選択肢の一つとして検討されています。
目次
1)不動産営業の具体的な仕事内容は?
不動産営業の仕事と一口にいっても、その内容は幅広く、勤務する会社によっても異なります。
ここでは不動産営業の具体的な仕事内容について、詳述します。
不動産業の具体的な仕事内容

不動産営業の仕事は、
- 不動産販売
- 不動産賃貸仲介
- 不動産販売仲介
の3つに大別されます。
不動産販売
不動産販売の仕事は、自社や系列会社が所有している土地・一戸建て・マンションといった不動産を、個人のお客さまに販売することです。
展示会に訪れた個人客に購入提案をするほか、テレアポや飛び込みによってアポイントをとり、個々のニーズを把握したうえで不動産を販売します。
不動産を購入しようと考えている見込み客を見つけることが、重要な仕事です。
営業マン個人の売り上げ目標は高額なことが多いですが、販売するとインセンティブが大きいところが魅力です。
不動産賃貸仲介
不動産賃貸仲介は、賃貸の一戸建てやマンションを、部屋を借りたいと考えている人に仲介する仕事です。
自社で所有している不動産を扱う場合と、他社の物件を代理店として営業する場合があります。
ほとんどの不動産営業が店舗に常駐しており、来店した見込み客のニーズにあった物件を紹介し、内覧同行のうえで賃貸契約締結を代行します。
この場合は個人目標が設定されるのではなく、店舗全体で数字達成を目指すことが多いようです。
不動産販売仲介
不動産販売仲介は、企業や個人が所有する不動産をオーナーに代わり、代理店として販売する仕事です。
販売するための不動産物件探しから始まり、代理店契約の締結、購入見込み客への提案、クロージングを行い、販売額から一定のマージンを仲介料として得ます。
業務の幅が広いうえ、オーナーと購入客の両方が満足する仕事を求められるため、難易度が高いです。
この3つの仕事内容のどれを選ぶかにより、ノルマのきつさや年収に大きな違いが生まれます。
不動産営業のやりがいと、大変なこと

「不動産営業は過酷である」というイメージが先行しがちですが、やりがいのある仕事でもあります。
不動産はお客さまにとって資産と同義の大きな買い物なので取引金額も大きく、契約が成立した時の達成感があることで、やりがいを感じている営業マンが多いようです。
また、他の業界の営業とは違い、キャリアや年齢が加味されない、実力での評価が多い業界なので、未経験者でも出世や高額収入を目指すことができることも、モチベーションを保つ原動力になるようです。
一方で販売・仲介を問わず、不動産営業はノルマが課されることが多いです。
ノルマを達成できない状態が続くと当然ながら評価や待遇にも影響を受けます。そのほか、職場の居心地が悪く感じてしまう人も少なくないようです。
また、見込み客を見つけるための飛び込み営業やテレアポ入れなど、厳しい仕事を余儀なくされることが少なくありません。
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不動産営業のキャリアパスと年収イメージ

不動産営業は、選ぶ仕事内容によって、年収に幅があります。
未経験者が不動産営業に転職した場合は、月給が19~23万円が相場といわれています。
販売や仲介の実績が上がれば、そこにインセンティブが加わるため、収入アップが見込めるという給与体系が基本です。
そのため、ノルマの達成状況によって年収差は大きく変わります。
「エース営業マン」と呼ばれる、1,000万円を超える年収を手にする社員を複数抱えている不動産会社も少なくありません。
また、「エース」とまで言わずともノルマをきちんと達成していれば、勤続年数に関わらず昇給や昇進の可能性が高く、会社で部長・支店長・支社長といった役職者を目指すことができます。
つまり、不動産営業は「営業エキスパート」としてキャリアを積んでいく道と、社内での「組織マネジメント」としてキャリアアップをはかる道の2つがあるということですね。
また、人によっては独立・開業するケースもあります。
仮に不動産営業の職を辞しても、仕事経験を通して法律に詳しくなるうえ、コミュニケーション能力が磨かれますので、その後の転身がしやすいようです。
ハウスメーカーの営業や資格を取得したうえで、ファイナンシャルプランナーとして活躍する人もいます。
また、不動産の販売や仲介だけでなく、購入客と工務店のマッチングなど、仕事の幅を広げていくことも可能です。
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2)不動産営業の仕事に必要な知識・スキルはあるの?

不動産営業は、未経験であっても転職は可能です。
しかし、多くの不動産会社でノルマが課され、その達成度合いで収入が変わることを考えると、知識やスキルがあるにこしたことはありません。
ここでは不動産営業に必要な知識とスキルについて、説明します。
コミュニケーション能力

不動産営業に必須のスキルの筆頭は、コミュニケーション能力です。
不動産を所有するオーナーや購入あるいは借りることを検討している見込み客からニーズを引き出し、それに合う物件を紹介し、契約を成立させるためには、短期間に相手との信頼関係を構築しなければなりません。
また、販売・賃貸に関わらず、不動産の契約には法律で決められた様々な手順があります。
不動産営業が対応する相手も、同業他社の不動産会社やお客さまの連帯保証人、物件の保証会社など多岐にわたります。
契約を成立させるためには、正確な連絡と緻密なコミュニケーションが不可欠なのです。
そう考えると、人と話すことが好きあるいは得意な人に、適性があるといえるかもしれません。
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打たれ強さ

前述の通り、不動産営業は、販売であっても賃貸であっても、ノルマが課される仕事でもあります。
見込み客が多くても、自分の計画通りに契約できるとは限りませんし、目標が達成できなければ他の達成した社員に対して負い目や引け目を感じてしまうこともあるでしょう。
月間あるいは年間の目標達成に向けて、コツコツと地道に努力すること、そして、
例え結果が伴わずとも「乗り越えていこう」という強さが必要です。
精神的な打たれ強さも、不動産営業に欠かせないスキルといえるでしょう。
不動産関連のトレンドをキャッチする力

不動産営業には、業界のトレンドをキャッチする力も必要です。
2020年の東京オリンピックや、2022年の大阪万博に向けて、首都圏では多くの新築マンションや商業施設が建築されています。
つまり、それだけ取り扱いができる不動産物件が増えるということです。
そうしたトレンドをいち早くキャッチし、不動産のオーナーや見込み客と接触する機会を増やすことで、契約できる可能性が高まります。
また、飛び込み営業やテレアポでは効率が悪いので、ウェブマーケティングを勉強してSNSを活用する営業マンも増えているようです。
時代に即した営業スタイルを模索できるセンスも、必要といえるかもしれません。
3)未経験から不動産営業に転職する際に、意識しておきたい3つのポイント

不動産営業は入れ替わりが激しいので、未経験者でも転職できる可能性が高いです。
しかしノルマが課されるため、仕事内容や職場の選び方を間違うと続かない可能性もあります。
そこで、未経験者が不動産営業に転職しようと考えているなら、以下の3つのポイントを意識することをおすすめします。
- まずは地道に経験を積みたいなら「不動産賃貸仲介」からが入りやすい
- 宅建の資格は必須ではないが、必ず役に立つ
- 不動産業界・営業職にくわしい転職エージェントからのサポートを活用する
それぞれ、順を追って見ていきましょう。
未経験では「不動産賃貸仲介」が入りやすい

長く不動産営業として働き続けたいと考えている未経験者が転職するなら、不動産賃貸仲介を選ぶことをおすすめします。
それは、個人ではなく店舗に目標が課されることが多いため、将来に備えて不動産営業に必要なスキルを磨きながら働くことができるからです。
不動産売買に比べると賃貸仲介は扱う件数が多く、いろいろなタイプの個人客とのコミュニケーションを体験できます
また、入居から退去までの一連の流れを担当することで、不動産取引に必要な法的知識やノウハウも身につけることができます。
ある程度、不動産賃貸仲介で場数を踏んだうえで、注文住宅の営業に転職するなど、段階的なキャリアパスを考えましょう。
宅建の資格は必須でないが、必ず役に立つ

不動産売買の仕事に携わりたいと考えているなら、宅地建物取引士の資格を取得しておくことをおすすめします。
宅地建物取引士とは、不動産の購入者あるいは賃貸契約者であるお客さまに対し、重要事項を説明する仕事です。
国家資格であり、この資格がなければ重要事項をお客さまに説明してはいけません。
実は不動産会社は、営業にあたって従事者5名に対し、1名の宅地建物取引士を置くことを義務付けられています。
しかし実務者ではなく内勤者でも構わないため、経理や庶務の人が宅地建物取引士の資格を取得しているケースも珍しくないのです。
そのため、未経験者であっても宅地建物取引士の資格を持っていると、採用される確率が格段に上がります。
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不動産業界・営業職にくわしい転職エージェントからのサポートを活用する

未経験者が不動産営業に転職するにあたり、自分に適性があるのかどうか、どのような会社に応募したらよいのか、迷う人も多いはずです。
ミスマッチのない転職を実現したいなら、プロのサポートを受けるのが一番です。
そこでおすすめしたいのが、転職エージェントを活用することです。
転職サイトでは求人情報を確認することはできても、その会社の社風や求める人物像については自分で調べるか、想像をふくらませるしかありません。
しかし、転職エージェントは企業からの依頼を受けて、マッチングする人材を紹介・入社させることが仕事です。
求人を出した企業の内情にも精通し、登録者のニーズを踏まえた求人を紹介してもらえます。
なかでも、不動産業界や営業職に強い転職エージェントを選ぶよう、心がけましょう。
4)未経験で不動産営業に転職する際におすすめの転職エージェント
未経験者が不動産営業に転職したいと考えているなら、転職エージェントに登録し、キャリアカウンセリングを受けてみることをおすすめします。
自分のキャリアを棚卸しするだけでなく、志向性と仕事内容がマッチしているか、将来のキャリアプランを再構築できるかなど、プロの目線でアドバイスをしてもらえるからです。
不動産業界に強い転職エージェントを選ぶのがセオリーですが、あわせて「複数の転職エージェントに登録する」ことも意識しておくと良いでしょう。
転職エージェントによってクライアントの客層や、取引会社の担当者との関係性の深さが異なるので、自分にマッチする求人を複数紹介してもらえる可能性が高いからです。
なかでもおすすめの転職エージェントを、紹介したいと思います。
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まとめ) 適性の有無を確かめたうえで、不動産営業を目指そう!
今回は、不動産営業とはどんな仕事なのかについて、具体的な内容ややりがい、将来のキャリアパスも含めてお話ししました。
不動産営業は未経験者であっても採用される可能性が高い仕事ですが、長く続けていくうえで必要な知識やスキルがあります。
また、条件のよい企業に転職するためには、宅地建物取引士の資格を取得するなど、事前の準備が不可欠です。
転職エージェントも活用しながら、自分に不動産営業の適性があるかどうか、転職後にどういうキャリアパスを描くのかを考えたうえで、ミスマッチのない求人を探してください。