「ディスプレイ業界に転職したい!」未経験でディスプレイ業界に転職する際のポイント3点
[最終更新日]2020/04/16

「クリエイティブな仕事がしたい」「アートやデザイン関連に携わりたい」と思われる方は多いのではないでしょうか?
真っ先に思いつく業界として広告関連やアパレル系の業界が挙げられますが、「ディスプレイ業界」もアートやデザインに携わりたい方におすすめの業界です。
新卒時にデザインや建築関連の仕事を探していなかった方にとってはあまり馴染みのない業界だと思われますが、実は美術や建築関連を専攻していた人々の間では人気の業界なのです。
目次
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1)ディスプレイ業って、そもそもどんな仕事?
ディスプレイと聞くと「画面」をイメージする方が多いと思われますが、「展示」という意味合いで使われています。
ディスプレイは美術館のようなギャラリーだけでなく実は日常至る所に溶け込んでおり、私たちを楽しませたり生活を華やかにしたりしているのです。まずはそんなディスプレイ業界の基本事項についてご紹介します。
ディスプレイ業の主な仕事内容

ディスプレイ業界とは、店舗やオフィス、ギャラリーに至るまで、あらゆる空間の装飾デザインをする仕事です。
狭い空間をどのようにして広く見せられるか、商品を美しく見せるにはどのように配置するのか、企業ブランドに合う内装はどのようなものか、などを考慮しデザイン・制作を行います。
分野としては以下のような展示に分類されます。
分野 | 取り扱いディスプレイ |
---|---|
店舗設計 | 飲食店やアパレルショップ、美容院など店舗の設計。 分野としては最も大きく、専門分野として特化している企業もある。 |
特殊店舗設計 | ショールームや図書館、美術館などがメイン。規模が大きいと年単位で関わる仕事もある。 |
展示会 | モーターショーや特別ギフト展など、期間を限定とした催し物の装飾。 |
ディスプレイに関わるデザインや制作に携わるディスプレイ業界ですが、全員がデザインを行うわけではなく、様々な職務の方が連携することで展示を作り上げることとなります。
例としてどのような職種があるのかについてご紹介します。
営業
魅力的なプランをプレゼンすることで契約を獲得し、またクライアントのニーズを聞き出し他の職種に指示する役割です。プレゼン力・調整力が必要とされます。
企画
営業と協力してクライアントの要望に合う具体的な内容について考え、制作する役割です。説得力を増すためにマーケティングの知識や文章力等も必要とします。
デザイン
企画が固めたプロジェクト内容を形にする役割です。デザイン力に加え、根気強く要望に合ったものをデザインする体力も必要とされます。主に美術・デザイン系を専攻していた方を募集することが多いです。
制作
デザイナーが考えたビジュアルを現物として作り上げていく役割です。自社で制作する場合もあれば、監修を行い制作は別会社に任せる場合もあります。基本的には美術や建築系の専攻をしていた方が求められます。
ディスプレイ業のやりがい・大変なこと

私たちは日常で普段何気なく「きれい」「落ち着く」など様々な感情を抱きますが、ディスプレイは日常のこうした感情を空間の力で引き起こしています。
物理的な空間を手掛けるので、質感や距離感などあらゆる感覚を使用できるのも魅力の1つです。
またチームの力を合わせて壮大なディスプレイを作り上げた時の達成感はひとしおでしょう。
こうした魅力からデザインや建築系の学生から高い人気を誇っており、女性の数も多い業界です。
しかし華やかなだけではありません。抽象的なイメージの要望から始まることもあり、なかなかクライアントの要望を満たせないときもありますし、アイデアが思い浮かばず追い込まれることもあります。
また休日出勤や残業することも多く、体力と根気が必要とされる業界です。過酷な仕事ですが給料は比例して高いというわけでもないので、作品を生み出すこと自体に楽しみを感じられない方には厳しいでしょう。
ディスプレイ業のキャリアパスと年収イメージ

ディスプレイ業界では、多くの場合まずは現場でのスタッフから始まります。
様々なプロジェクトを経験した上でチーフとして一人前になり、各担当部門のスタッフをまとめることとなります。その後ディレクターとして現場全体の指揮をとります。
現場で習熟した後は専門分野を究める人、プロジェクトを統括する人、技能を活かしフリーランスになるなど様々です。
自分で作り上げることももちろんありますが、チームとして行動することが多いので、経験を積むにしたがってスタッフを統括する仕事の割合が増えます。
参考:ディスプレイ業界のキャリアマップイメージ

ディスプレイ業界での収入は企業規模や仕事内容、個人のスキルにより大きく変わります。
特にデザイナーは個人のスキルによるところが大きいため、3年目で年収400万の人もいれば、そのまま伸び悩み10年目でも年収が変わらないという人もいます。
ディスプレイによる集客効果が年収に大きく反映されるため、勤続年数と年収が比例しない傾向にあります。十分な実力がありフリーランスとして活躍できれば、年収も飛躍的にアップさせることは可能です。
2)ディスプレイ業の仕事に必要な知識・スキルは?

ディスプレイ業界にも様々な職種があるものの、空間のデザインと制作がメインとなる業界です。
もちろんコミュニケーション力など他企業でも要求される能力も必要ですが、デザインという分野のため特殊な知識やスキルを必要とされることが多いです。
それでは具体的にどのような知識・スキルを必要とされるのでしょうか?3つのポイントに分けてご紹介します。
デザイン能力

デザイナーには欠かせない能力の1つです。デザインと一口に言っても、図面やスケッチを描く能力、効果的な照明計画やカラーコーディネート力、インテリア・建築に関する深い知識など、そのスキルは多岐に渡ります。
デザイン能力を必要とされるのはデザイナーだけではありません。
営業ならクライアントに向けてより具体的な提案をする、企画なら現実的にデザイン可能な範囲を抑えつつプロジェクトの構想を練る、制作ならデザイナーの意思をしっかりくみ取って制作するなど、直接デザインとは関わりのない職種であっても知識があれば仕事のクオリティは確実に上がるでしょう。
デザインを主とする業界である以上、求めるレベルに違いはあるもののデザイン能力とは切っても切り離せない関係となります。
アイデアを生み出す力

案件の中では「狭いスペースだけれども広く見せたい」「費用をおさえて豪華な演出にしてほしい」など、アイデアが重要となる依頼も数多くあり、このアイデアが契約を勝ち取る鍵となることもあります。
アイデアが思いつかず悩み続けていればいつかは良いアイデアが思い浮かぶかもしれませんが、仕事には納期がありアイデアを形にする作業も必要なため、考えることだけに長時間使う余裕はありません。
指示された仕事をその通りにこなすことが好きな方や、自分で何かを思いつくということが苦手という方にとっては難しいと予想されます。
営業であっても効果的なプレゼンを行うためのアイデア力が必要となり、制作も効率よく作業を進めるアイデア力が必要となりますが、特に企画やデザインの担当ではアイデアを生み出す力が重要となります。
アイデア力を高めるために、日ごろから様々なことに興味を持ち見聞を広げることが大切です。
クライアントの持つイメージを正確に汲み取る力

クライアントの持つイメージは抽象的であることが多いです。「華やかな感じ」というのは色使いなのか、装飾なのかなど、クライアントの持つイメージを詳細に具体化していく細やかなコミュニケーション能力が必要となります。
また自分の美的センスに反したとしても、クライアントに寄り添って考えることが必要です。
自分としてはこんな配置だとリラックス空間を演出できるのではと思っても、クライアントがそう感じられなければNOとなります。「一般的に」「デザインを仕事にする自分のセンスでは」などを優先せず、クライアントを最優先しなければなりません。
これらのスキルを総合した「クライアントの持つイメージを正確にくみ取る力」は、デザインという無形のものを扱う業界で非常に重要なスキルです。デザイナーに限らず全ての職種で必要となります。
3)未経験からディスプレイ業界に転職する際に、意識しておきたい3つのポイント

ここからは、未経験からディスプレイ業界への転職をめざす際に、意識しておくとよい3つのポイントについて解説していきます。
以下の3点のポイントについて、くわしく見ていきましょう。
- 4つの職種のうち、どれを目指したいのかを明確にしておく
- デザインだけでなく、マーケティングに関する知識やスキルも必要
- 自作の実績がある場合は、ポートフォリオを作っておく
4つの職種のうち、どれを目指したいのかを明確にしておく

デザイン業界の中でも役割によって求められるスキルが異なります。自分のやりたいことと得意なことを考慮し、以下の表を参考に希望の職種を考えておきましょう。企業によっては第2希望まで聞かれることもあるので、それぞれの志望理由を考えておくことは必須です。
職種 | 業務内容 | 特に必要なスキル |
---|---|---|
営業 | クライアントとの交渉、プロジェクトの指揮 | コミュニケーション力、調整力 |
企画 | コンセプトを企画する | 文章力、スケッチ力、アイデア力 |
デザイン | コンセプトをビジュアル化する | アイデア力、スケッチ力、体力 ※デザイン系出身者という制限が多い |
制作 | 実際に現物を制作・施工管理する | 建築の知識、調整力、体力 ※建築・デザイン系出身者という制限が多い |
デザインや建築系を専攻していない方にとっては、デザインや制作の職種はかなり厳しいことが予想されます。
しかし専攻は不問という企業もあるので、そのような企業が狙い目です。営業以外の面接では実際に何かを企画させたりデザイン案を提出させたりということもあるので、あらかじめ情報を集め準備しておきましょう。
デザインだけでなく、マーケティングに関する知識やスキルも必要

デザインや制作志望なら、デザインに関する知識は必須となる場合がほとんどです。
多くの方は大学や専門学校などで学び、独学は不可能ではないですがかなり困難が予想されます。必須となる資格は特にありませんが、国家資格である「商品装飾展示技能士」や民間資格の「カラーコーディネーター」や「インテリアプランナー」「実践ディスプレイ認定試験」があれば有利に働くでしょう。
また、IllustratorやPhotoshopなどのデザインソフトのスキルが要求される場合もあります。
このようなデザイン系の知識やスキルももちろん重要ですが、デザインは感覚的なもので人によって感じ方が異なる中、「このデザインだと集客できる」という根拠を示さなくてはなりません。
そこで必要なのがマーケティングの知識です。あくまで仕事としてデザインをやる以上、自分の感覚だけでなくデータに裏付けされた根拠をそろえることが重要です。また最新の流行に敏感となることも必要です。
自作の作品実績がある場合は、ポートフォリオを作っておく

ポートフォリオとは「作品集」のことです。企業がデザイン力を見たい時、言葉で説明されるより実物を見る方が早いですよね。
そのため面接もしくは応募の段階から、デザインや制作志望ではポートフォリオの提出を求められることがほとんどです。
ポートフォリオに一般的な様式等はありませんが、企業がサイズ等指定する場合はあります。
最初から様式に合わせて制作したいところですが、企業が様式等を提示してから制作していては間に合わなくなってしまいます。
よくある提出のパターンを調べておき、複数のポートフォリオを事前に作っておくことをおすすめします。また面接時にはポートフォリオを見せながら説明することも必要となります。
ポートフォリオの制作だけでなく、上手く魅力が伝わるように説明の練習を行うことも必須です。
4)未経験でディスプレイ業界に転職する際におすすめの転職エージェント
未経験であればディスプレイ業界にコネクションはないと思われます。ホームページなどで闇雲に探していてはかなり時間を浪費してしまうので、転職エージェントに登録するようにしましょう。
転職エージェントに登録すると、職種や年収など自分の希望条件に合った企業が見つけやすく、効率よく転職先を探すことができます。
またエージェントが仲介してくれる場合では、年収や入社日など自分では交渉しづらい条件もエージェントが代わりに交渉してくれるので便利です。
転職エージェントごとに掲載している企業が異なるので、複数の転職エージェントに登録することをおすすめします。
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まとめ)未経験でもデザインに関われる貴重な仕事
今までデザインや建築関係に携わってこなかった人にとっては、ディスプレイ業界は馴染みのない業界と思われます。
デザインや建築は専攻してこなかったけれど、クリエイティブなことに関わる仕事がしたい方にとっては営業職や企画職は穴場の仕事です。デザインに関するスキルだけでなく、マーケティング力や交渉力、プレゼン力も必要とする業界なので、前職で得た経験や知識を活かして働くこともできるでしょう。
華やかな見た目とは裏腹に体力勝負であったり残業が多かったりと厳しいこともありますが、自分の手掛けた作品が実物となって残ることが何よりの喜びとなります。ぜひ検討してみて下さいね。