退職時の離職票の入手方法は?何に使うの?
[最終更新日]2020/04/16

退職するにあたって慣れない書類の手続きがたくさんあると思われます。
その書類の中に「離職票」と呼ばれるものがあります。普段目にすることがない方がほとんどではないでしょうか?
転職先から提出するよう言われることもない書類なので、いまいち重要性がわからず紛失してしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、実は重要な書類なのです。
目次
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1)そもそも、「離職票」ってどんなもの?
親切な人事だと離職票が必要か聞いてくれる場合もありますが、離職票は基本的に自分で請求しなければもらえない書類です。
そのままもらわず問題がない方もいれば、手続きができず困ってしまう方もいるので、退職前にしっかり離職票について知っておくことが重要です。
まずはそもそも離職票とは何かについてご紹介します。
離職票とは
離職票とは、正式名称を「雇用保険被保険者離職票」と言い、簡単に言うと退職した人の状況が記載されている書類です。
ハローワークが発行しており、以下の2つで構成されています。
- 離職票1(雇用保険被保険者離職票—1)
- 離職票2(雇用保険被保険者離職票—2)
離職票1はカードタイプになっており、離職票2はA3の3枚つづり(写し紙)の形状となっています。
どちらも会社・個人双方で記入する欄がありますので、事前にハローワークのHPで記入例等を確認しておくと良いでしょう。
参考:離職票のサンプル(ハローワークHPより)
離職票1(雇用保険被保険者離職票—1) | 離職票2(雇用保険被保険者離職票—2) |
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離職票は何のために必要?
離職票は主に、以下の際に必要となります。
- ①失業給付金を受給するとき
- ②国民健康保険に加入するとき
多くの方にとって離職票を利用する目的は、①の「失業給付金を受給する」方になるでしょう。
失業給付金とは、失業期間に再就職を支援するために国から支給される手当のことです。
ただし受給するためには以下の条件があります。
失業給付金受給の条件
(1)雇用保険被保険者として、離職日から遡って2年の間に最低12ヶ月以上働いた期間があること。
※特定受給資格者(破産など会社都合他による退職)、又は特定理由離職者(自身の病気、妊娠出産、セクハラ他による退職)は、離職日から遡って1年間に、被保険者期間が通算して6か月以上ある場合でも可。
(2)ハローワークにて求職の申し込みを行ない、再就職(労働)の意思があり、能力もあるのに就職できない状態であること。
引用:エン転職
つまり、上記「失業給付金受給の条件」を確認する際に、離職票が必要になるということですね。
混同しやすい「離職票」と「退職証明書」の違い
離職票と似たような名前の書類に「退職証明書」という書類があります。内容はどちらも退職したことを証明するものですが、異なる点がいくつかあります。
主たる利用目的 | 発行元 | |
---|---|---|
離職票 | 失業給付金の受給 | ハローワーク |
退職証明書 | 新しい職場にて、以前の会社を正式に退職しているかの確認を行う際 | 各企業(勤務先) |
まず、退職証明書は公文書ではないため失業給付金の手続きには使用できません。
また、退職証明書は退職していることを転職先に証明する際に使用します。ですが、提出を求めない会社も多く、転職の際にも必要にならない方もいらっしゃることでしょう。
退職証明書は勤務先が発行する書類です。発行してほしい時は勤務先に発行を依頼しましょう。
2)離職票発行から手続きまでのおおよその流れ
離職票とは失業給付金を得る上で必要となる、重要な書類であることをご紹介しました。
しかし実際にはいつどこに申し込めば良いのか、退職前からしておかなければならないことはあるかなど、手続きに関して不安な面があるかと思われます。
そこで離職票発行から手続きまで、どのような作業が発生するのかを詳しくご説明します。
離職票の入手、および失業給付金受給手続きの流れ

①離職票の発行を会社にお願いする
離職票の発行はハローワークにて行われますが、まずは会社からハローワークに申請を行うこととなっています。そのため離職票がほしい旨を会社に伝えることから離職票の手続きは始まります。
会社は請求がなければ離職票を発行しなくても良いとされているので、必ず退職前に余裕を持って依頼するようにしましょう。発行の請求があった場合、会社は手続きに応じる義務が発生します。
②会社から「離職票2」を受け取る
労働者から離職票の発行を請求された会社は、労働者に対して記載事項が未記入の離職票2を発行することになっています。
手元に届くと手続き完了と安心してしまいそうですが、受け取った後作業があることを忘れないように注意しましょう。
③「離職票2」の必要事項を記入し、会社に提出
離職票2には、退職前の1年間の賃金の支払状況などの基本情報と退職理由が記載されています。まずは記載されている内容が正しいかどうかを確認しましょう。
特に離職理由は失業給付の金額等にも関わる重要な部分です。会社都合なのか、自己都合なのかをチェックしましょう。
合っていたら記名・押印、または自筆による署名をし、会社に提出します。
④会社が手続き後、「離職票1・2」を発行
提出された離職票2を元に会社がハローワークで手続きを行うことで、離職票1と2が発行されます。離職票の手続きについて、会社は退職から10日以内に終わらせることが法律上義務付けられています。
あまりにも手元に届くのが遅い場合は、手続きは済ませているものの会社から郵送するのを忘れている可能性があります。遅い場合は担当者に状況を聞いてみましょう。
⑤「離職票1・2」を持ってハローワークへ手続きに行く
ハローワークで発行された離職票は、まず会社に届き、会社が郵送または手渡しで本人に届けます。
手元に離職票が到着したら、その離職票をハローワークへと持って行き、失業給付金の手続きを行いましょう。このとき離職票は1・2ともに必要となります。
──以上で手続きは終了です。
手順について不安な場合は、お近くのハローワークにも電話で問い合わせてみることをおすすめします。
筆者も以前退職した社員の離職票発行の手伝いをしたことがありましたが、ハローワークの担当の方が細かい点までアドバイスしてくれて、とても助かりました。
3)離職票発行の前に確認すべき3つのポイント
さて、続いては離職票発行前に事前に確認しておきたいポイント・注意点についてお伝えします。

- 退職理由によって、支給金額や期間が変わることに注意
- 離職票の他に、失業給付申請の際に必要な持ち物を確認しておく
- 離職票が届かない場合の対処法を知っておく
それぞれのポイントについて、詳述いたします。
退職理由によって、支給金額期間が変わる
給付金の支給期間は退職理由によって変わります。
退職理由は大きく分けて2種類あり、「自己都合退職」と「会社都合退職」があります。
自己都合退職と会社都合退職の違い

両者の違いをざっくり言うと、会社都合退職の方が自己都合退職よりも失業給付金がいち早く、かつ長い期間支給されることになります。
参考:自己都合退職と会社都合退職の、失業給付金受給ルールの違い

尚、失業給付金は再就職した時点で終了となります。
離職票の他に、失業給付申請の際に必要な持ち物は
ハローワークで失業給付金の手続きをする際は、同時に「求職の申し込み」も行う必要があります。
失業給付金とは、あくまで再就職を支援するために国から支給される手当なので、求職活動を行わないと原則支給されないこととなっているからです。
尚、実際にハローワークを利用して転職活動を行わなくても良いですが、失業給付金を受給するためには、求職活動を行っているという証明としてハローワークで求職手続きを行うことがマストとなります。
この時、以下の持ち物を準備しておくと、スムーズに手続きを進めることができます。忘れずに持って行くようにしましょう。
ハローワークで失業給付金の受給手続きおよび求職活動を行う際に、準備するもの

- 雇用保険被保険者離職票(1)
- 雇用保険被保険者離職票(2)
- 雇用保険被保険者証
- 本人確認証明書(運転免許証、もしくはマイナンバーカード)
- 印鑑
- 写真2枚(縦3cm×横2.5cm)
- 預金通帳
また転職先での希望条件等も聞かれることとなるので、今後の転職方針についてある程度考えてから行くことをおすすめします。
離職票が届かない場合の対処法を知っておく
離職票がなければハローワークでの失業給付金手続きはできません。
また手続きできる期間には期限があります。
例えば自己都合退職した人の場合、給付日数が150日の人は退職日から3か月以内、給付日数が90日の人は退職日から5か月以内にハローワークで申請しなければ、受給金額が減ってしまいます。
すぐに受給しなくても良いという方も、早めに手続きしておきましょう。
離職票は会社からもらえるようになっていますが、届かないという方は以下を行ってみて下さい。

会社に請求・手続きを行ったか確認する
離職票は社員が請求して初めて会社が発行の作業にとりかかります。つまり、私たち求職者からの能動的なアクションが求められるということですね。
会社に催促する、それでも届かない場合はハローワークに相談する
「会社のほうで対応してくれなかったらどうしよう…」と不安になられた方も、ご安心ください。
雇用保険法で、会社は離職票の請求があった場合手続きしなければならないと定められています。
会社に催促した際に発行する様子が見られない場合は早めにハローワークに相談してみましょう。
4)転職活動が長引いて無給期間が続きそうなら、転職エージェントのサポートを

ここまで、離職票および失業給付金の受給について説明しました。
離職票の入手法および失業保険の給付の流れについて、一定のイメージを持てたのではないでしょうか。
ですが一方で、失業給付金の受給期間は最長でも150日と半年にも満たない日数です(自己都合退職の場合)。
また自己都合退職の場合は待機期間終了後から3か月間の給付制限期間があるため、実際に給付金が手に入るのは、ハローワークでの受給申請後3か月後となります。
最初の無給期間3か月間、もしくはなかなか転職先が決まらず無給期間に入ってしまうと、経済的にも精神的にも辛いですよね。
転職活動が長期化することが見込まれる方は、前述の通りハローワークでの転職活動よりも「転職エージェントサービス」を利用しての転職活動がおすすめです。
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まとめ)退職後ばかりに目を向けず、退職もしっかり確認!

転職する、または退職後第二の人生を歩むとなると、どうしても先のことに目が行ってしまい、退職の手続きは疎かになってしまいがちです。
「退職後はしばらく失業保険で生活しよう」と考える方が多いと思われますが、失業給付金も自動車保険などと同様に、自分から申請しなければ受給できません。失業給付金を受給するためには離職票が必要となります。
しかし離職票については、社員から請求がなければ発行しない会社がほとんどであり、自分で会社に請求する必要があります。
退職後の生活に見通しを立てるためにも、しっかり手続きの流れや自分が受給できる期間・金額等についても確認しておきましょう。