ハイクラス転職の「ハイクラス」とは?定義と求人企業から求められる働き方
[最終更新日]2021/04/12

近年は転職がめずらしくない時代となり、自分のキャリアに合った働き方を考え仕事もそれに合わせて変えてくようなスタイルが浸透しつつあります。
上昇志向の強い方は、よりレベルの高い企業で様々な経験を積みたいと考えた経験があるのではないでしょうか?
求められる水準はより高いけれども、その分自分の成長が期待できるような、いわゆる「ハイクラス」への転職を検討される方も多いと思われます。
しかし「ハイクラス」という概念は曖昧で、そんな転職を成功させるためにはどんなことをするべきか気になりますよね。
目次
1)そもそも、「ハイクラス」とは?
「ハイクラス」の定義

「ハイクラス求人」「ハイクラス転職サービス」など、なんとなくレベルの高い求人を扱っているのだろうという表現をよく見かけられるのではないでしょうか?
「ハイクラス」とは何か定義したいところですが、実際ハイクラスという言葉に明確な定義がないのが現状です。
しかし一般的には以下のような人材を「ハイクラス人材」と呼び、このような処遇への転職、もしくはこのような人材の転職を「ハイクラス転職」と呼んでいます。
経営の目線をもって価値を発揮できる人材、または非常に高度なスキルをもった専門職の人材
会社を経営する目線で仕事ができる方を指します。また経営層でなくとも、ある分野において非常に高度なスキルを持ったエンジニアや研究者等も含まれます。
年収800万円以上
上記のような人材は年収800万円以上のレベルであることが多く、転職サービスでは年収800万円以上の求人を「ハイクラス求人」としていることが多いです。
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ハイクラス求人とエグゼクティブ求人の違いは?

ハイクラスと同様に、「エグゼクティブ層」などエグゼクティブという言葉もよく耳にされると思います。エグゼクティブとハイクラスの違いは何なのでしょうか?
実は「エグゼクティブ」という表現にも明確な定義がなく、ハイクラスとはほぼ同義で使用されています。
しいて言うなら、エグゼクティブ(executive)という単語は「(管理・経営などで)実行する・実行力のある」という意味であり、一般的に「エグゼクティブ層」というとCEOなど経営幹部層を呼ぶことが多いです。
2つとも曖昧な表現ではありますが、非常に能力の高い人材であることが共通して挙げられます。
これらの表現は転職活動をするときによく目にするように、「エグゼクティブ人材」「ハイクラス転職」といった表現はよく使用されています。
このような転職を狙う場合は、これら2つのキーワードで検索すると良いでしょう。
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2)企業がハイクラス層に求める人材
ハイクラス層とは、年収でいうと800万円以上に相当するような優秀な人材を指すということをご紹介しました。
現在ハイクラス層に位置し、別のハイクラス人材を求める企業へ転職する方もいらっしゃる中、現在より好条件を求めてハイクラス層へのキャリアアップ転職を希望する方も多数いらっしゃると思われます。
そこで、企業がハイクラス層に求める条件についてご紹介します。
マネジメント経験は必ず求められる

経営層の視点はやはりプレイヤーの視点だけでなく、マネジメントの視点も必要となります。そのためマネジメント経験は必須と言えるでしょう。マネジメント経験の中でも、具体的には以下が重視されます。
チームでどんな功績を残したのか
マネジメントの目標とは、チームの社員個々の能力を引き出し掛け合わせることで、大きな功績を残すことです。
個性ある社員をまとめチーム内を良好な人間関係にすることも重要な要素ですが、やはり会社に貢献できるようなどんな結果を残せたのかというのは重要です。
どれだけの人数をマネジメントしたのか
人数が多ければ出せる結果も大きいですが、その分マネジメントの難易度は上がることとなります。
少ない人数で結果を出せたことも評価されますが、多くの人数をまとめあげることができることも重要です。
マネジメント経験がなくとも、専門スキルの高さで企業から歓迎されることも
マネジメント経験が必須であることをご紹介しましたが、マネジメント経験がなくても歓迎される場合があります。それが高度な専門的スキルを有する場合です。
例えば会計士、弁護士、社会保険労務士などの国家資格は、マネジメント経験がなくてもその高度な知見から企業にアドバイスすることができます。
またエンジニアとして高い技術を持ち、ITなどインダストリー4.0に対応できるような人材も新規事業を展開するにあたり必要とされる場合が多く、ハイクラス人材と言えるでしょう。
こうした専門スキルの高い人材は、マネジメントよりもそのスキルを活かした働きが求められるため、必ずしもマネジメント経験は必須とはされないでしょう。もちろんマネジメントスキルもあれば鬼に金棒であることは間違いないです。
目標設定力・推進力

経営層となると、もちろん取締役に指示を受けることはあるかもしれませんが、指示を受けてから行動するのではなく、自分で何が課題なのかを見極め、それに向けての対策を立案し、下部組織にうまく指示を出し進捗管理をすることが求められます。
つまり「目標設定力」と「推進力」の2つが求められます。
目標設定力
自分自身の目標はもちろん、会社として何が課題でその解決のためにはどんな目標が適切かを考え設定できる力のことです。誰かに指示を受けずとも、常に自分で考えるということが求められます。
推進力
目標を設定するだけではなく、実際に目標を達成するにはどのような対策をするべきかを立案し、課題解決に向けて行動を推進できる力です。ポイントは自分自身だけでなく、組織全体を動かさねばならないということです。
個々の個性や思いがある中で、いかに1つの目標に向かって動かせるかがマネジメントの醍醐味となる部分です。
調整力と協調性

個人の能力がいかに高くても、やはり個の力は集の力になかなか及びません。組織で行動する以上、調整力と協調性が非常に重要です。それではそれぞれの力について具体的にご説明します。
調整力
社内外の関係者に対して、納得した上で目標に向かって働いてもらうためにうまく調整する力のことです。
組織には多様な人がいますが、うまく調整しながら目標に向かって働くようにうまく調整する力は、マネジメントにおいて重要な力です。
協調性
「周りに合わせる」ような日本独特の悪い文化ではなく、性格・考え方が異なっていたとしても、互いに議論しながら協力する力のことです。
どうしても合わない人も組織に入るかもしれませんが、マネジメントする者として人を選り好みすることは御法度です。
だからといって諦めてしまっては、組織として成り立たなくなってしまいます。ビジネスで成功するためには、積極的に人と協力する「協調性」が必要と言えます。
その企業・業界に関する知識・関心

マネジメントスキルや高度な専門的能力、またその他組織を動かす力があれば、業界が異なっていても転職は可能でしょう。
しかし転職先の企業・業界に関する知識・関心がなければ、そのスキルは活かせないかもしれません。
企業はなぜ、自社で長年勤めた社員ではなく、外部からハイクラス・エグゼクティブ人材を採用しようとするのでしょうか?
その理由は多岐に渡りますが、1つとして「外部からの新鮮な視点・ノウハウを獲得するため」という理由が挙げられます。
その企業のニーズに応えるには、「その企業が今何を把握していて、何を知りたい(求めている)のか」「その業界はどんな課題を抱えているのか」について把握しておくことが重要です。
いくら力があっても自分のおかれたフィールドに対する理解が浅ければ、活躍することは難しいでしょう。自分のスキルに慢心せず、丹念な企業・業界研究は必須です。
3)ハイクラス層への転職活動で意識しておきたい3つのポイント
ハイクラス層での転職活動で求められる条件を紹介しました。しかしハイクラス求人は希少であるため、いくら条件がそろっていたとしても、転職活動の方法によっては求める水準の求人と巡り合えないこともあります。
そこでハイクラス層への転職活動で意識しておきたい3つのポイントをご紹介します。

- 企業研究を入念に行い、自分なりの「期待の応え方」を見出す
- これまで培った人脈は、フルに活用する!
- 公開求人は倍率が高い。それよりも「転職エージェント型」「ヘッドハンター型」サービスを使い分ける
企業研究を入念に行い、自分なりの「期待の応え方」を見出す

ハイクラスであれ一般的な転職であれ、基本となるのは自己分析と企業研究です。ハイクラスとなるとより高いレベルでの思考が求められ、その分自己分析と企業研究を徹底することが重要です。
自己分析に関しては、「自分が現在できることは何か」「自分が今後なりたいのはどんな姿か」ということを前職のエピソードを関連づけて考えましょう。
企業研究については、「その会社の強みは何か」「企業が転職者に何を求めているのか」についてしっかり調べるようにしましょう。
また事業内容や今ハイクラス人材を募集している状況、業界の状況等を加味して、何が会社の課題なのかを自分なりに分析しましょう。
こうして「自分のできること」×「転職者に求めること」がマッチする部分を導き出していくのです。
そこから自身の働き、今後のキャリアによって、企業の課題も解決につながることをアピールできるように考えておきましょう。
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これまで培った人脈は、フルに活用する!
ハイクラス人材を募集している求人数はあまり多くはありません。そんな中、転職エージェントを介さず今までの人脈をたどった方が、すぐに求人が見つかることもあります。今まで培ってきた人脈をフル活用しましょう。
しかし知人の紹介による入社はメリットもありますが、デメリットもあることを考慮しておきましょう。

知人の紹介で入社する場合、自分のことを転職先に把握してもらいやすく、また転職先のことも知りやすいというメリットはありますが、一方、選考途中で辞退しづらかったり、「友人の紹介」という色眼鏡で見られる場合もあったりします。
知人に紹介してもらうパターンであっても、知人が働いている企業を勧めてもらうだけではなく、業界について教えてもらう・客観的な意見をもらえるなど、様々な活用の仕方があります。
人脈を活用して多くの情報を収集しましょう。
公開求人は倍率が高い。それよりも「転職エージェント型」「ヘッドハンター型」サービスを使い分ける
そもそも企業の中に経営層の人数が少ないことから、ハイクラス人材を募集する求人が多いとは言えません。
したがってハイクラス人材を募集する公開求人は倍率がかなり高くなる傾向にあります。応募のタイミングや倍率など様々な条件が重なり、十分な実力があっても採用には至らないケースが多々あります。
そこで公開求人だけではなく、非公開求人もカバーした転職サービスを活用することをおすすめします。
非公開求人もカバーした転職サービスの中でも、ハイクラス・エグゼクティブ転職向けでは「転職エージェント」型サービスと、「ヘッドハンター」型サービスの2つの種類があります。
組み合わせて使うのがおすすめです。

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4)ハイクラス向けおすすめ転職エージェント
求人の質と転職サポートの質の両方を重要視するは【JACリクルートメント】がおすすめ
JACリクルートメントはイギリスで創業、アジア7か国に展開しているグローバルな大手転職サービスです。グローバル展開していることもあり、外資系や海外勤務系の求人を得意分野としています。
海外勤務となると年防交渉や英文レジュメが必須ですが、JACリクルートメントは転職エージェントに力をいれており、難しい部分も手厚くサポートしてもらえることで高評価を得ています。
また求人の質が良いことでも有名で、他ではなかなかない管理部門や管理職求人が他転職サービスよりも豊富です。キャリアアップを目標とした30,40代のミドル層の転職に強みを持っており、ハイクラス転職したいミドル層におすすめの転職サービスです。
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優秀なヘッドハンターからの支援を求める方は、【CAREER CARVER】がおすすめ
CAREER CARVER(キャリアカーバー)は、転職サービス最大手のリクルート株式会社が、年収800万円以上のハイクラス転職に特化したサービスです。
ヘッドハンター型のサービスを展開しているのが特徴であり、まず登録者はスキルや経験・希望条件等について、転職エージェントと面談をします。
それらの内容をまとめたレジュメが匿名で公開され、レジュメを見て興味を持った企業からエージェント経由でスカウトされるという流れになります。
応募者と企業両方が相互的に働きかけるので、自分が気づかなかったような優良企業から声がかかる可能性もあるサービスです。
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dodaは国内トップクラスの求人数と実績・評判を誇る、最大手転職エージェントのひとつです。非公開求人数の多さが特徴で、その数は常時全国の求人情報の8~9割程とされています。その分ハイクラス求人がある確率も高いと言えます。
また転職サイト×転職エージェントでの手厚いフォローを得意としており、キャリアアドバイザーとチャットでやり取りすることもできるなど、手早く転職活動を進めていきたい方におすすめの転職サービスです。
面接対策はもちろん、企業ごとの好まれるタイプの人材や面接の受け答えについてのアドバイスを受けることもできます。ハイクラス転職に挑戦してみたいけれども手厚いサポートがほしい方におすすめです。
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ビズリーチは年収600万円以上のハイキャリア層をターゲットとし、ヘッドハンティングの仕組みに特化した転職サービスです。
有料・無料の2種類のプランに分かれており、無料プランはヘッドハンティングを基本的に待つ、有料プランはエージェントへの相談や自分から求人の検索・応募ができる仕組みとなっています。
有料プランの中でもハイクラス会員になると年収1,000万円以上の求人に応募できるため、1,000万円以上の年収を求める方におすすめです。
とはいえ無料プランにおいてもビズリーチは優秀なヘッドハンターが多く在籍し、更には平均して1日に30件、多い方は80件ものスカウトメールが来るとされており、中長期的に就職活動を進めていきたい方なら、無料プランで十分だと思われます。
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まとめ)ハイクラスへの転職は実力だけでは難しい
ハイクラス層の転職で実力はもちろん必須ではありますが、数少ないハイクラス人材の募集にめぐりあうためには実力だけでは難しいのが現状です。
実力に加え綿密な企業・業界研究、そして自己分析から導き出された自己PRを準備することも必要であり、また複数の転職サービスやこれまでに培った人脈をフル活用することが求められます。
ハイクラスへの転職活動を始める前に、自分の経歴やスキル、これから希望するキャリアと、現職ではそれが実現できそうかをまずはよく考えてから始めることをおすすめします。