転職面接時によくされる質問&解答例10選②中盤編(志望理由・転職理由)
[最終更新日]2020/02/03

「面接」と聞くと緊張や不安を感じる方が多数だと思われます。「緊張で伝えたいことがうまく言えなかったらどうしよう」「面接で不合格になるかもしれないと思うと不安」など、面接前はネガティブな気持ちになってしまいますよね。
しかし面接で聞かれる質問がある程度事前に予想できれば、答え方をしっかり準備することができ、自信につながるのではないでしょうか?
目次
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1)志望理由、および「求める人材像とマッチしているか」を確認する際に受ける質問
質問① 「当社を志望した理由を教えてください」

面接官は会社を選んだ理由を聞くことで、①志望度の強さ、そして②会社の理解度を知ろうとしています。
他の会社にあてはまるような理由であれば志望度は低いとみなされたり、また説明した理由が会社の魅力とずれていたり間違っていたりすると、会社の理解度は低いとみなされてしまいます。
核となる質問なので、自己分析と企業研究を徹底することが一番の近道です。
自分は仕事に対してどんな思いを持っているので、どんな会社で働きたいと思っているのか、そこでは自分のどんな部分を活かせるのかについて、論理的に答えましょう。
回答例
御社を志望した理由は、「IT×介護」という最先端の技術を取り入れた独自のサービスを魅力的に感じたからです。
介護業界はこれからも拡大する業界である一方で人材不足を課題としており、業界に先駆けてIT分野に力を入れている御社は、独自のサービス開発で次々と新しいシステムを生み出しています。
「最先端技術で社会問題の解決に挑戦したい」とシステムエンジニアになった私にとって、御社なら自分のスキルを活かして、問題を抱える介護業界の解決に貢献できる仕事ができると思いました。
質問② 「当社の事業内容についてどう思われますか」

自社の事業内容をきちんと理解できているのかということを測るためにされることが多い質問です。
企業研究ができていることは、すなわち志望度が高いことにも繋がります。前職で携わっていた事業とかけ離れている場合や、志望理由が事業内容を軸としていない場合は盲点となりがちなので、しっかり企業研究し会社の良い所を見つけておきましょう。
回答例
医療、福祉だけでなくコンサル事業も新設する等、医療を軸としながら様々な分野に挑戦している御社の事業内容は、新しいことにチャレンジし続けていきたい私にとって非常に魅力的な事業内容だと感じています。
中でも近年は、アフリカでの海外事業に関しては、他社も取り組んだことのない試みであり、ぜひ私も関わりたいと思っています。
質問③ 「なぜ、当社が第一志望なのですか?」

志望理由が他の企業でも当てはまる内容である場合など、面接官が「なぜ当社なのか」という部分をもう少し聞いてみたいという時に聞かれやすい質問です。
上手く伝えられることができれば志望度の強さをアピールすることができますが、面接官の納得のいく回答でないと、他にも応募者がいる場合は落とされてしまう可能性のある重要な質問です。
もし第一志望の企業でなかったとしても、数ある会社から選んだ理由があるはずです。会社の強みと自分の思いを論理的に組み合わせ、その会社しか当てはまらない理由を準備しておきましょう。
回答例
技術者を派遣する同業種の企業は多いですが、その中でも技術者の教育に力を入れ、技術者のキャリアを大切にする御社の姿勢に大変共感したため、御社が私の第一志望です。
前職でも派遣業に携わっておりましたが、技術者のキャリアには繋がらないような派遣の仕方に疑問を感じていました。しかし御社では技術者を教育し、新たなスキルを身に着けさせることで、会社にとっての利益だけでなく、技術者に寄り添った事業を展開しているので、ぜひ私も一緒に働きたいと思いました。
質問④ 「入社後どのようなことに挑戦したいですか」

入社後に任せようと思っている仕事と、応募者の描く入社後の希望にずれがないかどうかを確かめるためにされることが多い質問です。
企業の求人票には、どんな仕事をする人材を求めているのかが記載されているので、その内容に合った回答をするようにしましょう。
もし「人事担当」などざっくりした記載の場合は、自分の得意分野はもちろん、その他の分野も勉強して挑戦したいと思っているという、意欲的な回答が理想的です。
「与えられたことは何でも」という自分の意思が見られない回答はNGです。自分のやりたいこと、スキルを活かせることを回答しましょう。
回答例
入社後は前職での経験を活かし、アプリの開発に挑戦したいと考えております。
御社では3カ月に1本というペースで多くのジャンルのアプリをリリースされており、そのスピードについていくには相当な勉強量と実践が必要になると思いますが、まずは早く実力を付けることを目標に励みたいです。
また教育にもチャレンジしたいと思っており、実力が付いた後には初心者向けのアプリ開発技術講座を担当し、後輩育成にも力を入れたいと考えています。
質問⑤ 「10年後のキャリアプランについて教えてください」

企業側が欲しいと考えている人材のキャリアプランと、応募者のキャリアプランがマッチするかを確認するためによくされる質問です。
基本的に会社は働き続けてほしいと考えているため、10年後のキャリアプランが上手く答えられない場合は、会社で働き続ける気がないと判断されてしまいかねません。
その会社でどんなキャリアを歩みたいのかについて答えましょう。「管理職になるつもりはない」などネガティブな答え方はNGです。意欲的な姿勢が見える答え方になるように工夫しましょう。
回答例
これまでWEBディレクターとして経験を積んでまいりましたが、将来はWEBプロデューサーの立ち位置で、サービスに関わる「人・モノ・カネ」すべてに携われる働きを目指したいと考えています。
先日、御社の「短期的な売上を目指すようなサービスではなく、利用者から長い期間親しまれ続けるサービスにしていくこと」を大切にしているという、社長インタビューの記事を拝見し、深く共感しました。
もちろんサービスの売上も重要ですが、その先に存在する顧客を第一に大切にしているからこそ、御社のこれまでの事業の発展があったのだと思います。
私自身、これまでの経験で培ったディレクターとしてのスキルを発揮すると同時に、御社の大切にしている「サービス広く長く、親しんでもらえること」について学び習得し、将来WEBプロデューサーとして御社のサービス発展に貢献していければと思っております。
質問⑥ 「あなたが仕事で大切にしていることは何ですか」

この質問には、応募者が仕事で何を重視し、どんなことにやりがいを感じるのかを知りたいという意図があります。
前職でのエピソードを交えながら、自分の大切にしていることを答えましょう。例えばコミュニケーション、計画性、行動力、積極性など様々なことが考えらえますが、自分の強みや自己PRとリンクした内容にするのが望ましいです。
思いつかない方は、自己分析を深めてみて下さい。自分が今まで担当した仕事を書き出し、どんなことに気を付けたのかを整理していくと、共通した価値観が見えてくるでしょう。
回答例
私が仕事上で大切にしていることは「コミュニケーション」です。
お客さまから要望があった際のマニュアルはあるものの、マニュアル通りに答えていては誠意が伝わらないと考え、お客様は何をご不満に思っているのかを常に意識しながら受け答えするようにしています。
例えば「〇〇の案内が来ていない」というご意見を頂いた際には、「すでに郵送しております」ではなく、郵送しただけでは伝わらないというご不満を考慮し、郵送したパンフレットをその場でお渡ししわかりにくい案内であったことを謝罪するようにしています。
このような心掛けによって、お客さまからは「いつも頼りにしている」とお褒めの言葉を頂くことが多くなり、店舗でのお客様アンケートでは一番評価の高かったスタッフに選ばれました。
何より、受身ではなく楽しんで仕事をしている実感があります。今後も「コミュニケーション」を大事にして仕事に取り組んでいきたいと思います。
2)転職理由、および「志望理由との乖離はないか」を確認する際に受ける質問
質問⑦ 「当社以外に受けている会社はありますか」

他に応募している会社を知ることで、転職活動の軸と自社への志望度の強さを測る目的のある質問です。
答えづらい質問ではありますが、「その中でも御社が第一志望です」ということが伝われば他の会社を答えるのは問題ありません。むしろ「御社のみ応募しています」というのは不自然な印象なので、他に2,3社答えるのが無難でしょう。
回答例
IT業界を中心に応募しています。△△社は○次選考、△△社は◇次選考まで進んでいるところです。
しかしその中でも自分の様々な現場で経験を積みたいという気持ちに最も合っているのは御社だと考えているので、志望度が一番高いのは御社です。
質問⑧ 「転職・退職の理由を教えてください」

企業も投資して採用・育成するからには働き続けてほしいと思っているため、退職した理由は知っておきたいポイントです。
この質問は自社でも前職と同じように退職に至らないかを確かめるために聞かれるオーソドックスな質問です。転職活動での面接では必ず聞かれると言ってもよい質問でしょう。
答えるポイントとして、理由をネガティブに答えないことです。例えば「残業が多い」が理由であったとしても、「決められた時間内でメリハリをつけて働き、ライフイベントを迎えても働き続けられる環境で働きたいと考えた」ならポジティブに捉えることができます。表現を工夫するようにしましょう。
回答例
前職では店舗での現場業務しかできないコースでの採用であったため、もっと全社的な視点に立った経験も積みたいと考えた結果、転職活動をしています。
前職のアパレルショップでは8年間勤務し、現場での貴重な経験を積むことができましたが、一方で商品のラインナップや店舗の立地など、店舗単位では解決できない課題に直面することも多く、全社的な視点に立って店舗をよりよくできるように取り組みたいと考えました。
店舗だけでなく本社での業務も経験できるような企業に転職し、これまで培ってきた店舗での販売経験を活かして働きたいと考えています。
質問⑨ 「現在(前職)の会社で不満に思っていることは何ですか」

前職で不満に思っていたことが自社でも当てはまらないか、またその不満に対してどのように行動したのかについて知るためによくされる質問です。
答えるポイントとしては、単なる不満で終わらせず行動を起こした部分もアピールすることです。当時の怒りがこみ上げるかもしれませんが、感情的にならず冷静に答えるように心がけましょう。
回答例
前職で不満に感じていたことは、社内研修を開催するにあたってのマニュアルが整備されていなかったことです。
毎年開催されていますが、担当者が固定されていることからマニュアルが作られていませんでした。そのため自分が引き継ぐときにとても苦労したため、上司に相談しマニュアルをこれからは作成するように変えました。
質問⑩ 「転職先を選ぶうえで、どのようなことを重視しますか」

転職活動の軸を知る時に使われることの多い質問です。「弊社を志望した理由は?」という質問とは切り口を変え、本当に志望度が強いのかということを測っています。
応募先の企業にも当てはまる転職活動の軸を答えましょう。転職活動の軸を定めるには、自己分析と企業研究の徹底が必要です。面接に進むことになったら再度確認することをおすすめします。
回答例
人事の経験を活かせること、また新しいことに常にチャレンジする社風の企業かどうかということを重視しています。
前職では前例をいかに正しく実施できるかということが求められたのですが、もっと社員のために新しいことにチャレンジできるような人事の仕事がしたいと考えています。
まとめ)面接が深まるほど自己分析と企業研究が鍵!
面接に対する回答例が巷にはあふれていますが、面接が深まるにつれ、いわゆる「お手本の回答」だけでは面接官を納得させることは難しくなります。
面接官の質問の意図をご紹介しましたが、ほとんどの質問が「応募者はどんな人なのか」「自社をどう考えているのか」ということに帰結します。
これらについて切り口を変えて質問し続けられるので、考えが浅ければすぐにつじつまが合わなくなってしまいます。
お手本はあくまで例として、自分の考えを伝えられるよう、面接前には自己分析と企業研究を再度徹底するのがおすすめです。確固たる軸があれば、イレギュラーな質問にも対応できるでしょう。