経営企画に転職したい!実務未経験で経営企画に転職成功する為の必須知識
[最終更新日]2020/09/30

会社全体の目標や戦略について企画・担当する「経営企画」。
会社全体の方向性を決めるスケールの大きさ、そしてやりがいに憧れる方も多いのではないでしょうか?
経営企画は、管理部門の中でも特に少数精鋭となる部署となる傾向にあり、その仕事に就くのは狭き門となることが予想されます。
目次
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1)経営企画(経営戦略)とは
経営企画(または経営戦力とも呼びます)とは「企業が競争環境の中で、企業体を維持し、持続的に生き残り、また成長していくための方針や戦略」を指します。この経営企画を担当する部署の主な業務は以下の通りです。

- 経営目標の策定
- 経営目標達成に向けての戦略の策定
- 経営目標・戦略の通達と進捗管理
会社全体としてどのような目標に向かって、どんなことに注力していくかを決める、いわば「軍師」的なポジションです。
この目標と戦略次第で会社の経営自体が危うくなる可能性もある、責任の重い役割です。しかしそれだけやりがいも持てる仕事だと言えます。
規模の小さい会社であれば、役員のみで経営企画が行われる場合もありますが、ある程度の規模がある会社の場合は部署となっている場合が多いです。
基本的には少数精鋭であるため募集人数が少なく、また求められる能力も高いことから、転職するにはハードルの高い部署と言えるでしょう。
経営企画(経営戦略)は、企業のミッション(経営理念)、ビジョンと密接に関わる
「経営企画って経営理念やビジョンとはどう違うの?」と思われる方もいらっしゃると思われます。経営企画は、会社の経営理念やビジョンと以下のような関係となっています。

経営理念
まず会社の存在理由とも言うべき「経営理念」が会社の方向性として最高の位置にあります。
ビジョン
その経営理念を維持するために、これからの展望やあるべき姿を示したのが「ビジョン」です。経営理念に基づきどのような姿を目指すのか等、経営理念よりもう少し具体的なものです。
経営戦略
ビジョンを実現するために中長期的には具体的にどのような利益を出し、そのためにどうするかといったものが経営戦略です。全社的に取り組むことが求められます。
戦術
経営戦略を実行するために、各部署で実行するべき方法です。
全て下位を達成すれば上位に貢献できるという構造になっており、段階的に実行することで企業は経営理念に基づいた経営ができる仕組みとなっています。
2)経営企画(経営戦略)の仕事の進め方
企業の存在理由とも言える企業理念を維持するため、また企業のビジョンを実現するために、より具体的な実効策となるものが経営企画であることをご説明しました。
会社全体の方針を決める重要な役割であることは想像できますが、具体的にどのような仕事をしているかとなると、なかなかイメージしづらいですよね。そこで経営企画の仕事を3つのポイントに分けて、より具体的にご紹介します。

- 企業のこれから先・将来の可能性を探求する
- 企画戦略のコンセプトを固める
- アクションを実施していくための、体制とスケジュールを構築する
企業のこれから先・将来の可能性を探求する
どのような経営理念・ビジョンであったとしても、全て経営できてこそ達成できることです。
したがってどのような会社であっても、まずは収益を出し存続し続けるということが最も重要です。企業の生き残り戦略を考えるアプローチ方法は多数ありますが、今回はSWOT分析の方法を元に簡単にご説明します。

SWOT分析とは
- 「Strength(強み)」:会社の強み(ex.移動して販売できる、商品を変えられる)
- 「Weakness(弱み)」:会社の弱み(ex.流行に左右され安定感がない)
- 「Opportunity(機会)」:有利となる社外環境(ex.タピオカドリンクブーム)
- 「Threat(脅威)」:不利となる社外環境(ex.チーズティーの台頭)
の4軸から現状分析を行うときに使われるフレームワーク(考え方の枠)です。
この考え方で状況を整理すると、例えば「左上部分の機会×強みは今後も拡大するだろう」「右下部分の脅威×弱みは今後なんとしても小さくしなければならない」といった予想や方向性を立てやすくなります。
企画戦略のコンセプトを固める
今後の可能性を整理し、ある程度戦略の方向性を考えた後は、ぼんやりとしている企画戦略を固める必要があります。その際には「5W2H」をはっきり定義づけておくことが重要です。
「5W2H」
- When:いつ(ex.来年夏までに)
- Why:なぜ(ex.チーズティーが流行しているため)
- Who:誰が(ex.店舗の3分の1が)
- Where:どこで(ex.東京都内で)
- What:何を(ex.タピオカドリンクではなくチーズティーを)
- How:どのように(ex.販売する)
- How much:どのくらいの価格で(ex.500円で)
さらに次のコンセプトが適切かをポイントごとに見返すこともします。例えば以下のようなポイントが挙げられます。

- 事業同士でシナジーが充分に発揮できているか
- 会社全体の成長につながるか
- 持続的成長につながるか
複数の事業を行っている場合、組み合わせることで新たなマーケットが生まれることもあります。このようにシナジーを生み出し、会社全体の持続的な成長に繋がる戦略かを確認します。
アクションを実施していくための、体制とスケジュールを構築する
具体的な戦略が決まったところで、体制とスケジュールを決めていきます。

- 体制:どの部門が担当するのか、資源はどのように分配するか
- スケジュール:どの段階までいつまでに進めるか
体制について、全社的に通達し各部門で対応する場合もあれば、場合によっては部門を超えたプロジェクトメンバーを招集する必要があることもあります。
どれほどの、そしてどんな人員を動員するのかということを決めます。またプロジェクトには資源も必要となる場合があります。
設備や資金など、どれほど分配させるのかについても計画を立てなければなりません。つまりどれほどのヒト・モノ・カネを分配するのかについて考えます。
また戦略にも段階を設け、どこまでのステップをいつまでに進めるのかスケジュールを決めなければなりません。スケジュールを立て実行に移した後も、進捗状況を見ながら随時調整する必要もあります。
3)経営企画での業務において、求められる知識・スキルは──
会社の方針となる戦略を企画する経営企画は、少数精鋭の優秀な人材が集まる傾向にあります。それでは具体的にはどのようなスキルが必要とされるのでしょうか?特に重要な以下の3つをご紹介します。

- 論理的思考力
- 数字処理能力
- 人を巻き込む力
それぞれ、順を追って見ていきましょう。
論理的思考力

経営戦略は「なんとなくこう思ったから」のような曖昧な理由では決定できません。全ての数字・言葉の裏に緻密な理論づけがなければ、社員は納得できないでしょう。
経営企画は国際情勢から自社の決算書まで、必要なマクロ・ミクロなデータを組み合わせながら論理的に戦略を導かねばなりません。経営企画は論理的思考力が不可欠な仕事と言えるでしょう。
論理的思考を手伝うものとして、先ほど紹介した「SWOT分析」のようなフレームワークがあります。フレームワークとは論理的に考えるために物事をきれいに整理する枠のことです。
漏れ・被りなく物事を分類・分析することができるので、いくつか知っておくと便利です。
数字処理能力

経営企画は議論して決める、というイメージはありますが、議論するまでに膨大なデータを整理しなければなりません。
まずは数字目標を立て、その数字目標に達成するための戦略もまた数字でどれほどの利益があるかを計算する必要があります。
複雑な計算式を使用することもあるため、計算や数字が苦手な人には厳しいかもしれません。
また会社の指針となる以上、データに誤りは許されません。もし元のデータが誤っていれば、全てがずれるという恐れもあります。たくさんの数字が並ぶ中、集中してミスを出さずに作業する、几帳面さがある方は向いていると言えます。このように経営企画は数字処理能力が必要な仕事です。
人を巻き込む力

経営企画は目標や戦略を決定し終わりではありません。実際に全社一丸となって実行されなければ意味をなさないものです。そのため経営企画には人を巻き込む力が必要となります。
それは経営企画が決定された後、以下のプロセスが考えられるからです。
まず全社員に経営企画の内容が通知され、内容や狙いを正しく理解してもらう必要があります。経営企画の内容は、会議段階では難しくなりがちですが、誰が見てもわかるようにしなければ実行には至らないでしょう。
わかりやすく説明するということも人を巻き込むには必要な力です。また実行に移ったとしても、本来業務が忙しい、自分へのメリットが感じられない等を理由に協力的でない人もいるかもしれません。
そんな人をうまく協力してもらうためには巻き込む力が必須です。
4)こんな人は、経営企画・経営戦略に向いている!
例えば計算が嫌いな人が経理には向いていないように、スキルとは別にその人の趣向が仕事への向き・不向きに影響します。
経営企画・経営戦略はどのような趣向を持つ人が向いているのでしょうか?多くある中でいくつかの特徴をピックアップしてご紹介します。
経営企画・経営戦略の仕事がおすすめの人

- 全社的な視点で物事を考えたい人
- 向上心の強い人
- アンテナが鋭い人
- こつこつとした作業が苦にならない人
全社的な視点で物事を考えたい人
経営企画は会社として公平な立場となり、自分の出世や利益よりも「会社の経営には何が必要か」を優先して考えなければならない仕事です。
インセンティブがモチベーションになる人にとっては辛い作業かもしれません。また現場で第一線として活躍したい方にもあまりおすすめではありません。
向上心の強い人
経営企画はどうすれば今よりもっと良くなるのかを常に考え続ける必要があります。
ルーティンワークが好きな人や変化を好まない人よりも、積極的に新しいことにチャレンジしたい人の方が向いている仕事だと言えます。
アンテナが鋭い人
経営戦略を考えるときは、世の中の時流も考慮する必要があります。情報に疎いと常に後手に回って対応することとなってしまいます。最新情報に関するアンテナが鋭い人が向いているでしょう。
こつこつとした作業が苦にならない人
経営企画と聞くと扱うスケールも大きく華やかなイメージですが、実際はデータ分析や計算などこつこつとした作業が大半となります。
こうした資料作成などのデスクワークが苦にならない方に経営企画はおすすめです。
5)経営企画への転職におすすめの転職サービス・転職エージェント
経営企画は管理部門の中でも人員が少ない傾向にある部署で、中小企業ではそもそも部署が設けられていないということもあります。
元々の数が少ないため、求人数も比例して少なくなります。そんな中、自分の交友関係をたどる、もしくは会社ホームページを1つずつ見て募集を確認するというのはかなり非効率だと言えるでしょう。
効率よく探すなら転職サービスを利用することをおすすめします。
しかし近年転職市場は盛り上がり多くの転職サービスがあるため、どれを選べばいいか悩む方もいらっしゃるかと思います。そこでおすすめの転職サービスをご紹介します。
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まとめ)地道な情報収集・分析が戦略の基礎となる
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全社的な視点を持ちつつ、基本を疎かにしない姿勢が経営企画で活躍するカギとなるでしょう。