保険業界は大変?保険営業の転職を検討する際に知っておきたい業界知識と実情
[最終更新日]2020/09/29

みなさんは保険営業という仕事にどのようなイメージをお持ちでしょうか?
「給料が良い反面大変そう」「華やかな営業のイメージ」など、女性も挑戦しやすいけれど大変というイメージを持たれている方が多いと思われます。しかし実際はどうなのでしょうか?
目次
1)保険業界の主な区分と特徴
保険は実際に利用されている方もいる身近なサービスですが、業界となるとどうなっているかイメージがわかない方が多いのではないでしょうか?
まずは保険営業の業務内容の前に、保険の仕組みと保険業界の特徴について概要をご紹介します。
保険業界のサービスは、大きく「生命保険」、「損害保険」、そして「第三分野の保険」に分けられる
保険には様々な種類があり、テレビCMでもがん保険や生命保険、自動車保険など様々な保険が宣伝されています。保険は以下の3つに分類されます。
種類 | 説明 |
---|---|
生命保険 | 主に「人」に関わるリスクに備える保険のことで、第一分野と言われる保険の分野です。 第一分野は病気やケガなど万が一の時に保障してくれる保険で、万が一の備えだけでなく貯蓄の側面を併せ持つ「学資保険」や「個人年金保険」のような保険も含まれます。 |
損害保険 | 主に「モノや財産」に関わるリスクに備える保険のことで、第二分野と言われる保険の分野です。 例えば「自動車保険」や「火災保険」のような保険が含まれます。 |
第三分野(上記2分類に被る保険) | 第一分野と第二分野にまたがる分野のことを指し、代表的なものとしては、「医療保険」や、「がん保険」、「介護保険」などが挙げられます。 第一分野が生命保険会社、第二分野が損害保険会社しか取り扱うことができないのに対して、第三分野の保険は生命保険会社・損害保険会社ともに取り扱うことが可能です。 |

保険営業の主な仕事内容
保険営業とは、個人または法人に対して保険への加入を提案し、契約の手伝いをする仕事です。保険営業には以下2つの種類があります。

自社保険を扱う営業
・アウトバウンドセールスが主流(電話や飛び込み営業などで営業するスタイル)
保険代理店での営業
・インバウンドセールスが主流(店舗に来店した方に保険を提案する営業スタイル)
外回りを希望している方なら自社保険を扱う営業を、内勤を希望されている方は保険代理店での営業がおすすめです。
営業方法は異なりますが、どちらも業務に関する特徴は共通しています。
保険に関する深い知識が必要
保険は万が一の時にリターンが返ってくるため、メリットを実感することの難しい商品です。
そのためお客様は営業からの説明でメリットを判断することとなります。
説明するには自分が誰よりも保険内容に詳しくなる必要があり、常に勉強し続けることが必要とされます。
お客様に寄り添う姿勢
保険とは加入者や加入者の大切な家族に関わる内容です。お客様に寄り添い、親身になる姿勢が重要です。
保険営業の年収・キャリアパスのイメージは?

保険営業の年収
保険営業は基本給が低めに設定されており、契約獲得数に応じてインセンティブがつくシステムを採用している企業が多いです。
新卒だと基本給は15~16万円くらいで、ここに契約金額の何%かが上乗せされるようなイメージです。
そのため契約が獲得できれば新人であっても高年収となる場合もあれば、勤続年数が長くても契約を獲得できなければ、後輩より収入が低いということもあります。
保険営業のキャリアパス
保険営業は契約の獲得数に応じた給与システムが主流のため、契約がとれる人は長く営業マンとして働き続け、一方でなかなか契約が取れない方は早期に転職するケースが多いです。
経験やスキルを積んだ後は、営業たちのマネジメントをする、同業他社にヘッドハンティングされ営業として転職する、また保険代理店として独立するという選択肢もあります。
参考:「保険代理店」という働き方もある
保険代理店は、保険会社から保険の販売部分を請け負う業務形態です。
給与システムは保険会社とは異なり、成果報酬型ではなく基本固定給型が主流です。よく言えば成果に関わらず収入は安定していますが、その分自分の成果を感じにくいシステムでもあります。
代理店での営業の場合は店舗スタッフからスタートし、店舗での営業活動を経た上で、支店またはエリアを統括する管理職へとキャリアアップしていくことが予想されます。
キャリアアップに従い、自分が実際に営業することからは離れていきますが、全体のマネジメントなど新たな経験を積むことができます。またインセンティブが物足りないという方は、保険会社へと転職するというキャリアも考えられます。
2)保険営業が大変と言われる理由は──
「保険営業は大変」──よく聞くフレーズと感じる方もいらっしゃることでしょう。
保険は何社も契約することはなく、また消費するものではないので、常に同業他社と顧客を奪い合う形になりやすいものです。
実際、業務についてはどのような部分が厳しいのでしょうか?以下の3つについてそれぞれご紹介します。

- ノルマ意識が強い・厳しい
- 多くの場合、個人活動(属人的)。チームワークでの活動はあまりない
- 親戚縁者に保険加入してもらうよう促す会社も
ノルマ意識が強い・厳しい

保険業界ではノルマが厳しいことが特徴です。
代理店での営業の場合は、売り上げ目標が店舗ごとに設定されている場合が多いため、個人に対しそれほどノルマを要求されることは少ないとされていますが、保険会社の営業職では個人にノルマが課せられています。
「ノルマ未達の月が続くと上司であるチームのリーダーから詰められ、毎日のように叱られる。」という意見もあり、厳しくノルマを追及される様子が伺われます。
またノルマ追及が厳しいだけでなく、獲得できた契約内容がそのまま給与に反映されるのも厳しい部分です。
インセンティブを見込んで基本給を低めに設定している企業が多いため、契約が取れないときはノルマに関する叱責に加え給与も少なくなるといったダブルパンチとなります。
多くの場合、属人的かつ個人主義。チームワークでの活動はあまりない

現在はチームワークを重視した保険会社も増えてきているようですが、給与システムも成果報酬型であることから、個人主義的な保険会社が主流です。
そのため連携が薄く、そもそも周りがどんなふうに営業しているのか知らないという方もいるようです。
もちろん保険についての知識等の研修はありますが、営業のノウハウと言った部分は自分で形成するスタイルの企業が多い傾向にあります。
そういった企業では個人主義の色が強く、他者から足を引っ張られる心配はありませんが、その分「自分でなんとかしないといけない」という局面も多くなります。
またチームでない分、自分から積極的に周りと交流しないと孤独を感じる仕事でもあります。
チームで和気あいあいというよりも、基本的には1人で仕事に向き合うスタイルなので、1人で問題を抱え込み誰とも共有できないというケースも起こりえるでしょう。
親戚縁者に保険加入してもらうよう促す会社も

もちろんすべての保険会社において親戚縁者への営業を強制するわけではないですが、未だ「親戚縁者に加入してほしい」とリクエストを出す会社もあるようです。
ノルマが達成できない場合、友人や親戚縁者への保険加入を勧めるよう上司が支持する場合もあるとのこと。実際にこのような意見もあります。
●営業成績が悪い
●ノルマ達成できない
●新人の頃
こういったときは必ず、身内・友人・親戚などの親類縁者に営業をかけ契約を取るように上司に指示されるんです。
ちなみに生命保険の加入だけじゃないですよね。
個人年金・学資保険・一時払い終身型など、色々商品を複数契約させるように指示されるのです。
当然親戚とかに営業に行っても良い顔はされませんから、友人知人の中には疎遠になり嫌われてしまう可能性は高くなります。
引用:https://mens-hige-datsumou.net/post-680
3)保険業界の転職に向いている人、向いていない人は?
保険営業職の厳しさについてご紹介しました。これを読んでみて、「自分なら大丈夫そう!」と感じられた方は向いているといっても過言ではないでしょう。
「読んでみて不安になったけれど、保険営業をやりたい理由がある」という方は、以下の保険業界に向いている人・向いていない人の特徴をチェックしてみてください。
保険業界の転職に向いている人

- 向上心の強い人(または、競争やノルマに苦手意識のない人)
- 営業スキルを高めていきたい人
- 人とのコミュニケーションが得意・好きな人
- 保険に関する知識獲得に前向きになれる人
保険営業職の仕事は、自分の営業スキルによって給与が左右される業界です。
ごく一部ではありますが、実際に保険営業で年収1,000万円を達成している方もいます。インセンティブ要素が大きいので、自己の営業スキルを試してみたい方、がつがつ競争していきたい方におすすめの業界です。
また無形商品を扱うため、製品を扱うメーカーよりも営業力が大きく問われます。人とのコミュニケーションが得意・好きであるという方にとっては楽しめる仕事となるでしょう。
また保険業界では、新しい保険商品や法律関連の知識など、ずっと保険に関する勉強を続けなければならないという特徴もあります。コミュニケーション能力だけでなく、こうした知識についても積極的に学び続けられる方が向いていると言えます。
保険営業の転職に向いていない人

- 競争やノルマ評価に対して苦手意識がある人
- 営業職にマイナスイメージを持っている人
- 人とのコミュニケーションが苦手な人
- 保険に関する知識に興味を持てない人
保険営業に興味を持つ方の理由として、「自分にも役立つ保険について学べるから」というものがよく見られます。
テレビCMでも「お客様に寄り添う」という部分が強調されているので、「お客様に喜んでもらいたい」という方も大勢いらっしゃるでしょう。
「自分にも役立つ保険について学べる」、「お客様に喜んでもらえる」ということも保険業界の特徴に当てはまるものではありますが、実際の保険営業は過酷な競争社会です。個人主義でがんがんインセンティブを獲得したい方にとっては天職ですが、こういったプレッシャーに耐えられなさそうな方にはなかなか難しい仕事と言えます。
今から保険営業の転職をする際に、準備しておくことは──

保険営業は基本的に求人数が多い職種です。とは言え未経験から希望する場合は、準備しておいた方が転職に成功する可能性が高くなるでしょう。保険営業への転職活動をする前に、準備しておいた方が良いことをご紹介します。
商品知識は、入ってからでもOK。とはいえ、一定の予備知識はしっかり蓄えておこう
保険営業は入社時に知識について求められることはほぼありません。保険商品の知識については、入社後研修でみっちり教えられることが多いです。
しかし保険に全く馴染みがない、加入したことがないという方は、保険の種類や仕組みについてネットで調べておくのがベターです。
特に応募しようと考えている企業の扱っている保険に関してはしっかり調べておくようにしましょう。もちろん同業他社で働くなどして、保険商品の知識が深い人は歓迎されるでしょう。
保険業界の知識を育んでおく
そもそも保険業界がどうやって利益を得ているのかわからないという方は、保険業界の仕組みについて調べておきましょう。主に以下から利益を得る仕組みです(生命保険の場合)。
利益の種類 | 説明 |
---|---|
死差益 | 予想より亡くなる人が少なかった収益 この部分が大多数の保険会社で最も大きな利益になっています |
利差益 | 予想より資産運用がうまくいった収益 集めた保険料で資産運用し、利益を得ています。 |
費差益 | 予想より運営費を抑えられた収益 保険料にあらかじめ予想の運営費が含まれているため、例えばインターネット掲載費用などの運営費が予想より抑えられた場合、保険会社の利益となります。 |
保険営業といっても、スタイルは会社それぞれ。入念な企業研究を
一口に保険営業と言っても、扱う保険の種類が違えばターゲット層も変わります。またノルマを求められる度合いなど、仕事を進めるスタイルも企業によって異なります。転職エージェントや知人を利用して、実際の働き方についても聞いておくことをおすすめします。
また保険業界には外資系の企業もあります。外資系企業ではコンサル型の営業を行う場合が多く、また支店ではなくネットやテレビを使った集客が中心になります。
日系企業よりもノルマについては厳しく、契約数によっては社員間で年収が雲泥の差がつくこともあるようです。
このように企業ごとに特色があるため、企業研究を入念に行うようにしましょう。
4)保険業界への転職をする際の、おすすめの転職サービス
保険業界への転職も、他転職活動同様、転職サービスを利用することが必須です。それぞれ特徴があるので、複数の転職サービスを併用するのがおすすめです。
今回はハイクラスへの転職から未経験から保険業界への転職まで、保険業界へ転職する際におすすめの転職サービスをご紹介します。
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まとめ)厳しい分リターンも大きい保険営業

テレビCMの保険業界へのイメージは「温かい」「優しい」といったイメージですが、実際の業務は厳しいものです。
契約数に伸び悩むと、時には叱責されながら厳しくノルマを追求しなければならない時もあるかもしれません。
しかし自分の営業力に自信のある人にとっては、成果が給与に反映される部分の大きい保険営業はまさに天職と言えるでしょう。
個人主義的な営業スタイルも、孤独を感じるかもしれませんが、裏返せば足を引っ張られることなく純粋に個の力を研鑽できるという見方もできます。
確かに厳しい世界ではありますが、その分リターンも大きい仕事です。ぜひ検討してみてください。