「介護の仕事をやっていて良かった…」と思える瞬間5選!
[最終更新日]2021/02/23

「介護職のやりがいって何だろう…?」
「自分は介護職に向いているのかな…?」
本記事では、そんな疑問に応えていきます。
私はグループホーム、デイサービスなど複数の施設を渡り歩き、介護士として2年間経験を積んできました。その中で、「これが介護職のやりがいだな」という気付きがいくつもあります。
その経験を元に、『介護の仕事をやっていて良かった瞬間5つ』をランキング形式で紹介していきます。
参考:介護の転職におすすめの転職サービス
1位きらケア(正社員)
2位マイナビ介護職
3位かいご畑
目次
第5位:介護経験が知人の役に立った瞬間

介護の仕事をやっていて良かった…と思える瞬間・第5位は、『介護経験が知人の役に立った瞬間』です。これは自分の両親の介護も含みます。
人は生きている限り必ず年をとり、年齢を重ねるほど認知症の有病率は上がります。2025年には高齢者のおよそ5人に1人が認知症になる…とも言われており、介護経験・知識は多くの人の役に立つと考えられるのです。
実際に僕が働いていた施設でも、利用者のご家族が頻繁に「〇〇の場合にはどうすれば良いのでしょうか?」という介護に関する質問をしているのを見かけました。
そのため、現在まだ20代、30代という人は特に、両親や知人に対する介護のアドバイスを求められる機会が増えると考えられます。
常に介護の新情報をアップデートしよう
介護のアドバイスをする際に気を付けるべきなのが、『最新の情報を伝える』ということです。
例えば、現在介護保険サービスを利用する自己負担額は、収入に応じて1~3割となっています。
現在はおよそ9割の人が「自己負担1割」で介護保険サービスを利用しているのですが、少子高齢化の進行に伴って、予算との兼ね合いから「自己負担2割」になる可能性も十分に考えられます。
もし今後そうした改正があったときに、そのことを知らず「1割負担だから、月に〇円くらいあれば大丈夫だよ」などと誤った情報を伝えてしまうと、アドバイスをした相手が困るのはもちろん、あなた自身の信頼も落ちてしまいます。
「介護のプロとして介護知識は完璧にする!」という気持ちで、ぜひ介護に関するニュースなど取り入れ続けて欲しいと思います。
第4位:奉仕の心が身に付いた瞬間

介護の仕事をやっていて良かった…と思える瞬間・第4位は、『奉仕の心が身に付いた瞬間』です。
かなり抽象的ですが、この場合の奉仕の心とは「思いやり」「優しさ」などを指します。こういった人として大切にすべき心が、介護職では身に付きやすいのです。
そんな奉仕の心が身に付きやすい理由としては、「理不尽なことを乗り越えて、利用者に寄り添う必要があるから」だと考えられます。
介護職員は「ケアプラン」という、介護の計画書に沿って介助を行います。その際に、例えば「入浴してもらいたいのに利用者が嫌がってしまい、利用者からキツイ非難の言葉を浴びせられる」…というケースがあります。
ここで普通の人なら、「わがまま言わないで!」と反論したくなるはずです。
しかし介護職員は、利用者の衛生状態や、入浴して気持ちをリフレッシュしてもらうなど「長期的な幸せ」のために、反論したい気持ちをグッとこらえて介助へと促す必要があります。これはプロとして当たり前の行動であるとはいえ、やはり他の仕事では身に付きづらいことでもあります。
すべてを許し、ただ相手の人生が豊かになるためだけに行動する…という介護職ならではの仕事内容が、自然と奉仕の心を養ってくれるのは大きな魅力です。
ただし「我慢し過ぎ」は注意
ただ、いくら長期的なケアプランがあるからとはいえ、ストレスをため込み過ぎて「うつ病」などの疾患を抱えてしまいそうなのであれば、すぐに施設長などリーダーへ相談しましょう。
介護職員だって人間ですから、やはりキツイ言葉などを浴びせられればショックを受けます。それは介護の目的や、やりがいとはまた別の話です。
そのため、まずは自分のストレス耐性を把握し、我慢し過ぎが起こらないよう注意してください。時には休みを取ったり、趣味に時間を割いたりするよう心がけましょう。
第3位:仲間と目標を達成した瞬間

介護の仕事をやっていて良かった…と思える瞬間・第3位は、『仲間と目標を達成した瞬間』です。
介護職の目標は利用者のケアプランによって1人1人異なりますが、多くが「在宅で自分らしい生活ができるようになる」というものに通じています。このような長期的な目標を達成した(もしくは近づいた)とき、大きなやりがいを感じるのです。
仲間と目標を達成した体験談
具体例を挙げると、私が介護職員としてデイサービスで働いていたころ、もともと元気だった80代の女性利用者が、骨折による長期入院が原因で認知症が悪化してしまう…ということがありました。
入院する前はおひとりでトイレや入浴に行けていたのですが、入院後はすべてに介助が必要となってしまい、本人も申し訳なさと不甲斐なさを感じているのが見てとれました。
そこで、私たちは全員で協力してケアプランにある「軽い運動」や「レクリエーション」などを実施し、どんない忙しく人手が足りない日にも、怠ることがないよう協力し合いました。
そうしてケアを続けた結果、なんと入院から1年ほどで回復し、トイレや入浴などおひとりで出来るようになったのです。今では施設に来る回数も減り、趣味だった麻雀や散歩を楽しまれています。
こういった目標達成は本当に嬉しく、同時に仲間と絆が深まるきっかけにもなります。ただそのためには日々のコミュニケーションが欠かせないので、時には雑談なども楽しむよう心がけましょう。
第2位: 利用者・家族から感謝された瞬間

介護の仕事をやっていて良かった…と思える瞬間・第2位は、『利用者・家族から感謝された瞬間』です。
介護職はサービス業でありながら、同じサービス業の中でも「ありがとう」という言葉を掛けられる機会が圧倒的に多いです。
その理由としては、介護の仕事は「若いころはできたことを手伝う」というケースが多いからです。
例えば同じサービス業のホテルマンであれば、サービスをしても「お金を払っているのだから当然」や、「このホテルマンは仕事だからやっている」と思われることが多くなってしまいます。
しかし、介護の仕事では「物を取る」「着替えを手伝う」など、利用者が『元々はできたことを手伝ってもらっている』という感覚になることが多いです。
そのため、どこか職員に対し申し訳なさを感じる利用者が多いようで、「ありがとうね」という言葉を掛けられる機会は増えます。もちろん、純粋に仕事に対して感謝の気持ちを伝えて下さる方も多くいますよ。
利用者の家族からも感謝される
また、利用者本人ではなくそのご家族から感謝される機会も多いです。
介護施設や介護サービスを利用するご家族は、多くの方が「本当は自分たちで介護をしたい」と思っています。しかし、仕事や育児との時間的・精神的な兼ね合いからサービスを利用することが多いのです。
そのため、ある種引け目に近い感覚があるからか、感謝の言葉を伝えてくださったり、介護のアドバイスを求められたりするケースがあるのです。
第1位:利用者と過ごす何気ない日々

介護の仕事をやっていて良かった…と思える瞬間・第1位は、『利用者と過ごす何気ない日々』です。
介護職は比較的「日常生活」に近い環境で行うため、利用者と本当の家族のように楽しく接する機会が多くなります。
- レクリエーションで冗談を言い合って笑う
- 調理に失敗し、利用者に教えてもらう
- 以前よりも歩けるようになり、一緒に喜ぶ
こういった何気ない日々が人間味に溢れており、楽しい瞬間の積み重ねとなるのです。
ただ、こういった話をすると「介護職はプロなのだから、利用者と友達感覚で接したらダメ。距離を取って仕事するべきだ」という意見が出ます。
確かに、ただ利用者と遊び、ケアプランも進めずに自分が楽しむだけならプロの仕事とは言えません。しかし、そういった仕事をキチンと遂行しつつも、利用者と同じ人間同士楽しくコミュニケーションをとるのは、両者の関係性を深めることにおいて大切だと確信をもっています。
そのため、まずは何気ない生活の中で心を通じ合わせ、自分を信用してもらうように心がけましょう。最終的に「あの利用者と出会えてよかった」と思えるほど深い関係性を気付ければ、それが介護職における大きなやりがいに繋がります。
利用者に信頼してもらうには?
利用者から信頼を得るには、「傾聴する」ということが大切です。
傾聴という言葉は様々な解釈がありますが、介護の世界では『相手を理解しようと耳を傾けること』と捉えられます。
介護職員の主観は入れずに、利用者のことだけを考えて共感するのです。この行為が利用者にとっては、「この人は私のことを理解しようとしてくれる=信頼できる」という考えに繋がります。
実際に僕も現場で多くの利用者に傾聴を実践し、非常に頑固な方とも距離を縮めることができました。信頼を勝ち取れば仕事もスムーズに進む場合が多いため、ぜひ習得して欲しいと思います。
まとめ)「介護職をやっていて良かった」と思う瞬間ベスト5

「介護職でやっていて良かった」と感じる瞬間ベスト5をまとめます。
第5位:介護経験が知人の役に立った瞬間
第4位:奉仕の心が身に付いた瞬間
第3位:仲間と目標を達成した瞬間
第2位:利用者・家族から感謝された瞬間
第1位:利用者と過ごす何気ない日々
今回ご紹介した「介護職のやりがい」は、施設の状況によっては該当しないケースも多いと思います。というのも、介護は慢性的な人手不足が続いており、それが影響して忙殺されてしまうことが多いからです。
ただ、そういった状況でも今回ご紹介したようなやりがいは忘れないように努めて欲しいと感じます。
介護職が持つ本来の楽しさ、やりがいを享受できるよう、「自分にはどんなやり方が向いているか?」「どんな場所が合っているか?」を常に検討しながら、就職・転職活動に励んでみてください。