EC業界に転職するには?知っておきたいECサイト運営業務のポイント・注意点
[最終更新日]2020/11/19

昨今、いろいろな会社がECサイトを始めています。
Amazonや楽天市場をはじめ、私たちも身近な場所でECサイトを利用する機会が増えていますね。
それに応じてEC業界に興味を持ったり、実際にECサイト運営で働いてみたいと思う人は多くなってきています。
目次
1)そもそも、ECサイトとは?ECサイト運営ってどんな仕事内容?
そもそも、ECサイトとはどんなサイトなのでしょうか?
まずはECサイトの概要についておさらいしておきましょう。
ECサイトは、「インターネット上で商品を販売するWebサイト」のこと
ECとは[Electronic Commerce(電子商取引)]の略で、日本では「イーコマース」などとも呼ばれています。
主にはネットショップ、ネットオークションサイト、コンテンツ配信サイト、オンライントレードのサイトなどがECサイトと呼ばれています。
身近な例だとAmazonや楽天市場、メルカリなどもそうですね。
ECサイトのビジネスモデルは、大きく「B to C」「B to B」「C to C」の3つ
ECサイトのビジネスモデルは大きく3つに分かれており、それぞれ次のような特徴があります。
ビジネスモデル | 特徴 |
---|---|
B to C![]() | 企業と一般消費者の間で取引を行うECサイトになります。 自社商品を販売するために独自にECサイトを開設する方法や、1つのECサイトに複数の店舗が出店しているショッピングモール型などがあります。 例)楽天市場、Amazonなど |
B to B![]() | 企業間で取引を行うECサイトになります。 一般消費者的にはあまりなじみのないサイトになりますが、卸業者などもこのタイプのECサイトを開設しているところがあります。 例)アスクル、オムロン、島津製作所など |
C to C![]() | 個人間での取引を行うサイトになります。 一般消費者同士がインターネット上で契約や決済を行い、モノやサービスを売り買いします。ネットオークションやスマホアプリを使ったフリマサイトなどが該当します。 例)メルカリ、ヤフオクなど |
ECサイト運営の流れ
続いては、ECサイトを実際に運営する際の流れについて見ていきましょう。
以下に紹介する「ECサイト運営 主な8業務」は、多くのECサイト業務に当てはまるスタンダートな流れです(CtoCや電子書籍などデジタルデータを扱うECサイト等、一部この流れと異なるECサイトもありますのでご注意ください)。
ECサイト運営 主な8業務

ここからは、それぞれの業務①~⑧について、詳しく見ていきましょう。
フロント業務(マーケティング)の流れ
①商品企画![]() | ECサイトで利益を上げるために、売れる製品や売れるための企画を検討することです。 単に売れそうな製品の見極めだけでなく、原価や利益率の計算、具体的な販売計画や長期的な戦略など、様々な要素から企画します。 自社で製品を開発する場合も、他社から仕入れて販売する場合も、商品企画は必要になります。 |
---|---|
②商品の登録![]() | 商品画像や説明文の原稿を作成します。この作業は物販のみならず電子書籍やダウンロード商品などの販売でも発生し売上を左右する大きな要素になります。 また物販ECサイトである場合はこの業務を「撮影」「採寸」「原稿」の頭文字をとって「ささげ業務」と呼びます。 「ささげ業務」は専門に取り扱っている業者や、企業によっては専門部署があるほど重要な業務です。 その後、完成した商品画像や商品情報の登録を行います。 物販ECサイトなどでは「サイズ」や「カラーバリエーション」など商品ごとにバリエーションの数だけSKU(エスケーユー)があるので、すべて登録することになります。 「ささげ作業」や「SKU」はEC業界では一般的な言葉なので覚えておきましょう。 |
③仕入れ![]() | 販売予測に基づいて仕入れを行います。 物販の場合は倉庫スペースもコストとしてかかるため、計画に基づいて仕入れたり、場合によっては複数の仕入れ先を確保して需要に合わせたりします。 また卸などのBtoBでは「掛け売り」(支払い期日を設けて後日代金を回収するという決済形態のこと)がほとんどになりますので、新規契約時に審査が入る場合があります。 |
④プロモーション![]() | Webでの集客を行います。 ECサイトの場合はwebマーケーティングによる広告がメインになります。 リスティング広告やディスプレイ広告など有料で集客する方法から、メールマガジンや自社ブログでの広告などその方法は多岐にわたります。 |
バックエンド業務の流れ
⑤受注![]() | お客様からの注文情報を受け取り、次の作業を行います。 (1)お客様へ注文状態をお知らせするメール (2)在庫への引き当て (3)出荷指示 この業務は一つのミスで直接クレームの原因となることが多いため、リスク管理をしっかりする必要があります。 そのため中規模以上のECサイトでは、受注業務の工程をシステムで自動化してミスが起きないように管理していることがあります。 |
---|---|
⑥在庫管理![]() | 特に物販ECサイトの場合、在庫切れや過剰在庫を防ぐため販売予測に過不足なく在庫を管理する必要があります。 またECサイトだけでなく実店舗もある場合は、それぞれで在庫へ引き当てを行ってしまいミスが起こりやすくなるため、一つのシステム上でリアルタイムで在庫管理をしているケースも多いです。 |
⑦出荷・梱包・配送![]() | 電子書籍などと違い、物販ECサイトでは商品をお客様のもとへ配送する必要があります。 お客様が注文した内容から倉庫より商品を取り出すことをピッキングといい、ピッキングした商品を梱包し伝票をつけて、手配している配送業者に渡し配送します。 |
⑧アフターフォロー![]() | 一般的なサンクスメールのほかに、初めて買ってくれたお客様へ商品の使用感を尋ねるメール送ったり、定期的なメールマガジンでセール情報や以前購入いただいた商品の関連情報などをご案内することでリピートにつなげたりします。 ただし、過度なメールによるアフターフォローは嫌がれることもあるため、注意が必要です。 また、お客様からのクレームも、丁寧かつ迅速に対応すれば、逆にファンになってくれる可能性が高まります。 |
一点補足しますと、ECサイトで扱う商品が電子書籍やゲームソフトなどのダウンロードコンテンツである場合、③の仕入れ工程はコンテンツの版元への許諾申請となったりします。また、⑦の出荷・梱包・配送の手間がありません。
その他、メルカリなどのCtoCサイトでは、①~⑦の流れは基本顧客(ユーザー)間で行われます。
ただし、基本的なECサイトは①~⑧流れで業務を行うため、この流れをもとに業務イメージするとよいでしょう。
2)これからEC業界に転職する人が、事前に準備したいポイント4点
ECサイトについておさらいしたところで、実際にEC業界に転職するためには何を準備したらよいのでしょうか?
事前に準備しておきたい4つのポイントをご紹介します。

- ECサイト運営の全体像を把握しておく
- ECサイトは千差万別!応募先・就業先のECサイトの仕組みはしっかりチェックして
- ECサイトの仕組みとシステムについて一通り知っておこう
- Webマーケティングに関する知識があると尚よし
それぞれ、順を追って見ていきましょう。
ECサイト運営の全体像を把握しておく

担当するECサイトの運営業務の流れをイメージできることはとても大事なことです。
例えば、ご自身がメインで担当する業務がフロント業務であり、商品企画や商品登録を精力的に行ったとしてもプロモーションがうまくできなければ集客につなげることは難しくなってしまいますし、バックエンド業務との連携が取れてなければお客様への対応までおざなりになってしまうでしょう。
また、バックエンド業務を担当していた場合でも、商品企画の意図やプロモーションのタイミングなどを把握していなければ、在庫管理などの実作業に影響が起きやすくなります。
ECサイト運営を俯瞰して全体環で捉え、部分的な工程に意識が終始してしまうような働き方は避けるように意識しておくと良いでしょう。
ECサイトは千差万別!応募先・就業先のECサイトの仕組みはしっかりチェックして

一口にECサイトと呼んでも、その種類や業態は様々なものがあります。
アパレルブランドのECサイトでも、個人で運営しているECサイトなのか、楽天市場などに出店しているモール型のECサイトなのか、またはBtoBの卸専門に取り扱ってるECサイトなのかで、それぞれ考え方や行動も変わってきます。
まずは、応募先、求人(就業)先のECサイトの仕組みやビジネスモデルはどんなものであるのか、しっかりチェックしておくことが大切です。
ECサイトの仕組みとシステムについて一通り知っておこう

これまでITやWebのシステム面にあまり携わってこなかった、という方はECサイトの「仕組み」についても一通りの理解を持っておくと良いでしょう。
たとえば、ECサイトは主に以下の機能で成り立っています。
ショッピングカート | 顧客がネットショッピングをしたときに、商品選択や注文処理などを自動で行える機能 |
---|---|
決済サービス | インターネット上でクレジットカード決済や電子マネー等による決済を可能とする機能 |
受注管理システム | 顧客の受注確認・入金確認・キャンセル処理を行う機能 |
顧客管理システム | 会員登録や、リピーター獲得のためのメール配信、ポイント管理・付与などを行う機能 |
その他にもSNSを利用した宣伝・集客サービスであったり、スマートフォンアプリなど、ECサイトは様々なツール・システムがあって成り立っています。また、ECサイトでは顧客が安心してサービスを利用できるために、高度なセキュリティ構築が求められます。
これらECサイトの仕組み・システムは、ECサイト運営業務を手掛ける際は是非とも知っておきたいところです。「なんとなくそういう機能があるのは分かるけど、あまりイメージが湧かない…」という方は、事前に調べておくことをおすすめします。
Webマーケティングに関する知識があると尚よし

Webサイト分析 | ECサイトに来ているユーザーがどれくらいの数で、どのような属性が多くて、かつどんな商品が多く観られているかなどの分析を行うことです。 Googleアナリティクスやサーチコンソールといったツールを使用してアクセス情報を分析することが一般的です。 |
---|---|
SEO対策 | SEOとは「Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)」の略で、GoogleやYahoo!などで検索した際に、より上位に自社ECサイトが掲載されるようサイトを最適化することです。 まずはアクセス数アップを目指し、最終的には自社ECサイトでの購入を増やすことを目指します。 |
Web広告(Webプロモーション) | ECサイトに新規顧客を誘導するために、Web上に広告を出し運用することです。 ECサイトはターゲット層にどれだけ周知されるかが非常に重要になります。そのため、多くのECサイト運営会社はWeb広告に多くの予算をかけます。 Web広告は、「リスティング広告」「ディスプレイ広告」「アフィリエイト広告」と大きく3つの種類があります。 どれも「広告を出して終わり」ということはなく、広告掲載中もきめ細やかなWeb分析とチューニングが必要とされ、専任担当が付けられることが多いです。 |
「Webマーケティング」とは、Webを用いて「物・サービスが売れる状態や仕組みをつくり出す活動」全体を言います。
そして、ECサイト運営においてWebマーケティングはなくてはならないものです。
Webマーケティングについては、大きく以下の要素が挙げられます。
3)未経験でEC業界に転職する際におすすめの転職エージェント
現在、ECサイト運営の求人数は比較的多くあります。
そのため、EC業界への転職を検討される方は、求人企業の調査、比較検討をする機会とそれにかける時間は多くなることでしょう。
その際に、「求人の良し悪しの判断がうまくできない」または「転職活動をサポートしてくれる人がほしい」という方は、転職エージェントのキャリアアドバイザーの利用がおすすめです。
キャリアアドバイザーは、求人票に書かれていること以外の企業情報についても精通していることが多く、具体的な仕事内容や職場の雰囲気について確認していくことができるのです。
また、転職エージェントの利用は基本「複数サービスの平行活用」が望ましいです。
その理由は、転職エージェントはそれぞれ独占求人を抱えていること、更には担当となるアドバイザーとあなたとの相性面のマッチングもありますので、複数のエージェントに登録することが「保険」にもなるからです。
以下にECサイトの転職におすすめの転職エージェントを5点紹介しますので、「このサービスは自分に合いそう」というものを2~3つ選んで、登録しておくと良いでしょう。
大手や優良企業の求人情報を比較検討したい方はdodaがおすすめ
dodaの特徴 | 求人数の多さは国内TOPクラス。および転職サイト「doda」との併用で、転職者はキャリアアドバイザーのサポートを受けつつ、自身からもどんどん求人情報を探していける。 |
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対応地域 | 全国(拠点:北海道、宮城、東京、横浜、名古屋、大阪、岡山、広島、福岡) |
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対応地域 | 全国(拠点:東京(2か所)、横浜、札幌、名古屋、大阪、福岡) |
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まとめ)EC業界の市場拡大は着実に広がっている
インターネットの普及が進むにつれ、EC業界はますます拡大しています。
2010年頃よりスマートフォンの普及が進み、よりECが身近なものとなり、昨今のSNSの活用やコンテンツマーケティングの広がりにより、その流れに引っ張られるように、ECの市場自体も伸びている状況です。
物やコンテンツを売るという魅力のほかに、マーケティングや企画といった楽しさもあるEC業界に興味を感じて、この記事を読んで更にその関心が増したという方は、まずは一度転職エージェントに相談してみてはいかがでしょうか。
皆さんのこれからのキャリア形成に、この記事が少しでも役立てることを心より願っています!