転職が決まらない原因は「プライドを捨てられないから」と気づいたときの対処法
[最終更新日]2023/05/20

転職活動を続けているのに、なかなか採用が決まらない——。
書類選考で落とされてばかりで、正直落ち込んでいる——。
こんな心境になっている人はいませんか?
転職活動がうまくいかないとき、その原因がどこにあるのか多くの人が考えるはずです。年齢、職歴、学歴、転職回数、志望動機、キャリアプラン・・・。いくつか思い当たる原因があるという人もいるはずです。
しかし、転職先が決まらない原因が自分自身が「プライドを捨てられない」にあるとしたら、自身のプライドとどう向き合うべきなのか、対処法が見つからず困ってしまうかもしれません。
目次
1)プライドって本当に転職に「邪魔なもの」なの?
一般的に「プライドが高い」と言うとき、そこにはネガティブな意味が含まれていることが多いです。「妙なプライドは捨てるべきだ」などといった言葉を耳にしたことがある人もいるはずです。似たようなニュアンスで使われる言葉として「高慢」や「見栄」といった語を連想する人もいるのではないでしょうか。
では、転職活動においてプライドは本当に邪魔なもの、捨てるべきものなのでしょうか。本来の意味を確認しつつ、プライドの本質について考えてみましょう。
プライドとは

「プライド」は英語のprideが元になっている言葉です。prideを辞書で調べると、「自慢・自尊心・誇り」といった意味と並んで、「うぬぼれ、高慢、思い上がり」といった意味も出てきます。
もともとprideはフランス語に語源がある言葉です。
フランスでは自分たち自身に対する「誇り」という意味で使われていた言葉でしたが、のちにイギリスに持ち込まれた際、イギリス人から見たフランス人の「誇り」が思い上がりや高慢な態度として映ったために、ネガティブな意味でも使われるようになったという説があります。
注目すべき点は、プライドには本来ポジティブな意味が多く込められていたということです。「プライドを持って仕事に取り組む」「プライドにかけてやり遂げる」といった使い方をした場合、前向きな意味が込められていることが分かるはずです。
守るべきプライド
転職を成功させるためには、守るべきプライドもあります。自分にとって働くとは何か、仕事を通じて何を実現したいのか、といった「軸」になる考え方にははしっかりと持っておくべきです。
たとえば、「お金さえもらえるのなら、どんなことでもする」という考え方にはプライドを感じませんよね。
見方を変えれば「自分自身のしっかりとした考えがない人」「生き方にこだわりがなくフワフワとした人」といった印象を持たれてしまうでしょう。
転職する上で、また働いていく上で守るべきプライドには、次のようなものが挙げられます。

- 必ずやり遂げるという責任感
- 人との約束を守るという信念
- 世の中の役に立ちたいという理想
- 価値のある仕事をしたいという欲求
- 大切な人を守りたいという思い
切り離すべきプライド(見栄)
反対に、転職する上で、あるいは仕事をしていく上で、切り離すべき余計なプライドというものも存在します。
他人と自分を比べて人より優位に立ちたいがために守ろうとしているプライドは、多くの場合「見栄」や「高慢」である場合が多いです。
こうしたプライドが高くなればなるほど印象が悪くなり、採用選考でどんなにうまく隠しているつもりでも、ふとした瞬間に垣間見えてしまい、採用を逃してしまう可能性があるのです。
転職する上で、働いていく上で、切り離すべきプライドには次のようなものが挙げられます。

- 人より偉く見られたい
- 自分だけが特別だと思われたい
- 実際以上に経歴を優れたものに見せたい
- 学歴の高さや頭の良さを認めさせたい
- 周囲から常に大切に扱われていたい
2)転職の時に邪魔になってしまうプライドは、どこにあるのか考える
プライドの中には守るべきプライドと切り離すべきプライドがあることについて見てきました。
転職において、切り離すべきプライドを持ち続けていると、そのことが原因となって転職がなかなか決まらなくなってしまうこともあり得ます。
もし切り離すべきプライドに思い当たる節があるようなら、できる限り良い方向に移行させていく必要があります。
転職の際に邪魔になりやすいプライドとはどのようなものか、プライドとうまく付き合っていくにはどうしたらいいのか、具体例を交えて考えてみましょう。
そのプライド、「見栄」になっているかも

悪い方向へと作用しやすいプライドの1つに「見栄」があります。
人から良く思われたい、優れていると思われたいという気持ちは誰もが多少は持っているものですが、「人からどう見られるか」が物事の判断基準となってしまうと、むしろ自分自身の行動や意思決定を阻むことになりかねません。
プライドが見栄になりやすい典型的な例として、「学歴」や「職歴」が挙げられます。
「有名大学を出ているのだから、相応の収入を得るべきだ」「大企業出身なのだから、中小企業で働くのは屈辱的だ」などといったこだわりを持っていると、転職先の選択肢はみるみる狭まってしまいます。
こうしたプライドは、自分自身に対してというよりも「人にはどう映っているのか」が判断基準になっています。
実は、周囲の人は想像するほどあなたの経歴や学歴といったバックグラウンドに関心を持っていないこともあり得ます。人がどう思うか以前に、自分自身の本心としてはどうしたいのか、今いちど整理してみる必要があるでしょう。
プライドを捨てられないことが、「謙虚さ」を低減させている?

「自分の仕事にプライドを持っているから、必ず仕事で成果を出せるはず——」
しかし実際にはプライドを持っているがために成果を出せない状況もあります。
たとえば、同期で自分より仕事ができる社員がいるとします。同じタイミングで入社しているので、仕事の経験は自分と差がないはずです。このような状況で、「どうやっているのか教えてほしい」「工夫している点を参考にしたい」と伝え、素直にアドバイスを求めることができるでしょうか?
ここで「自分には自分なりのやり方がある」「人のやり方を真似しても意味がない」などと自己流を押し通していると、さらに同期と差が開いてしまうかもしれません。
このように、プライドが「自分の欠点を認めたくない」「人の意見を受け入れたくない」といった方向に働くことで、仕事においても謙虚さを低減させてしまう恐れがあります。
結果的に成功のきっかけを逃しやすくなり、自分自身を成長させていく上でプライドが妨げになってしまうことも考えられるのです。
自尊心がただの承認欲求になっているかも

自分の優れている点を人に認めさせたい、自分が重要な人物でありたいといった心理には、自尊心が深く関わっていることが少なくありません。
SNSのフォロワーを増やすことに躍起になったり、目立った発言をして「いいね」をたくさん欲しがったりするのも、一種の承認欲求の表れと解釈することができます。
あるいは、収入と不釣り合いな高級品を買ったり見せびらかしたりしたくなるのも、称賛されていたい、名誉を得たいという心理の表れと言えるでしょう。
しかし、世の中は高級品を持っている人を羨ましがる人ばかりではありませんし、SNSのフォロワー数よりも気心の知れた仲間のほうが重要であることを知っている人もたくさんいます。
人に自分を認めさせようとすればするほど、承認欲求は空回りしてしまいやすいのです。
すごいと思われたい、認められたいという思いに対して、仕事で結果を出したりスキルを向上させたりといった「行動」が伴っていないと、承認欲求がそのまま自尊心へと移行しやすくなります。
捨てられないプライドの正体が承認欲求だともし気づいたら、小さなことからでもいいので行動を起こすことに注力していくようにするといいでしょう。
3)プライドを分けて「偽りない気持ち」で転職を成功させる5つのポイント
ここまでに紹介してきたような「プライド」と切り分けて、自身の「○○がしたい」という偽りのない気持ちで転職を成功させるには、どのような点を意識して活動を進めていくべきなのでしょうか。
ここでは以下の5つのポイントに分けてご紹介したいと思います。

- 「なぜ/何のために転職したいのか」を明確にする
- キャリアは思い通りにならないことも多い。自身の想いと「今、現在(ここ)」を大切にしよう
- 自己分析を行い、自身の正確な市場価値を知る
- 企業研究は入念に。「社風」や「企業文化」も重視する
- 転職エージェントへの「キャリア相談」もおすすめ
「なぜ/何のために転職したいのか」を明確にする

思うように転職活動が前進しないときこそ、根本に立ち返って考えてみましょう。
たとえば、「そもそもどうして転職したかったのだろう?」「転職してどんなことをより良くしていきたいのだろう?」といったことについて、嘘偽りのない自分の中での「本音」を探ってみるのです。
上司に不満があって転職活動を始めることにした人は、「上司を見返してやる」という気持ちが一時高まっているだけかもしれませんし、職場の待遇面に不満があって転職を決意した人は「自分はもっとお金をもらえるだけのスキルがあるはずだ」という見栄があるのかもしれません。
しかし、こうした目先のこだわりは、時として判断力を鈍らせ、冷静な対処を難しくさせてしまうこともあるのです。
見返したい・価値を認めさせたいといった思い以前に、「転職をすることにより、どんな働き方ができるようになりたいのか」「転職で一番に果たすべき目標は何か」といった根本の部分について自問自答してみましょう。
「もっと人の役に立っていることが実感できる仕事がしたい」
「家族との時間を大切にしたい」
「本音で話せる仲間と一緒に働きたい」
転職したいと思わせる動機は、案外このような素朴な思いが原点となっていることも多いのです。
転職の「軸」の定め方
自分だけの転職の軸を持つことに難しさを感じる方は、以下の考えに沿って考えをまとめて行くと良いでしょう。
- ①目指したい業界・企業・ポジション(働き方)を、ざっくりとイメージする
- ②その分野で、自分が出来ること、得意なことをイメージする
- ③その分野で求められること(知識やスキル)が何かをイメージする
- ④改めて、その分野であなたがやりたいこと、そして情熱を持ち続けられることをイメージする
- ⑤イメージの重なりの部分を、自身の転職の「軸」とする

それぞれのイメージは、上記図のように「CAN(できること)」「MUST(求められること)」「WILL(やりたいこと)」と表すことができます。
そして、これらのイメージの重なる部分が、その人が長く活躍できる領域になります。
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キャリアは思い通りにならないことも多い。自身の想いと「今、現在(ここ)」を大切にしよう

「天職」という言葉があるように、「自分が持って生まれた資質と仕事で求められる能力が合致していて、自分がやりたいこと・目指したいことが今まさに与えられている仕事だった——」という、誰にとっても理想かもしれませんが、大半の人にとって天職を見つけるのは決して簡単なことではありません。
成功者として知られる経営者でさえ、成功した要因は8割が「運」だったとさえ言われているのです。
20世紀の終わりに、アメリカであるスタートアップ企業がCadabra.comというネットサービスを開始しました。
書籍をインターネットで販売する事業からスタートした同社はその後、音楽配信や電子書籍販売、映画サブスクリプションサービス、さらには事業者向けサーバーの提供など多方面に事業を拡大し、驚異的な成長を遂げていきます。
この企業グループの創業者がネットビジネスに関心を抱いたきっかけは、当時勤めていた会社の社長に偶然にも命じられたネットビジネスに関する調査業務だったそうです。
Cadabra.comは現在のAmazonの前身となるサービスであり、創業者とはAmazonを率いるジェフ・ベゾス氏です。
若かりし日のベゾス自身、勤務先の社長に命ぜられたネットビジネスの調査がまさかグローバル企業を創業するきっかけになるなど、当時は想像すらしていなかったことでしょう。
このように、「天職」とは人から与えられるものではなく、偶然のチャンスを活かしながら自分で築いていくものなのかもしれません。
たとえ思い通りにならないことが多少あったとしても、自身の思いと「今、現在」を大切にしながら、一歩一歩着実に前進していった先にキャリアが見えてくることもあり得るのです。
参考:キャリアプランとは
キャリアプランとは、あなたが将来に望む仕事や働き方を実現するためのプランニング(行動計画)のことをいいます。
具体的には、以下のようにプランを建てていきます。
キャリアプランを建てる際、まず「キャリアの棚卸し」を行います。
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キャリアの棚卸しで出てきた経験(または知識・スキル)をもとに、あなたが新天地でチャレンジしたい働き方をイメージし、そしてそれを実現するためにどんな行動が必要かを考えていきます。
キャリアプランは、上記の「キャリアプランの例」にあるように時期ごとに「実現したいこと」と「そのためにやること」を表形式に落とし込むと、そのイメージを整理しやすくなります。
ポイントは、半年や1年ではなく、3年・5年といった中長期的な期間を見据えることです。
今のうちにマスターしておくべき知識・スキルや取得しておくべき資格が出てくるかもしれません。
数か月に1度のペースでキャリアプランを考えておくと、普段においてもキャリアの軸を持てるようになり、迷いのない判断をしやすくなります。
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自己分析を行い、自身の正確な市場価値を知る
転職活動を成功させるために行うべきことの1つに「自己分析」があります。
先に挙げた「なぜ転職したいのか」の根本を考えることが、いわば転職活動の土台だとすれば、自己分析はその後の転職活動を進めていくうえでの「材料」の部分になります。
自分自身を客観視し、市場価値も含め総合的に評価することによって、自分でも気づかなかった強みや、反対に補うべき弱みが見えてくるようになります。
こうした自身の「強み/弱み」を把握しておくことは、書類選考や面接の場で問われる「自己PR」の内容に説得力を持たせることも可能ですし、転職後の働き方にも役立てることができます。
自己分析の進め方
自己分析のコツは、「根本に立ち返る」ことです。
具体的には、次の4つのステップに沿って進めていくと良いでしょう。

- STEP1 今までの経験を振り返る
…これまで培った知識・スキル・そして経験を振り返り、整理していきます(キャリアの棚卸し) - STEP2 これから何をやりたいかを考える
…STEP1で整理した内容を踏まえて、これから先どんな働き方をしたいか、転職後にどんな知識・スキルを身につけたいかを考えます - STEP3 現在、何が出来るかを考える
…STEP2で描いた今後の働き方に役立てられそうな、いま現在の自分の強み・活かせるスキルを整理します - STEP4 応募先企業で求められていることを確認する
…応募しようと考えている企業が求める人物像を確認し、STEP1~3で導き出した自身の状態との共通点(またはギャップ)を明確にします
STEP1が「キャリアの棚卸し」、STEP2~4が「自己分析」の行為になります。
これらを行っておくことによって、自身がどんな企業に応募すべきかの方針を立てやすくなり、また職務経歴書や面接の際の自己紹介や自己PRは格段に進めやすくなります。
キャリアの棚卸し、自己分析の進め方については以下記事にも詳しく説明しています。
興味のある方は、併せてご覧ください。
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「転職時の自己分析」について(現役キャリアアドバイザー 武蔵野さん)
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転職時の自己分析に関しては、出来ているようで出来ていない方も結構いらっしゃいます。
具体的に言うと、上に挙げたような「STEP1 振り返り」のところで満足してしまっているんですね。
しかし大切なのはむしろその先で、自身が目指す業界の市場において、「どんな人材が求められているのか」「今の自分にそれくらいの価値があるのか」を追求していくことが自己分析の一番の目的になります。
しかし、こうした他者と比較しての「自己分析」はある程度のデータが無いと個人では難しい部分もあると思います。その際は、転職エージェントを利用するのがおすすめです。
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企業研究は入念に。「社風」や「企業文化」も重視する

自己分析を行ったら、続いて重要なのが「企業研究」です。
自身が目指すべき目標が明確であったとしても、それが叶えられる環境を見極めることができなければ、結果として転職は成功したとは言えなくなってしまいます。
いざ入社してみて「こんなはずじゃなかった」という事態は避けたいものです。
入社前の企業研究に入念に時間を割くことによって、その会社の良い面・悪い面もフラットに見ることができるため「本当に自身の目標が達成できる企業かどうか」の判断材料が増えます。
企業についての情報は求人票や企業HPだけでは不十分です。
現役や元社員が書き込んでいる「口コミサイト」や、その会社の直近のプレスリリースや業界での立ち位置なども含め、なるべく多くの情報を集めておくのが望ましいでしょう。
企業研究は「やりすぎ」ということはなく、調べた分だけ転職活動に活かすことができます。
企業研究 見るべきポイント
企業研究を行う際に、優先して見るべきポイントは以下の通りです。
チェック項目 | 確認ポイント | どこで確認するか |
---|---|---|
事業内容 | 自分自身の知識領域にあるか、また今後も興味・関心を持続して持ち続けられる内容かを確認する | 企業HP |
主力商品・サービス | その商品・サービスの開発・運用を自身が携わることになる際に、どの範囲まで知っていて、どの範囲を知らないかを確認する | 企業HP、業界ニュース、四季報、業界地図、競合他社のHP等 |
強み・独自性 | 同業他社をいくつか確認し、「この会社ならではの特色・強み」がどこにあるかを見出す | |
企業理念 | 企業理念から、求められる人物像(主にスタンス面)をイメージし、自身との適合性を確認する | |
社風・雰囲気 | 歓迎される人物像や業務への取り組み姿勢をイメージする | インタビュー記事、口コミサイト等 |
求められる知識・スキル | 現在の自身の知識・スキルと照らし合わせて、過不足を確認する | 企業HP、求人票等 |
こうしたリサーチを重ねた結果、「この企業で働いてみたい」「こういった文化の会社なら馴染めそうだ」といった手応えを得ることができれば、入社後のミスマッチを軽減する効果が期待できます。
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「転職時の企業研究」について(現役キャリアアドバイザー 武蔵野さん)
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いくら企業が求めている人材像と、自身の経歴・スキルセットが合致していたとしても、働く会社の社風次第で働きやすさも全く変わってしまう場合があります。
そのため、企業研究では事業内容や主力商品などの基本的な情報に加えて、「どんな理念を持った会社か」「どんな人が働いているのか」といった情報も集めておくと良いでしょう。
エージェントはこれら情報を事前に持っていることが多いです。また、自分とは違う視点を持てるので、対象の企業に対してより深い理解を持てるようになると思います。
転職エージェントへの「キャリア相談」もおすすめ
前述した「自己分析」や「企業研究」は、一人で進めていくには分からないことが多い方もいらっしゃるかもしれません。
また、「本当に転職をしてもいいのか」といった根本的な問いについても、誰かに相談したいと思うこともあるでしょう。
そんなとき、転職エージェントが役に立つケースがあります。
転職エージェントは無料で登録・利用が可能で、転職市場に詳しいキャリアアドバイザーが担当につき、キャリア相談や求人紹介、書類・面接対策などのサポート・フォローを行ってくれるのが特徴です。
転職活動の際には、殆どの人が「転職エージェント」を利用しています。
その主な理由は、国内の少なくない企業がハローワークや転職サイトではなく転職エージェントのみに「非公開求人」を出しているからです。

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ですが、私たちが転職エージェントを利用する際は「求人を紹介してくれる人」としてではなく、「転職活動全般を相談できる人」として活用したほうがより効果的でしょう。

上記図で表す通り、「求人紹介」は転職エージェントが提供するサービスの一部でしかありません。
それ以外のサービス、例えばキャリアプランのアドバイス(キャリア相談)、書類添削、面接対策などの選考通過のためのサポートも受けることによって、転職成功の確度を高めていけるはずです。
ただし、転職エージェントは国内多くのサービスがあり、またどの担当者が付くかによってもサポートの提供のされ方が変わります。
あなたに合った転職エージェント(または担当アドバイザー)を見つけるためにも、はじめに2~3つのサービスに登録して、利用のしやすさやコミュニケーションの取りやすさを比較しておくことをおすすめします。
「転職エージェントのキャリア相談」について(現役キャリアアドバイザー 武蔵野さん)
- 武蔵野
さん -
キャリア相談は、会社の同僚や友人・知人にするよりも、転職エージェントを利用した方がいいと思います。
気心の知れた相手の方が話しやすいと思うかもしれませんが、そういう相手こそ無責任に「辞めてしまえ」と言ってしまいがちな面もあります。転職者の多くは、キャリアの道筋を3本くらいしか知らないことがほとんどですが、キャリアアドバイザーは10本も20本も選択肢を持っています。
「今の状態で転職しても大丈夫なのか」といったことも含めてアドバイスが欲しい方は、転職エージェントを利用されると良いでしょう。
4)キャリアプランの見直しにおすすめの転職エージェント(タイプ別に紹介)
ここからは、キャリアプランの見直しと合わせて、効率的に転職を進められるおすすめの転職エージェントを、タイプ別に紹介していきます。
- なるべく早く転職したい人、転職の軸を明確に持てている人
- 自身の市場価値を試したい人、より好条件の企業へとチャレンジしたい人
- キャリアアドバイザーにじっくり相談してもらいたい人
- 専門スキルを活かしての転職を検討している人
どれか一つのタイプではなく、複数のタイプが当てはまるという人もいるでしょう。
その場合は、それぞれのタイプでおすすめしているサービスを見て、自分にマッチしそうなサービスを2~3ピックアップしてみてください。
なるべく早く転職したい、転職の軸が定まっている人はdoda・リクルートエージェント

様々な理由で「どうしても転職を早めに済ませたい」という人は、転職支援実績が豊富で、かつスピーディな対応が期待できるdoda、リクルートエージェントに登録しておくと良いでしょう。
両サービスは共に国内最大手の人材紹介会社として、豊富な求人と充実したサービス体制があり、職務経歴書などの書類添削や応募企業の情報収集、面接対策についても、これまでの実績に基づいた適切なサポートを行ってくれます。
ただし、doda・リクルートエージェントは若手のキャリアアドバイザーも多く、その品質は一定ではありません。「キャリア相談をじっくり受けたい人」よりも「すでに転職の軸が定まっており、早めの意思決定ができる人」のほうがマッチしやすいといえます。
また、相性の良くないアドバイザーや経験の浅いアドバイザ―が担当になったときにうまくリスクヘッジできるように、複数の転職エージェントに登録しておきサポート品質を比較確認できるようにしておいた方が良いでしょう。
サービス名 | 特徴 |
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![]() doda |
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![]() リクルートエージェント |
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自身の市場価値を試したい人、好条件の企業へとチャレンジしたい人はビズリーチ・JACリクルートメント

今回の転職で、「自分の市場価値を試したい」「より条件の良いポジションに就きたい」という方は、ビズリーチ・JACリクルートメントのサービスがおすすめになるかもしれません。
ビズリーチは、ハイクラス向けの転職サービスとして、国内10,000社以上※の企業が優秀な人材を求めて登録しています(公式サイトより)。
そのため、ビズリーチに登録すると複数の企業からオファー・スカウトが届くことがあります。オファー・スカウトの来る頻度やそれらの条件によって、今現在のあなたがどんな企業から、どんなポジションで求められるかが確認できるでしょう。
JACリクルートメントもまたハイクラス向けの転職サービスですが、こちらは担当者による「キャリア相談」のサポート品質が非常に高いことで評判です。
所属するキャリアアドバイザーはベテランが多く、また紹介される求人も好条件のものが多いといいます。
これまで培った経験・スキルをこれからどう活かしていくかについて、自分では思いつかなかったアイデアやキャリアパスを提案されることもあるかもしれません。
サービス名 | 特徴 |
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![]() ビズリーチ |
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![]() JACリクルートメント |
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キャリアアドバイザーにじっくり相談に乗ってほしい人はマイナビエージェント・パソナキャリア

転職エージェントを「相談役」として活用したい方、または今後のキャリアをどうしていくか等で転職に不安を感じている方は、じっくり相談を聴いてもらえると評判の転職エージェントがおすすめになるでしょう。
相談をどれだけ聞いてもらえるかは担当となるキャリアアドバイザーによっても変わってきますが、以下の転職エージェントは「話をよく聞いてもらえた」という評判が多いです。
サービス名 | 特徴 |
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![]() マイナビエージェント |
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![]() パソナキャリア |
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![]() パソナキャリア ハイクラス |
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専門スキルを活かしたい人は、「特化型」の転職エージェント

ITエンジニアや管理業務、マスコミや介護など、これまで培った専門スキルを活かしての転職を検討している人は、「特化型」の転職エージェントがおすすめです。
特化型の転職エージェント利用いちばんのメリットは、担当となるキャリアアドバイザーがその分野の業界情報やトレンドに詳しいということです。
20代で一定の知識・経験を培いつつ今後もキャリアを積み上げる為にどのような知識やスキルの開発が必要かであったり、応募する企業でどのような知識・スキルが求められるかについて、具体的なアドバイスを貰いやすいでしょう。
タイプ | ITエンジニア | ITエンジニア | IT・Web系職種 | 管理職・エキスパート | 管理職・エキスパート | 管理職・エキスパート | 会計・経理・税務・財務 | マスコミ・メディア | アパレル・ファッション | 管理部門 | 外資・グローバル | 外資・グローバル | 製造系エンジニア | 介護・福祉 | 介護・福祉 |
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サービス名 | マイナビITエージェント![]() | レバテックキャリア![]() | ワークポート![]() | JACリクルートメント![]() | リクルートダイレクトスカウト![]() | ビズリーチ![]() | ジャスネットキャリア![]() | マスメディアン![]() | クリーデンス![]() | MS Agent![]() | エンワールド![]() | ロバート・ウォルターズ![]() | メイテックネクスト![]() | きらケア![]() | かいご畑![]() |
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公開求人数 | 約1.6万件 | 約1.9万件 | 約6.8万件 | 約1.4万件 | 約46万件 | 約8.4万件 | 約3,500件 | 約3,900件 | 約1,300件 | 約8,700件 | 約800件 | 約1,900件 | 約1.2万件 | 約5.3万件 | 約1.0万件 |
得意業界/職種 | IT・Web | IT・Web | ◎全業種・職種 | ◎全業種・職種 | ◎全業種・職種 | ◎全業種・職種 | 会計・経理・税務・財務 | マスコミ・メディア | アパレル・ファッション | 管理部門・士業 | 外資系 | 外資系 | 製造系エンジニア | 介護・福祉 | 介護・福祉 |
対象地域 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 | 関東・関西・中部(東海) | 東京・大阪 | 関東・関西・東海 | ◎全都道府県 | 東京・愛知・大阪+海外 | 東京・愛知・大阪+海外 | 東京・名古屋・大阪・福岡 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 |
おすすめの人 |
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表内の求人数は2023年5月時点のものです。
まとめ)そのプライドは、本当にあなた自身を前進させていますか?

人が成長していく上で向上心は欠かせないものです。
より良い自分でありたい、人のためになりたいという思いは、向上心を持続させ伸ばしていく意欲を支え、自分自身を前進させていく原動力にもなり得ます。
一方で、プライドの置き方がおかしな方向へと向かい始めると、「人から良く見られたい・自分を認めさせたい」といったエゴの部分が肥大化してしまうこともあり、それは時に自分を前進させるためにうまく機能せず、空回りしていたり、むしろ傲慢さや自惚れといった評価へとつながりがってしまうこともあります。
もし転職がうまくいかない原因として「プライド」が考えられる場合は、いま大切にしているプライドは本当に自分自身を前進させているのか、改めて問い直してみる必要があるかもしれません。
プライドを良い方向へ向かわせることができれば、簡単には揺らぐことのない自信や信念となってあなた自身を支えてくれるはずです。
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