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退職金って、普通どれくらい出るの?「退職金のない・少ない会社」は避けるべき?

[最終更新日]2022/01/24

退職金って、どれくらい出るの?

皆さんの勤務先には「退職金制度」がありますか?

退職金制度がないので将来が不安
退職金は出るけれど、具体的にいくらになるのかよく知らない

など、退職金に対して疑問や不安を感じている人は多いのではないでしょうか。

中には、勤務先に退職金制度がないため、退職金が出る職場へ転職を検討している人もいるかもしれません。

目次

1)そもそも退職金とは、どんなもの?

そもそも企業はなぜ従業員に退職金を支給するのでしょうか?

退職金の本来の趣旨は、長年その会社で働いてきたことへのねぎらいの意味を込めて支払われるものです。
定年退職時に退職金を受け取るイメージがあるかもしれませんが、転職などに伴い自己都合で退職する場合にも退職金は支払われることがあります。

退職金を支払うかどうか、どれだけの金額を支払うかは、それぞれの企業が独自に定めることができます。

裏を返せば、退職金精度を設けることが企業に義務づけられているわけではなく、あくまで福利厚生の一環として就業規則で定めるものです。
よって、退職金制度がないとしても違法ではありません。

賃金や残業手当を従業員支払うことは法律で定められた企業の義務ですが、退職金に関しては義務ではないという点がポイントです。

退職金制度の種類

退職金制度の種類 ●退職一時金制度…従業員が退職する際、一度に退職金を支払う仕組み  ●退職年金制度…従業員が退職後、主に老後の暮らしを支える資金として定期的に支払われる退職金

一般的に「退職金」と呼ばれているものは、正式には「退職給付制度」という制度です。

この退職給付制度には、大きく分けて2つの種類があります。具体的には「退職一時金制度」「退職年金制度」の2種類です。

それぞれどのような違いがあるのか、制度そのものの考え方や給付方法について整理しておきましょう。

退職一時金制度

従業員が退職する際、一度に退職金を支払う仕組みを「退職一時金制度」と言います。

世の中で「退職金」と言う場合、この退職一時金のことを指していることがよくあります。

具体的にどれだけの金額を支払うかは会社の就業規定などで独自に定められますが、一般的には勤続年数が長いほど金額が高くなる傾向があります。

退職一時金の特徴として、入社してから退職するまで、従業員自身が準備や手続きを行う必要がない点が挙げられます。
唯一従業員がやるべきことがあるとすれば、退職金を振り込んでもらう銀行口座を指定することぐらいでしょう。

このように、会社が一括して準備から支払いまでを行うため、従業員は退職後に退職金が振り込まれたことを確認すればよく、特別な手続きなどは必要ありません。

退職年金制度

退職年金制度とは、従業員が退職後、主に老後の暮らしを支える資金として定期的に支払われる退職金のことです。退職年金制度には「確定給付型企業年金」「確定拠出年金」の2つがあります。

確定給付型企業年金とは、将来の給付額を先に決定しておく仕組みの年金です。
従業員が希望する将来の年金額を賄うために必要な掛金を算出し、企業が年金資産を運用します。
ただし、給付額は確定していますので、運用リスクは企業側が負っているのが特徴です。

確定拠出年金とは、掛金を確定しておき、運用実績に応じた額が支払われる仕組みの年金です。

将来の給付額は運用実績によって変動するため、金額は確定していません。年金資産の運用は加入者である従業員自身が行い、運用リスクも加入者が負うことになります。

退職金がある会社とない会社の数は?

80.5% 退職金制度があると回答した企業の割合 厚生労働省「退職給付(一時金・年金)の支給実態」平成30年調査より

前に触れた通り、退職金制度を設けることは企業の義務ではありません。では、実際のところどれだけの企業が退職金制度を用意しているのでしょうか。

厚生労働省の「退職給付(一時金・年金)の支給実態」によれば、平成30年の調査で退職金制度があると回答した企業は全体の80.5%となっています。およそ2割の企業は退職金制度がないことが分かります。

退職金がない会社は退職金が出る会社と比べて、従業員にとって不利なのかと言えば、必ずしもそうとは言い切れません。

なぜなら、退職金は毎月の給与から積み立てられているお金であり、給与の一部を退職時にまとめて受け取っているとも解釈できるからです。

つまり、退職金が出ない会社はその分の金額を給与として全額支給していると考えることもできるのです。

これからの退職金制度

●退職金のあり方は多様化している ●「退職金がある=優良企業」とも限らない

退職金は老後の備えという意味合いで支給されてきましたが、仕組みとしては終身雇用が一般的だった時代の名残と言えるでしょう。

新卒で入社した会社に定年まで勤めるのが一般的だった時代は、退職後の暮らしを会社がある程度まで保証し、従業員に安心して長く働いてもらう必要があったのです。

ところが、近年では1社にずっと勤め続けることが当たり前ではなくなりつつあります。終身雇用の時代に作られた退職金制度の考え方そのものが、転職が当たり前になった時代状勢に合わなくなっているとも言えるでしょう。

現代では、退職金に代わる仕組みとしてストックオプションを採用する企業や、iDeCoなどの私的年金を従業員各自の判断で活用することを推奨する企業も増えています。

このように退職金のあり方は多様化しており、「退職金がある=優良企業」とも限らない時代になっていると言えます。

2)実際、退職金はどのように支払われるのか

現在の勤務先で退職金制度がある人は、退職金が実際どのぐらいになるのか試算してみたことはあるでしょうか?あるいは、転職を検討している人であれば応募しようと思っている企業の退職金制度がどうなっているのか気になるところでしょう。

そこで、退職金について次の3点についてまとめました。

実際、退職金はどのように支払われるのか ●退職金の算出方法は? ●退職金の相場は? ●税金はかかる?
  • 退職金の算出方法
  • 退職金の相場
  • 退職金に税金はかかるのか?

退職金について気になっている人は、それぞれご自身の場合に当てはめながら確認していくといいでしょう。

まずは退職金制度があるか調べてみる

勤務先の退職金制度がどうなっているのか調べるには、2つの方法があります。

《退職金制度について調べる方法》

退職金制度について調べる方法 ●就業規則や賃金規定を確認する ●給与明細を確認する
  • 就業規則や賃金規定を確認する
  • 給与明細を確認する

退職金制度がある職場であれば、就業規則や賃金規定に退職金制度のルールが記載されているはずです。金額の算出方法について数式などが記載されている場合もあるでしょう。

勤続年数や等級、職種(総合職か一般職か)などによって退職金の額は変わることがありますので、定年まで勤めた場合と途中で転職した場合といったように、いくつかのケースで試算してみることをおすすめします。

企業年金や確定給付年金が退職金に相当する職場の場合、給与明細に該当する項目があるはずです。

毎月の給与から掛金が控除されていますので、毎月どれだけの積立をしているのか、積立を何年間続けるとどれだけの退職金支給額になると見込まれるのか、おおよその計算をすることができるでしょう。

もしどちらも見当たらないようであれば、勤務先には退職金制度がない可能性があります。

退職金制度そのものがあるのかどうか確認したい場合は、職場の総務担当者などに問い合わせてみてもいいでしょう。

退職金の算出方法

退職金の算出方法は各企業が独自に定めており、勤務先によってまちまちです。しかし、一定のルールに基づいて計算・支給されているはずですので、どのようなルールになっているのか確認できれば将来の退職金を算出することができます。

退職金の計算方法としてよく見られるタイプとして、次の4つがあります。もちろんこれ以外の計算方法を採用している職場もありますが、おおよそいずれかのタイプに近い算出方法になっていることが多いでしょう。

基本給連動型 (退職時における基本給×勤続年数係数×退職理由別係数)によって退職金を算出する方法。

多くの企業が採用している退職金制度で、勤続年数や基本給の昇給度合いによって退職金が変動するのが特徴。

一般的には長く勤めるほど係数の値が大きくなり、支給される退職金の額も高くなる。

退職理由別係数とは、自己都合退職か会社都合退職(定年退職も含む)かによって退職金の額に差を付けるための係数。
自己都合退職の場合は退職金が大幅に少なくなることもあるので注意が必要。
定額制 (年齢または勤続年数に基づく金額表の額×職能資格等級係数×退職事由係数)などの数式によって退職金が算出される。

退職時の勤続年数が大きなウエイトを占めており、長く勤めた人に多くの退職金が支払われる仕組みになっている。

職能資格等級係数を乗じているが、勤続年数に応じて等級が上がる職場では実質的に年功序列になりやすく、退職金に関しても主に年配の社員が定年退職する際にまとまった額の退職金が支給されるケースが多い。
ポイント制 (評価ポイントの累積点数×ポイントの単価×退職事由別係数)によって退職金が算出される。

役職や資格取得の実績、企業によっては会社からの指示で転勤した回数などをポイントに換算しているケースも見られる。

勤続年数や年齢が同じ社員でも、会社に対する貢献度が高かったと認められる人に対してより多くの退職金が支払われる仕組みになっていることが多い。
その意味においては能力主義的な要素を取り入れた退職金制度と言える。
別テーブル制 (算定基礎額×勤続年数別係数×退職事由別係数)によって退職金が算出される。

「別テーブル」とは、基本給とは別に退職金専用の算定基礎額の表が設定されており、これを元に計算されることを意味している。

つまり、算定基礎額が基本給とは関係なく独立して定められているため、仮に基本給が上がったとしても退職金が連動して多くなるわけではない。

勤続年数に重きを置いた退職金制度と考えることができ、算定基礎額が主に勤続年数や職能資格等級に応じて決まる場合は、実質的に定額制とほぼ同じ仕組みと考えることができる。

退職金の相場は

将来どのくらいの退職金を受け取れるかは、企業ごとに規定が異なるため一概には言えません。ただし、さまざまな機関が公表しているデータから退職金のおおよその相場を知ることは可能です。

例外もありますが、一般的には中小企業よりも大企業のほうが退職金は多くなる傾向があります。実際のデータは次のようになっています。

大企業の退職金相場

勤続年数 自己都合 会社都合
総合職 一般職 総合職 一般職
3年 32.8万円 32.2万円 68.7万円 57.9万円
5年 63.4万円 50.9万円 123.8万円 96.8万円
10年 186.1万円 137.5万円 312.8万円 245.9万円
15年 407.6万円 286.9万円 588.4万円 426.0万円
20年 801.8万円 525.5万円 965.9万円 46.2万円
25年 1270.0万円 812.2万円 1,426.9万円 1,016.7万円
30年 1,898.3万円 1,123.6万円 2,012.9万円 1,218.6万円

出典:中央労働委員会|令和元年 賃金事情等総合調査(確報)|令和元年退職金、年金及び定年制事情調査|13 産業、学歴、労働者の種類、コース、退職事由、勤続年数別モデル退職金総額及び月収換算月数

中小企業の退職金相場

勤続年数 自己都合 会社都合
3年 28.1万円 49.4万円
5年 54.7万円 89.1万円
10年 169.4万円 222.3万円
15年 329.4万円 402.6万円
20年 541.5万円 613.2万円
25年 849.9万円 911.9万円
30年 1,203.2万円 1,222.4万円

出典:東京都産業労働局|中小企業の賃金・退職金事情 平成30年版|第8表-19 モデル退職金(退職一時金と退職年金の併用)

国家公務員の退職金相場

勤続年数 自己都合 応募認定 定年
5年未満 23.0万円 217.2万円 79.5万円
5年~9年 87.3万円 524.3万円 146.7万円
10~14年 265.7万円 757.0万円 320.9万円
15年~19年 535.9万円 1,084.5万円 627.7万円
20年~24年 923.0万円 1,749.0万円 1,077.8万円
25年~29年 1,333.3万円 2,262.7万円 1,629.8万円

出典:内閣人事局|退職手当の支給状況(平成30年度退職者)|表2 勤続年数別退職手当受給者数及び退職手当平均支給額|常勤職員

地方公務員の退職金相場

年齢 自己都合退職 11年以上25年未満勤続後の勧奨・定年退職等 25年以上勤続後の勧奨・定年退職等
20歳未満 18.8万円
20歳~24歳 15.0万円 94.4万円 87.0万円
25歳~29歳 23.2万円 114.1万円 118.7万円
30歳~34歳 42.9万円 436.8万円 148.1万円
35歳~40歳 86.1万円 675.4万円 279.0万円
40歳~44歳 151.2万円 1,097.5万円 1,559.6万円
45歳~49歳 212.1万円 1,450.0万円 1,840.3万円
50歳~51歳 196.1万円 1,680.2万円 2,026.3万円
52歳~53歳 235.1万円 1,636.2万円 2,107.7万円
54歳 290.3万円 1,315.4万円 2,155.3万円
55歳 316.7万円 1,363.9万円 2,196.6万円
56歳 387.3万円 1,393.7万円 2,236.8万円
57歳 448.2万円 1,350.1万円 2,259.4万円
58歳 488.8万円 1,448.5万円 2,259.7万円
59歳 634.7万円 1,360.6万円 2,254.5万円
60歳 347.1万円 1,188.3万円 2,229.0万円
61歳~64歳 49.9万円 1,193.7万円 1,954.9万円
65歳以上 60.9万円 1,792.1万円 2,948.7万円

出典:総務省|平成30年 地方公務員給与実態調査結果|第2 統計表[附帯調査関係]採用・退職関係 第15表 団体区分別,職員区分別,退職事由別,年齢別退職者数及び退職手当額

大企業の退職金はたしかに中小企業よりも多くなっていますが、同じ勤続30年で大企業の総合職と比べた場合、自己都合退職の場合でおよそ700万円、会社都合での退職では800万円ほどの差がついていることになります

これを大きな差と捉えるか、それほど大きくもないと捉えるかは人それぞれですが、現役時代に稼いでいた金額を考えれば1年分の年収と同等か、もしくはそれ未満といったところでしょう。
老後の資金に雲泥の差がつくほどの違いではなさそうです。

また、注目すべきは自己都合によって3〜5年で退職したときの退職金です。
この場合、企業規模はあまり関係なく「多くは受け取れない」と考えておいたほうがいいでしょう。退職金制度の多くは、転職によってキャリアアップを図ることを前提としていないと考えられます。

さらに、公務員は安定しているイメージがありますが、自己都合退職の場合の退職金に関しては国家公務員でさえも中小企業とあまり差がないことが分かります。

地方公務員に至っては、自己都合で退職すると退職金が大幅に減ってしまうのが現実なのです。

このように、退職金の相場を冷静に比べてみると、イメージするほど働き方や企業規模による差が大きく開くわけではないことが見えてくるのです。

退職金にも税金がかかるの?

退職金は給与や賞与と比べて高額になることもありますが、もし税金がかかるとなれば相当な額の税金を払わなくてはならないのでは?と心配になる人もいることでしょう。

結論から言うと、退職金にも税金はかかりますが、税制優遇枠があり税負担が重くなりすぎないよう配慮されています。退職所得の控除額を算出する計算式は下記の通りです。

《退職所得の控除額計算方法》

勤続20年以下の場合 40万円×勤続年数勤続20年超の場合 800万円+70万円×(勤続年数ー20年)
  • 勤続20年以下の場合 40万円×勤続年数
  • 勤続20年超の場合 800万円+70万円×(勤続年数−20年)

例)勤続30年で1,200万円の退職金を受け取る場合
800万+70万×(30年―20年)=1,500万円 →1,500万円までは税金がかからない。

上の例では、1,200万円の退職金を受け取っていたとしても、1,500万円までは非課税になるわけですから、税金は徴収されません。

このように退職金にも税金がかかるとはいえ、他の収入と比べると優遇されており、過度に課税されることのない仕組みになっています。

3)会社の良し悪しを「退職金」だけで測るのは難しい

さて、ここまで読んでいただいた方の多くは、おそらく現在の勤務先の退職金制度や、転職先として検討している企業の退職金制度について気になっていることでしょう。

そこで考えておきたいのが「退職金の有無や多い・少ないで会社の良し悪しをどの程度判断できるのか?」という点です。

たしかに退職金が出る会社や多くの退職金が受け取れる仕組みになっている会社は、一見すると従業員の退職後の暮らしを案じてくれている優良企業のように思えます。

しかし、実際のところ退職金によって会社の良し悪しを判断するのは性急と言わざるを得ない面もあるのです。現に、退職金制度を廃止またははじめから設けない企業は時代とともに増えつつあります。

なぜ退職金制度によって会社の良し悪しを判断し切れないのか——。そこには、従業員が会社に求めるものが多様化しているという背景があるのです。

退職金制度は、会社が用意する「福利厚生」の一部

前に触れた通り、退職金制度を定めるかどうかは企業ごとの方針や考え方に委ねられています。

退職金の支給は企業にとって法律で定められた義務ではなく、用意してもしなくてもよい任意の「福利厚生」の一部なのです。

企業が従業員の働きやすさや意欲向上のために用意する福利厚生にはさまざまなものがあります。

たとえば、家賃や住宅ローンの補助という意味合いで支給される住宅手当や、扶養家族の人数に合わせて支給される家族手当などもこれに含まれます。

こうした手当が支給されることで「家計の足しになって助かる」と感じる人もいれば、「どんな場所に住むか、扶養家族がいるかどうかはプライベートな問題なのに、仕事の成果と関係なく支給されるのは不公平だ」と感じる人もいるはずです。

退職金制度に関しても同様のことが言えます。定年まで勤め上げて老後はのんびりしたいと考える人もいれば、転職してキャリアアップしたいと考える人もいます。

退職金制度そのものは終身雇用を前提としていた時代の名残ですので、どの従業員にとってもその恩恵を感じられる制度とは言い切れなくなっているのです。

会社の評価・判断は退職金だけでなく多角的な観点で

もし今、退職金制度を基準として勤務先や転職先の良し悪しを判断しがちなのであれば、もう少し視野を広げて多角的な観点を持ったほうがいいかもしれません。

なぜなら、退職金制度が完備されている会社が必ずしも従業員にとって「働きやすい」「やりがいを感じられる」職場とは限らない面もあるからです。

退職金制度の仕組みを知ると分かってくることですが、退職金は人事制度と密接に関わっています。

勤続年数に応じて昇給する、いわゆる年功序列型・終身雇用維持型の組織は一見すると安定しているように思えるかもしれませんが、能力が十分とは言えない人が役職についたり、いわゆる「働かない中高年社員」といった問題を抱えやすかったりする組織とも言えます。

会社の人事制度や福利厚生に最適解はありません。

退職金制度以外の面にも目を向け、自分にとってその会社が本当に働きやすくやりがいを感じられる場所なのかどうか、さまざまな角度から検証してみる必要があるでしょう。

4)それでも「退職金のある会社で働きたい」という方は

退職金の有無は会社の良し悪しの判断材料として万能ではありません。しかし、人によっては退職金がない会社で働くことに不安を感じ、場合によっては退職金制度が整っている職場へ転職したいと考える場合もあるでしょう。

ここで1つ大きな問題にぶつかります。それは「転職者にとって退職金制度は不利になりやすい」という点です。

そもそも退職金は「長く働いた人に多くの退職金を払う」ことを前提とした仕組みになっているケースが多く、中途採用者はプロパー社員と比べると退職金が少なくなりがちなのです。

では、退職金のある会社で働きたい人は、転職するにあたってどのようなことを意識したらいいのでしょうか。転職活動を進める上で注意しておきたいのは、主に次の2つの点です。

規模の大きい、かつ福利厚生の充実した会社から優先して探そう

第2節で見てきたように、現状では企業規模が大きい会社ほど退職金に関しては有利になりやすい傾向があります。

よく言われているように大企業ほど内部留保が潤沢であり、退職金原資として準備している資金も安定しているケースが多いことが主な理由です。

よって、退職金制度が完備されており、かつ従業員にとって恩恵を感じられる制度になっている企業を探すのであれば、できるだけ規模が大きく福利厚生が充実している会社を優先して探したほうがいいでしょう。

もちろん、大企業の中にも退職金制度を廃止する動きがないわけではありませんので注意が必要ですが、一般的には名だたる大企業ほど退職金制度を整えているケースが多いと言えます。

大手企業の転職支援に強い、転職エージェントを活用しよう

大手企業への転職を希望する場合、求人の倍率が高くなりやすいことに注意が必要です。

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一方のリクルートダイレクトスカウトのデメリット・注意点は、求人が年収600万円以上のハイクラス向けのものに寄っている点、および基本的に「スカウトを待つ」活動スタイルになるため、急ぎの転職には向かない点、です。

希望年収はもう少し低くなる」場合や「なるべく早く転職したい」場合は、幅広い求人数を扱い、かつスピーディな対応が可能なリクルートエージェント(全世代向け)、doda(全世代向け)などの転職サービスがおすすめです。

ビズリーチ──優秀なヘッドハンターと良質な企業からスカウトが届きやすい

ビズリーチ。年収600万円以上の方に支持される転職サービスNo.1

ビズリーチは主にハイキャリア人材を対象とした転職サービスです。

一般的にハイキャリア転職サービスは求人数が少なくなりがちですが、ビズリーチは近年求人数が増えており、首都圏はもちろんのこと地方での転職においても非常に豊富な求人を確認することができます

「ハイクラス転職サービスにはどんな求人があるのだろう?」「自分の場合、どのような企業からスカウトが届くのか?」といったことを知っておくだけでも、今後のキャリアプランを考える上で十分参考になるはずです。

現在の年収が500万円以上で、ゆくゆく転職を検討する可能性のある方であれば、登録する価値が十分にあるサービスといえるでしょう。

ビズリーチの活用メリットとデメリット・注意点

BIZREACHの仕組み

ビズリーチの登録者に届くスカウトには、企業からの直接スカウトとヘッドハンターによるスカウトの2種類があります

紹介される求人は経営管理(管理職・役員)プロジェクト管理専門職といった事業の上流工程を支える重要なポジションのものが多いです。
カバーしている業種も幅広いため各業界の最前線で活躍するポジションへの転職が期待できます。

紹介される会社は大企業だけでなく、中小の優良企業の求人も扱っています。
また、独自に「BizReach創業者ファンド」を創設するなど、スタートアップ企業の支援も積極的に行っていることから、スタートアップ企業やベンチャー企業への転職支援にも強いのが特徴です。

一方のビズリーチのデメリット・注意点は、求人が年収600万円以上のハイクラス向けのものに寄っている点、および基本的にヘッドハンターからの提案を待つ転職スタイルになるため、急ぎの転職には向かない点が挙げられます。

希望年収はもう少し低くなる」場合や「なるべく早く転職したい」場合は、幅広い求人数を扱い、かつスピーディな対応が可能なリクルートエージェント(全世代向け)、doda(全世代向け)などの転職サービスがおすすめです。

まとめ)退職金制度を過大評価せず多角的な視点を持って職場を選ぼう

かつて「退職金制度のある会社」「退職金が多くもらえる会社」が人気企業の条件の1つになっていた時代があったのは事実です。

1社で定年まで勤め上げる「就職」ならぬ「就社」がスタンダードだった時代においては、退職時に老後の暮らしを保証してもらえるかどうかは会社選びの重要な指針の1つとなり得たのです。

しかし、現代は働き方やキャリアに対する考え方が多様化し、仮に転職したとしても定年まで同じ会社で働くとは限りません。

また、退職金制度は企業独自に定めるものですので、将来的に制度の変更や撤廃が行われることが絶対にないとは言い切れない面もあります。

このように、職場を選ぶにあたって退職金だけを基準に考えてしまうと、視野を狭めてしまうことにもつながりかねません。退職金という福利厚生を過大評価せず、より多角的な視点を持って職場を選ぶことが大切です。