転職エージェントのサービスはなぜ「無料」?知っておきたいメリットと注意点
[最終更新日]2021/02/27

転職活動時に「転職エージェント」のサービスを受けて求人を探すことは、今やもっともスタンダードな活動プロセスになりつつあります。
転職エージェントのサービスは、基本「無料」で利用できます(ごく一部有料でサービスを提供しているところもあります)。
目次
1)転職エージェントを無料で利用できる理由と、その仕組み
転職エージェントが無料で利用できることには、明確な「理由」があります。
まずは転職エージェントを無料で利用できる理由について見ていきましょう。
転職エージェントはなぜ無料で利用できるのか
転職エージェントは、「転職者を紹介した企業から紹介手数料を受け取る制度」をとっています。
つまり、転職エージェントは利益を転職者からではなく、企業から得ているということですね。
転職エージェントの仕組み
転職エージェントサービスの仕組みは、以下の図式のように表すことができます。

転職エージェントはまず企業からの求人情報を受け、それを求職者に紹介します。
そして、転職者が「この求人いいな、応募しよう」となり、更には企業が応募者の選考を経てその求職者に対して「この人を採用しよう」となったときに、転職エージェントは企業から「紹介報酬」を受け取るのです。
ちなみに、報酬額がどれくらいかというと、「求職者の年収の約3割」が相場と言われています。つまり、年収500万円の求職者を企業に紹介し、晴れて転職成功となった場合、企業は転職エージェントに150万円を報酬として支払うということですね。
※ 実際は、転職エージェント毎に報酬額は別途定められています。一般的に、ハイキャリア層になるほど紹介報酬は高くなり、既卒や第二新卒といった若年層の紹介報酬は低くなる傾向にあります。
ちなみに、企業から転職エージェントへの報酬が確定するのは、求職者が入社しておおよそ3~6ヶ月後です。
そのため「紹介した求職者が入社後にすぐに辞めてしまった」となれば、転職エージェントは利益を得ることができません。
だからこそ転職エージェントは、きちんとその職場にマッチした人材を紹介するために求職者と時間をかけて話し合いを行うのです。
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2)「無料」ゆえにここが怖い?転職エージェント利用時の3つの注意点
転職エージェントは無料で利用できるサービスですが、無料ゆえに注意しておきたいポイントもあります。
特に以下の3点については、利用前にしっかり把握しておくと良いでしょう。

- エージェントの話を疑わずに鵜呑みにすると、ミスマッチが起こる可能性もある
- 転職者の市場価値によって、紹介されない求人もある
- エージェントの相性次第で、かえって転職が長引くことも
それぞれ、順を追って見ていきましょう。
エージェントの話を疑わずに鵜呑みにすると、ミスマッチが起こる可能性もある

転職エージェントの紹介する案件や情報をそのまま鵜呑みにしてしまうと、自分の考えている転職とは違った結果になることがあります。
それは、実際に転職サポートをする担当キャリアアドバイザーには多くの場合「ノルマ」があり、中には自身のノルマ達成のためにミスマッチの求人を強引に紹介するケースもあるからです。
特に理由もなく特定の求人への応募を勧めたり、必要以上に転職活動を急かしたりすると感じた場合には、一旦距離を取って冷静に提案内容を確認するべきでしょう。
大前提として、応募する求人企業の確認(企業調査)はキャリアアドバイザー任せにするのではなく、自身でもしっかり行っておくべきです。
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また、転職に関する提案・アドバイスがひとりのキャリアアドバイザーの意見に偏ってしまわないように、転職エージェントは基本「複数」登録しておくことをおすすめします。
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もし、キャリアアドバイザーから紹介された求人が「ミスマッチだ」と感じたら、はっきりとNOと答えましょう。
キャリアアドバイザーの話を鵜呑みにせず、ときにNOと答えられるようにすることが、転職エージェントを有効に活用するうえで大切なポイントなのです。
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転職者の市場価値によって、紹介されない求人もある

転職エージェントによっては、求職者の市場価値がまだ低いと判断した際に、求人の紹介を控えることもあります。
市場価値とはつまり、「その人が、特定の市場(または企業)で働く際の結果・成果の期待値」です。
当然ながら、企業は市場価値の高い求職者を求めます。
そして、転職エージェントは企業の期待に応えるために、市場価値の高い求職者を優先して求人情報を紹介する傾向があるのです。
この点で注意したいのが、まず「利用している転職エージェントの得意分野(保有する求人の層等)が、自分の希望する求人の層とでギャップがないか」という点と、もうひとつが「担当キャリアアドバイザーにきちんと自身の経験・スキルを伝えているか」という点です。
一点目の「転職エージェントの得意分野と自身の希望する分野のギャップがある」については、いちど利用している転職エージェントの特徴や強みを確認しておき、必要に応じてもっとマッチング性のある転職エージェントに利用を移すことを検討すると良いでしょう。
二点目の「担当キャリアアドバイザーにきちんと自身の経験・スキルを伝えているか」については、本来キャリアアドバイザーと求職者は強固な信頼関係があってこそ転職成功を実現しやすくなるものです。
必要以上に自分を大きく見せるべきではありませんが、「この担当キャリアアドバイザーの人は信用できる」と感じた際は、ご自身のこと──転職理由からこれまでの経験で得た知識・スキル、伸ばしていきたい分野をしっかり伝えることをおすすめします。
キャリアアドバイザーとの相性次第で、かえって転職が長引くことも

転職エージェントの利用で特に注意したいのが「キャリアアドバイザーとの相性」です。
「相性」とはつまり、「共同作業を行うパートナーとして、気持ちよく、かつ息の合ったアクションができるか」といった点になります。
キャリアアドバイザーも当然人によって価値観や考え方も変わりますので、なかにはあなたとあまり相性の良くないキャリアアドバイザーもいるでしょう。
そのほか、新任でまだ経験の浅いキャリアアドバイザーが担当で、「ちょっと頼りなさを感じる…」ということもあるかもしれません。
相性というものは多くの場合、数回のコミュニケーションを経て感じられるようになるものですので、一回目の印象(第一印象)とは分けて考えるべきですが、何度か話して違和感や不信感が大きくなるようでしたら注意が必要です。
そのままサービスを利用した際に、むしろ転職活動が長引いてしまうこともあるでしょう。
キャリアアドバイザーとの相性を早いタイミングで確認するには、
「最初の面談で自分の求める求人を紹介してくれるか」
「こちらの質問に対して迅速かつ正しく答えてくれるか」
といった点を見るのがポイントです。
どちらの点も、キャリアアドバイザーがあなたへの興味や理解度が高いからこそ実現できるものです。
そして、それら対応の品質は相性の良し悪しからも大きく影響を受けやすいのです。
3)転職エージェントを効果的・効率的に利用するためのポイント3つ
続いては、転職エージェントをより効果的・効率的に活用するためのポイントについて見ていきましょう。
特に意識したいのは、以下の3点です。

- 「総合型エージェント」「特化型エージェント」を使い分ける
- 転職エージェントとはなるべく多く連絡を取る
- 転職エージェントには「本音」を伝える
それぞれ、順を追って見ていきましょう。
「総合型エージェント」「特化型エージェント」を使い分ける

転職エージェントを活用する際には、「総合型エージェント」と「特化型エージェント」の2種類を使い分けると良いでしょう。
総合型エージェントとは、業界や職種の偏りなく求人紹介を取り扱っている転職エージェントです。
総合型転職エージェントの代表例
総合型エージェントの特徴としては、「求人数が(比較的)多い」こと、「対応エリアが広い」ことが挙げられます。
一方の特化型エージェントは、特定の業界や職種(または年代等)に特化して求人紹介をする転職エージェントです。
特化型転職エージェントの代表例
特化型エージェントの特徴は、「強みとしている分野に対する転職支援に強い」「(その分野に対して)専門的なアドバイスを行えるキャリアアドバイザーが多い」といった点が挙げられます。
一方で、全体的な求人数や拠点数は総合型エージェントよりも少なくなることが多いです(※ 例外もあります)。
志望する業界や職種が多岐に渡る方やまだ明確になっていないという方、または多くの求人情報を確認したいという方は総合型エージェントの利用がおすすめです。
また、業界や職種が定まっている方、なるべく専門的なアドバイス・フォローを受けたいという方は特化型エージェントの利用がマッチしやすいでしょう。
その他、総合型エージェントと特化型エージェントを併用して、双方のメリットを受けつつより自身のマッチするサポートに絞っていく──という手法も有効です。
重要な点は、利用する転職エージェントの特徴(総合型なのか、特化型なのか)をきちんと把握し、かつそのサービスの利点を最大限活用することです。
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転職エージェントとはなるべく多く連絡を取る

転職エージェントを有効活用するうえで、なるべく多く連絡を取ることも大切です。
転職に関する情報(現在のスケジュールや転職先の希望など)をこまめに伝えることで、キャリアアドバイザーも転職者に具体的な支援がしやすくなるのです。
積極的に連絡を取ってコミュニケーションを重ねることで、キャリアアドバイザーと信頼関係を作ることもできます。
お互いの理解を深めることができれば、より親身になって転職のサポートを行なってもらうことにつながるでしょう。
また、転職エージェントのキャリアアドバイザーは常に複数の求職者を担当しています。
優良な求人が出たときには、転職活動に前向きな人──例えば、普段からの連絡が取れやすい求職者を優先して紹介することも多いです。
そう言った観点からも、転職エージェントへの積極的な連絡・コミュニケーションは意識しておくべきでしょう。
転職エージェントには「本音」を伝える

転職エージェントの担当キャリアアドバイザーとのコミュニケーション時においては、とにかく自分の気持ちを本音で話すことが大切です。
キャリアアドバイザーは転職者の本音を知ることで、具体的なアドバイスが行えるようになります。
そもそも本音で話さなければ、キャリアアドバイザーも本当にマッチした求人を紹介することができません。
また、キャリアアドバイザーも人ですので、本音と熱意を見せる求職者に対して「この人の転職をしっかり支援したい」という気持ちも持ちやすくなるでしょう。
ポイントは、「より良く見せよう」であったり、「余裕を見せる」といったポーズをしないことです。
それよりも、「今回の転職を成功したい」という気持ちと、「どう成功したいのか」という考えを、しっかりキャリアアドバイザーに共有することです。
4)まずはじめに登録しておきたい、おすすめの転職エージェント
ここまで、転職エージェントが無料で利用できる仕組みについて、そして転職エージェント利用時の注意点とポイントをお伝えしました。
続いては、具体的に転職エージェント選びをする際に、「まずはじめに登録しておきたい、おすすめの転職エージェント」を紹介します。
これから転職活動をする方に、まずはじめに登録しておきたいおすすめの転職エージェント
サービス名 | 対応エリア | 拠点 |
---|---|---|
![]() doda |
全国 | 北海道・宮城・東京・横浜・静岡・名古屋・大阪・京都・神戸・岡山・広島・福岡 |
![]() マイナビエージェント |
全国 | 東京・横浜・札幌・静岡・名古屋・京都・大阪・兵庫・福岡 |
![]() リクルートエージェント |
全国 | 北海道・宮城・栃木・埼玉・千葉・東京・横浜・静岡・名古屋・京都・大阪・兵庫・岡山・広島・福岡 |
![]() JACリクルートメント |
全国 | 埼玉・東京・横浜・静岡・名古屋・京都・大阪・兵庫・広島 |
![]() WORKPORT |
全国 | 東京・埼玉・横浜・千葉・仙台・名古屋・大阪・京都・神戸・岡山・広島・福岡・ソウル(韓国)・バンコク(タイ)・ホーチミン(ベトナム) |
求人の選択肢を広げたいならdodaがおすすめ
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サービス名 | doda(デューダ) |
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特徴 | 全国対応、かつ国内トップレベルの膨大な求人数! すべての業種・職種を網羅した求人情報だけでなく、キャリアアドバイザーの良質なサポートで、転職成功者の実績・評判が共に高い、初めに登録しておきたい鉄板の転職サービスです。 |
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企業名 | パーソルキャリア株式会社(1989年6月) |
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丁寧なサポートならマイナビエージェントがおすすめ
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サービス名 | マイナビエージェント |
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特徴 | 全国約10か所にわたる拠点ネットワークで、地方でも転職者とのOne to Oneのコミュニケーションが可能! 「転職エージェントのきめ細やかなサポート」で定評の、満足度も抜群に高い転職エージェントサービスです。 |
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企業名 | 株式会社マイナビ(1973年8月) |
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特徴 | 転職後の利用者満足度によると、99%の方が「満足」!20代~40代まで幅広い利用者の方からの高い満足を実現する、業界最大手の転職エージェント。 | |
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企業名 | 株式会社 ジェイ エイ シー リクルートメント(1988年3月) |
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まとめ)転職エージェントの利用は「無料」で、かつ最大限有効活用を

転職エージェントは無料で気軽に使える一方で、そのサービスの注意点や使い方を知らなければ、十分な活用効果を得ることができません。
ポイントは、私たちが「転職エージェントが本気でサポートしてくれること」を望むように、転職エージェントもまた私たち転職者が「本気で向き合っていく」のを望んでいることです。
転職エージェントを「ツール」としてではなく、「信頼できるパートナー」として認識しておいた方が、転職成功を実現しやすくなるでしょうし、なにより活動自体もより有意義なものにしていけるのではないでしょうか。
本格的に転職活動を始める前に今回の記事で紹介した内容をおさらいして、転職エージェントの活用メリットを全て引き出せるように準備していきましょう。