30代の転職で「成功する人」の傾向は?成功例と効果的な進め方を紹介
[最終更新日]2022/02/27

2020年以降、30代以降の転職者は増加傾向にあります※。
理由の一つに、コロナ禍の影響もあって、多くの企業が転職者に「即戦力」を求めるようになったことが挙げられます。経験を積んだ30代以降の転職者に、価値を感じる企業が多くなってきているということでしょう。
一方で、30代での転職は「その年代ならではの、失敗しやすいポイント」もあります。現在転職を検討している30代の方は、それらポイントついて、事前に知っておけると安心でしょう。
※コロナでどう変わった? 転職成功者の年齢調査(doda「なるほど!転職ガイド」より)
目次
1)30代転職の失敗ケースで多いのは、「スキル面でのミスマッチ」と「人間関係」
当サイトでは、実際に転職した経験のある方々のエピソードを提供していただいています。集まった体験談をもとに30代の転職成功・失敗の状況をまとめたところ、下図の結果となりました。
30代の転職成功・失敗状況

成功・失敗状況 | 割合 |
---|---|
成功 | 46% |
やや成功 | 38% |
やや失敗 | 12% |
失敗 | 4% |
※「みんなの転職「体験談」。」に転職エピソードを提供いただいた30代の方198名のデータをもとに作成(集計期間:2018年1月~2022年2月までのもの)
転職した結果、「成功・やや成功」と感じている人の割合は84%と高い割合を占めています。反対に「失敗・やや失敗」と感じている人は16%に留まっており、全体として転職して良かったと感じている30代の方が多いようです。
ただし、約5人に1人が転職を「失敗」と感じていることは軽視できないでしょう。
そこで、30代で転職した人に多く見られる傾向と、失敗の要因についてより詳しく見ていきたいと思います。
転職成功する30代に、多く見られる傾向は──。
参考:30代の転職で「やや失敗」~「失敗」と回答した人の失敗要因(※複数回答)

失敗要因 | 割合 |
---|---|
業務内容がハード・能力以上のものを求められた | 69% |
対人・人間関係の問題 | 59% |
組織文化へのギャップ | 27% |
給与・待遇が悪化した | 20% |
期待していた業務と異なっていた | 12% |
その他 | 9% |
データ:「みんなの転職「体験談」。」に寄せられた30代の方の転職体験談エピソード(178件)をもとに、弊社作成
30代で転職した人が失敗の要因として多く挙げているのが「業務内容がハード・能力以上のものを求められた」といった理由でした。
即戦力として能力を存分に発揮することを期待される傾向があるため、前職よりも好条件で採用されたものの、入社後に実力不足が露呈するケースが少なくないようです。
そもそも、転職して職場が変われば働く環境も企業文化も大きく変化します。
どの年代にとっても新しい環境に適応するのは大変なことであり、これまでの「当たり前」が通用しなくなることはめずらしくありません。
採用する企業側としても、採用時点での期待値が高かっただけに、入社後の活躍が芳しくないとなれば風当たりが強くなることは十分にあり得ます。
参考:30代の転職で「成功」と回答した人のコメント例(一部抜粋)
最初は大変でしたが、段々と「働きやすい」状況に変わっていきました。
きっかけは、チームリーダーの方が非常に理解のある方で。
かつ、お互いに「飲むのが好き」という共通の嗜好もあって笑。
飲みにケーションを取りながら、私は今のチームと営業チームの課題(仲の悪さ)についてリーダーと話し合う機会を沢山持てました。
リーダーも私が感じていた課題を以前から感じられていたようでして、私の想いにしっかりと耳を傾けてくれました。
その後、チームに「営業支援」という概念が出来ました。
文字通り、私たちのチームが営業チームの人たちのことを支援していくための取り組みです。
そして、その営業支援の役割を任せられたのが、私でした。
営業支援の取り組みが1年程続いて、段々と営業チームとの理解度が増していって、そして関係性もまたどんどん改善されていきました。
要は、営業も私たちも互いに自分たちだけでは処理・判断しづらいポイントがあって、それらを両チームが協力し合うことによって対処されやすくなっていったのです。
いくつかの非効率的であった業務フローが改善されていき、それは業務スピードと、そしてクライアントからの満足度にも繋がっていきました。
リクルートエージェントさんの協力の甲斐もあって、私は、希望していた「ITコンサルティング」をビジネスとする会社に転職できました。
そこで、ガッチリはまったんですよね。──ああ、これが自分のやりたかったことだったんだって。
これまでの仕事のシステムエンジニアは、ほぼ要件(実施すること)が決まった状態でお客様から依頼を受けるのが殆どなんですが、ITコンサルタントの仕事は、まさに構想段階からお客様とコミュニケーションが取れるんですよね。
だから、例えばお客様の市場環境や内部環境なども踏まえての提案ができたり、お客様のニーズを考慮して、「本当にやりたいことはそれでしょうか?・・・もっと、こういうのはどうでしょうか?」といった、懐に入り込むような相談をしあえたりと、本当に仕事の幅が広がりました。
ITコンサルタントへ転職して、本当に良かったと思っています。
転職後の職場では、私のパソコンスキルが歓迎されました。
新しいプロジェクトが始まりかけていたのですが、そのための資料作成やデータ分析をする人が居らず困っている状態だったのです。
ですが、「困っている」ということは、それだけ切羽詰まった状況だったわけで、私の業務内容に関して、マニュアルはおろかテンプレート(ひな形)も、何もない状況でした。
私で大丈夫なのだろうか?と不安を抱えながらも、(せっかく呼んでいただいたのだから、私にできることをしなければ。とにかく一生懸命やろう)と思い、手書きの紙や口頭で伝えられるイメージを一生懸命に汲みとり仕事に反映させました。
自分なりにデータをまとめ、グラフ化し、プレゼンや会議用の資料を作成しました。
一回で終わる作業もあれば、新しいものに更新していく作業もありましたし、今後どのように使われるか良くわからないものも沢山ありました。
それから数か月たって、ようやく職場にも仕事にも慣れてきた頃、上司が私にこう声をかけてくれたのです。
「君に来てもらえて本当によかったよ。──これまであやふやな指示とおおまかなイメージしか伝えてこなかったのに、的確に形にしてくれている。とても助かっている」
とても驚きました。
なぜなら、私はただ一生懸命、言われた通りの仕事をしようと頑張っていただけで、そんな風に評価されているとは思いもしなかったからです。
そして、上司からそうやって感謝されたことが、とても、嬉しかったです。
30代の転職では、これまで培ってきた経験・スキルを存分に生かして転職先を選ぶことができるようになります。
20代よりも社会経験が豊富で、40代よりも若さや柔軟性を備えている30代の人材は、企業からも好意的に受け止めてもらえる可能性が高いです。
ただし、企業からの期待値が高いことは諸刃の剣ともなり得ます。
即戦力としての期待が高まり、入社後すぐに具体的な成果を求められたり、責任の重いポジションを任されたりする確率が高くなるからです。
上記の転職失敗談・成功談における傾向の大きな違いは、「新たな未知の仕事をどれだけ予測しており、受け入れる体制があるか」にあるように感じられます。
とくにキャリアアップや就業条件の改善を目指して転職を考えている人は、転職後に実力不足を痛感するような事態に陥らないためにも、事前準備をしっかりと行っておく必要があるでしょう。
2)30代からの転職を成功するために、取るべき行動4つ

30代の人材はすでに社会経験を積んでいることから、これまで働いてきた経験や業務知識を自分で把握できていると考えがちです。
しかし、慣れ親しんだ環境から踏み出して新たな職場で活躍していくには、今いちど自分自身の能力や知識量・レベルを客観的に確認しておくことが非常に重要になります。
いわゆる自己分析やキャリアの棚卸しのプロセスを、若手の人材と比べて入念に行っておくことが欠かせません。
では、30代からの転職を成功させるには、具体的にどのような点に注意しておけばいいのでしょうか。
30代の転職を成功へと導くには、次の4つの行動を意識しておく必要があります。
- 「今自分は何が出来るのか」と、「これから何が出来るようになりたいか」を明確にする
- 「この会社で、自分は本当に活躍できるか」を入念に確認する
- 職務経歴書と企業面接では、「ストーリー建て」を意識する
- キャリア相談は、社内の人や身近な人よりも転職エージェントに
それぞれ順を追って見ていきましょう。
「今自分は何が出来るのか」と、「これから何が出来るようになりたいか」を明確にする

自分ができることと今後やっていきたいことに関しては、「だいたい分かっているつもりだ」と感じる人もいるはずです。
しかし、ここで重要になるのは直近の仕事で得た経験や知見に留まらず、より長い時間軸でキャリアを捉え、自分の強み・弱みやこれまで取り組んだ経験をもとに、【今後のキャリアプラン】を描くことです。
キャリアプランとは
キャリアプランとは、あなたが将来に望む仕事や働き方を実現するためのプランニング(行動計画)のことをいいます。
具体的には、以下のようにプランを建てていきます。
キャリアプランは、上記の「キャリアプランの例」にあるように時期ごとに「実現したいこと」と「そのためにやること」を表形式に落とし込むと、そのイメージを整理しやすくなります。
ポイントは、半年や1年ではなく、3年・5年といった中長期的な期間を見据えることです。
今のうちにマスターしておくべき知識・スキルや取得しておくべき資格が出てくるかもしれません。
ここで言語化できるレベルまで考えをまとめておけば、自身のキャリアプランを明確にしていけるだけでなく、転職時の応募書類や面接での選考時に効果的な自己PRをしていくことにも繋げられるでしょう。
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「この会社で、自分は即戦力として活躍できるか」を入念に確認する

30代の人材に対して、多くの企業が即戦力を期待しているのは前に触れた通りです。
ところで「即戦力」とは具体的に何を意味しているのでしょうか。実は、即戦力として通用するレベルは企業によってまちまちで、「ここまでの能力があれば即戦力として十分」といった基準はありません。
企業が求めている能力のタイプやレベルを事前に把握しておかなければ、入社後にミスマッチが生じるリスクが高まります。

上記図で示す通り、自身の技術(スキル)・実績が、企業の求める人材にマッチしてるかをしっかり見定めたうえで、「この企業だったら、活躍できる」という自信を持つことが大切です。
そのためには、企業HPを入念にチェックするのはもちろんのこと、直近のプレスリリースや口コミ情報サイトなど、収集できる情報にはすべて当たっておくつもりでリサーチに臨みましょう。
その際に、特にチェックしておきたいのは以下の点です。
チェック項目 | 確認ポイント | どこで確認するか |
---|---|---|
事業内容 | 自分自身の知識領域にあるか、また今後も興味・関心を持続して持ち続けられる内容かを確認する | 企業HP |
主力商品・サービス | その商品・サービスの開発・運用を自身が携わることになる際に、どの範囲まで知っていて、どの範囲を知らないかを確認する | 企業HP、業界ニュース、競合他社のHP等 |
強み・独自性 | 同業他社をいくつか確認し、「この会社ならではの特色・強み」がどこにあるかを見出す | |
企業理念 | 企業理念から、求められる人物像(主にスタンス面)をイメージし、自身との適合性を家訓する | |
社風・雰囲気 | 歓迎される人物像や業務への取り組み姿勢をイメージする | 口コミサイト |
求められる知識・スキル | 現在の自身の知識・スキルと照らし合わせて、過不足を確認する | 求人票 |
これらの企業研究は、一人で行うよりも転職エージェントのサポートをもとに行う方が効率的になることが多いです。
また、もし企業が求めるスキルレベルと現状のスキルに差があると感じたとしても、それだけの理由で応募そのものを取りやめる必要はありません。
30代はまだ伸びしろのある年代ですので、現状のスキル・能力を把握していること、今後の努力によって克服すべきポイントを明確にできていれば、入社後に努力を続けることによって活躍できる可能性は十分にあります。
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職務経歴書と企業面接では、「印象に残るストーリー建て」を意識する

30代に入ると、これまでのキャリアで培ってきた経験が必然的に増えていきます。
企業の採用担当者は初対面の方々ですので、あなたが歩んできたキャリアについては初耳であり、いかに分かりやすく、かつ印象深いキャリアの伝え方ができるかが非常に重要なポイントとなります。
これまでのキャリアを印象づけると言っても、事実と感情を混同させて職務経歴書に落とし込むのはNGです。職務経歴書は時系列で作成し、経験業務に関しては事実ベースで記載しましょう。
現在に至るまで働いてきた中で、どのような想いやこだわりを持って従事してきたか、といった感情の部分は別途項目を設けて記載するほうが伝わりやすくなります。
職務経歴書は、別の言い方をすれば「自分史」を記録したストーリーです。
面接においては、職務経歴書の記載事項を反復するのではなく、歩んできた経歴を元に「これからの自分のキャリア」をストーリーとして伝えられるように準備しておきましょう。
職務経歴書・企業面接に落とし込む「転職理由」について(現役キャリアアドバイザー 武蔵野さん)
- 武蔵野
さん -
転職理由を伝えるうえで意識すると良いのは、「今回の転職は、これからのキャリアを踏むうえで必要なストーリーである」と伝えることです。
例えば、「営業で培った経験をもとに、コンサル業務に就こうと決めた」だけではストーリー性は感じられませんよね。
ですが、「営業職の経験で、相手の不安や悩みといった課題を解決する達成感とやりがいを知り、もっと顧客と根幹の部分から関わりつつ役に立てる存在になりたいと、コンサル業にチャレンジしようと決めた」と言えば、印象は大分変わるのではないでしょうか。転職理由は、ストーリーがあってはじめて企業側は「欲しい」という感情を持ちやすくなります。
また、「この人が入ったら、うちの会社でどのように役に立って、どのように成長していけるんだろう」といったイメージを持たせやすくなります。
「印象に残る職務経歴書」作成のポイント
- Point1)最初の職務要約ですべてを語る
- Point2)緩急をつける
- Point3)企業毎に職務経歴書を書く
- Point4)定量的に書く
- Point5)「ボランティアをやっています」等の副次的なものは程ほどに。
- Point6)「レジュメはラブレター」の意識で書く。
Point1)最初の職務要約ですべてを語る
採用担当はたくさんのレジュメに目を通すため、最初の職務要約しか見ない人もいます。逆にいうと、この部分は全員が見るということです。
そのため、「最初の職務要約ですべてを語る」くらいの気概で作成したほうが良いでしょう。
自分の強みが最初の数行でパッと分かるように表すなど、とにかくこの部分の品質に意識を集中して作成することが大切です。
Point2)緩急をつける
ある程度実務経験を持った人が陥りがちなミスが、「やってきたことを全部書いてしまう」ことです。
全部盛り込むと、強み(アピールポイント)が薄まってしまいます。
アピールすべきところとしなくてもいいところを分けて、しなくても良いところはバッサリ切る──、といったメリハリが大切です。
例えば総務部門を経験した転職者の場合、総務の幅広い業務範囲を全部書くとどうしても冗長になってしまいます。
その際に、例えば応募する企業の求人要件が「総務の資産管理」だった場合、そのポジションと関連する経験をアピールするのです。
「自分はそのほかにも人事、採用などを経験していた」という場合においても、応募企業側で人事、採用のポジションを求めていないようなら、その記載は軽く触れる程度に留めるなどの取捨選択を意識しましょう。
Point3)企業毎に職務経歴書を書く
職務経歴書は、基本応募企業毎に準備します。
テンプレートのようにひとつの職務経歴書を使いまわしていた場合、応募企業側はすぐにそれを見抜きます。
効果的な職務経歴書にしていくためにも、企業が募集しているポジションに合わせて書くことを意識すると良いでしょう。
イメージとしては、「60%は共通部分として、残り40%を企業毎にかき分ける」、「これまでやってきたことが20種類あったら、求人ポジションに合わせて12~3個に絞って、7~8個は削る」といった形で進めると良いと思います。
ポイントは、求人企業に対して「企業が求めているポジションと、自分の経歴がいかにフィットしているか」を伝えることです。
Point4)定量的に書く
よく言われることですが、職務経歴書は「定量的」に書くことが大切です。
例えば、「お客様に大変喜ばれた」といった表現は、第三者はその程度を知ることができません。また、「主観的、感覚的にしか物事を捉えられていない」と評価されてしまうリスクもあります。
アピールする事柄は、なるべく「数値」に落とし込むことが大切です。
「売上や会員数、またはPV数などが何パーセント増えた」であったり、「結果として作業時間がこれだけ短縮できた」などの定量的な説明を意識すると良いでしょう。
Point5)「ボランティアをやっています」等の副次的なものは程ほどに。
プライベートでの活動(ボランティア)などは、書いても書かなくても、書類通過や採用にそこまで影響は無いと見たほうが良いでしょう。
他の候補者と比較検討になった際に、その人と甲乙つけがたいくらいの同評価だったら効果はあるかもしれませんが、その他ではあまり効果を期待しない方が良いと思います。
たまに、経営層の価値観とマッチした等のラッキーパンチもありますが、やや運要素の強いPRと言えます。
また、そうした副次的なPRをたくさん書いてしまうと、「仕事でアピールできないから、そこでアピールするのかな?」と思われてしまうリスクもあるでしょう。
Point6)「レジュメはラブレター」の意識で書く。
レジュメ(職務経歴書)は、「企業へのラブレター」と思って書くと良いです。
例えば、気になっている異性に「私はたくさんのスキルと知識がある。だから付き合ってください」とラブレターを書く人はいないでしょう。
それよりも、「あなたはきっと、こういう人を求めていますよね。私はまさにそういう経験をしてきています。つきましては、私と付き合ってくれませんか」といった形でアプローチする方が成功確度を高められるはずです。
ポイントは、「相手を基点」にあなた自身のペルソナを作っていくこと、──つまり、「顧客視点」を持って職務経歴書を書いていくことです。
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キャリア相談は、社内の人や身近な人よりも転職エージェントに

30代の転職でもう1つ重要な視点として、相談する相手を間違えないことが挙げられます。
同年代の同僚や知人は、転職の経験がないか、たとえ経験していても本人が見聞きした範囲内でしかアドバイスができないケースが大半だからです。
30代になると、歩んできたキャリアや経験してきた業務が人によって大きく異なります。
学生時代の就活のときとはちがい、皆が同じスタートラインに立っているわけではありません。
転職して個人的に「良かった」「失敗だった」といった感想を聞くことはできても、その感想がこれから転職しようとしている自分自身にも当てはまるとは限らないのです。
より客観性の高いアドバイスをしてもらうには、第三者である転職エージェントに相談するのが得策です。
転職活動の際には、殆どの人が「転職エージェント」を利用しています。
その主な理由は、国内の少なくない企業がハローワークや転職サイトではなく転職エージェントのみに「非公開求人」を出しているからです。

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ですが、私たちが転職エージェントを利用する際は「求人を紹介してくれる人」としてではなく、「転職活動全般を相談できる人」として活用したほうがより効果的でしょう。

上記図で表す通り、「求人紹介」は転職エージェントが提供するサービスの一部でしかありません。
それ以外のサービス、例えばキャリアプランのアドバイス(キャリア相談)、書類添削、面接対策などの選考通過のためのサポートも受けることによって、転職成功の確度を高めていけるはずです。
ただし、転職エージェントは国内多くのサービスがあり、またどの担当者が付くかによってもサポートの提供のされ方が変わります。
あなたに合った転職エージェント(または担当アドバイザー)を見つけるためにも、はじめに2~3つのサービスに登録して、利用のしやすさやコミュニケーションの取りやすさを比較しておくことをおすすめします。
転職エージェントのキャリアアドバイザーは、今のあなたと同じタイミングで転職を決断した人のモデルケースを複数経験しています。
キャリアプランが現実的なものになっているか確認する意味でも、転職エージェントを活用することは非常に有効な手段といえます。

- 武蔵野
さん -
キャリア相談は、転職エージェントにした方が良いです。
会社の人にキャリア相談をしづらいときも多いでしょうし、すでに転職した人や社外の人は無責任に「辞めたほうが良いじゃない」と言いがちです。ですが、本当に辞めるべきかはしっかり考えるべきですし、感じなのは「辞めた後にどうするか」ですから。若い頃は誰しも、「キャリアの道筋」といっても3本道くらいしかイメージを持てないものです。ですが、その人が知らないだけで本当は10本も20本もあるものです。
だから第三者に訊くのが大事なんですが、同じ会社にいる先輩達もせいぜい4本か5本くらいしか知らないものです。
そういう意味でも、キャリア相談は様々なキャリアの道筋を知っている転職エージェントに訊いた方が断然効果的です。
転職エージェントの見極めも大事
転職エージェントは転職希望者へのアドバイスを行うプロフェッショナルですが、万人にとって最適なアドバイスができているとは言い切れない面があります。
同じ転職エージェント内でも、担当アドバイザーによってアドバイスの方針が微妙に異なることは十分にあり得るでしょう。ときに、転職者の希望よりも自社の売上を優先するアドバイザーもいます。
アドバイザーが言うことだからと鵜呑みにするのではなく、転職エージェントが自分に合っているかどうかを見極めることが大切です。
転職エージェントの担当キャリアアドバイザーの見極めの際には、以下の3点をチェックしておくと良いでしょう。

転職エージェントの利用で自分に合ったアドバイザーを見分けるポイント3つ
- キャリア相談に、親身に乗ってくれるか
- 求人を紹介する際に、「何故おすすめなのか」についてきちんと納得できる説明をしてくれるか
- 求人紹介の量・その後の連絡ペースが、適切と感じられるか
例えば、2つ目の「何故おすすめなのかを説明してくれるか」については、担当のキャリアアドバイザーより求人を紹介された際に、「なんでこの企業を私に薦めたんですか?」「このなかで、いちばんお薦めだと思うのはどれですか?また、その理由は?」といった質問をしてみるのです。
その回答を聞けば、相手がしっかり考えて紹介しているかどうかがわかるでしょう。
あまりきちんと考えて求人紹介していないと感じられた場合や、何回かのコミュニケーションを経て「相性が合わない」と感じられるようでしたら、他の転職エージェントにシフトしていくか、またはキャリアアドバイザーの担当変更を検討することをおすすめします。
転職エージェントそれぞれの特徴を理解した複数利用を
30代の転職で活用するとしたら、この年代の転職支援に強いエージェントを選ぶ必要があります。
若手やシニア世代の転職に注力している転職エージェントでは、30代のミドル世代を転職成功へと導くノウハウとしては弱い可能性があるからです。
また、転職エージェントには各社に得意分野があります。どの転職エージェントでも同じではないので、自分にとって適した特徴を持つ転職エージェントに登録することが転職成功率を高めることにつながります。
その上で、転職エージェントは1社だけではなく、複数を併用することを検討しましょう。
各エージェントが独自に非公開求人を抱えているため、ある転職エージェントでは紹介されなかった企業が別の転職エージェントではすぐに紹介してもらえた、といったことも十分にあり得ます。
キャリアアドバイザーの助言に関しても、複数の転職エージェントを活用することで比較しやすくなります。
自分に最も合ったアドバイスをしてくれるのはどの転職エージェントなのかが見極められるため、最終的にどのキャリアアドバイザーを頼りにしたらいいのかを決めやすくなるはずです。
3)30代の転職におすすめの転職エージェント(タイプ別に紹介)
現在、国内に転職エージェントは17,000以上もあります。当然ながら、それら転職エージェントにはそれぞれ特徴があり、「どの転職エージェントも一緒」ということはありません。
そこで、あなたに合ったサービスを見つけやすくするためにおすすめの転職エージェントをパターン別にピックアップしました。
30代のタイプ別おすすめ転職エージェント
どれか一つのタイプではなく、複数のタイプが当てはまるという人もいるでしょう。
その場合は、それぞれのタイプでおすすめしているサービスを見て、自分にマッチしそうなサービスを2~3ピックアップしてみてください。
なるべく早く転職したい、積極的に求人提案を受けたい人はdoda・リクルートエージェント・ワークポート

30代の転職で、「なるべく早く転職したい」、「積極的に求人提案を受けたい」という人はdoda、リクルートエージェント、そしてワークポートのサービス利用がおすすめです。
doda、リクルートエージェントは共に国内最大手の人材紹介会社として、豊富な求人と充実したサービス体制があり、「的確かつスピーディな対応」への評判が高く、職務経歴書などの書類添削や応募企業の情報収集、面接対策についても、これまでの実績に基づいた適切なサポートを行ってくれます。
ワークポートはIT・Web業界への転職支援に強い転職エージェントで、かつキャリアアドバイザーからの積極的な求人提案をしてもらえると評判です。ITエンジニアやWebディレクター・プロデューサーといった職種への転職を希望される30代の方にマッチしやすいでしょう。
ただし、これら大手転職エージェントは若手のキャリアアドバイザーも多く、当然その品質は一定ではありません。
相性の良くないアドバイザーや経験の浅いアドバイザ―が担当になったときにうまくリスクヘッジできるように、複数の転職エージェントに登録しておきサポート品質を比較確認できるようにしておいた方が良いでしょう。
サービス名 | 特徴 |
---|---|
![]() doda |
|
![]() リクルートエージェント |
|
![]() ワークポート |
|
キャリアアドバイザーにじっくり相談してもらいたい人はマイナビエージェント・パソナキャリア・JACリクルートメント

転職エージェントでキャリア相談をしたい方、また今回の転職活動に不安を感じている方は、じっくり相談を聴いてもらえる転職エージェントがおすすめになるでしょう。
相談をどれだけ聞いてもらえるかは担当となるキャリアアドバイザーによっても変わってきますが、以下の転職エージェントは「話をよく聞いてもらえた」という評判が多いです。
マイナビエージェントは20代~30代前半の若手社会人向けの転職支援に強く、JACリクルートメントは年収600万円以上のリーダー・管理職層の転職支援に強いです。パソナキャリアは全年齢に満遍なく対応している転職エージェントです。
サービス名 | 特徴 |
---|---|
![]() マイナビエージェント |
|
![]() パソナキャリア |
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![]() JACリクルートメント |
|
キャリアアップ転職を目指す人は、JACリクルートメント、ビズリーチ、パソナキャリアハイクラス

今回の転職で、「キャリアアップや年収アップを果たしたい」という方は、ハイクラス向けの転職サービスを利用すべきでしょう。
好待遇の求人はピンポイントのタイミングで募集されることが多く、その殆どが「非公開求人(転職サイト等一般の求人媒体には紹介されない求人)」か、それぞれの転職エージェントのみが持つ「独占求人」です。
よって、ハイクラス向けの転職エージェントは「中長期的に利用する」イメージで、かつ複数登録しておくのがおすすめです。
以下に紹介するのは、30代向けの転職支援実績の豊富な、ハイクラス向けの転職エージェント(一部ヘッドハンターサービス)です。
サービスの特徴を見て、自分に合いそうと感じたものから登録を検討してみてください。
サービス名 | 特徴 |
---|---|
![]() リクルートダイレクトスカウト |
|
![]() JACリクルートメント |
|
![]() ビズリーチ |
|
![]() iX転職 |
|
専門スキルを活かしたい人は、「特化型」の転職エージェント

ITエンジニアや管理業務、マスコミや介護など、これまで培った専門スキルを活かしての転職を検討している人は、「特化型」の転職エージェントがおすすめです。
特化型の転職エージェント利用いちばんのメリットは、担当となるキャリアアドバイザーがその分野の業界情報やトレンドに詳しいということです。
20代で一定の知識・経験を培いつつ今後もキャリアを積み上げる為にどのような知識やスキルの開発が必要かであったり、応募する企業でどのような知識・スキルが求められるかについて、具体的なアドバイスを貰いやすいでしょう。
各分野別のおすすめ特化型転職エージェント
分野 | サービス名 | 特徴 |
---|---|---|
IT・Web | ![]() マイナビITエージェント |
■手厚いサポートを受けたい全国のITエンジニアの転職におすすめ
|
![]() レバテックキャリア |
■都市部でキャリアアップを目指すITエンジニアの方におすすめ
|
|
マスコミ | ![]() マスメディアン |
■テレビ・書籍・Web等のメディア系事業を目指す転職者におすすめ
|
アパレル | ![]() クリーデンス |
■アパレル・ファッション業界を目指す転職者におすすめ
|
経理・財務、人事、管理業務 | ![]() ジャスネットキャリア |
■会計、税務、経理・財務分野の転職におすすめ
|
![]() MS-Japan |
■管理部門(経理・財務・人事・総務・法務等)の転職におすすめ
|
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外資系 | ![]() ランスタッド |
■製造業・ものづくり業、医療機器・医薬品業界の好条件求人が豊富
|
![]() エンワールド |
■質の高いグローバル求人を提案してもらえる
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![]() ロバート・ウォルターズ |
■外資系企業・日経グローバル企業の転職におすすめ
|
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製造系エンジニア | ![]() メイテックネクスト |
■製造系エンジニアへの転職を目指す人におすすめ
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介護 | ![]() きらケア |
■介護・福祉分野への転職を目指す人におすすめ
|
![]() かいご畑 |
■はじめて介護職を目指す人、資格取得を検討中の人におすすめ
|
まとめ)30代の転職は「キャリアプランの俯瞰」を大切に

企業からの印象が良く、転職に適した年代といわれる30代——。転職によってキャリアアップを目指せるチャンスも豊富にあることから、好条件の求人に惹かれる人も少なくないでしょう。
しかし、30代以降のキャリアを考えたとき、「これまで」よりも「これから」のキャリアのほうがはるかに長く、紆余曲折に遭遇することが予想されます。
転職を決断するとき、直近の仕事と転職直後に取り組みたいことにフォーカスしがちですが、より長い目でキャリアを捉え直し、俯瞰する視点を持つことが転職成功のカギを握っているといえるでしょう。
キャリアを俯瞰しておくことは、転職後に新たな環境へと適応し、着実に能力を発揮していく上でも欠かせないプロセスです。
近視眼的にならず、キャリアを大きな枠組みで捉える視点を持つことを心がけましょう。そうすることで、のちのち「決断してよかった」と思える転職にできるはずです。
参考:30代の転職で「やや失敗」~「失敗」と回答した人のコメント(一部抜粋)
入社して約1年経ちましたが、正直、新しい仕事ではまだ何も「成功」と言えるような活躍はできていません。
知識も経験も全く足りませんでしたが、やはり中途採用のため、周囲からは「ある程度できて当然」というプレッシャーをかけられます。そうして、大した経験も出来ていないまま、入社2ヶ月目に店長としての辞令が出たのです。
いざ店長になってみると、自分の仕事の出来なさを更に感じさせる結果になりました。責任のある業務、スタッフの育成や管理、専門的な知識の活用──店長として活動するには、すべてが経験不足でした。
最近は、以前からの周囲のプレッシャーは更に強くなり、精神的にも疲弊してきています。悔やまれることは、転職活動中や入社前においては業界の知識や経験を、もっと自分から積極的に取り入れるべきでした。
引用元:転職体験談:パチンコ業界から、未経験のアパレル業界へ転職。
入ってからが大変でしたね。
経験のない業種ということもあり、必死でメモを取りながら仕事を覚える毎日で。
職場の人間関係には恵まれていたと思います。・・・ですがその一方で、「受け身の姿勢が目立つ」と指摘されることも何度かありました。
どうやら私には、「わからないことを聞く、より効率的な仕事のこなし方を考える」という、社会人としては基本的な「積極性」がやや欠ける面があったのです。
これまでの仕事で、オペレーターなど「待つ仕事」が多かったことが起因していたのかもしれません。
引用元:転職体験談:派遣から正社員になるために、30歳で未経験の飲食業へ転職。
私が入った事務所は少人数のため、一人一人の能力がとても重宝される現場でした。
少人数の方が、あまり厳しくない環境で働けるかな?と思っていましたが、私の読み違いでした……。
とにかく「より高度なスキル」を求められる業界でしたので、たかだか数か月勉強して資格を持った私では、はじめのうちはまったく歯がたちませんでした。
そのうち(なんて私はダメなんだ)と、自分を責めるようになってきて、精神的にもかなり追いつめられていました。
そこからは負の連鎖です。上司からは、「ちょっと、まだこんなミスしてるの? 一体いつになったら仕事してくれるのよ」といった叱責をしょっちゅうされるようになって。怒られれば怒られるほど、消極的な仕事しかできなくなっていきました。
引用元:私の転職体験談:社会労務士の資格を取り、転職。しかし、待っていたのは戦いの日々。