介護資格の種類を総まとめ!未経験から取るべき資格とは
[最終更新日]2023/02/24

「これから介護士を目指したいけど、どんな資格があるの?」
「未経験だけど、取るべき介護の資格ってどれだろう?」
「給料や転職で有利になる介護の資格を知りたい…」
インターネットや本で調べても介護の資格は種類が多く、一体どれを取得すればいいか迷いますよね。
目次
1)介護資格の種類は大きく分けて3つ
介護業界では「国家資格」「公的資格」「民間資格」という3つの種類があります。

- 国家資格…国が認定している資格。信頼度が高い
- 公的資格…国家資格・民間資格の中間に位置する資格。公益法人や民間団体が研修や資格試験を実施し、地方自治体が発行する。厚生労働省が定めるキャリアパスに含まれるものもあり、信頼度は上がっている。
- 民間資格…企業などが独自に作成している資格。法律などの規定がなく、信頼度はそれほど高くないが、ニッチな分野を学習できるなどのメリットも
国家資格 > 公的資格 > 民間資格という順に信頼度が高く、上位になるにつれて取得難易度は上がります。
またそれぞれの主な資格は以下のとおりです。
資格・研修名称 | |
---|---|
国家資格 | 介護福祉士 |
公的資格 | ・介護支援専門員(ケアマネージャー) ・介護職員初任者研修 ・介護福祉士実務者研修 ・福祉用具専門相談員 ・福祉住環境コーディネーター |
民間資格 | ・レクリエーション介護士 ・認知症ケア専門士 ・介護予防運動指導員 ・介護事務(ケアクラーク) ・手話技能検定 ・サービス介助士 |
介護資格は大きく分けて3つに分けられるということを覚えておくと、キャリアアップに向けて現在必要な資格が整理しやすいのでオススメです。
2)キャリアアップを目指すなら取るべき介護資格4種類
介護資格を未経験から取得するのであれば、最初は以下の4種類を理解しましょう。

- 介護職員初任者研修
- 介護福祉士実務者研修
- 介護福祉士
- 認定介護福祉士
これらは厚生労働省が定めるキャリアパスに含まれており、国が公式に取得を勧めている資格となります。
そのため就職や転職でも役立つことが多いです。さらにそれぞれの資格は内容的に繋がっていることがほとんどなので、キャリアパスとしてわかりやすいのがメリット。
そんな4種類の介護資格について、詳しく解説していきます。
介護職員初任者研修
- 受講資格…特になし
- 受講時間…130時間
- 取得条件…130時間の講習を受け、筆記試験に合格
- 受講料の目安…5万円~15万円ほど(研修実施校によって異なる)
介護職員初任者研修は「介護のスタート資格」と言われている介護資格です。
介護に携わったことのない未経験者を想定している資格であり、研修では介護の基礎知識や、基本的な介助技術などを学ぶことができます。
取得時間も3か月程度と短いため、介護業界への就職・転職を始めて検討している…という方は介護職員初任者研修の取得を目指しましょう。
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介護福祉士実務者研修
- 受講資格…特になし
- 受講時間…450時間(初任者研修を修了している場合は一定時間の免除あり)
- 取得条件…450時間の講習を受け、筆記試験に合格
- 受講料の目安…10万円~20万円(初任者研修を修了している場合は一定額の免除あり)
介護福祉士実務者研修は介護職員初任者研修の次に取るべき資格です。介護職員初任者研修を取得していれば、そのぶんの講習時間や費用が減ります。
内容としては「たん吸引」「経管栄養」などの医療的ケアについて学ぶことができます。学習範囲は広がりますが、そのぶん就職活動や転職活動ではアピールになりますね。
また介護福祉士実務者研修は、上位資格である「介護福祉士」の受検資格の1つとなっているのも大きな特徴。そのためキャリアアップや給料アップを図るうえでは必要不可欠な資格の1つといえます。
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介護福祉士
- 受講資格…(実務経験ルートの場合)実務経験3年以上+介護福祉士実務者研修の修了 ※例外アリ(養成施設ルートの場合)指定された養成施設を卒業
- 取得条件…(実務経験ルートの場合は)筆記試験での合格
- 受検手数料…15,300円
介護業界で唯一の国家資格が「介護福祉士」です。
実務経験が3年以上必要という受講資格をみてもわかるとおり、プロフェッショナルとして専門的な知識や技術を習得することが求められます。
また人材育成などリーダー的な役割も持つようになることで仕事の幅が広がるのはもちろん、給料アップなどが図れるのは大きなメリットといえますね。
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認定介護福祉士
- 受講資格…介護福祉士として5年以上の実務経験
- 取得条件…認定介護福祉士養成研修Ⅰ類・Ⅱ類の受講、修了
- 受検手数料…およそ60万円(長野)
介護福祉士のさらに上位に位置する資格が「認定介護福祉士」です。
2015年に認定機構である「一般社団法人認定介護福祉士認証・認定機構」が設立され、現在50名以上の認定介護福祉士が誕生しています。
また認定介護福祉士は介護士の最上位資格として専門的な知識・行動な技術を有するのはもちろん、他職種や地域との連携、現場の人材育成など総合的な能力が求められるのも特徴の1つ。
ただし現在は受検手数料が高い、受講資格の難易度が高いなどのデメリットもあるため、介護士としてキャリアを積んでから取得を検討しましょう。
3)介護福祉士の取得方法について

介護業界で唯一の国家資格である介護福祉士には、大きく分けて3つの取得ルートがあります。
- 実務経験ルート…介護福祉士実務者研修の修了+実務経験3年以上。仕事しながら資格の取得を目指せる
- 福祉系高校ルート…指定された福祉系の高校を卒業することで取得できる
- 養成施設ルート…専門学校など、指定された養成施設を卒業することで取得できる
上記のうち「実務経験ルート」では介護士として実際に働き、生活費を稼ぎながら取得を目指すことが可能です。
実務経験3年などの条件を達成し、介護福祉士試験に合格すれば晴れて介護福祉士となります。そのため毎日学校に通うことが難しい社会人の方は、実務経験ルートを選択しましょう。
4)その他に取るべき介護系の資格6種類を紹介【職種紹介も】
これまでに紹介した資格以外にも、取得するとキャリアアップで有利となる資格は存在します。
その主な資格は以下のとおり。

- 理学療法士
- 作業療法士
- 社会福祉士
- 介護予防運動指導員
- 介護事務(ケアクラーク)
介護関連の就職・転職で評価が高い国家資格、民間資格を中心に選んでいます。それぞれの資格とそれに伴う仕事内容について、詳しく見ていきましょう。
理学療法士
理学療法士はケガや病気で身体に障害を持つ方や、高齢者などに対して座る、立つなどの基本動作が行えるよう医学的なリハビリテーションを行う仕事です。
理学療法士の資格を取得するためには4年制大学や短期大学などの養成施設に通うことが必要ですが、そのぶん業務の幅は大きく広がります。
給料も通常の介護士より数万円程度アップすることが多いですね。
作業療法士
作業療法士は「食事をする」「文字を書く」といった生活動作が行えるよう、より細かい動作のリハビリテーションを行う仕事です。
取得する際は理学療法士と同じく養成施設に通います。1~2年次は理学療法士と共通の科目が大半であり、それ以降は「精神分野」などを学習するようになるという差がありますね。
なお作業療法士も理学療法士と同様、介護士より給料がアップすることが多いです。
社会福祉士
社会福祉士は日常生活を送ることが難しくなった方に対し、助言や相談・指導などを行う仕事で、国家資格です。
介護施設はもちろん、児童相談所や学校、障がい者福祉施設、社会福祉協議会などさまざまな場所で需要があります。
そのため人材としての市場価値が大きく上がるのはもちろん、生活相談員など職種としての幅も広がるのが特徴です。
介護予防運動指導員
高齢者の介護予防に向けたトレーニングやプログラムを考え、運動指導を行うのが介護予防運動指導員です。
東京都健康長寿医療センターが資格認定を行っており、資格取得のための研修を受講するためには介護・医療関連の資格を所持している必要があります。
就職や転職で有利になるのはもちろん、運動や健康促進に興味のある方はやりがいが大きい仕事といえます。
介護事務(ケアクラーク)
介護事務(ケアクラーク)とは、介護施設などにおいて受付業務や、請求業務などの事務作業を行う仕事です。
じつは介護事務という職種に就くうえで、資格所持は必須ではありません。しかしレセプト作成と呼ばれる介護報酬(市町村など介護サービス運営主体から支払われる、介護サービスの利用料)の請求業務を担うため、勉強という意味で介護事務関連の資格取得を目指す人は多いです。
なお介護事務になる上で有利な資格としては…
- 介護事務管理士
- ケアクラーク
- 介護保険事務士
- 介護保険事務管理士
…などが挙げられます。それぞれ実践的な知識を身につけられるため、比較検討したうえで取得を目指しましょう。
無資格でも介護の仕事はできるの?
身体介助やたん吸引など専門的な仕事でなければ、介護資格を持っていなくても就職・転職することは可能です。
実際に筆者は無資格の状態でグループホーム、デイサービスなどでレクリエーション業務等を手伝っていました。
そのため介護現場で経験を積みつつ、今回紹介した介護資格の取得を目指すのもオススメです。
5)介護の転職エージェントに相談しよう
介護業界に就職・転職する上で最も重要なのは「情報」です。
今回紹介したような介護資格の有無はもちろん、介護施設の種類や地域によって仕事内容や雰囲気、福利厚生などは大きく変化します。
そこでここからは介護に関する情報を集め、就職や転職を有利に進められる介護転職エージェントを4つご紹介します。
きらケア
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介護系転職サービスでトップクラスの求人数。担当エージェントのサポート品質においても高評価の高いサービスです。
きらケアは介護・福祉に特化した転職サービスの中ではとくに求人数が多く、「なるべく多くの介護求人を比較検討したい」という人におすすめです。
求人紹介やサポートを介護・福祉業界に詳しいエージェントが担当してくれるため、様々な希望条件を適えながら適切な求人紹介をしてもらえるでしょう。
なお、きらケアでは派遣社員として登録をする方向けに介護未経験・無資格の転職者のサポートも行っています。
転職を機に介護の仕事デビューをしたい人も、きらケアはおすすめです。
サービスを利用した人の評判・口コミからは、「担当エージェントのサポート」に対する高評価が多数見受けられます。
きらケアの特徴
特徴 |
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サービス対応地域 | 全国 |
公開求人数 | 約5.1万件(2022年10月現在) |
きらケアは正社員向け転職と派遣社員転職とで窓口が分かれています。派遣社員として働くことを予定している方はこちらよりご登録ください。
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かいご畑
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かいご畑は介護・福祉系の転職支援に特化した、転職エージェントです。
同サービスの大きな特徴は、「無資格/未経験からの転職支援に強い」、「働きながら資格取得できる仕組みがある」の2点。
サポートにあたっては転職者一人一人に専任のコーディネーターが就き、現在の経験と希望条件をヒアリングしたうえで、キャリアへのアドバイスと求人紹介を行ってくれます。
働きながら資格取得を目指せる「キャリアアップ応援制度」では、介護の中級・上級資格である「実務者研修」「介護福祉士」への対策講座を無料で学ぶことができます。
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かいご畑の特徴
特徴 |
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サービス対応地域 | 北海道、東京、埼玉、千葉、栃木、群馬、静岡、愛知、大阪、京都、神戸、広島、福岡 |
公開求人数 | 約1.0万件(2022年10月現在) |
「まずは業務に慣れてから、徐々にキャリアアップを目指したい」という人は、かいご畑の「キャリアアップ応援制度」の活用がおすすめです。
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ジョブメドレー介護の特徴
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サービス対応地域 | 全国 |
公開求人数 | 約20万件(2022年10月現在) |
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