「キャリアの棚卸し」は簡単にできる!キャリアの振り返り・棚卸しの可視化法
[最終更新日]2021/02/23

人生をより充実したものにするためにも、何が自分にとって最善かを考えるのは大事なことですよね。
その中でも、「仕事」が人生の大半を占める人は多いでしょう。
「自分に合った仕事って何だろう?」
「今の仕事って自分に本当に合ってるのかな?」
など、「自分の今後のキャリアの歩み方をどうするか」について考えたことは誰しもあるはずです。
とは言っても、「具体的にどう考えたらいいか」がわからず、考えがまとまらないままになってしまうこともあると思います。
そんな時、「キャリアの棚卸し」を行うことは、非常に効果があります。
目次
1)キャリアの棚卸しとは
キャリアの棚卸しとは、「これまでの自分のキャリアで何をやってきたのかを全て洗い出すこと」です。
これを聞くと、
「何か特別に成し遂げたことはないな…」
「まだそこまで長くキャリアを積めてない…」
と、何か目立った功績を探そうとする人もいるかと思います。
もちろん、明らかな功績があれば、面接などでアピールポイントになるでしょう。
ですが、キャリアの棚卸しでは「出してきた結果」を振り返るよりも、「業務の過程」を振り返ることが重要なのです。
普段行っている業務だとしても、そこにはあなたのスキルや人間性が反映されているはず。
むしろ自然とこなしている仕事だからこそ、あなたが気づかない自身の特徴や強みを見つけることができるかもしれないのです。
つまり、キャリアの棚卸しは、過去の業務を通してありのままの自分を理解するという、「ひとつの自己分析」と言えるでしょう。
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キャリアの棚卸しで得られる効果
では、実際にキャリアの棚卸しをすることでどんな効果があるのか、具体的に見ていきましょう。

まず一つ目が、「今後のキャリアプランを考える土台になる」ことです。
キャリアの棚卸しを通して、あなた自身の特徴や強みをより深く理解することができれば、向いている職種や業種を考える材料になります。
次に、「転職活動の際に、職務経歴書をスムーズに、かつ高品質に作成できる」ことです。
職務経歴書においてあなた自身の強みや特徴を書くときに、キャリアの棚卸しを通して振り返った具体的な業務やエピソードがあれば、より説得力を持たせることができますよね。
このように、キャリアの棚卸しをすることで、これから先のキャリア形成と、そして転職に向けての具体的な行動に活かすことができるのです。
2)キャリアの棚卸しの進め方

「キャリアの棚卸しが重要なのはわかったけど、どうやってやればいいの?」
キャリアの棚卸しは漠然と取り組んでみても進まないので、ある程度手順に沿っていくことで効率的に進めることができるでしょう。
それでは、キャリアの棚卸しは具体的にどのように行っていけば良いのかを見ていきましょう。
以下、3つの手順に沿って説明していきます。
- STEP1 「自分は今、仕事で何ができるのか?」を考える
- STEP2 出てきたスキル・知識に対して、「好きか・嫌いか」を考える
- STEP3 「その先の未来に何があるのか」を探求する
STEP1 「自分は今、仕事で何ができるか?」を考える
まずは、自分がこれまで行ってきた業務内容を箇条書きで出していきましょう。
例えばこれまで「営業」の仕事をしていた人は、以下のような業務を書き出していきます。
- 営業事務作業
- 企画書・提案書の作成
- サービス進捗のデータ入力
- 定例会議の参加
今回は例として4つほど書き出しましたが、項目はもっとたくさん出しても構いません。
そして、それら業務を遂行するうえで「必要な知識・スキル」は何かを洗い出していきます。

「必要な知識・スキル」は必ずしも現在あなたが会得していなくとも構いません。
STEP2 出てきたスキル・知識に対して、「好きか・嫌いか」を考える
続いては、STEP1で導き出した「必要な知識・スキル」について、あなた自身が「今後もやっていきたい」「もっと知識・スキルを伸ばしていきたい」と思えるものに印を付けていきます。

上の図では、例として「提案力」、「企画力」、「資料作成力」、「調査業務」に印が付いています。もちろん、どれに印を付けるかはその人によって大きく変わるはずです。
あなたの正直な気持ちで、「この分野について、今後も携わっていきたい」と思えるものに印を付けて行きましょう。
ここでのポイントは、印をつける際に、「得意かどうか」で選ぶのではなく、「今後もやっていきたいと思えるか」または「(その項目に対して)もっと高みを目指していきたいか」を判断軸にして選ぶことです。
「得意なこと」と「好きなこと」が必ずしも同じであるとは限りませんよね。
ですが、「自分が興味を持てるもの、好きだと思えるもの」とは、特に意識せずとも積極的な行動を起こしやすく、自然と知識・スキルが培われていくものです。
これから先、自分自身が納得できるキャリアを歩んでいくためにも、「この分野には興味・関心を持てる」と思えるものに対して積極的に印を付けておくと良いでしょう。
キャリアの棚卸しは、過去の仕事を振り返ることが目的ではありません。それよりも、「自分の可能性を探していく」ことを大切にするべきです。
できるだけ多くの「今後も習得していきたい・伸ばしていきたいと思える知識・スキル」に注目して、将来の可能性を狭めないようにすると良いでしょう。
STEP3 「その先の未来に何があるのか」を探求する
STEP2で「今後も習得していきたい、伸ばしていきたい知識・スキル」が見えてきたら、続いては「今後その知識・スキルを使ってどんな働き方・仕事ができるか」について考えていきます。

上の図では、「提案力・企画力・資料作成力・調査業務」を伸ばしていくことによって、「サービスプランナー」や「プロデューサー」としての活躍ができそうだという結論に至っています。
「どんな活躍ができるか」で具体的な働き方や職種のイメージが付かないという方は、以下の「働き方・職種一覧」を参考にすると良いでしょう。
職種・業種例 | 働き方イメージ(※一例) |
---|---|
営業 | • 営業エキスパート • 企画営業 • 商品企画 • マーケティング • チームリーダー・管理職 …等 |
管理業務(総務・人事・経理・事務等) | • 財務・会計・経理 • 人事・総務・労務 • 広報・IR • 物流・購買管理 • チームリーダー・管理職 …等 |
・経営企画・マーケティング |
• 事業開発・事業戦略 • サービス企画・商品開発 • マーケティング • 管理職・事業責任者 • 専門スペシャリスト • 人材開発 • 店舗開発 …等 |
サービス・販売・外食 | • 商品企画 • マーケティング・宣伝 • 広報・IR • 専門スペシャリスト • ビジネスコンサルタント • プロデューサー・商品開発 • 人材開発 • チームリーダー・管理職 …等 |
IT・Web・インターネット・ゲーム | • プランナー・ディレクター • プロデューサー • デザイナー • ITエンジニア・SE・ITコンサルタント • マーケティング・データサイエンティスト • チームリーダー・管理職 …等 |
クリエイティブ(広告・グラフィック関連、出版・印刷、映像・音響、ファッション・インテリア等) | • ディレクター・編集者 • 販売・企画営業 • プランナー(商品・サービス企画)・デザイナー • プロデューサー • マーケティング・データサイエンティスト • チームリーダー・管理職 • 人材開発 …等 |
専門職(コンサルタント・士業・金融・不動産等) | • 企画営業 • ビジネスコンサルタント • 専門エキスパート • 営業・企画営業 • 分析・マーケティング • チームリーダー・管理職 • 人材開発 …等 |
エンジニア(機械・電気・電子・半導体・制御) | • 開発・研究・設計 • 組み込みエンジニア • セールスエンジニア・サポートエンジニア • プロダクトマネージャー • 品質管理・製品管理・生産管理 • チームリーダー・管理職 • 人材開発 …等 |
素材・化学・食品・医療品技術職 | • 生産・製造 • 開発エキスパート・研究者 • セールスエンジニア・サポートエンジニア • プロダクトマネージャー • 品質管理・製品管理・生産管理 • チームリーダー・管理職 • 人材開発 …等 |
建築・土木技術職 | • 施工管理・現場責任者 • 設計データ集計 • 品質管理・保守、メンテナンス業務 • 解体業務 • チームリーダー・管理職・人材開発 • 事務・書類作成・在庫管理 …等 |
上記表はあくまで一例です。これ以外にも様々な職種や働き方があります。
また、現在の職種の欄から「今後その知識・スキルを使ってどんな働き方・仕事ができるか」を選んでも良いでしょうし、異なる職種・業種から選んでみても良いでしょう。
ポイントは、「候補は1つではなく複数出しておくこと」、そして「導き出した働き方が、自分にとってポジティブな気持ちになれるものかどうかを確認すること」です。
人は、その為の時間と労力をかければ大抵の働き方は実現できるものです。
「今現在の知識・スキルではとても無理」とすぐに諦めてしまうのではなく、「この働き方を実現できたら、どんな未来が待っているんだろう」という観点で考えてみてください。
3)キャリアの棚卸しがうまくできなかった場合は
ここまで、キャリアの棚卸しの意味や効果、具体的な手順についてご紹介してきました。
もしかしたら、「手順に沿ってやってみたけど、自分に合う仕事がわからなかった…」、「本当にこれが自分の目指すべき道なのか、他の人からの意見も聞きたい」など、不安が残ってしまった人もいるかもしれませんね。
そんな時は、「キャリアコンサルタント」に相談してみると良いでしょう。
キャリアコンサルタントに相談してみよう

キャリアコンサルタントは、相談者のキャリアや働き方について一緒に整理していき、「今後どのようにキャリアを歩んでいけばいいのか」(具体的にはどんな職業を選択するかや、スキルの発見なども含む)という問いに対してアドバイスをしてくれます。
両親や先輩・友人に相談することも一つの方法ではありますが、キャリアコンサルタントはあなたのことを完全にフラットな目線で見ることができる、かつキャリアの専門家でもあるので、より客観的で具体的なアドバイスを与えてくれるでしょう。
転職エージェントなら、無料でキャリアコンサルティングが受けられる
キャリアコンサルティングを受ける場合は、一般的に費用がかかります。
ですが、「転職エージェント」に申し込むとキャリアコンサルタントからのサポートを無料で受けることができます。
転職エージェントは「今すぐに転職したい」と思っている人のみのサービスではありません。現在またはこれからのキャリア・働き方について悩んでいる人もサポートの対象としています。
つまり、転職における具体的な求人紹介ではなく、キャリア相談をメインにサービスを受けることも可能なのです。
転職エージェントは対面でのサポートをはじめ、電話やオンラインでの面談も可能となっているところがほとんどです。
次の章では、キャリア相談が可能な転職エージェントの具体的なサービスを紹介していますので、興味のある人は参考にしてみてください。
4) キャリア相談が可能な、サポートの厚いおすすめの転職エージェント
20代~30代前半は、マイナビエージェントがおすすめ
「マイナビエージェント」は、株式会社マイナビが運営する、国内でも有数の全国展開型の転職支援サービスです。
特徴としては、「20代~30代の求人に強い」ということが挙げられます。
20代30代では、「今後のキャリアをどうしていこうか」などに悩みを持っている人が比較的多い世代と言えますよね。
マイナビエージェントには、そんな20代30代の悩みに対して具体的なアドバイスができるキャリアコンサルタントが多く揃っています。
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本気で転職を目指している人は、リクルートエージェントがおすすめ
リクルートエージェントは、株式会社リクルートキャリアが展開する、国内最大手の転職エージェントサービスで、求人の豊富さは実質国内No1です(非公開求人数:約20万人 ※2020年10月 公式サイトより)。
リクルートエージェントの特徴は、その求人数の多さと、キャリアアドバイザーの品質の高さ。実際、利用される転職者の方々の99%が「リクルートエージェントのサービスに満足」と応えています。
現在キャリアの棚卸しと併せて転職も検討している方は、リクルートエージェントのキャリアコンサルタントは非常に力になってくれるでしょう。
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まとめ)キャリアの棚卸しをすることで、より良い人生を!

キャリアの棚卸しは、これまでのキャリアを全て振り返っていくので、ときに大変な作業になることもあるでしょう。
ですが、棚卸しを行って導き出した答えは、きっとあなたのこれからより良い働き方と人生に、大いに役立てられることでしょう。
「ひとりで考えるのが難しい」と感じる場合は、この記事で紹介したように転職エージェントの「キャリアコンサルタント」に相談するのも有効な手段です。
あなたにとって、より良いキャリア、人生を築いていけることを願っています。