AIエンジニアになりたい! 求められるスキル。実務未経験からの転職成功のポイントは?
[最終更新日]2021/03/03

現在、「AIエンジニアになろう」と考えている方は多いのではないでしょうか。最先端のシステムを自らの手で作る喜びは、何にも代えがたいものです。
ですが、AIエンジニアは憧れだけでなれる職種ではありません。
日進月歩で技術を追いかける必要があるITエンジニアのなかでも、とりわけ幅広く深い知識やスキルが求められます。一人前になるまでは相当の努力が求められますから、あらかじめ知っておくことが必須です。
目次
1)そもそも「AIエンジニア」ってどんな仕事?
コンピューターは人間が作ったプログラム通りに動くことが、これまでの定説でした。
AIエンジニアはデータの変化に応じて、コンピューターが自動で判断し動作するシステムづくりを担います。
これから幅広い分野での活用が期待されるAIですが、仕事内容はAIエンジニアならではの特徴があります。ここでは業務内容や年収イメージ、将来性やキャリアパスについてみていきましょう。
AIエンジニアの業務内容

AIエンジニアを知るためには、どのような仕事があるか、またどの分野で活用されているかを知ることが重要です。まずはこの点について、確認していきましょう。
AIエンジニアの仕事内容
AIエンジニアが担当する仕事内容には、以下のものがあげられます。
- AIシステムを企画する
- Pythonなどを使い、AIシステムを開発する
- データを準備しAIに学習させ、結果の評価を行う
- 最新技術の研究や調査
上記の工程は、他の職種と大きな違いはありません。ただし後で解説する通り、AIエンジニアには理数系の数学 を知っていること、Pythonなどのプログラミングスキルを持つことが前提です。
加えてAIは日進月歩の技術ですから、各自で業界誌や論文をリサーチし、最新技術を日々研究・調査することが欠かせません。このため、簡単になれる職種ではありません。
AIエンジニアは、さまざまな業種で求められる
AIエンジニアが働く場としては、IT企業や製造業が中心となります。一方でAIを使ったシステムを使う業種は、自動車などの製造業や金融、医療など、幅広いことが特徴です。また大学など、研究機関で働く道もあります。
より多くのAIが活用されるならば、AIエンジニアも今まで以上に必要です。今後AIエンジニアは、さまざまな業種の開発案件で求められることでしょう。
AIエンジニアの年収イメージは──。

AIエンジニアは高いレベルが求められるため、年収も他のIT系職種より高めであることが特徴です。求人ボックスの調査(2020年10月28日現在)によると、以下の通りとなっています。
- 平均年収は602万円。476~560万円の方が多い
- 年収幅は393~1,064万円と幅広くなっている
AIエンジニアの年収はシステムエンジニアの平均年収よりも高いですが、一方でAIエンジニアの年収幅が広いことを見逃してはいけません。
これはあなたのスキルや入社した会社により、年収が大きく異なることを意味します。
そのため「実力と経験があれば、給料もアップする可能性がある」と考えましょう。特にAIエンジニアになったばかりの方の場合、年齢に関わらず年収が低いことは我慢しなければなりません。
一方で、実力があれば年収1,000万円超えも期待できます。海外の企業では、特に優秀なAIエンジニアに対して数千万円から数億円の年収を提示する場合もあります。
AIエンジニアの将来性

AIエンジニアは、将来性がある職種といえます。それはAIを取り入れる業界が次々と現れている一方で、開発に従事する技術者は不足しているためです。
情報処理推進機構は「IT人材白書2019」において、AI人材の過不足を調査しました。これによるとIT企業において、今後5年間でAI人材が不足すると答えた企業は全体の61.2% におよびます。
AIの活用はウィズコロナの時代にも合致する動きですから、重要な開発案件として扱われる場合も多いことでしょう。
このような状況ですから、多くのIT企業でAIエンジニアの募集が期待できます。一人前になるまでは大変な職種ですが、その後は高いスキルを生かし、さまざまな場面での活躍が可能です。
AIエンジニアのキャリアパス

AIエンジニアとして転職した場合は、すでに動いているプログラムをメンテナンスする保守・管理業務や難易度の低い業務を担当する場合が多いでしょう。
ここで実務経験を積み、難易度の高いプロジェクトに所属するなどのステップアップを目指すことになります。
その後のキャリアは、人によりさまざまです。
データサイエンティストや研究者になり、第一線の技術者として活躍することも、努力次第で可能です。なかには、学校の講師になる方もいます。
もちろん、プロジェクトマネージャーや管理職の道を選ぶこともできます。将来の希望に応じて、スペシャリスト・ゼネラリストどちらの選択も可能なことは、AIエンジニアの特徴です。
2)AIエンジニアで働く際に求められる知識やスキルは?
AIエンジニアで働く際に求められる知識やスキルは、多岐にわたります。代表的な3つのスキルを、以下に取り上げました。

- 機械学習に関する知識
- PythonやC言語、C++のプログラミングスキルも必要。ライブラリの知識も必須
- データ解析やデータベース、データモデリングに関する知識やスキル
AIエンジニアとして活躍するために、上記のスキルは必須です。それぞれ必要な理由を、順に解説していきます。
機械学習に関する知識

AIは、コンピューターが自ら学ぶ仕組みを作ることにほかなりません。コンピューターも機械の1つですから、AIエンジニアになるためにはあらかじめ機械学習について学び、コンピューターに対してどのように学ばせるか知る必要があります。
機械学習は、大きく以下の3つに分けられます。
学習方法 | 説明 | 代表的な例 |
---|---|---|
教師あり学習 | 未知のデータに対して判別を行う | 回帰や分類。多くのディープラーニングもここに当てはまる |
教師なし学習 | コンピューターにデータが持つ特徴や構造を分析させ、分類などを行わせる。データを学習させる際、正解かどうかという情報を与えないことが特徴 | クラスタリング、次元削減、GAN、主成分分析、アソシエーション分析 |
強化学習 | 成果(例えば報酬)が最大化するように自ら試行錯誤し、学習する。自転車にひとりで乗れるようになるイメージが代表例 | 囲碁AI、ロボットの歩行制御 |
エンジニアは開発したAIの効果を最大限に発揮するため、どの学習方法が適切か事前に選ばなければなりません。
このため機械学習の方法について、十分な知識を得ておく必要があります。これらの情報はさまざまな書籍で得られますから、積極的に学ぶことが欠かせません。
PythonやC言語、C++のプログラミングスキルも必要。ライブラリの知識も必須

AIエンジニアは、システム開発も主な業務の1つです。
なかでもPythonはよく使われる言語ですから、滞りなく組めるレベルまで引き上げることが求められます。
加えてPythonには機械学習に使われるライブラリが揃っていますから、これらを使いこなせるスキルも要求されます。代表的なライブラリには、以下のものがあげられます。
- scikit-learn
- Pandas
- genism
- TensorFlow
これらをただ使える、プログラムを組めるというだけでなく、意味も知っていることが必要です。
あわせてAIエンジニアには、C言語やC++のスキルも求められます。それは以下に挙げる2つの理由があるためです。
- Pythonのライブラリには、C言語やC++で書かれているものがある
- 案件によっては、C言語やC++が使われる場合がある
従ってAIエンジニアになるためには、複数のプログラミング言語とPythonのライブラリを使いこなすスキルが求められます。
データ解析やデータベース、データモデリングに関する知識やスキル

よいAIを開発するには、目的に合ったデータを選び、学習させる必要があります。
これにはデータ解析の手法を知っておくことが欠かせません。代表的なものにはクロス集計や回帰分析、決定木分析などがあります。データ解析の本などを活用し、事前に学習しておきましょう。
またAIは短時間で大量のデータを解析・処理する特性上、スピードも重要です。
効率よく処理するためには、データベースに関する知識も欠かせません。データベースには大きく分けて、以下の2種類があります。適切に使い分けられるよう、どちらも学ぶことが必要です。
- RDBMS(リレーショナルデータベース)
- NoSQL(RDBMS以外のデータベース)
加えてデータのパターンや構造などを知る上で、データモデリングの知識も必要です。このようにデータについても、学んでおくべき知識やスキルはたくさんあります。
3)AIエンジニアの転職を成功するために、意識したい3つのポイント
ここまで解説したとおり、AIエンジニアになるためにはさまざまな知識やスキルが必要です。
だからといってやみくもに準備しても、希望をかなえられるとは限りません。転職を成功させるためには、以下に挙げる3つのポイントを意識しておきましょう。

- 最低限の理数系の素養は必須。高校数学のレベルは押さえておこう
- 書籍やスクールなど、専門家が監修した情報を活用する
- IT業界に強い転職エージェントを活用する
それぞれについて、詳しく解説していきます。
最低限の理数系の素養は必須。高校数学のレベルは押さえておこう
AIエンジニアは機械学習の理論を理解するために、数学の知識が求められます。なかでも、以下の分野は重要です。

- 微分積分
- 線形代数
- 確率、統計
少なくとも、高校の理系クラスで習う数学の範囲をマスターしている必要があります。
AIエンジニアになりたい方は、これらの内容をしっかり復習しておきましょう。数学を専門に学んだ方は有利になりますが、油断せずに知識をチェックすることが重要です。
もし「文系クラスだったので微分積分を学んでない」という方は、参考書などを使って学ぶ必要があります。
このように「プログラミングができれば、なんとかなる」とはいえないところが、AIエンジニアの難しいところです。
数学の習得には時間がかかります。入社後は早速スキルを求められる可能性がありますから、早めに十分な備えをしておきましょう。
書籍やスクールなど、専門家が監修した情報を活用する
AIエンジニアになるために、事前に身につけておくべき知識やスキルはもりだくさんです。
「スピーディーに学べる方法はないか」と考えている方もいるのではないでしょうか。
楽して学べる方法はありませんが、AIエンジニアで必要なスキルを効果的に学ぶ方法はあります。代表的な方法に、以下の3つがあげられます。
- 書籍で学ぶ
- オンラインスクールで学ぶ
- 専門学校やITスクールに通学する
いずれもAIエンジニアの専門家が監修していますから、仕事に必要な知識やスキルを効率よく学べることが特徴です。
スクールで学ぶ方法は費用がかかりますが、サポートがあることが特徴です。一方で書籍を使う場合は独学となりますから、強い意志が必要です。
おすすめの書籍には、以下のものがあげられます。あなたのレベルに応じて複数の書籍を活用し、スキルを高めましょう。
IT業界に強い転職エージェントを活用する
ここまで解説したとおり、AIエンジニアには高いスキルが求められます。その一方、応募するまでにすべてマスターしている必要があるとは必ずしもいえません。
業界トップクラスのスキルが求められる企業もあれば、ひと通りの知識とスキルがあれば採用される企業もあります。
あなたに合った企業に転職するためには、IT業界に強い転職エージェントの活用が欠かせません。転職エージェントではあなたのスキルを把握した上で、活躍が見込める企業を紹介してくれます。
採用後のミスマッチや早期退職を防ぐ重要なポイントとなりますから、AIエンジニアになりたい方は自分で探すよりも、転職エージェントの活用をおすすめします。

もっとも、転職エージェントはどこも同じではありません。次の章では、どの転職エージェントに相談するとよいか解説していきます。
4)IT業界への転職で、おすすめの転職エージェント
AIエンジニアはさまざまな知識やスキルを身につけるだけでなく、新しい技術にもキャッチアップしなければなりませんから大変です。
転職活動はなるべく手間をかけずに行いたいもの。転職エージェントはあなたに合った企業を紹介し、さまざまな調整も行ってくれますから、忙しいAIエンジニアに適した転職活動の手段です。
以下にAIエンジニアを含むITエンジニアの転職の際の、転職エージェントの選び方・活用法を紹介します。あなたに合った転職エージェントを見つけられるよう、ぜひご参考ください。


AIエンジニアを含むITエンジニアでの転職で、転職エージェントを活用するポイントは以下の3点です。
- Point1 各ITエンジニア向け転職エージェントの、それぞれの特徴を知っておく
- Point2 はじめに2~3つ「複数」の転職エージェントに登録しておく
- Point3 何度かのやりとりで「相性」と「やりやすさ」を確認する
特にポイント3つ目の「相性とやりやすさ」は重要です。転職エージェントの担当者とは、転職期間中はずっと付き合いを続けていきますので、「自分に合った担当アドバイザー」を早めに見出していくことが、転職成功のひとつの要となるでしょう。

AIエンジニアの転職で、おすすめの転職エージェント一覧
ITエンジニア業務経験1年以上の人向け
転職エージェント | 特徴 |
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![]() レバテックキャリア |
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![]() マイナビITエージェント |
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![]() doda IT エンジニア |
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![]() Geekly(ギークリー) |
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![]() DYM IT転職(経験者向け) |
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ITエンジニア実務未経験・業務経験1年未満の人向け
転職エージェント | 特徴 |
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![]() リクルートエージェント |
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![]() doda |
|
![]() ワークポート |
|
![]() type転職エージェント |
|
![]() DYM IT転職(未経験者向け) |
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まとめ)仕事で求められる知識やスキルを習得し、最先端の開発に加わろう

AIエンジニアになるためのハードルは高いです。
一方で人材不足と言われている職種ですから、仕事で求められる知識やスキルを習得しておけば、あなたもAIの開発に加わることが可能です。
確かにAIエンジニアになることは苦労が伴いますが、それだけの価値がある職種といえます。
もっとも、やみくもに準備をしても目標にはなかなか近づけません。無駄なく目標に近づくには、以下のポイントを押さえることが重要です。
- 必要な知識やスキルを正しく知る
- 書籍やスクールなど、専門家が監修した情報を使って学ぶ
- AIエンジニアを熟知する転職エージェントを活用する
将来のために今を頑張る覚悟と決意のある方はぜひAIエンジニアにチャレンジし、最先端の開発に加わってください。