40代の転職でよくある「失敗パターン」と、失敗しないための5つの対策
[最終更新日]2020/12/18

40代に入ると、転職に対して慎重な考え方をする人が多くなる傾向があります。
現在の職場である程度の収入を得ていたり、子どもの教育費がかかる時期に入っていたりと、仕事選びに失敗できないさまざまな事情を抱えている人が増えるからです。
一方で、40代の転職はめずらしいことではなくなりつつあります。さらなるキャリアアップを目指して転職という選択を考えている人もいることでしょう。
目次
1)40代の転職で陥りがちな失敗パターン3つ
40代の社会人は仕事での経験が豊富であるため、転職に対しても自分なりの判断軸を持っていることでしょう。
「十分慎重に考えて転職先を決めるから、そう簡単に失敗しないはず」と考える人もいるでしょう。
しかし、社会経験が長いからこそ陥りやすい失敗もあることを知っておく必要があります。
とくに次に挙げる3つのパターンは社会人経験が豊富な40代の人ほど陥りがちな失敗ですので、自分が当てはまっていないか確認しておきましょう。

- 「これからの働き方」のイメージが不明瞭なまま、転職活動を行っている
- そもそも応募すべき求人企業の方向性・判断軸を誤っている
- 求人企業に適切な自己PRができていない
それぞれ順を追って見ていきましょう。
「これからの働き方」のイメージが不明瞭なまま、転職活動を行っている

現在の職場での在籍期間が長い人や、ある程度のポジションに就いている人ほど注意が必要なパターンです。
転職先を探すにあたって、多くの人は無意識のうちに現状維持かそれ以上の条件を望んでいます。逆の言い方をすれば、「今現在の境遇は維持できるはずだ」といつの間にか思い込んでしまいやすいのです。
とくに現職での在籍期間が長い人ほど、現状の働き方や待遇を「当たり前のこと」と捉えがちですので注意が必要です。
現状を基準に転職先を選ぼうとすると、年収や肩書を維持することに意識が偏ってしまい、「これからどう働いていきたいのか」「転職して何を実現したいのか」といった本質的な部分を見失ってしまうことがあります。
応募先企業の採用担当者が知りたいのは、「これまでどんな待遇で働いてきたのか」ではなく、「うちに入社したらどんな活躍ができるのか」といった点のはずです。
転職すればこれまでの待遇はいったんリセットされると言っても過言ではありません。「これからの働き方」についてしっかりとイメージできているか、転職する理由や動機が客観的に納得感を得られるものになっているか、今いちどチェックしておく必要があります。
そもそも応募すべき求人企業の方向性・判断軸を誤っている

応募したいと思えるような求人がなかなか見つからない場合、あるいは書類選考で不採用が続くような場合は、そもそも応募すべき求人の方向性や判断軸を誤っている可能性があります。
「同業種なら比較的転職しやすいのではないか」「企業規模にこだわらなければ転職先は見つかる」といった考え方をしている人は要注意です。
こうした表面的な理解で転職活動を進めてしまうと、仮に採用されたとしても入社後にミスマッチが発覚するなど、長い目で見たときに失敗の原因となりやすいのです。
企業には各社の理念や組織文化があります。必要な人材はこうした理念や文化に基づいて判断されるため、応募先企業に関するリサーチは念入りに、これ以上調べられることはないというレベルまで注力して行うべきです。
社会経験があるからと言って、「この業界は〇〇だ」「この手の会社は〇〇だろう」といった思い込み・先入観を持たず、本当にその求人に応募すべきかどうかをゼロベースで考えるようにしましょう。
求人企業に適切な自己PRができていない

転職に際して自己PRが重要なのは言うまでもありませんが、企業側が求める人材像に合致する適切な自己PRになっていなければ、かえって逆効果になってしまうこともあり得ます。
40代の人材を求める企業は、転職者のこれまでの経験や実績を入社後に発揮してくれることを期待しています。
「頑張る気持ちは誰にも負けません」「入社後に精一杯努力して仕事を覚えます」といった熱意やポテンシャルを軸とした自己PRが通用するのは、20代などの若手が転職する場合のみです。
また、転職者自身がこれまでの経歴と今後のキャリアプランを整理し、一貫性を持って伝えられるように準備しおくことも非常に重要です。
自分の中では一貫性があると思っていても、第三者から見て同じように一貫したキャリアと映るとは限りません。
キャリアの展望に一貫性が感じられないと、前職までの経験をどう生かせるのか、入社後にどのような活躍ができそうなのか、といった点も必然的に伝わりにくくなります。
その結果、「ぜひこの人と一緒に働きたい」と思えるような魅力的な人材として映らなくなってしまう可能性もあるのです。
2)40代の転職で失敗しないための対処法5つ
40代の転職で失敗してしまうと、再び転職するなどリカバリーを試みるのは決して簡単なことではありません。
そもそも転職先が決まらないという失敗ももちろんですが、仮に転職できたとしても入社後にミスマッチが発覚し、転職したことを後悔してしまうような失敗も避けたいものです。
そこで、40代の転職で失敗しないために準備しておきたい対処法を挙げておきます。次の5点については、転職活動をスタートする前に必ず確認しておきましょう。

- 自己分析を行いキャリアプランを明確にしておく
- 転職の「軸」を持っておく
- 求人企業の情報収集は念入りに行う
- これまで・これからの仕事人生を「ストーリー」として伝えられるように
- 40代のサポートに強い転職エージェントを活用する
自己分析を行いキャリアプランを明確にしておく

自己分析と聞くと、新卒の就活生がやるべきことでは?といったイメージを持つかもしれません。
しかし、40代の社会人はこれまで積み上げてきた経験がある分、自身のキャリアを客観視することが難しくなっている面があります。
自分では把握しているつもりでも、第三者に伝えるとなると改めてキャリアの棚卸しや今後のキャリアプランの検討が必要になるでしょう。
また、40代の転職では、自分が「これからやっていきたいこと」と「できること」との区別を明確にし、ある程度は現実的な選択をすることも重要になります。
適切な選択をするためにも、自身の現在の立ち位置を正確に理解し、その上で今後のキャリアプランを立てておくことが大切です。自己分析を通して理想と現実の最適なバランスを見いだすことにつながるでしょう。
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転職の「軸」を持っておく

実際に求人を探し始めると、一見魅力的に映る企業が複数見つかるはずです。
「次のキャリアはこの会社で築いていきたい」と直感的に思えたとしても、今いちど自分自身の希望条件に合致しているか慎重に検討しておく必要があります。
自分の希望を100%叶えられる職場に出会うことができればベストですが、現実的には叶えられる条件とそうでない条件が出てくるでしょう。このとき重要になるのが転職する上での判断軸です。
自分にとって譲れない条件は何であるのか、逆に「この条件は叶えられなくても仕方がない」といった優先度の低い条件は何であるのかを明確にしておきましょう。
そもそもなぜ転職したいのか、転職の目的を明確にしておくことで、強固な判断軸を持つことができるはずです。
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求人企業の情報収集は念入りに行う

転職後にミスマッチが発覚するケースの多くが、事前の情報収集が不足していることに起因します。
もちろん入社してみないと分からないことも出てくるのですが、調べようと思えば把握できていたはずの情報も少なくないはずです。求人に記載されている情報や企業ホームページに書かれている情報は求人企業の良い面に偏っているケースが多いため、多角的に企業情報を収集する姿勢が重要になります。
たとえばその企業で過去に働いていた経験のある人がコメントを寄せる口コミサイトや、同業種で働いている人の評判をリサーチするなど、駆使できる情報源はフル活用しましょう。
中には信憑性が十分でない情報や主観に偏った情報もあるはずですが、多くの情報に当たっていく中で求人企業のおおよその社風や内情が見えてくることもあるのです。
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これまで・これからの仕事人生を「ストーリー」として伝えられるように

転職活動では、応募書類や面接での問答を通じて限られた時間で自身の希望条件や今後のキャリアプランを伝えなくてはなりません。
これまでの経歴や実績、今後取り組みたいことについて項目ごとに挙げていくことも大切ですが、それだけでは第三者への伝え方としてはイメージが膨らみにくいと言わざるを得ません。
どのように働くかということは、どのように生きるかということに深く関わっています。
自身の職業観や人生観をより強く訴えかけるには、仕事や人生に対する向き合い方をストーリーとして伝えるほうが効果的です。
一種のシナリオとして自身のキャリアを捉えておくことによって、第三者が聞いたときに伝わりやすいだけでなく、自分の中でもキャリア観を具体化しやすくなるはずです。
40代のサポートに強い転職エージェントを活用する

転職に対する希望条件が明確な人ほど、転職活動は自力で進めたいと考える傾向があります。
しかし、自身の市場価値を正確に把握することは容易ではなく、どうしても自分では見えていない部分が出てきてしまうのが実情です。
40代の転職では、プロの視点を取り入れる意味で転職エージェントを活用することを強くおすすめします。
転職エージェントを介して転職先を探すことによって、自分では気づかなかったアピールポイントを知ることができたり、企業側が求める人材像へのマッチ度をより客観的に知ったりする機会を得やすくなります。
また、内定後の条件交渉のように転職者自身では言い出しづらいことも代行してくれますので、より納得度の高い転職を実現することができるはずです。
3)40代のサポートに強いおすすめ転職エージェント

転職エージェントを利用する際には、40代の転職サポートに強いエージェントを選ぶことが重要です。
転職エージェントは各社が独自に非公開求人を保有しているため、ある転職エージェントでは紹介されなかった企業を別の転職エージェントで勧められることは十分にあり得ます。
また、転職エージェントごとに強みや得意分野があることから、複数の転職エージェントを併用することで互いの強みを補い合う効果も期待できます。こうした理由から、転職エージェントは複数登録しておき、併用していくほうが効果的に活用することができます。
次に挙げるのはいずれも40代の転職サポートに強いエージェントです。自分に合った転職エージェントをいくつかピックアップし、複数の転職エージェントに同時登録しておくようにしましょう。
アドバイザーのスピーディな対応を求める人は「doda」がおすすめ
dodaの特徴として、企業から直接届くスカウトメールが他の転職サービスと比べて多いことが挙げられます。
40代の人材を求める企業の多くが、「こんな人に入社してもらいたい」といった人材像をかなり具体的に掲げています。そのため、求める経験や実績を持つ人材を発掘できれば、ピンポイントで転職者にアプローチしてくるケースは少なくないのです。
dodaではキャリアアドバイザーを介した企業の紹介に加え、企業から直接スカウトメールが届く仕組みになっています。
スカウトを受け取った企業とのマッチ度をキャリアアドバイザーに相談することもできるため、入社後のミスマッチを未然に防ぐ意味でも効果が期待できるでしょう。
自身の経験や実績に関心を寄せる企業の話を積極的に聞いてみたい人は、dodaへの登録をおすすめします。
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求人数の多さ、実績の豊富さを期待する人は「リクルートエージェント」がおすすめ
転職市場は日々刻々と変化しています。まして現代は変化の速い時代ですので、数か月スパンで人材やスキルの価値が変動することも決してめずらしくありません。
自分が持っているスキルや業界知識の価値は不変ではなく、常に変化し続けていることを認識する必要があります。
リクルートエージェントは、担当キャリアアドバイザーによるサポートが充実していることで知られる転職エージェントです。
転職希望者のこれまでの経験や実績を踏まえて、現状の市場環境において高く評価される可能性のある企業を的確に紹介してくれるので、自力で求人を探す場合と比べて最適な転職先を見つけやすくなるはずです。
そもそも現状で転職を検討するべきなのかどうか、といった根本的な点も含めて、プロのキャリアアドバイザーに相談しておきたい人は、リクルートエージェントに登録しておくといいでしょう。
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40代の転職においては、これまでの経験や実績にもとづいた転職先を選ぶことも重要ですが、今後のキャリアの中で実現したいことを明確にし、目標が実現できる職場を見つけるという視点も必要になります。
目標設定は現実離れしたものを掲げるのは好ましくありませんが、あまりに現実的すぎても消極的な印象を持たれやすいため、バランスを取るのが難しい面があります。
JACリクルートメントはミドル層のサポートに強い転職エージェントのため、40代の人材が今後のキャリアで目標を設定し、それを実現する転職を目指す上で最適なサービスと言えます。
「これまで」を基準とした求人のマッチングだけでなく、「これから」の目標設定も含めたコンサルティングを希望する人は、JACリクルートメントに相談しておくといいでしょう。
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アドバイザーからのじっくり・丁寧なサポートを求める人は「パソナキャリア ハイクラス」がおすすめ
転職による年収アップなど具体的な目標を掲げている人にとって、目標を達成できるかどうかは転職の成功・失敗を大きく左右する重要な要素です。
選択を誤ってしまうと、転職後の努力だけでは目標達成が難しくなってしまうことも考えられますので、目標を達成できる環境が整った職場を選ぶことが重要になります。
パソナキャリア ハイクラスは年収700万円以上など条件の良い求人を中心に扱っている転職エージェントです。実際に利用して年収アップを実現した人は全体の67.1%という実績からも、年収アップを目指す人が利用すべき転職エージェントであることが分かります。
好条件の求人は非公開求人であることが多く、かつパソナキャリア ハイクラスの独自案件であることも少なくありません。目標達成をより確実なものにしたい人は、パソナキャリア ハイクラスに登録しておきましょう。
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まとめ)40代の転職失敗パターンを知って、後悔のない転職を実現しよう

今回は40代の転職失敗パターンと失敗を回避するための方策について解説してきました。
失敗パターンと聞くとネガティブなイメージがありますが、典型的な失敗パターンを知ることで致命的な失敗を回避し、より納得度の高い転職を実現することに役立ちます。
また、転職先が決まるかどうかを案じるだけでなく、入社後に後悔することのないよう十分なリサーチや事前準備をしておくことへの意識も高まるでしょう。
40代は責任世代ですので、転職に失敗してしまうことへの恐れを抱く部分もあるはずです。
しっかりと準備を進め、後悔する可能性のある要素を1つ1つ減らしていくことによって、転職に対する不安感や恐怖心は徐々に薄らいでいくはずです。
失敗パターンを把握した上で、後悔のない転職の実現に向けて準備を始めていきましょう。