AWSエンジニアになりたい! 求められるスキル、未経験からの転職成功のポイントは?
[最終更新日]2021/01/14

企業活動において、クラウドサービスの活用は急速に広まっています。クラウドに関わる仕事として、AWSエンジニアになりたいとお考えの方も多いのではないでしょうか。
AWSエンジニアになるためには、エンジニアとしてある程度のスキルが求められます。そのため求められるスキルを知り、目標に向かって努力することが夢を実現する鍵です。
目次
1)そもそも「AWSエンジニア」ってどんな仕事?

AWSはAmazon Web Servicesの略で、世界における3大クラウドサービスの1つとなっています。パブリッククラウドとなっているため、料金を支払えば誰でも利用できることが特徴に挙げられます。
AWSはこれまで主流となっていた「社内にサーバーを配置」「データセンターにサーバーを預ける」のどちらとも異なることが特徴です。
必要なときに必要な容量と期間だけサーバーを使えることは、魅力の1つといえるでしょう。このため、以下のような企業や用途に向いています。
- ベンチャー企業や新規事業など、事業が急拡大している場合(メモリや記憶領域をすぐに追加できる)
- 懸賞応募サイトなど、一時的に使用するサイトの場合(サーバーを用意する必要がなく、低コストで済む)
AWSでは、何ができる?
AWSでは、100種類以上のサービスが用意されています。
このこともありWebサーバーなど新規にサーバーを立ち上げる用途はもちろん、さまざまな用途にも対応しています。一例として、以下のものが挙げられます。
- ストレージを使ってデータを保存する
- データベースサービスを活用する
もちろん新規にサーバーを立ち上げる場合も、複数のOSやデータベースから選択可能。 サービスを利用する企業のニーズに対応できることは、AWSの魅力といえます。
ここからはAWSを扱う「AWSエンジニア」について、詳しくみていきましょう。
AWSエンジニアの、実際の仕事内容

AWSエンジニアの仕事内容は、インフラエンジニアと重なります。つまり設計から始まり構築を行って、本稼働後は運用を行うといった流れとなります。
一方で、AWSならではの仕事内容もあります。ここでは設計・構築・運用の3つのフェーズに分けて、AWSエンジニアの仕事内容を確認していきましょう。
設計 | AWS上で動かすシステムの設計を行い、構築に用いる設計書を作成します。操作する場所とサーバーのある場所が離れているため、クラウドサービスで動作することを意識した設計が必要です。このためOSだけでなく、ネットワークやセキュリティなど広範囲にわたる設計が求められます。一例として、WebサーバーやLDAP、DevOpsなどが挙げられます。 設計にあたっては、可用性や拡張性といった、使いやすさやメンテナンスのしやすさも考慮する必要があります。また要件によっては、パラメーターシートやテスト計画の作成を行う場合もあります。 |
---|---|
構築 | 設計書に基づき、AWS上にシステムの構築を行います。担当する範囲はプロジェクトやシステム要件により異なりますが、以下の通り幅広い範囲が対象となり得ます。 ・仮想マシン ・ネットワーク ・ストレージ ・ロードバランサ ・ミドルウェア(データベースなど) ・セキュリティ 構築作業の多くで、AWSが提供するサービスを使用することが特徴です。また運用の自動化を行う場合は、構成管理ツールを構築の対象に含めるケースもあります。 |
運用 | 本稼働後、導入したシステムが正常に稼働するよう監視し、メンテナンスする業務です。業務内容は以下の通り、幅広いことが特徴です。 ・システムの監視 ・トラブルそのものはもちろん、トラブルにつながりうる事象(インシデント)への対応 ・セキュリティパッチの適用や、ソフトウェアのアップデートを実施 ・仮想マシンやミドルウェアのチューニングや設定変更 運用業務では、シフト制を組んで勤務する場合もあります。このため職場によっては、休日出勤や夜勤が組まれる可能性もあります。 |
AWSエンジニアの将来性

AWSエンジニアの将来性は、高いといえます。それは、以下に挙げる3つの理由によります。
- 「所有するシステム」から「利用するシステム」への転換。クラウドの活用が進んでいる
- クラウドサービスのなかでは、AWSのシェアが高い
- AWSエンジニアの需要は高い一方、エンジニアの数が少ない
企業ではこれまで事業に必要なシステムをすべて保有することが主流でしたが、クラウドを活用し、必要なときに必要な分を使う動きが進んでいます。
クラウドサービスのなかでもインフラ周りから提供する企業は数社ありますが、2020年第2四半期におけるAWSのシェアは33%(Synergy Research Group調べ) であり、最大のシェアを持っています。
一方でAWSはここ数年で主流となったサービスであり、需要に対するエンジニアの数は多くありません。このこともあり、AWSエンジニアの将来性は高いと考えられます。
2)AWSエンジニアで働く際に求められる知識やスキルは?
AWSエンジニアとして働く際に求められる知識やスキルは、以下の4点にまとめられます。

- AWSや仮想化に関する知識やスキル
- オンプレミスとクラウドそれぞれの特徴を把握し、適切に移行するスキル
- 自力でシェルプログラミングを組めるスキル
- 他のクラウドプラットフォームに関する知識
いずれもプロジェクトで活躍するためには、欠かせないものです。それぞれについて、順に解説していきましょう。
AWSや仮想化に関する知識やスキル

AWSエンジニアになりたいならば、転職を実現させる前にAWSに関する知識を身につけておく必要があります。以下のサービスに関するスキルは、ぜひ押さえておきましょう。
- Amazon EC2
- Amazon S3
- Amazon RDS
学習用サイトや書籍などを活用しつつ、ご自身で手を動かし学ぶことが必要です。AWSには無料利用枠もありますから、上手に活用しスキルを高めましょう。
またAWSを使った構築では、論理的にサーバーを構築する「仮想化技術」も必須となりますから、使い方をマスターしておくことも求められます。
オンプレミスとクラウドそれぞれの特徴を把握し、適切に移行するスキル

今はクラウドサービスの活用が急拡大している時代。これは、オンプレミス(企業内でサーバーを保有し利用する形態)からクラウドへの移行も進んでいることを示します。
両者には、以下の違いがあることに留意しなければなりません。
- サーバーの配置箇所(自社で管理できるスペースから、他社にデータごと預けることになる)
- トラブルが発生した場合の影響範囲や復旧方法
- セキュリティを確保する方法と実装する手段
今までオンプレミスで使っていた企業にとって、クラウドでの常識は当たり前ではありません。この点に留意し、それぞれの特徴を把握しながら適切に移行するスキルが求められます。
自力でシェルプログラミングを組めるスキル

意外に思われるかもしれませんが、AWSエンジニアとして転職する際にはある程度のプログラミングスキルが求められます。
これはインフラエンジニアから転職する場合も例外ではありません。それは以下に挙げる3つの理由によります。
- そもそもLinuxサーバーの場合は、シェルプログラミングのスキルを必須とされる場合が多い
- WindowsでもPowerShellの活用により、効率的な管理ができる
- AWSなどのクラウドサービスでは、プログラムを使ってインフラを制御する重要性が増している
このため本格的なプログラミングスキルまでは必須とはいえないものの、自力でシェルプログラミングを行い、OSを制御できるスキルは必要です。何らかの方法で、プログラミングスキルも習得しておきましょう。
他のクラウドサービスに関する知識

AWSは以下に挙げる、他のクラウドサービスと比較される場合も多いです。
- GCP(Google Cloud Platform)
- Microsoft Azure
それぞれの特徴を把握することでGCPやAzureからの移行がスムーズに行えるだけでなく、AWSの特徴をより深く学ぶことにもつながります。
「AWSエンジニアだから、AWSだけ知っておけばよい」と視野を狭めず、主なクラウドサービスの知識を得ておくことがプロジェクトでの活躍につながります。
3)AWSエンジニアの転職を成功するために、準備するポイント
AWSエンジニアへの転職を成功させるためには、以下に挙げる4つのポイントがあります。

- エンジニアとしての実務経験は必須
- 学習用サイトや書籍を活用する
- より本格的なスキル獲得を目指す際は、「AWS認定資格」も視野に
- IT業界に強い転職エージェントを活用する
いずれも希望する職場へ転職し、活躍するためにはぜひ押さえておきたいポイントです。それぞれの内容を確認していきましょう。
エンジニアとしての実務経験は必須

AWSエンジニアにはインフラやシステム開発に関するスキルに加えて、AWSのスキルを求められることが特徴です。このため土台となるエンジニアとしての実務経験が必須となりますから、いきなりAWSエンジニアになることは難しいのが現実です。
実務経験を得られる方法は、大きく以下の2通りに分けられます。どちらも3年以上の経験が、1つの目安となります。
- 1.インフラエンジニアとして就職し、設計から運用まで一通りの経験を積む
- 2.プログラマーやSEとして就職し、複数のWebアプリケーションに関する開発経験を積む
AWSエンジニアはインフラ系の傾向が強いものの、プログラマーやSEからでもAWSエンジニアの道につなげることが可能です。あなたの興味や関心にあわせて、進むべき道を選ぶとよいでしょう。
学習用サイトや書籍を活用する
AWSエンジニアとして転職するためには、事前にAWSに関する知識とスキルが必要です。職場ではそもそも学ぶ環境がない方や、学びにくい方も多いでしょう。
そのような場合は就業時間外の時間を使って、自ら学ばなければなりません。
AWSでは、AWSエンジニアになるための教材を用意しています。知識をつけることはもちろん、実際に構築するメニューも用意されています。まずは「AWSトレーニングサイト」や「AWS での構築の学習:ウェブサイト」などを活用し、ひと通りのスキルを習得するとよいでしょう。
AWSは、書籍による学習も可能です。おすすめの書籍には、以下のものが挙げられます。
より本格的なスキル獲得を目指す際は、「AWS認定資格」も視野に

AWSエンジニアのスキルを本格的に身につけたい方は、「AWS認定資格」の取得も視野に入れるとよいでしょう。AWS認定資格の取得により、AWSを使うスキルがAmazonにより認定されます。もちろんAWSを正しく使うスキルを体系的に、かつ最短距離で学べることも魅力の1つです。
AWS認定資格は、以下の3種類に分けられます。
資格名 | レベル |
---|---|
基礎コース(クラウドプラクティショナー) | 6か月間の基礎的な AWS クラウドと業界知識 |
アソシエイト | 1年間のAWSクラウドを使用した問題解決と解決策の実施における経験 |
プロフェッショナル | 2年間のAWS クラウドを使用したソリューションの設計、運用、およびトラブルシューティングに関する包括的な経験 |
引用:Amazon Web Services「AWS 認定」
多くの方は、基礎コースから順に取得を目指すことと思います。可能であれば、アソシエイト以上の資格を取得するとよいでしょう。
ITエンジニアに強い転職エージェントからの支援を受ける

AWSエンジニアは、ITエンジニアのなかでも新しい職種です。もしIT業界をよく知らない転職エージェントに依頼すると、AWSと関係のない転職先を紹介されるおそれがあります。これではあなたの希望を実現させることはできません。
希望する転職の実現には、ITエンジニアに強い転職エージェントを活用し、支援を受けることが近道です。
キャリアの相談やあなたに合った転職先を紹介してもらえることは、転職エージェントの魅力。応募先に関する情報が得られ、応募書類や面接への対策など強力なバックアップが得られることも大きなメリットに挙げられます。
それでは、どのように転職エージェントを選べばよいのでしょうか。次の章で、そのポイントを解説していきます。
4)AWSエンジニアの転職に、おすすめの転職エージェントと選び方
ここではIT・Web業界の転職支援に強い転職エージェントと、あなたに合ったサービスの見つけ方について解説していきます。
Webエンジニアでの転職を進める際は、以下の3つのポイントを意識することが大切です。
- Point1 それぞれの転職エージェントの特徴を知っておく
- Point2 「自分に合いそう」と思える転職エージェント2~3つに登録する
- Point3 面談やメール・電話のやり取りから「相性」と「やりやすさ」を確認する
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特にポイント3つ目の「相性とやりやすさ」は重要です。
転職エージェントの担当者とは、転職期間中はずっと付き合いを続けていきますので、「自分に合った担当アドバイザー」を早めに見出していくことが、転職成功のひとつの要となるでしょう。
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転職エージェントに登録したら、担当者からの連絡があった際に上記の「親身に相談に乗ってくれるか」、「紹介する求人について、おすすめの理由をきちんと説明してくれるか」、「紹介・連絡のペースは適切か」について確認すると良いでしょう。
そうすると、自然とあなたにマッチする担当(サービス)かの判断がつきやすくなります。
Webエンジニアの転職で、おすすめの転職エージェント一覧
ITエンジニア業務経験1年以上の人向け
転職エージェント | 特徴 |
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![]() レバテックキャリア |
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![]() マイナビITエージェント |
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![]() GeekOut(ギークアウト) |
|
![]() doda IT エンジニア |
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![]() Geekly(ギークリー) |
|
ITエンジニア実務未経験・業務経験1年未満の人向け
転職エージェント | 特徴 |
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![]() リクルートエージェント |
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![]() doda |
|
![]() ワークポート |
|
![]() type転職エージェント |
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まとめ)まずはエンジニアとしての実績を。その上でAWSを学び、AWSエンジニアを目指そう

AWSエンジニアは新しい職種ではあるものの、その実態はインフラエンジニアやプログラマー、SEといった職種に、AWSに対応するスキルを付け加えたものです。
もしベースとなる各職種でのスキルがなければ、AWSエンジニアとしての活躍も望めません。
このためAWSエンジニアを目指すなら、まずはあなたが今いる職場で、エンジニアとしての実績や評価を得ることが先決です。
その上で日々の業務をこなしながら、AWSについて積極的に学びましょう。少々回り道のようですが、この方法がAWSエンジニアとして活躍する近道となります。
また転職活動には、ITエンジニアに強い転職エージェントも有効です。積極的に活用し、あなたが活躍できる職場を見つけましょう。