40代の転職の適切なタイミングは?失敗談・成功談をもとに、効果的な進め方を紹介
[最終更新日]2022/03/10

現在、40代での転職はめずらしいことではなくなりつつあります。豊富な業務知識と社会経験を持つ40代の人材に、多くの企業が期待を寄せています。
一方で、40代になると家計の負担が重くなりやすく、転職によって収入が下がるリスクを案じる人も多くなっていくはずです。
この先のキャリアを考えても、40代のタイミングで転職に失敗したくないという思いは少なからずあることでしょう。
目次
1)40代の転職事情は、20~30代と比べて何が違う?

40代の転職がひと昔前よりも一般的なものになりつつあるとはいえ、転職事情は20代や30代とは異なります。
30代までで転職を経験した人もいるはずですが、前回の転職と同じように取り組んでも「いまいち手応えが鈍い」「以前のように企業から良い返事が届かない」といった事態になりかねません。
まずは、40代の転職事情が20代や30代とどのように異なっているのか理解しておく必要があります。
とくに知っておきたい点として、40代を対象とした求人の傾向と、40代の転職で気をつけておくべき失敗のパターンが挙げられます。
「40代向け」の求人は、20~30代と比べて少ない
まず大前提として知っておきたいのが、40代の人材を対象とした求人の傾向です。そもそも40代向けの求人は20代・30代向けのものと比べて絶対数が少ないという特徴があります。
多くの企業は必要に迫られたタイミングで求人を出しており、「空き要員の募集」が多勢を占めているからです。
下の図は、20代・30代の若手社会人向け求人数と、40代以降を中心としたミドル世代向け求人数の推移を示したイメージです。
若手社会人向けの求人はコンスタントに一定数が確保されているのに対して、ミドル世代向けの求人はかなり少ない状態であることが分かります。
参考:ミドル世代(40代向け)求人の発生イメージ

さらに、40代の転職希望者は若手の人材よりも明確な希望条件を掲げていることが少なくありません。
就きたい職種やポジションに適した求人を見つけるとなると、企業と転職希望者のマッチングはよほどタイミングが良くなければ困難なものとなります。
こうした背景から、40代の転職は20代・30代よりもはるかにタイミングが重要であり、条件の良い求人ほど「求人が出ればすぐに枠が埋まってしまう」といった状況になっているのです。
「40代向けの求人状況」について(現役キャリアアドバイザー 武蔵野さん)
- 武蔵野
さん -
40代向けの求人は「ピンポイントで空き人員が発生して募集する」というケースが多いですね。大体が1名枠で、常に募集していることはまずありません。
役職や業種・職種を選ばなければミドル世代求人も常に数自体は存在します。
ですが、ほとんどの40代転職者の方々は「この職種で、かつこういうポジションで働きたい」という条件があります。その条件を踏まえると、求人はかなり少なくなると覚悟しておいた方が良いでしょう。
40代の転職で、自分のスキルセットと求人の要件が合うのは本当にタイミングです。自分の転職したい時期でピンポイントにタイミングを合わせるのは難しいので、「常に網を張っておく」方が成功確率は高めやすいと思います。
40代からの転職は、「ミスマッチ」による転職失敗ケースが多くなる
40代以降の転職で注意しておきたいもう1つのポイントが「ミスマッチ転職」です。転職先が見つかったものの、入社後に何らかの理由で「今回の転職は、結局ミスマッチだった」と感じるケースが少なくないのです。
下のグラフは、40代で転職した結果、成功・失敗どちらだったかを調査した結果を示しています。
「成功」「やや成功」と回答した人は全体の79%だったのに対して、「やや失敗」「失敗」と回答した人が21%いたことが確認できます。
参考:40代の転職成功・失敗状況

成功・失敗状況 | 割合 |
---|---|
成功 | 37% |
やや成功 | 42% |
やや失敗 | 10% |
失敗 | 11% |
※「みんなの転職「体験談」。」に転職エピソードを提供いただいた40代の方136名のデータをもとに作成(集計期間:2017年3月~2021年1月までのもの)
8割近くの人が転職して正解だったと感じているという結果から、「40代の転職も成功率はそれなりに高いのだな」と感じるかもしれません。
しかし、ここで見落としてはならないのは、40代の2割以上の人が転職したことを後悔しているという現実です。
同様の調査において、20代では12%、30代では17%の人が転職を「やや失敗」「失敗」と答えています。若手と比べたとき、40代の転職は失敗するケースが多くなりやすいといえるでしょう。
では、40代の転職で「やや失敗」「失敗」と回答した人は、具体的にどういった点を失敗だったと捉えているのでしょうか。
参考:40代の転職で「やや失敗」~「失敗」と回答した人の失敗要因(※複数回答)

失敗要因 | 割合 |
---|---|
対人・人間関係の問題 | 45% |
期待していた業務と異なっていた | 45% |
業務内容がハード・能力以上のものを求められた | 34% |
給与・待遇が悪化した | 24% |
その他 | 7% |
データ:「みんなの転職「体験談」。」に寄せられた40代の方の転職体験談エピソード(136件)をもとに、弊社作成
40代の転職の失敗要因として多かった回答は、「対人・人間関係の問題(45%)」と「期待していた業務と異なっていた(45%)」でした。
また、想定していたよりも業務内容がハードだったことも、失敗したと感じる原因になりやすいことが窺えます。
3名の方々の体験談からも、入社時点で周囲から高い期待を寄せられ、期待に応え切れないと思われた途端に風当たりが強くなっていったことが感じ取れます。
実務上の成果が期待値を下回ってしまったことと、職場での人間関係が悪化していったことの間に密接な関係があったであろうことも想像がつくでしょう。
冒頭でも述べたとおり、40代の転職は若手よりも慎重に検討し、失敗を回避するための対策を練る人が多いものです。
それにも関わらず、「人間関係」「仕事内容」といった基本的な部分で転職に失敗してしまう人が少なくないことは注視しておく必要があります。
「自分だけは大丈夫」「しっかり考えているつもり」と高をくくらず、40代の転職で成功する人の傾向や特徴をしっかりと理解し、失敗を招くリスクを最小限に留めておくことが大切です。
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2)40代の転職で「成功する人」の傾向は?

ここまで、40代の転職で失敗するパターンについて解説してきましたが、反対に「成功する人」にはどのような傾向があるのでしょうか。
イメージとして、20代・30代の転職と比べると「一段高いレベルの対応・対策」ができている人は、40代で転職に成功しやすいといえます。
求人が出る頻度も企業から求められるスキルレベルも若手とは異なるわけですから、転職を成功させるには若手とは異なる対策が求められます。
参考:40代の転職で「成功」と回答した人のコメント(体験談)
転職活動はなかなかうまくいかず、面接では落とされ続けました。
それで、(このままじゃいつまで経っても決まらない)と思って、転職対策をしっかりするようにしました。
転職系の書籍も沢山読んだし、転職エージェントの方に協力してもらって、面接シュミレーションはたくさんやりました。
今思い返して、「やってよかった」と思いますね。
結局、それ以前の私が面談で話した転職理由って、「つまらないから、飽きた」ということを綺麗に伝えてただけだったんです。
もっと、相手が私のこれからの活躍を期待したくなるようなことを伝えていかないとだし、そもそも私自身も自分にもっとこれから先を期待できるだけのイメージやビジョンが必要で。
それを一生懸命探求していきながら、面談で出していけるようにしていきました。
──とある外資系保険会社の一次面談の際、現場のマネジャークラスの人が面接官に出てきました。そして、私は「これからこう働いていきたい」ということを懸命に伝えたら、それがその人の求めていたポジションにドンピシャだったみたいで。
「あなたじゃないと、務まらない!」とまで言ってくれました。──嬉しかったですね。
そして、無事内定を迎え、1年数ヶ月かかった私の転職活動は無事、幕を引きました。
転職エージェントは、JACリクルートメントとdodaを活用しました。
JACリクルートメントの方は、とても丁寧に接してくれましたね。私の「こういうところでないと転職したくない」というわがままにも辛抱強く付き合って、提案もしてくれました。
まあ、結局は担当者さんに依るんだと思います。
転職をして、5年が過ぎました。
課長職として入社してから色々な困難がありましたが、なんとかかんとか解決して、そうするうちに問題解決能力とスピーディーな提案能力を買われるようになって。
現在では、部長職として働いています。
最近では、「将来的には会社役員にチャレンジしたい」と思うようになりました。
転職を成功できたポイントはどこにあったのかを考えたとき、私の場合は2つあったと思います。
ひとつは、従業員規模の少なめの中小企業をターゲットにしたこと。
中小企業は「不安定なリスクがある」と転職先としては敬遠されがちですが、私は「管理職や役員」を目指すなら、人材不足な中小企業こそ、その可能性は大きいと思っています。
もう一つは、「信頼できる上司」を見つけること。
これは、その会社で上手くいくための一番重要な点だと思います。
新しい会社でも、最終面接に出られた直属の上司がとても良い人柄で、入社した後の関係構築もスムーズでした。
新しい会社に、私は「経理マネージャー」として入社しました。
創業してから10年程度の若い会社で、具体的な事業内容は電子契約システムや、ワークフローシステム、勤怠管理システムなどの開発と販売です。まさに「在宅ワーク時代」に適したサービスを提供している会社でした。
入社して最初の1週間で感じたことは、「前職と社風がまったく違うな…」ということでした。
書店のときは、勤務時間中もフレンドリーな雰囲気だったのですが、転職先の会社ではなんとなくドライな印象が強かったです。
そして、少しストレスを感じていることもあります。
特に入社当初は、常に上司の管理本部長から仕事ぶりや同僚や部下とのコミュニケーション能力を監視されている印象を受け、とても窮屈な思いをしました。
例えば、私が部下に業務の説明などをしているとき、上司の管理本部長がじっと耳をそばだてて聞いているのです。「この男はちゃんとIT企業の経理部の陣頭指揮をとれるのか」という不安の目でこちらを見ているのがわかり、大変緊張しました。
また、廊下ですれ違う社員全員が「この人が中途入社した経理マネージャーか」といった好奇の目を向けてくることもあり、不快な気持ちになることもありました。
とはいえ、好意的に解釈すれば、それは自分への期待の表れだとも言えるでしょう。全く期待されていなければ、私に対してもっと無関心だったでしょうから。
期待に応えていけるようにと、毎日目の前の仕事にじっくり取り組んでいくことを意識しました。
上記の成功談エピソードから、先に紹介した失敗談との特徴の違いを感じた人もいると思います。
40代での転職を成功する人は、とくに次の3つの傾向があることが多いです。
- 焦らずに転職活動ができている人
- 「目指す業界の市場において、自分はどれくらいの価値があるのか」を客観的に見られている人
- 信頼できる相談者を持っている人(転職エージェントやヘッドハンター含め)
焦らずに転職活動が出てきている人

前に触れたように、40代を対象とした求人は若手のようにコンスタントに見つかるものではありません。
今すぐ転職したいと思っても、希望条件に合った求人をタイミング良く探し当てられるとは限らないのです。
こうした状況下では、焦って転職先を探そうとしないことが成功に向けて非常に重要な条件となります。
「とにかく今の職場を辞めたい」「早く環境を変えたい」といった動機で転職しようとすると、転職後の働き方や今後のキャリアプランを熟慮し切れないまま転職先を決めてしまいがちです。
半年・1年といった長いスパンで先を見通し、良い話があればまずは聞いてみる、といった余裕のある姿勢で臨むことが大切です。
若手のように大量に応募する方法を取らず、自分に合った求人かどうかを見極めた上で応募する人ほど、転職に成功する確率は高くなるでしょう。
「40代の転職成功する人の傾向」について①(現役キャリアアドバイザー 武蔵野さん)
- 武蔵野
さん -
焦って転職エージェントに登録してくる人に共通して言えるのは、「現状への不満が大きい」ということ。全員ではありませんが、「そのときそのときで好きなことやって、嫌なことあったら辞める」というタイプが多いですね。
逆に、転職成功する人で多いのは、「あらかじめ転職エージェントに登録していて、良い案件(求人)があったときに動く」タイプです。
前者はマイナスをゼロにしようという意識が強い。だから、妥協してしまったり、「とりあえず内定もらえたら御の字」という転職スタイルになりやすく、ゆえにミスマッチ転職も起きやすくなります。
一方の後者は現状からプラスにしようとしており、自分に合っているものしか応募しないこともあり、成功&年収アップしやすいのでしょう。
40代の転職はいわば情報戦。将来転職する可能性がある場合は事前に登録しておいて、常に情報をキャッチしておくことが大事だと思います。
「目指す業界の市場において、自分はどれくらいの価値があるのか」を客観的に見られている人

40代の人材には、若手よりも豊富な経験が備わっています。
この年代の人材に企業が期待するのも経験の部分が少なくないので、自分がこれまでやってきたことに自信や誇りを持つのは決して悪いことではありません。
ただし、ひとたび転職すれば周囲からの評価もいったんリセットされることを忘れてはなりません。経験や実績はあくまで「これまで」のことであり、「これから」がどうなるかは保証されていないのです。
転職先として選ぼうとしている業界の市場において、自分が持っている知識・スキル経験に実際のところどれくらいの価値があるのか、ゼロベースで考えてみる必要があります。
これまで培ってきた知識や経験に疑いの目を向けるのは勇気がいることですが、自身のキャリアを先入観なく客観的に判断・評価するプロセスはキャリアの棚卸しをする上で避けて通れないと考えておくべきでしょう。
「40代の転職成功する人の傾向」について②(現役キャリアアドバイザー 武蔵野さん)
- 武蔵野
さん -
ミスマッチのない転職を叶えるうえで、「キャリアの棚卸し」はとても重要です。ですが、しっかりできている人はほとんどいません。大抵「振り返り」にしかなっていないことが多いです。
どういうことかというと、「目指す業界の市場において、どれくらいの価値があるのか」という視点が殆ど欠けているんです。
40代になれば、それなりに皆「自分はこれまでこういうことをやってきた」という自負があるものです。ですが、それが新しい職場でも価値のあるものかどうかは、また別の話でしょう。
転職におけるキャリアの棚卸しとは、目指す業界・企業の人たちと比較して、自身のキャリアが本当に価値のあるものなのかをしっかり見ておくことが大切です。この部分がしっかりできている人は、転職成功するケースが多いですね。
市場価値の確認方法
人材の「市場価値」とは、お金や株価のような「誰もが共通認識を持てる価値」ではなく、その市場(業界、または個別企業)で「この人はこれだけの活躍をしてくれる」という客観的な評価をもって導き出されるものです。

そのため、転職においてあなた自身の市場価値を確認する際は、まずは「自分自身を知る」、そして「企業の求めていることを知る」という以下のプロセスが求められます。
転職時の市場価値を行う際のプロセス
市場価値を自身で確認していくことへの難しさを感じる方は、いちど転職エージェントに相談してみると良いでしょう。
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信頼できる相談者を持っている人(転職エージェントやヘッドハンター含め)

仮に、自分の考える自身の人材価値と、世の中における評価に食い違いがあるとします。転職後に就業を開始してから認識不足が発覚するのと、転職前に気づくのとでは、どちらがいいでしょうか?
おそらく、大半の人は「転職前に気づいておきたい」と答えるはずです。しかし、現実にはそうはいかないことが多々あります。なぜなら、よほど厚い信頼関係がない限り、これから転職しようと思っている相手に対して積極的にネガティブな面を指摘しようとはしないからです。
40代で転職に成功する人の多くは、転職エージェントやヘッドハンターといった第三者も含めて、信頼できる相談相手を味方に付けているものです。
転職に向けたアドバイスを本音でぶつけてくれるからこそ、たとえその場では耳が痛いと感じても、転職に失敗するまで誰も指摘してくれないといったリスクを抑えることができているのでしょう。
「40代の転職成功する人の傾向」について③(現役キャリアアドバイザー 武蔵野さん)
- 武蔵野
さん -
転職エージェントも、40代の転職者には気を遣うことが多いです。
若い人と比べるとやっぱりプライドの高さというか、率直な意見を伝えると怒ってきたり、二度と連絡してこなかったり、という人も少なくありません。
時には耳に痛いことも言わざるを得ないのだが、この人怒りそうだなとかと思うと、言えなくなることもあります。
せっかく転職エージェントを使うのなら、「一緒に考えていく」スタイルで進めたほうが断然効果的です。
例えば、「自分の経歴は、ほかの人と比べてどうか」であったり、「思ったことを、率直に言ってください」と言ってくれると、とてもサポートしやすくなります。
実際、転職エージェントの意見を聴きながら進めていける人は、比較的うまく行くことが多いように思います。
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3)40代からの転職を成功するために、取るべき行動4つ

40代からの転職で陥りやすい失敗パターンを避け、転職を成功させるには、いくつか心がけておくべき行動があります。
転職がうまくいく人の行動を模倣し自分のものにしていくことで、必然的に成功率を高めることができるはずです。
次に挙げるのは、40代で転職に踏み切るにあたって意識しておきたい主なポイントです。心がけ1つで今日から行動を変えることは可能ですので、できることから1つずつ実践していきましょう。
- 中長期的な転職活動を意識しよう
- 企業研究は「事業内容~会社文化」まで入念に
- 多くの企業で求められるのは「スキルの汎用性」と「協調性」。自分なりの準備を
- 転職エージェントそれぞれの特徴を理解した複数利用を
中長期的な転職活動を意識しよう

40代の転職における鉄則は「決して焦らず、じっくりと検討する」ことです。
現状の職場環境や人間関係から解放されたい一心で転職活動を進めても、希望条件に合った求人が見つからず焦りが募るばかりか、急いで転職先を決めてしまい、入社後のミスマッチに苦しむことにもなりかねません。
まずは気持ちの持ち方として「良い話があれば聞いてみよう」と大きく構え、次のステップにつながる機会を常に窺うつもりで取り組みましょう。
中には、できれば早期に転職先を確保したいと考えている人もいるはずです。
その場合も、在職中から転職活動を少しずつ始めたり、できる限り転職活動にかける時間を確保することを心がけたりと、時間をかけて取り組む姿勢は意識しておくべきでしょう。
転職して後悔しないためにも「焦りは禁物」は大前提です。
企業研究は「事業内容~会社文化」まで入念に

転職活動において企業研究は非常に重要な位置を占めています。企業の所在地や創業年、従業員数、売上・利益といった基本情報をはじめ、事業内容・企業理念、募集条件などを漏れなくリサーチしておく必要があります。
さらに、応募を検討している企業の社風や独自性、経営者・事業部の方針といった特色を綿密にリサーチしておきましょう。
参考:企業研究における主なチェック箇所と確認ポイント
チェック項目 | 確認ポイント | どこで確認するか |
---|---|---|
事業内容 | 自分自身の知識領域にあるか、また今後も興味・関心を持続して持ち続けられる内容かを確認する | 企業HP |
主力商品・サービス | その商品・サービスの開発・運用を自身が携わることになる際に、どの範囲まで知っていて、どの範囲を知らないかを確認する | 企業HP、業界ニュース、競合他社のHP等 |
強み・独自性 | 同業他社をいくつか確認し、「この会社ならではの特色・強み」がどこにあるかを見出す | |
企業理念 | 企業理念から、求められる人物像(主にスタンス面)をイメージし、自身との適合性を家訓する | |
社風・雰囲気 | 歓迎される人物像や業務への取り組み姿勢をイメージする | 口コミサイト |
求められる知識・スキル | 現在の自身の知識・スキルと照らし合わせて、過不足を確認する | 求人票 |
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上記確認ポイントで、見落としがちなのが「社風・雰囲気」でしょう。
企業には各社に独自の文化が存在します。たとえ仕事内容が自分に合っているように感じたとしても、社風や文化が合わないと感じると、どうしても居心地が悪く思えてしまうものです。
仕事のやりがいや充実度が高い組織は、別の側面では業務に対する成果が厳しく求められ、強いプレッシャーに耐えなくてはならない環境である可能性もあります。
このように、表面的な情報を鵜呑みにするのではなく、その背景にある社風に対して想像力を働かせ、どういった人材がマッチするのか仮説を立てていきましょう。
ただし、企業の社風のような内部事情は、公開されている情報からだけでは判断し切れないことも十分に考えられます。
採用担当者や経営者とコンタクトを取っている転職エージェントのフォローを受けることによって、自力では収集が難しい情報を得るための手段を講じておくことが大切です。
多くの企業で求められるのは「スキルの汎用性」と「協調性」。自分なりの準備を

応募先企業への採用が決定するのは、端的に言えば「転職者自身ができることと、企業が求めることが一致した場合」です。
下図のように、この2つの領域が重なる部分が多ければ多いほど、採用に至る確率は高まります。

ただし、企業が求める能力・資質をちょうど兼ね備えている人材は、実際のところめったにいるものではありません。
前職までで培った経験やスキルを応用し、企業が求める条件に「どこまで近づけられるか」が非常に重要なポイントとなります。
人材を募集している企業にとって、応募者の前職までの実績はあくまで「他社での経験」に過ぎません。
採用担当者が関心を寄せるのは、入社後にどのような活躍ができるか、という部分なのです。
自分が持つスキルや能力を転職後にどう活かせるのかを考えることは、選考時のアピールポイントを決定する際にも重要な意味を持つはずです。
経験してきた業務で得た知識・スキルが本質的にどういった貢献につながるのかを考えるとともに、企業が求める資質・能力に合わせることのできる柔軟性や協調性を意識することが大切です。
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転職エージェントそれぞれの特徴を理解しての「複数利用」を

情報収集の面でも、希少な40代の人材募集を逃さない意味でも、転職エージェントを活用することは大きな意味を持ちます。

転職エージェントに登録すると担当アドバイザーがつきますが、自分にとって適したアドバイスをしてくれるアドバイザーかどうかを判断するためにも、複数の転職エージェントを併用することをおすすめします。
複数の転職エージェントに登録する際には、各社の特徴を十分に理解しておく必要があります。
一般的に大手の転職エージェントは支援体制が充実しておりスピーディな対応が可能ですが、じっくりと時間をかけて転職先を探したい場合は中小規模のエージェントのほうが適していることもあります。
自身が持つ知識やスキルを十分に評価した上で企業へ推薦してもらいたい場合には、特定の分野や業界を専門とする特化型の転職エージェントのほうが適しているでしょう。
このように、転職エージェントは複数社を同時に活用していくことが重要であるとともに、各社の特徴や強みをしっかりと把握した上で相談していくことが、転職成功率を高める上で欠かせない視点といえるのです。
4)40代の転職におすすめの転職エージェント(タイプ別に紹介)
ここからは、40代の転職におすすめの転職エージェントを、タイプ別に紹介していきます。
現在、国内に転職エージェントは17,000以上もあります。当然ながら、それら転職エージェントにはそれぞれ特徴があり、「どの転職エージェントも一緒」ということはありません。
また、「40代の転職」といっても希望する働き方は様々でしょう。大切なことは、あなたが「こんな働き方をしたい」という方向性に対して、利用する転職エージェントのほうで充分な実績体制とサービスを有しているかです。
そこで、あなたに合ったサービスを見つけやすくするためにおすすめの転職エージェントをパターン別にピックアップしました。
40代のタイプ別おすすめ転職エージェント
どれか一つのタイプではなく、複数のタイプが当てはまるという人もいるでしょう。
その場合は、それぞれのタイプでおすすめしているサービスを見て、自分にマッチしそうなサービスを2~3ピックアップしてみてください。
なるべく早く転職したい、転職の軸が定まっている人はdoda・リクルートエージェント

40代の転職で成功するポイントの一つに「中長期的な転職活動を意識」といいましたが、なかには「どうしても転職を早めに済ませなくてはいけない」という人もいるでしょう。
doda、リクルートエージェントのサービス利用がおすすめです。
両サービスは共に国内最大手の人材紹介会社として、豊富な求人と充実したサービス体制があり、「的確かつスピーディな対応」への評判が高いです。
職務経歴書などの書類添削や応募企業の情報収集、面接対策についても、これまでの実績に基づいた適切なサポートを行ってくれます。
また、IT・Web系分野での求人を探している方はワークポートが、より多くの提案を受けられる場合があります。
ただし、これらサービスは若手のキャリアアドバイザーも多く、その品質は一定ではありません。
相性の良くないアドバイザーや経験の浅いアドバイザ―が担当になったときにうまくリスクヘッジできるように、複数の転職エージェントに登録しておきサポート品質を比較確認できるようにしておいた方が良いでしょう。
サービス名 | 特徴 |
---|---|
![]() doda |
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![]() リクルートエージェント |
|
![]() ワークポート |
|
時間かけてでも好条件の待遇を獲得したい人はJACリクルートメント・ビズリーチ・リクルートダイレクトスカウト

今回の転職で、「より条件の良いポジションに就きたい」という方は、ハイクラス向けの転職エージェントを利用すべきでしょう。
この場合まず意識したいのは、「良い案件が出たときにすぐ知れるよう、網を張っておく」ことです。
好待遇の求人はピンポイントのタイミングで募集されることが多く、その殆どが「非公開求人(転職サイト等一般の求人媒体には紹介されない求人)」か、それぞれの転職エージェントのみが持つ「独占求人」です。
よって、ハイクラス向けの転職エージェントは、なるべく早いタイミングで、かつ複数登録しておくのが鉄板です。
以下に紹介するのは、40代向けの転職支援実績の豊富な、ハイクラス向けの転職エージェント(一部ヘッドハンターサービス)です。
サービスの特徴を見て、自分に合いそうと感じたものから登録を検討してみてください。
サービス名 | 特徴 |
---|---|
![]() リクルートダイレクトスカウト |
|
![]() JACリクルートメント |
|
![]() ビズリーチ |
|
![]() iX転職 |
|
キャリアアドバイザーにじっくり相談してもらいたい人はパソナキャリア・JACリクルートメント

転職エージェントを「相談役」として活用したい方、または今後のキャリアをどうしていくか等で転職に不安を感じている方は、じっくり相談を聴いてもらえると評判の転職エージェントがおすすめになるでしょう。
相談をどれだけ聞いてもらえるかは担当となるキャリアアドバイザーによっても変わってきますが、以下の転職エージェントは「話をよく聞いてもらえた」という評判が多いです。
サービス名 | 特徴 |
---|---|
![]() パソナキャリア |
|
![]() JACリクルートメント |
|
![]() マイナビエージェント |
|
専門スキルを活かしたい人は、「特化型」の転職エージェント

ITエンジニアや管理業務、マスコミや介護など、これまで培った専門スキルを活かしての転職を検討している人は、「特化型」の転職エージェントがおすすめです。
特化型の転職エージェント利用いちばんのメリットは、担当となるキャリアアドバイザーがその分野の業界情報やトレンドに詳しいということです。
40代でその分野で今後もキャリアを積み上げる為にどのような知識やスキルの開発が必要かであったり、応募する企業でどのような知識・スキルが求められるかについて、具体的なアドバイスを貰いやすいでしょう。
分野 | サービス名 | 特徴 |
---|---|---|
IT・Web | ![]() マイナビITエージェント | ■事業会社・自社開発の求人を探したいエンジニアにおすすめ
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![]() ワークポート | ■Web業界未経験者含め、積極的な提案を受けたい人におすすめ
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![]() レバテックキャリア | ■ITエンジニアのスキルアップ・キャリアアップ転職におすすめ
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マスコミ | ![]() マスメディアン | ■テレビ・書籍・Web等のメディア系事業を目指す転職者におすすめ
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アパレル | ![]() クリーデンス | ■アパレル・ファッション業界を目指す転職者におすすめ
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管理業務 | ![]() MS-Japan | ■管理部門(経理・財務・人事・総務・法務等)の転職におすすめ
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外資系 | ![]() ロバート・ウォルターズ | ■外資系企業・日経グローバル企業の転職におすすめ
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製造系エンジニア | ![]() メイテックネクスト | ■製造系エンジニアへの転職を目指す人におすすめ
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介護 | ![]() きらケア | ■介護・福祉分野への転職を目指す人におすすめ
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4) 40代の転職活動でよくある質問・疑問【FAQ】
Q140代で未経験の職種へ転職するのは難しいですか?
40代の転職で「まったくの未経験職種」を目指すことは、相応の難易度が伴うでしょう。
企業側においても転職後にその人が活躍するイメージを持ちにくく、「未経験者を採用するのなら、伸びしろのある若手の方が良い」という考えになりやすいからです。
そのため、40代から未経験職種をチャレンジする場合は、「まったく未経験の分野」ではなく、「未経験だが、これまで培った経験や知識・スキルのいくつかを活かせられる分野」を優先して検討することをおすすめします。
例えば、「職種としては未経験だが、業種は同じなので業界情報や専門知識については把握できている」、「これまで開拓した人脈を活用して、顧客開拓が期待できる」という形で、何かしら応募企業の求める人材への「共通ポイント」や「引っ掛かり」を見出しておくのです。
また、転職後にそれら自身の経験、知識、スキルが本当に役立てられるかについても、きちんと確認しておくべきでしょう。
せっかく転職しても周囲の期待に応えられない時期が続いてしまうことは、あなた自身にとっても辛いはずです。
40代での未経験分野への転職は、「40代転職者は、入社後に周囲から即戦力を求められることが多い」という事実を受けとめ、そしてその準備をしっかり行う前提で、チャレンジしてください。
Q240代の転職活動は平均してどのくらいの期間がかかりますか?
転職活動期間の平均は3カ月程度と言われています。

ただし、40代の転職で「役職付き」などのポジションを狙っての転職を行う場合、求人が発生するタイミングが合わない等の理由で活動期間が長期化する場合も少なくありません。
早めに転職活動を済ませようとすると、ある程度条件を妥協せざるを得ないということもあるでしょう。
その為、良い条件で転職をしたいという40代の人たちで、「時期を厳密に決めずに、良い求人が出たら動く」というように長期戦のスタイルで臨む人は多いです。
平均的な転職活動期間は目安として持っておくのは良いと思いますが、それよりも「満足いく職場選び」ができることが第一です。
ご自身にとって「この時期までに決まれば良い」というタイミングがある場合はそこに定めてスケジュールを立て、じっくり取り組んでいくのが良いと思います。
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Q340代向けの求人は少ないですか?
「40代向けの求人」の定義の仕方によって変わりますが、管理職などの部下のいるポジションの求人は、他の若手社会人向けの求人と比べてかなり少なくなります。
そういった求人は「その役職・ポジションの人員が退職して空きが出た」、「新規事業創立に向けて立ち上げメンバーの一部を外部から募集することになった」というような、「空き枠募集」になることが殆どだからです。
「40代向けの求人状況」について(現役キャリアアドバイザー 武蔵野さん)
- 武蔵野
さん -
40代向けの求人は「ピンポイントで空き人員が発生して募集する」というケースが多いですね。大体が1名枠で、常に募集していることはまずありません。
役職や業種・職種を選ばなければミドル世代求人も常に数自体は存在します。ですが、ほとんどの40代転職者の方々は「この職種で、かつこういうポジションで働きたい」という条件があります。その条件を踏まえると、求人はかなり少なくなると覚悟しておいた方が良いでしょう。
40代の転職で、自分のスキルセットと求人の要件が合うのは本当にタイミングです。自分の転職したい時期でピンポイントにタイミングを合わせるのは難しいので、「常に網を張っておく」方が成功確率は高めやすいと思います。
Q440代の転職活動で有利になる資格はありますか?
40代の転職活動で有利になる資格の一例としては、以下のようなものがあります。
【実務・マネジメント】系 | |
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【人事・労務】系 | |
【財務・経営】系 | |
【語学・英語】系 | |
【金融・保険・不動産】系 | |
既に取得済みの資格であれば応募書類や面接時にアピールが可能ですが、多くが高い知識量と多くの勉強時間を要する資格のため、「転職のために今から取得を目指す」というのはあまり現実的ではない場合もあります。
「その資格を持つことが、今後のキャリア形成にどれだけ役立てられるか」の観点で、その資格を取得すべきかどうか判断することをおすすめします。
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Q5転職エージェントの利用を断られることはありますか?
転職エージェントは誰でも登録が可能ですので、利用を断られること自体はありません。
ただし、以下の場合において、転職エージェントから求人の紹介がされないこともあります。
- 現在、転職者の希望が適う求人がないと担当者が判断した場合
- 保有する求人の「求める人物像」で示されたスキル・経験に対して、転職者が達していないと担当者が判断した場合
- 現在転職者に転職の意志がなく、今求人を紹介しても意味がないと担当者が判断した場合
一点目と二点目については、登録した転職エージェントと転職者とで求人のターゲット層のギャップがあることも考えられます。
例えば「リクルートダイレクトスカウト」や「ビズリーチ」などのハイクラス・エグゼクティブ向け転職サービスでは扱っている求人が「年収600万円以上」のものがメインとなりますので、転職者の経歴や現状のスキルがそれに達しないと判断された場合に求人を紹介することはできないでしょう。
求人を紹介されない状況が続いた際は、いちどそのことを率直にキャリアアドバイザーに確認してみるべきでしょう。
転職者の「転職したい」という意志やその方向性が担当のキャリアアドバイザーにきちんと伝わっていなかったという場合は、しっかりコミュニケーションを取ることで改善できる可能性もあります。
まとめ)40代の転職を成功するために、ミスマッチを誘発する「焦り」に要注意

40代を対象とする求人は若手と比べて少なくなりがちです。転職したい意欲が高い人ほど、自分に合う求人がなかなか見つからない状況に対して焦りを感じてしまいやすい傾向があります。
しかし、慌てて転職先を見つけようとすると、今回紹介してきたエピソードにもあったように入社後のミスマッチに遭遇するリスクが高まります。すぐに転職先が見つからないのは必然と捉え、じっくりと焦らずに転職活動に取り組むことは非常に重要です。
自分が持つ能力や資質を求める企業に出会えたとき、「転職して良かった」と思えるキャリアのスタートを切ることができるはずです。
40代からのキャリアを充実したものにするためにも、ぜひ万全の準備を整えて転職活動に臨んでください。
参考:40代の転職で「やや失敗」~「失敗」と回答した人のコメント(一部抜粋)
職場の社内SEのリーダーは女性の方で、最初は私に対して歓迎ムードでした。
ですが、なかなか仕事をスムーズに出来ないでいた私に段々とイライラが募りはじめ、他の簡単な作業にまで細かい文句を付けるようになってきました。
そして日が経つにつれ、その指摘は段々厳しいものになっていきました。──ある時、会議の席で、「正直、あなたに任せる仕事はない」と、面と向かって言われました。
引用元:私の転職体験談:汎用系エンジニアでやってきた私が、オープン系のエンジニアに転職して。
仕事自体は思っていた以上にハードでした。休日出勤、毎日の深夜残業、そんなのは当たり前です。
そのうえ技術職はプライドの高い人も多く、中には、わざと仕事を教えてくれなかったりといったイジメのような行いを受けたこともあります。
それでも、仕事自体はやりがいがあったので頑張りました。毎日が勉強で、新しいことをたくさん学べるのは楽しかったです。
ところが、2年目に突入したあたりから突如として仕事が激減。経営悪化が原因でした。
そして、3年が経たないうちに社員全員が解雇されることになりました。
引用元:私の転職体験談:「スキルアップがしたい!」そのことだけを考えていた私は、転職に失敗しました。
転職後の「課長」というポジションは肩書きだけで、私は何の権限もない一介の平社員でした。
現場が24時間365日稼働している職場だったので、夜間や休日に直接取引先に注文することも頻繁にあって、当然ながら私も処理に追われることになりました。
そんな緊急対応での購買は、えてしてかなり高い価格を提示されるものです。そして、その値引き交渉を行うのが私の役目でした。
上司から何度も「もっと値下げしろ」とダメだしを食らいながら、また取引先に嫌な顔をされることもしょっちゅうでした。
周りのフォローですか?・・・そんなのは一切ありませんでした。
「なんで今回こんなに購買額が高くなったの?」といった原因追及ばかりされる、そんな毎日でした。
引用元:私の転職体験談:家族を引っ越しさせてまで、転職して入った会社だったのに・・・