DX推進に関わる仕事がしたい!求められるスキル・転職の際のポイントは?
[最終更新日]2023/03/17

2018年、経済産業省は「DX推進ガイドライン」を公表し、企業のデジタルトランスフォーメーションに関する指針を示しました。
以来、DXという言葉が広く知られるようになり、DXを推進する企業が増加の一途をたどっています。DX推進に関わる仕事は将来性が見込まれることから、この分野への転職を検討している人もいるでしょう。
ところで、DX推進とは具体的にどのようなことを指すのでしょうか。
また、DX推進に携わる人材にはどういったスキルや知見が求められるのでしょうか。
目次
1)そもそも、DX推進とは

はじめに、DXについて、その定義から確認しておきましょう。
DXとは
企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。
「変革」という言葉が2度使われていることからも分かる通り、DXは単に業務のデジタル化を推進することではありません。
デジタル技術の活用によって「経営を最適化」し、「新たな価値を創り出す」ことに重きが置かれているのがポイントです。
近年、テレワークの推進が励行される一方で、「書類に承認印を押すために出社しなくてはならない」といった矛盾した状況が生じていることが話題になりました。
この場合、デジタル承認印を導入しても承認フローそのものが改善されなければ根本的な解決にはなりません。反対に、テクノロジーによって承認・決裁フロー自体の改善に成功したのであれば、DX推進が実現できたといえます。
このように、DX推進はデジタル化という「手段」を指すのではなく、「結果」までを包括した概念と捉えることができます。
DX推進は人手不足。転職では多くの需要あり

前述したDX推進を主体的に企画・立案し、推進できる人材は、いま多くの業界・企業で強く求められています。
経済産業省の推計では、今後も日本企業がデジタル化に取り組まなかった場合、2030年までには年間最大12兆円の経済的損失を被る恐れがあるとしています。
DX推進は「できればやっておいたほうがいい」「余力のある企業が実施すればいい」のではなく、あらゆる企業にとって急務となっているのです。
しかしながら、IT人材はそもそも慢性的に人手不足であり、DX推進の担い手も同様に足りていないのが実情です。
企業のDX推進のために貢献できる人材には希少価値があり、高い需要が見込まれます。転職希望者にとってDX領域はチャンスの宝庫といえるでしょう。
2)DX推進に関わる具体的な6職種と求められるスキル
「DX推進に関わる人材」と聞いても、具体的な職種や仕事内容がイメージしにくいと感じる人もいるでしょう。
DXは多くの分野にまたがる概念の総称であり、特定の職種のことを指すものではありません。そのため、複数の職種がDX推進に必要なスキルに該当する能力・資質を持っていると考えられます。
次に挙げる6職種は、DXを推進する人材として情報処理推進機構(IPA)が定義する職種です。
それぞれどのような役割・立ち位置でDX推進を実現していくのか、詳しく見ていきましょう。

- プロデューサー
- ビジネスデザイナー
- アーキテクト
- データサイエンティスト/AIエンジニア
- エンジニア/プログラマ
- UXデザイナー
プロデューサー

主な役割 | DXやデジタルビジネスの実現を主導する。プログラムマネージャーと呼ばれることもある。 |
---|---|
求められる資質・スキル | ・デザイン思考 ・ITリテラシー ・リーダーシップ |
平均年収 | 547万円 参照:求人ボックス |
DX推進に向けて全体像を示し、方針を掲げる役割を果たすのがプロデューサーです。
プロジェクト構築や統括を担い、DX実現のための設備投資や経営資源の配分に関する意思決定を行います。具体的には、経営層や情報システム責任者、IT部門責任者といった立場で活躍してきた人材が想定されます。
組織が抱える課題と解決策を大きな視点で捉え、実現に向けてビジネスマネジメントを推進する手腕が問われます。
また、パートナーやクライアントとの信頼関係を築き、DX推進に必要な予算を確保することも重要な役割です。
このように、物事を大きな視点で捉え、掲げた目標や方針を強力なリーダーシップによって具現化していくことが、プロデューサーに求められる能力といえます。
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ビジネスデザイナー

主な役割 | DXやデジタルビジネスの企画・立案・推進等を担う。プロデューサーの構想を具体化する役割を担う。 |
---|---|
求められる資質・スキル | ・デザイン思考 ・ITリテラシー ・調整力 |
平均年収 | 597万円 参照:求人ボックス |
プロデューサーが配分した経営資源を、具体的にどう活用していくのかを考えるのがビジネスデザイナーです。
DXを実現するための案内役となり、現場の各セクションが遂行すべきことを明確化します。
具体的には、新規事業企画やIT企画の担当者、プロジェクトマネージャーといったポジションで活躍してきた人材が適任です。
プロデューサーの方針を現場レベルに落とし込んだり、複数のセクションや社外との折衝を担ったりすることになるため、調整力が必須のポジションといえます。
特定の分野や職種に留まらない、ビジネスやIT全般についての広範囲にわたる知見やスキルが必要とされます。プロデューサーと比べてさらに現場寄りの能力が求められるでしょう。
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アーキテクト

主な役割 | DXやデジタルビジネスに関するシステムを設計する。技術面でのデザインを担当する。 |
---|---|
求められる資質・スキル | ・DXの最新技術(AI・ブロックチェーン・RPAなど) ・クラウド設計・開発・運用への知識 ・協調性 |
平均年収 | 718万円 参照:求人ボックス |
アーキテクトとは設計士のことであり、システムの仕様や要件定義などの根本的なあり方を検討・提案する役割を担っています。
後述するエンジニアやデザイナーといった現場の人材がどれほど優秀で高スキルだったとしても、設計の段階で欠陥があればDX推進は実現できないでしょう。アーキテクトはDX推進のスタート地点において、成否を分ける重要なポジションといえます。
組織にとって最適なソリューションはめまぐるしく変化しています。最新技術に精通するために、知識を随時アップデートしていく意識が求められるでしょう。
また、プロデューサーやビジネスデザイナーと現場のエンジニア・デザイナーとの橋渡し役となるケースも多いことから、協調性やコミュニケーション能力が必要とされる一面もあります。
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データサイエンティスト/AIエンジニア

主な役割 | DXに関するデータ解析を行う。技術面でのデザインを担当する。 |
---|---|
求められる資質・スキル | ・データ分析 ・DXの最新技術(ブロックチェーン・RPA・Pythonなど) ・クラウド設計・開発・運用への知識 |
平均年収 | 696万円 参照:求人ボックス |
DXの中でもビッグデータやAIを活用したソリューションを技術面で支えるのが、データサイエンティストやAIエンジニアです。
企業がこれまで収集していたものの活用されずに眠っていた膨大なデータの活用や、人海戦術で乗り切ってきた業務をAIで代替するための知識・スキルを持つ人のことを指します。
データ視覚化、機械学習、パターン認識、テキスト・アナリティクスといった分野でスキルを研鑽してきた人材が適任のポジションです。
高度な数学の知識が求められるため、データサイエンスや機械学習を大学や大学院で修めたレベルの人材が求められています。
従来のデータベースエンジニアやRPAエンジニアとは求められる知識・スキルの方向性が異なる点に注意が必要です。
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エンジニア/プログラマ

主な役割 | デジタルシステムの実装やインフラ構築を行う。 |
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求められる資質・スキル | ・DXの最新技術(AI・ブロックチェーン・RPAなど) ・クラウド設計・開発・運用への知識 ・ITリテラシー |
平均年収 | 438万円 参照:求人ボックス |
システムに求められる機能を実装し、インフラ構築に向けた実務を担うのがエンジニアやプログラマです。
実際にコードを書いてプログラムを完成させるだけでなく、検証やテストを通じてプログラムが問題なく動作することを確認するのも重要な役割といえます。
プログラミングができるITエンジニアは世の中に数多くいますが、DX推進においてはアジャイル開発に対応できる柔軟性が求められる場面が多く、エンジニア/プログラマとして一定以上のスキルレベルが要求されます。
既存のシステムや他製品との接続・並行稼働が必須となるケースも多々あることから、柔軟に対応するための幅広い知識・スキルが必要になるでしょう。
多様なプロジェクトを経験し、開発現場で鍛えられてきたSIerなどの経験が活かせる職種といえます。
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UXデザイナー

主な役割 | DXやデジタルビジネスに関するシステムのユーザー向けデザインを行う。 |
---|---|
求められる資質・スキル | ・UI・UXに関する知識 ・ITリテラシー ・協調性 |
平均年収 | 596万円 参照:求人ボックス |
顧客が要望した通りのシステムを導入しても、必ずしも満足してもらえるわけではないのがDX推進の難しいところです。
新しいシステムの導入当初は混乱がつきものですので、できる限り抵抗なくスムーズに新システムへと移行できるのが理想でしょう。このとき重要な役割を担うのがUXデザイナーです。
ユーザーにとって使いやすいUIデザインを考案するのはもちろんのこと、システムを利用する際のユーザー体験が快適でストレスの少ないものになるよう、ユーザーへのヒアリングや検証結果を踏まえて改良を図ります。
改良すべき点が技術的に可能であるのか、必要とされる技術レベルはどの程度か、といった判断を適切に下すためにも、技術的な知識が求められるでしょう。ユーザーと開発現場との仲介役となることも多く、協調性が必要なポジションといえます。
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3)DX推進に関わる仕事に転職するための4つのポイント
DX推進には多様なポジションがあり、活躍の場が数多くあることについて解説してきました。DX推進は今後も高い需要が見込まれますので、これから転職を検討するには適した分野といえます。
では、DX推進に関わる仕事に就くにはどういったことを意識しておくといいのでしょうか。
DX推進を担うことのできる人材として市場価値を高めていくには、主に次の4つのポイントを意識しておくことが重要です。

- 「攻めのDX」「守りのDX」の違いを理解する
- AI、IoT、RPAなどの最新技術に関する知識を持っておく
- 経営者の「DX推進」への熱意に注目する
- IT業界への支援に強い転職エージェントの活用
各ポイントについて、詳しく見ていきましょう。
「攻めのDX」「守りのDX」の違いを理解する

DX推進には大きく分けて2つのアプローチがあります。1つは「守りのDX」、もう1つは「攻めのDX」です。
「守りのDX」とは、既存業務の効率化や業務プロセスの再設計といった、すでに顕在化している課題を解決するためのDX推進を指します。
主に社内に焦点を絞ったDX推進であり、自社でコントロール可能な領域が大部分である点に特徴があります。
一方、「攻めのDX」はビジネスモデルの抜本的改革や商品・サービス価値の向上を掲げたDX推進を指します。
直接的な顧客以外にも、市場で接点を持つこととなるステークホルダー全体に対する企業価値を高め、競争力を高めることを目指します。
これらの2つの違いを理解し、顧客が求めるDX推進がどちらにより近いのかを判断する必要があります。場合によっては、守りのDXから攻めのDXへと転換するようクライアントを促すことが求められるでしょう。
また、近年では「SDGs・サステナビリティ」に関わるアクションを行える人材が重宝される傾向にあります。
経済中心の企業経営を「環境・社会・経済」をバランスよく扱う経営にシフトしていくうえで、デジタル推進とフィットすることは少なくありません。
とくに「攻めのDX」を意識してのキャリアチェンジを行う際は、SDGs・サステナビリティへの働きかけや具体的な行動パターンに関しても情報収集しておいた方が良いでしょう。
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AI、IoT、RPAなどの最新技術に関する知識を持っておく

DXの実態として、既存業務のデジタルシフトをはじめとする「守りのDX」から着手する企業も少なくありません。
業務フローのクラウド化やRPAの導入などは、その代表的な例といえます。
本来のDX推進とは趣旨が少々異なりますが、現状では実務において「守りのDX」を推進するための知識・スキルが求められる場面も多々あることを想定しておくべきでしょう。
転職を有利に進めるためにも、実態に合った知識・スキルを身につけておき、アピールできるように準備を進めることは非常に重要です。
具体的には、AIによるデータ分析、IoTを駆使した自動化、RPAによる効率化といった分野の知識に長けた人材が重宝されると考えられます。
これらの最新技術に関する情報を積極的に収集し、知識として吸収していくことを意識しましょう。
経営者の「DX推進」への熱意に注目する

DX推進は企業の経営計画と密接に関わっています。企業としてDXを推進していくことは、単に新しいシステムを採用・導入するという意味合いに留まりません。
世界的な潮流で見た場合、日本企業のDX推進は大きく遅れを取っているのが実情です。
企業としての存続と今後の成長性に対して強い危機感を持ち、その解決策としてDX推進を打ち立てているかどうか、しっかりと見極める必要があるでしょう。
とくに経営者がDX推進に対してどのような姿勢で臨んでいるのか、熱意や本気度をよく観察してみましょう。
周囲の企業がDXに取り組み始めたのでつられて実践し始めたのか、前述のような危機感から本気で取り組もうとしているのか——。この両者の違いは決して小さなものではないはずです。
IT業界への支援に強い転職エージェントの活用
DXはここ数年間で広く知られるようになった概念であり、DX推進に携わる人材へのニーズが急速に高まったのも最近のことです。
そのため、DX推進にはどのような人材が適任といえるのか、いまいちイメージしづらいと感じている人もいるでしょう。すでにDX推進に関する具体的な実績があるのが理想ですが、多くの人にとって「別領域で培ってきた経験をDX推進に活用する」といったアプローチが必要になるはずです。
これまでに得た知識・スキル・経験をDX推進にどう活かしていけばいいのか、アピールポイントも含めて即答できる人はむしろ少数派でしょう。
DX領域のように転職の事例やノウハウがまだ少ない分野への転職では、IT業界への転職に強い転職エージェントを活用することをおすすめします。技術的な話を理解してくれる転職エージェントに相談することで、これまでのキャリアをDX推進に活かすための効果的なアプローチを提案してもらうことができるはずです。
転職活動の際には、殆どの人が「転職エージェント」を利用しています。
その主な理由は、国内の少なくない企業がハローワークや転職サイトではなく転職エージェントのみに「非公開求人」を出しているからです。

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ですが、私たちが転職エージェントを利用する際は「求人を紹介してくれる人」としてではなく、「転職活動全般を相談できる人」として活用したほうがより効果的でしょう。

上記図で表す通り、「求人紹介」は転職エージェントが提供するサービスの一部でしかありません。
それ以外のサービス、例えばキャリアプランのアドバイス(キャリア相談)、書類添削、面接対策などの選考通過のためのサポートも受けることによって、転職成功の確度を高めていけるはずです。
ただし、転職エージェントは国内多くのサービスがあり、またどの担当者が付くかによってもサポートの提供のされ方が変わります。
あなたに合った転職エージェント(または担当アドバイザー)を見つけるためにも、はじめに2~3つのサービスに登録して、利用のしやすさやコミュニケーションの取りやすさを比較しておくことをおすすめします。
4)IT業界への支援に強いおすすめ転職エージェント
DX領域への転職を成功させるには、IT業界の転職支援に強い転職エージェントを活用するのが得策です。
IT業界への転職を専門とするエージェントであれば、技術的な知識に長けたアドバイザーに担当してもらうことができるからです。
ただし、特定の業界を専門とする転職エージェントはそもそも求人の取り扱い数が限られています。
DX推進に関する案件に絞って探すとなると、希望条件に合う求人数はどうしても少なくなりがちです。
できるだけ多くの案件の中から検討するためにも、転職エージェントは複数登録しておき、並行して活用していくのが望ましいでしょう。
ニッチ企業・ベンチャー企業も視野に入れている方はマイナビITエージェント
マイナビIT AGENTは人材紹介会社の大手マイナビが運営する「IT/Webエンジニア専用」の転職支援を行うエージェントです。
マイナビIT AGENTの大きな特徴は、エンジニア向け求人数の豊富さ、そしてシステム会社から事業会社まで幅広い業界の求人に対応している点が挙げられます。
また、マイナビの転職サービスは「サポートの丁寧さ」にも定評があり、職歴書の作成や面接対策に不安を感じている人におすすめです。
マイナビIT AGENTの活用メリットとDX分野への転職へのおすすめポイント
DX推進に関わる求人は約300件あります(2022年1月現在)。
マイナビIT AGENTの所属アドバイザーは、全員がIT・Web業界に精通したプロフェッショナルです。
幅広い職種に対応している総合型転職エージェントとは異なり、エンジニアの転職事情を十分に理解しているため、転職者一人ひとりに適した開発環境や企業へのアプローチ方法についてアドバイスしてもらえます。
また、マイナビIT AGENTは優良企業のレア案件(=非公開求人)を独自に保有しています。

就業条件が恵まれているエンジニア求人には、大量の応募者が殺到する傾向があります。そのため選考の競争率も高くなりやすく、強力なライバルが数多く現れる可能性もあるでしょう。
マイナビIT AGENTの非公開求人は、専任アドバイザーを通じてのみ紹介されます。エンジニアのスキルや経験にマッチした非公開求人を個別に紹介してもらえるので競争率が低く、採用に至る確率を高めることにつながるのです。
一方のマイナビIT AGENTの注意点は、未経験者向けの求人が少なめな点、求人がやや都市部に集中している点です。
「未経験者歓迎・実務経験の浅い人向けの求人を見たい」、「地方での求人を中心に見たい」という場合は、幅広い層・地域に向けて求人紹介をしているdoda、リクルートエージェント、パソナキャリア(全世代向け)といった幅広い分野で評判の高いの転職サービスがおすすめです。
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レバテックキャリアの活用メリットとDX推進分野の転職へのおすすめポイント
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自身でも求人を検索したい方はdoda
dodaは国内トップレベルの求人数と、担当アドバイザーから積極的な提案が評判の転職エージェントです。
保有求人は20万件以上(※2023年3月時点、非公開求人を含む)、都市部だけでなく地方での転職支援にも強いです。
また、dodaは求人を自分で探して応募する「転職サイト」と、求人紹介から企業への応募、日程調整までアドバイスしてもらえる「転職エージェント」両方のサービスを利用できます。
「まずは自分でじっくり求人チェックしたい」という方は転職サイトのサービスを利用し、その後「応募や企業への交渉についてサポートしてほしい」となったときにエージェントサービスを利用する、という使い方もできます。
dodaの活用メリットとDX推進分野の転職へのおすすめポイント
現在DX推進に関わる求人は約1,000件と、国内転職サービストップレベルの豊富さです(2022年1月現在)。
また、dodaでは「ダイレクト・リクルーティングサービス」という仕組みを取っており、企業からも熱意あるスカウトメールが届きやすいです。

dodaに登録すれば、「自分が今どんな企業から関心を持たれているか」について、スカウトメールの傾向から確認することができるでしょう。
スカウトメールは登録時のレジュメ内容をもとに送付されます。
登録者全員に送付される「軽いオファー」もあれば、面接が確約された「本気のオファー」もあります。
一方のdodaの注意点は、担当アドバイザーの品質にバラつきがある点です。応募・エントリーを急かされたり、希望する分野への知識の浅いアドバイザーが就いてしまうこともあるでしょう。
「丁寧かつ実績のあるアドバイザーに担当に付いてほしい」という場合は、パソナキャリア(全世代向け)、JACリクルートメント、リクルートダイレクトスカウト(ハイクラス向け)といったベテラン層が厚いと評判の転職サービスがおすすめです。
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ヘッドハンティングによる転職を検討している方はビズリーチ
ビズリーチは主にハイキャリア人材を対象とした転職サービスです。
一般的にハイキャリア転職サービスは求人数が少なくなりがちですが、ビズリーチは近年求人数が増えており、首都圏はもちろんのこと地方での転職においても非常に豊富な求人を確認することができます。
「ハイクラス転職サービスにはどんな求人があるのだろう?」「自分の場合、どのような企業からスカウトが届くのか?」といったことを知っておくだけでも、今後のキャリアプランを考える上で十分参考になるはずです。
現在の年収が500万円以上で、ゆくゆく転職を検討する可能性のある方であれば、登録する価値が十分にあるサービスといえるでしょう。
ビズリーチの活用メリットとDX推進分野の転職へのおすすめポイント
DX推進分野に関する求人は約2,000件あります(※全職種 2022年1月現在)。登録時に「DX推進分野への転職を希望している」旨を記載することによって、該当する企業からのスカウトも受けやすくなるでしょう。
ビズリーチの登録者に届くスカウトには、企業からの直接スカウトとヘッドハンターによるスカウトの2種類があります。

紹介される求人は経営管理(管理職・役員)やプロジェクト管理、専門職といった事業の上流工程を支える重要なポジションのものが多いです。
カバーしている業種も幅広いため各業界の最前線で活躍するポジションへの転職が期待できます。
紹介される会社は大企業だけでなく、中小の優良企業の求人も扱っています。
また、独自に「BizReach創業者ファンド」を創設するなど、スタートアップ企業の支援も積極的に行っていることから、スタートアップ企業やベンチャー企業への転職支援にも強いのが特徴です。
一方のビズリーチの注意点は、求人が年収600万円以上のハイクラス向けのものに寄っている点、および基本的にヘッドハンターからの提案を待つ転職スタイルになるため、急ぎの転職には向かない点が挙げられます。
「希望年収はもう少し低くなる」場合や「なるべく早く転職したい」場合は、幅広い求人数を扱い、かつスピーディな対応が可能なリクルートエージェント(全世代向け)、doda(全世代向け)、パソナキャリア(全世代向け)などの転職サービスがおすすめです。
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まとめ)DX領域で人材採用が活発化している今が転職のチャンス

DX推進は多くの企業にとって急務であり、危機感の度合いとスピード感が将来の経営に甚大な影響を与えると言っても決して過言ではありません。
一方で、DX推進を担うことのできる人材が不足しており、DX領域に応用可能な知識・スキルを持つ人にとって大きなチャンスが訪れています。今後ますますニーズが高まっていくと見込まれるDX領域への転職は、有望なキャリア選択の1つとなるはずです。
DXは裾野の広い概念ですので、求められる知識・スキルの幅が広く、多様な職種の人材が活躍できる可能性を秘めています。
これまで培ってきた知見を活かしてDX推進に貢献していきたいと考えている人は、DX領域で人材採用が活発化している今の時期が転職のチャンスとなるでしょう。