介護パートを未経験から始めるときの職場選びのポイント・知っておくべき注意点
[最終更新日]2023/03/11

介護未経験でパート勤務を考えている方で、
「介護のパートって、どんな仕事をするの?」
「介護の仕事は未経験だけど大変じゃない?」
「未経験者におすすめの施設、職場を知りたいけど、どのように調べればよいか分からない」
などと考えている方も多いのではないでしょうか。
目次
1)介護職のパートは、どんな仕事内容?
家庭の都合でフルタイム勤務は難しいけど、「1日〇時間で週△勤務なら出来る」等という方も多いでしょう。
ここでは、介護パートとして就くにあたり、知っておきたい施設や事業所の区分、介護度など、介護の基礎的な知識をご紹介します。
また、介護施設の種類や、その内容についても、それぞれの特徴を抑えておくと良いでしょう。
基本的なことを知っておくことで、介護職のパート勤務を検討するための判断材料になります。
それでは、順を追って見ていきましょう。
まずは、介護の仕事の基礎知識を知っておこう

介護の職場と一言で言っても、色々とあります。介護の職場は入所系、通所系、訪問系の3つの区分に分類することが出来ます。
入所系(特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、有料老人ホーム、グループホームなど)
自宅の代わりとなる入所系サービス。24時間体制で、入所者の介護にあたります。
施設の種類により入所条件(介護度等)は違いますが、通所系や訪問系に比べると、平均介護度は比較的高くなり、身体的な介護が大きなウエイトを占めるため、体力を要します。
通所系(デイサービス、デイケアなど)
在宅をベースに生活する方が、機能訓練(リハビリ)・レクリエーション・入浴・排泄・食事などの介助サービスを利用する、日帰りの施設です。
介護度は、バラつきがあるものの比較的軽度~中度の方が多く利用しています。
初めての介護サービスの利用がデイという高齢者も多く、介護職側は、体力面よりもどちらかというと細やかな気遣いを求められます。
訪問系(訪問介護、訪問入浴など)
利用者の自宅をホームヘルパーとして訪問します。
身体介護(入浴介助、排泄介助など)、生活援助(掃除、洗濯、買物代行など)のサービスを提供します。
軽度~中度の方が比較的多く利用していて、原則利用者が困難な部分のみ、支援を行います。身体介護と生活援助によって、支援内容が大きく異なります。
介護施設の種類

主な介護施設は以下の通りです。
介護施設の種類 | 概要 | 利用者の介護度目安 |
---|---|---|
デイサービス | 「通所系」サービス。主に公的施設、民間企業が運営。デイサービスは、日帰りで、送迎、入浴、機能訓練、交流、食事、レクリエーションなどを行なうところです。 近年では、要介護の状態にならないように、要支援1~2の利用者が積極的にサービスを利用する「介護予防」枠も重要視されています。 |
要支援1~要介護5 |
訪問介護 | 「訪問系」サービス。主に公的施設、民間企業が運営。自宅に訪問して、身体介護(入浴介助、排泄介助など)や、生活援助(掃除、洗濯、買物代行、調理など)を行ないます。 デイサービスと同様に、自立支援目的で要支援1~2の利用者が積極的にサービスを利用する「介護予防」枠も重要視されています。 |
要支援1~要介護5 |
有料老人ホーム(①介護付き/②住宅型/③健康型) | 「入所系」サービス。主に民間企業が運営。 ①介護付きは、施設職員の介護サービスを受けます。 ②住宅型は、外部のデイサービスや訪問介護と契約してサービスを利用します。 ③健康型は、食事や一部の家事支援などがついており、自立している方が利用する施設です。 |
自立、要支援1~要介護5(施設により条件が異なります) |
グループホーム | 「入所系」サービス。主に民間企業が運営。認知症の方が対象の、5~9人・1ユニットの共同生活施設です。 認知症の特徴を理解した上での、声掛けや見守りが重要な業務となります。少人数のため、アットホームなイメージの強い介護施設です。 |
要支援2~要介護5 |
介護老人保健施設 | 「入所系」サービス。主に医療法人や社会福祉法人などが運営する公的施設。リハビリを行ないながら自宅復帰を目指す一時入所場所です。 通称「老健」と呼ばれています。常勤の医師が配置されており、その管理のもとリハビリ専門職によるリハビリを実施。 |
要介護1~要介護5 |
特別養護老人ホーム | 「入所系」サービス。主に自治体や社会福祉法人が運営する公的施設。医療的な入院治療などが無い限り、最後まで暮らせる入所施設です。 入所条件は要介護3以上で、在宅生活が困難になり、家族に代わって介護を行なう施設です。通称「特養」と呼ばれています。 |
要介護3~要介護5 |
未経験から始める、介護職パートの主な仕事内容は、施設の種類によっても異なりますが、お茶出し、配膳・下膳、掃除、シーツ交換、トイレや浴室への移動介助、更衣の介助、ドライヤー、介護記録、レクリエーション、などがあります。
利用者の名前を覚え、信頼関係が出来始める頃に、身体介護(おむつ交換や、入浴介助など)を徐々に任されるようになるでしょう。
正職員と違い、限られた時間での業務になるため、新人教育や会議の参加などに時間を費やすことは少なく、介護業務に専念しやすいです。
しかし、職場によっては考え方に差があるため、パート勤務を希望する際は、どのような仕事を任されるのかをきちんと確認したうえで、応募すると良いでしょう。
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2)はじめての介護パートの、おすすめの施設は?
パートとして、初めて介護職へ就くにあたり、どのような施設を選べば良いか分からない、という方も多いのではないでしょうか。
正しい介護スキルを身に着ける前に、忙し過ぎる施設に入職してしまったがために、腰を痛めてしまった、というケースも時々耳にします。
ここでは、介護パートとして、無理なく経験を積んでいくためにも、下記の通りおすすめの3施設とその理由についてそれぞれ紹介します。
- デイサービス
- デイケア
- グループホーム
デイサービス

初めての介護パートは、デイサービスがおすすめです。
デイサービスの利用者の介護度は、比較的軽度寄りの方が多く、介護者側は、焦らず経験を積みながら介護スキルを磨いていくことが出来ます。
デイサービスのお仕事であらかじめ知っておきたいのが「レクリエーション」業務です。
介護未経験であっても、利用者とコミュニケーションを取る姿勢さえあれば、介護スキルがなくともレクリエーション業務で活躍することもできるでしょう。
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デイサービスは基本的に夜勤が無く、勤務は日勤帯のみです。
介護スキルを持っていないと困る場面にでくわす夜勤帯と違い、日勤帯は介護職員も多くいる中で、利用者の日中の生活状況に関わる介護を学ぶことが出来るため、おすすめです。
デイサービスの仕事が向いている人、準備するポイント
デイサービスでは、レクリエーションが業務全体のうち、大きなウエイトを占めます。
人前で身振り手振りをしてお手本を見せたり、場の雰囲気を盛り上げることも必要です。
明るい性格で、人との触れ合いが好き、人を楽しませることに喜びを感じられる人は、向いていると言えるでしょう。
デイサービスは、送迎に始まり送迎に終わります。介護職が送迎をすることが多く、自動車の安全運転が得意な方も向いています。
また、未経験でいきなりフルタイムの正職員を目指すのではなく、パートから段階を踏んで正職員を目指したいという方にも、デイサービスのパート介護職はおすすめです。
無資格でも募集していますが、転倒・急変など、高齢者は何があってもおかしくありません。
介護の基礎資格とも言える、介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級相当)を所持していると、尚良いでしょう。
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デイケア

初めての介護パートは、デイケアもおすすめです。
デイケアの利用者はリハビリを目的としており、比較的軽度寄りの介護度の方が多いです。そのため、介護職側は焦らずにその周辺のサポートに回ることが出来ます。
デイサービスと同様に、レクリエーションも重要な業務の一つで、利用者とコミュニケーションを取る姿勢さえあれば、介護スキルはある程度カバーすることが出来ます。
おむつ交換の連続であったり、緊急時対応の判断をしなくてはいけない少人数の夜勤帯と違い、日勤帯の勤務のため、介護職員も多くいる中で様々な角度から介護を学ぶことが出来ます。
デイケアの仕事が向いている人、準備するポイント
デイケアでは、「本人の動作を見守れる人」が向いていると言えます。
リハビリは専門職(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)が主に行ないますが、それだけではなく、生活動作もリハビリのため、過剰介護をせずに、見守りし、必要時のみ介助をするように支援する必要があります。
それと、デイサービスと同様にデイケアも、送迎に始まり送迎に終わります。介護職が送迎をすることが多く自動車の安全運転が得意な方も向いているでしょう。
また、パートから段階を踏んで、フルタイムの正職員を目指したいという方にも、デイケアのパート介護職はおすすめです。
無資格でも募集していますが、高齢者は転倒・急変など、何があるか分かりません。できれば、介護の基礎資格とも言える、介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級相当)を持っておきたいところです。
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グループホーム

初めての介護パートでおすすめの施設には、そのほかグループホームもあります。
認知症の方が共同生活するグループホームは、他のサービス事業所以上に入居者のペースに合わせ、生活支援を行なっていく必要があります。
グループホームの職場は、各専門職がいて業務も細分化されているため、未経験でも比較的安心して任された業務に専念することができます。
1ユニット9名の、2ユニットで構成されている施設が大半を占めていて、少人数であることからアットホームな雰囲気が特徴的です。
食事や掃除など、家事を介護職と一緒に行ないながら、認知症や介護度の維持・改善を図っていきます。
未経験でも出来る内容のことも多く、焦らずに介護を学べるでしょう。
グループホームの仕事が向いている人、準備するポイント
入居者がもともと出来ていたことが、認知症などにより出来なくなってしまい、その部分を維持・改善できるよう職員はサポートにあたります。
そのため、過剰介護をせずに、入居者の行動を見守り、必要な部分のみ支援出来る我慢強い人が向いていると言えるでしょう。
業務内容には入浴介助や排泄介助、移乗介助以外に、一緒に調理や掃除をするなど、家事能力も求められます。専門的な介護スキルが無くても、始めやすい仕事です。
無資格でも募集していますが、高齢者は転倒・急変など、何があるか分かりません。介護の基礎資格とも言える、介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級相当)を持っておきたいところです。
とはいえ、未経験でも経験のある先輩職員から教わりつつ、実践を積み重ねることで介護のコツを掴んでいくこともできますので心配しすぎることはないでしょう。
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これから長く働く場合は、資格取得を視野に
介護士として長く働こうと考えている方は、実務経験を積みつつ、それと同時に資格取得も狙っていきましょう。介護職は、未経験からでも始めやすい反面、資格の有無によって、給与にも差が出てきます。
厚生労働省が定めるキャリアパスに沿って資格取得をしていけば、給与アップの可能性がグンと上がります。
まずは、介護の基礎資格でもある『介護職員初任者研修』からはじまり、『介護福祉士実務者研修』、国家資格でもある『介護福祉士』、そして『認定介護福祉士』へとステップアップしていきます。
介護職で長く働くことを考えている場合は、キャリアパスについて、ある程度理解しておくことをおすすめします。

また、資格を所持していると、働き方の選択肢を増やすことが出来るため、よりやりがいも感じられるようになるでしょう。
正しい介護スキルだけでなく、早いタイミングで資格取得も視野に入れておくと良いでしょう。
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3)初めての介護パートで、注意するべきポイント3点
ここからは、初めて介護パートとして勤める際の、注意すべきポイントについて、3点ご紹介させて頂きます。それぞれを把握しておくことで、不安なくスッキリした状態で介護パートを始められることでしょう。
ここまで紹介してきた、介護の基礎知識、施設の種類や、未経験の介護パートにおすすめの施設と、準備することや資格と一緒に、抑えておきましょう。
- 介護パートの平均的な待遇・処遇改善・社会保険について知っておこう
- 職場選びは慎重に!なるべく職場見学をしてから決定しよう
- 介護パート・派遣の転職支援に強い転職サービスを利用しよう
介護パートの平均的な待遇・処遇改善・社会保険について知っておこう

厚生労働省によると、介護職のパートの時給相場は、下記の通りです(※地域差等あり)。
介護職員(非常勤)の平均時給
平成28年 | 平成29年 |
1,090円 | 1,110円 |
※厚生労働省『平成29年度介護従事者処遇状況等調査結果』の『第90表 介護従事者等の平均基本給額等(時給の者),職種別,勤務形態別(加算(Ⅰ)を取得している事業所)』より引用
ただ、介護業界は、所持している資格により給与が加算されていく傾向にあるため、上記の時給額は目安程度に捉えておくと良いでしょう。
また、介護職の賃金改善を目的に「介護職員処遇改善加算」や、「介護職員等特定処遇改善加算」という利用者から報酬を得る仕組みがあります。
施設側としても職員の教育体制や昇給の仕組み作り、労働環境の改善など、様々なものを国から求められているのです。
ここから得た報酬は、正職員だけでなく、パートや派遣社員などに分配できることとなっており、これにより時給アップや一時金が期待できます(※支給内容は職場により違いあり)。
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それと、社会保険などについては、20時間以上/週勤務するなど、一定の要件により加入できますし、パートであっても、6カ月以上勤務し決められた労働日数の8割以上勤務していれば有休をもらうことができます。
扶養内で働きたい場合は、年収130万円を超えないように勤務調整する必要があります(職場の規模などにより、年収130万円以下でも社会保険に加入しなくてはいけないことがあります)。それぞれ事前に確認しておくと良いでしょう。
より好条件の職場に就きたい場合は、「派遣」で探すのもあり
介護パートの求人は多く出ていますが、施設内の様子は求人情報では知ることが出来ません。事前に職場の雰囲気や給与などの細かな条件を把握しておける「派遣」で探すのも、一つの方法です。
派遣の場合は、派遣会社の人材コーディネーターが仲介役となってくれます。
給与面や、勤務時間の希望など、通常だと聞きにくい部分も、コーディネーターが本人に代わって行なってくれるので、安心して任せることが出来ます。
介護離職の一番の原因となる人間関係についても、職場の雰囲気などを聞くことが出来るため、その点もメリットと言えるでしょう。勤務が開始した後も、困ったことがあれば、コーディネーターに相談することが出来るため、非常に心強いです。
期間毎に契約を更新していくため、自身に合わない職場だと感じた場合は、契約期間満了後に他の職場へ移ることも出来ます。職場で介護能力を認められ、正職員へ移行する場合もあるため、雇用形態はパートに固執せず、派遣も一緒に検討すると良いでしょう。
職場選びは慎重に!なるべく職場見学をしてから決定しよう

介護の職場は様々です。
例えば、同じ通所系と言っても、デイサービスやデイケアがあります。またデイサービスにも、それぞれ特色があり、働く人も当然違うことから、その職場の持つ雰囲気も大きく異なってくるため、まずは、応募する前に職場見学をおすすめします。
「応募していないのに見学させてもらうのは気が引ける」と思う方もいるかもしれませんが、そんな心配はありません。
採用側としても、入職後すぐに「思っていた職場と違ったので、辞めます」と言われても困るため、真剣に検討している方の見学であれば、歓迎してもらえるはずです。
また、離職率の高い介護職。離職理由の1位は「人間関係」です。
見学の際は、職員間の様子や、職員の利用者に対する接し方、また、事務員の対応なども見て、その雰囲気を確認しておくことで、自身に合った職場を見つけるようにしましょう。
介護の働く職場選びで、チェックするポイント
- ①求人内容(サービス内容、業務内容、待遇、福利厚生)
- ②職員数(利用者に対して人数が少なすぎないか、有資格者は一定層居るか、退職者の多さはどうか)
- ③育成・研修、マニュアルの整備等は充実しているか
- ④施設に電話した際の対応の様子
- ⑤気になっている事業所の法人について
①求人内容(サービス内容、業務内容、待遇、福利厚生)
サービス内容/業務内容:
介護士と一言で言っても、高齢者分野なのか、障害者分野なのか。また、通所なのか、訪問なのか、入所なのか。それによって、業務内容も大きく異なります。
例えば、高齢者分野のデイサービスの介護士であれば、入浴介助やレクリエーションなど。特別養護老人ホームであれば、食事介助、入浴介助や排泄介助などが、主な業務となることでしょう。
待遇/福利厚生:
サービス業種(訪問介護、デイサービス、特別養護老人ホームなど…)や夜勤の有無によっても給与は大きく異なります。
また、昇給や賞与はあるか、社会保険に加入しているか、退職金制度はあるか、交通費、扶養手当、住宅手当、食事代補助は出るのかなど、調べておくと良いでしょう。
仕事をしていく上でのモチベーションにもなるポイントです。
②職員数(利用者に対して人数が少なすぎないか、有資格者は一定層居るか、退職者の多さはどうか)
利用者に対して人数が少なすぎないか:
職員が少ないと体力・気力ともに余裕が無くなってしまいます。経営側は、人員基準をクリアすることに必死ですが、現場は人員基準の最低人数だけでは現場がまわらないことが多々あります。
良いケアを提供するためにも、重要なポイントです。
有資格者は一定層居るか:
有資格者がいる≒ケアに対しての理解がある≒良いケアが提供できる。すると、働き方にも余裕が生まれ、急なトラブルなどにも迅速に対応することが出来ることでしょう。
退職者の多さはどうか:
心身共に大変な介護職。職場環境が悪かったり、職員の教育制度が不十分であると、必然と退職者も増えてきます。この点もチェックしておくと良いでしょう。
上記3点については、「厚生労働省 介護サービス情報公表システム」でも確認することができます。
介護サービス情報公表システム

公式サイトURL:https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/
介護サービス情報公表システムは、高齢者介護分野の検索サイトです。このサイトでは、上記に挙げたような各事業所の情報を確認することが出来るのです。

ただし、介護施設は多くの場合人の出入りが激しく、介護サービス情報公表システムで紹介されている情報が最新でない場合もあります。
紹介されている数字は参考程度にしておき、詳細はTELや見学するなどして、直接確認すると良いでしょう。
③育成・研修、マニュアルの整備等は充実しているか
職員の、育成・研修体制はどうか、マニュアルの整備等は整っているかという点は、非常に重要なポイントです。
例えば、介護の仕事をしていると、一つの介助に対して、方法がいくつもあるケースが多々あります。
職員によって介助方法が違うと利用者側は混乱し、その結果、事故の原因にもなりかねません。職員も不安感が強くなり、その積み重ねで、「離職」に結び付いてしまいます。
そこで、職員の育成や研修、マニュアルの整備等を行なっている職場は、介助に対して自信を持って対応できる上、離職の防止にも繋がります。
事業所の研修、マニュアルの整備状況の確認については、直接事業所に確認するほかに、「ワムネット 障害福祉サービス等情報検索」を活用すると良いでしょう。
ワムネット 障害福祉サービス等情報検索

公式サイトURL:https://www.wam.go.jp/sfkohyoout/COP000100E0000.do

ワムネットは障害福祉分野の事業所検索サイトで、前述の介護サービス情報公表システム同様に事業所の体制、取り組み等かなり細かいところまで確認することができます。
ただし、すべての事業所が完全に網羅されているわけではないこと、また紹介されている情報が最新でない場合もありますので、最新の情報は事業所に直接確認することをおすすめします。
④施設に電話した際の対応の様子
事務所の電話対応で、「その事業所の中身が全て分かる」と言えるくらい、事務所の電話対応はとても重要です。
いわゆる『施設の顔』なわけですから、ネット等で下調べを終えた後は、直接電話をしてみることをおすすめします。
介護施設は特に、施設長(場合によっては理事長)の介護に対する考えが、介護士の仕事を大きく左右します。
その施設長は、一日のうち大半の時間を事務所で過ごすわけですから、事務員の電話対応がしっかりしているところは、施設長の考えや教育がしっかりしている、と捉えても良いでしょう。
言い方を変えると、電話対応が悪いと、介護士の質も悪い事が容易に想像できてしまう、という事です。
入職を決める前に、事務職員の電話対応についても、チェックしておくと良いでしょう。
⑤気になっている事業所の法人について
法人内にある全ての事業所についても、知っておく必要があります。
例えば、「社会福祉法人〇〇」という訪問介護事業所に採用が決まったとします。かつ、社会福祉法人〇〇には、訪問介護のほか4つの事業所(合計5つ)が存在したとします。
- 訪問介護
- 通所介護(デイサービス)
- 短期入所生活介護(ショートステイ)
- 特別養護老人ホーム
- 居宅介護支援事業所
恒常的な人材不足である介護業界では、「同法人内の別事業所へ異動」というケースは多々あります。
最初は、訪問介護の事業所で採用になったものの、しばらくして仕事に慣れてきた頃、通所介護や短期入所生活介護の人手が欠けた時に、人事異動が発令される、ということがあります。
事前に法人全体の事業所を調べ、人事異動の有無についても、確認しておくことをおすすめします。
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介護パート・派遣の転職支援に強い転職サービスを利用しよう

介護の職場選びは、介護職に特化した転職サービスの利用がおすすめです。
ここでは特に利用者からの評判も良い、おすすめの転職サービスを3点紹介します。
かいご畑
-
「介護職の仕事は未経験/経験が浅い…」という人におすすめのエージェントです。資格取得サポートなど、実務経験を積むための様々な支援を受けられます。
かいご畑は介護・福祉系の転職支援に特化した、転職エージェントです。
同サービスの大きな特徴は、「無資格/未経験からの転職支援に強い」、「働きながら資格取得できる仕組みがある」の2点。
サポートにあたっては転職者一人一人に専任のコーディネーターが就き、現在の経験と希望条件をヒアリングしたうえで、キャリアへのアドバイスと求人紹介を行ってくれます。
働きながら資格取得を目指せる「キャリアアップ応援制度」では、介護の中級・上級資格である「実務者研修」「介護福祉士」への対策講座を無料で学ぶことができます。
「まずは業務に慣れてから、徐々にキャリアアップを目指したい」という人に、かいご畑はとくにおすすめです。
かいご畑の特徴
特徴 |
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サービス対応地域 | 北海道、東京、埼玉、千葉、栃木、群馬、静岡、愛知、大阪、京都、神戸、広島、福岡 |
公開求人数 | 約1.0万件(2022年11月現在) |
「まずは業務に慣れてから、徐々にキャリアアップを目指したい」という人は、かいご畑の「キャリアアップ応援制度」の活用がおすすめです。
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ジョブメドレー介護
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ジョブメドレー介護は、介護職専門の転職エージェントです。
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ジョブメドレー介護の特徴
特徴 |
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サービス対応地域 | 全国 |
公開求人数 | 約20万件(2022年11月現在) |
ジョブメドレー介護のサービスは求人サイトがメイン。担当者からのサポートはありませんので、不安な方はきらケアやマイナビ介護職といった介護職向けエージェントを併用しておきましょう。
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マイナビ介護職
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マイナビ介護職の特徴
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公開求人数 | 約6.2万件(2022年11月現在) |
マイナビ介護職の活用メリットの一つに「離職率や職場環境などの、詳細の施設情報を知れる」ことがあります。企業研究の際は担当からの情報を有効活用しましょう。
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まとめ)介護パートは未経験からでも心配なし!資格取得を視野に!
介護パートについて、どんな仕事内容か、施設の種類はどのようなところがあるのか、資格取得について、おすすめの施設等についてご紹介してきました。
介護の仕事未経験の方は、不安を感じることもあるかもしれませんが、ポイントを抑えつつ転職サービスに複数登録し、それらを有効活用することで、職探しを成功させましょう。