40代から未経験で介護職に転職するには?キャリアプラン・準備するポイントを紹介
[最終更新日]2023/03/01

40代で、未経験から介護の仕事への転職を考えている方で、
「他業界から未経験で転職するには、どうしたらよい?」
「介護の仕事って40代からでもできるの?」
「自分に合った職場探しや、働き方をしたいけど、探し方が分からない」
などと考えている方は多いのではないでしょうか。
今回は、40代の介護未経験者で介護職を検討している方向けに、その転職が可能であること、知っておくべき注意点や、準備しておきたいポイントについて、ご紹介していきます。
目次
1)40代未経験でも介護職への転職は目指せる!ただし、注意点もある
現在は、3人の若者が1人の高齢者を支える「騎馬戦時代」。
1人の若者が1人の高齢者を支える肩車時代は、すぐそこまで来ています。高齢化が進む中、介護職の需要は益々高まっており、40代の介護職未経験者でも採用されやすい状況にあると言えます。
介護保険では、安定した介護サービスを提供していくため、介護報酬の改定やキャリアアップのシステムが年々構築・整備されてきています。
そのことから、職員の収入アップや、人材確保にも力が注がれており、また未経験でも専門性を高められるようになってきています。
ただし、40代で介護職へ転職を考える際は注意しておきたい点もありますので、一緒に確認しておきましょう。
40代で未経験から介護職を目指す人は多い

40代で未経験から介護職に転職するケースは珍しくありません。
「介護職」と言うと、おむつ交換や入浴介助などの直接的な身体介護をイメージされる方が多いかもしれません。
ですが、介護の仕事でいちばん大切でかつ一番求められるスキルとは「コミュニケーションスキル」です。
そのため、場合によっては20代の介護福祉士よりも40代の社会経験が豊富な未経験職員の方が活躍できる場面も多々あるのです。
施設によっては、「コミュニケーションスキルさえあれば他は何とかなる」というところもあります。
ですが、とうぜん介護に関する知識もあったほうが役立ちます。「よりスムーズに業務に馴染んでいきたい」という人は介護の基礎資格である介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級相当)を取得しておくとより安心でしょう。
お住いの地域によっては、自治体が資格取得等を支援してくれる制度がある場合があります。各市区町村や社会福祉協議会に確認をしておくと良いでしょう。
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2)40代から介護職を目指す際の注意点

需要があるとはいえ、40代で介護未経験からの転職は、やはり勇気がいるもの。介護への転職を失敗させないためにも、抑えるべき注意点は、しっかりと抑えておきたいところです。
「転職したけど、やっぱり失敗だった…」となると経歴にキャリアの一貫性を持たせにくくなることから、企業からの信頼も得にくくなるため、次の転職の難易度は確実に上がってしまいます。
下記の3点をしっかりと抑えておき、未経験からの介護職への転職は慎重に判断していきましょう。
- 介護の仕事が本当に向いているか、しっかり見極める
- 年下の上司から指導されることへの耐性を持つ
- 年収アップを目指すなら、相応の努力が必要
介護の仕事が本当に向いているか、しっかり見極める

いくらやる気があっても、向き不向きはあるものです。自身が介護職に向いているのかどうかも、しっかりと見極めておきましょう。
介護職に向いている人
- 人と関わることが好きな人
- 温厚で「待つ」ことが苦手でない人
- 人の話を聴くことが上手な人
介護職に向いている人は、①人と関わることが好きな人、②温厚で待つことが苦手でない人、③人の話を聴くことが上手な人、この3点に当てはまる人は向いていると言えるでしょう。
身体介護のスキルは、現場で経験を積めばついてきますが、こういった根本的な部分は変えられません。
介護の仕事は、人対人。人と関わることが好きであることは大前提です。また、自立支援が基本のため、過剰介護をせずに、本人のペースを見守り、待つことが重要です。さらには、話をするよりも、利用者の話を聴くことが上手な人が向いていると言えるでしょう。
介護職が不向きかもしれない人
- 協調性が無い人
- 損得勘定で動く人
- 感情移入し過ぎる人
一方、不向きと思われる人は、①協調性が無い人、②損得勘定で動く人、③感情移入し過ぎる人です。
介護の仕事はチームケアが基本です。そのため、利用者ごとに介助方法も統一させたり、報告・連絡・相談も必須です。
また、介護の仕事は、心身共に大変にも関わらず、その割に給与はそれほど高いとは言えません。
そこを第一に考える方や、感情移入し過ぎてしまい、過剰介護をしてしまったり、冷静な判断を誤ってしまう人は、向いていないかもしれません。
それと、介護の仕事は体力的にハードな職場が多いため、極端に体力のない人は、不向きかもしれません。自身と照らし合わせて、検討してみましょう。
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年下の上司から指導されることへの耐性を持つ

一般企業等に勤める40代は、管理職を経験してきている方も多い年齢かと思います。部下に仕事を教えていた立場だったものの、転職すると今度は教わる立場に逆戻り。
特に介護の仕事は、所持している資格や能力に応じて勤務を組まれることが多いため、はじめのうちは、資格を有している年下上司から指導されることもあるでしょう。
「プライドが邪魔をしそうだ」と思った方も、こればかりは我慢するしかありません。
あとは、一度教わったことは忘れないように復習するというように習慣化させ、一日も早く仕事を覚えて、最短で資格を取得しましょう。
そして、介護職は「気付き」がとても重要です。
常にアンテナを張り、いかに細かな点に早く気付き、対応していけるかがポイントです。日々行なっている介護の内容に疑問を持ち、「どうしてこうやるんだろう?」「もっと効率的にやるにはどうすればいいんだろう?」ということを普段から考える習慣を持つことによって、本当に活かせる介護技術を早期に身に着けるようになるはずです。
年収アップを目指すなら、相応の努力が必要

40代未経験で介護職に転職をし、それなりの収入を得るためには、相応の努力が必要です。
介護職員(常勤)の平均給与は下記の表の通りです。
基本給はそれほど高くないものの、手当てや一時金で補填されているような仕組みです。また、管理職経験のある方は、役職に就くこと(役職手当)を目指すと良いでしょう。
介護職員(常勤)の平均給与
全体 | 300,970円 | |
---|---|---|
内訳 | 基本給 | 181,220円 |
手当 | 71,330円 | |
一時金(賞与等) | 48,420円 |
引用元:厚生労働省「平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」
年収アップを目指すなら、長く勤めることはもちろんのこと、早めの資格取得がおすすめです。
無資格の職員と、介護職員初任者研修とでは、月あたり約1万4千円もの差があります。
さらに、無資格の職員と、国家資格でもある介護福祉士を所持している職員を比較すると、月あたり約5万円もの差が出てきます。
介護職は、未経験からでも始めやすい反面、資格の有無によって、給与にだいぶ差が出てくるため、一日も早い資格取得を目指すと良いでしょう。
介護職員の保有資格ごとの平均給与額
平均給与(月額) | |
---|---|
介護福祉士の資格を保有 | 313,920円 |
実務者研修の資格を保有 | 288,060円 |
介護職員初任者研修の資格を保有 | 285,610円 |
保有資格なし | 261,600円 |
引用元:厚生労働省「平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」
また、介護報酬の中には、介護職の賃金改善を目的とした処遇改善加算等というものがあり、それらをもとに、勤続年数に応じた手当てが支給されています。
介護職員の勤続年数別 平均給与額
平均給与(月額) | |
---|---|
全体 | 300,970円 |
1年(勤続1年~1年11か月) | 270,740円 |
2年(勤続2年~2年11か月) | 278,550円 |
3年(勤続3年~3年11か月) | 282,700円 |
4年(勤続4年~4年11か月) | 284,300円 |
5年~9年 | 295,450円 |
10年以上 | 334,140円 |
引用元:厚生労働省「平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」
さらに、介護報酬には、地域の実情に合わせた人件費が支払えるように作られた、地域区分という仕組みがあります。
1~7級地+その他の、全8区分に区分けされており、介護保険の報酬額が違ってきます。
東京都心部と、地方とでは、収入差があるため、地方の収入は少し下がると考えてよいでしょう。これらの金額は、あくまでも目安としておきましょう。
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3)40代で介護職を目指す際に、準備しておきたいポイント4点

ここまでは、40代で介護職を目指す方の現状や注意点についてお話ししてきました。ここからは、準備しておきたいポイントを、具体的に4点ご紹介していきます。
自身に合う介護施設の種類や、資格取得のプランニング、職場選びや転職サイトについて、それぞれポイントを抑えて、しっかりと確認しておきましょう。
- 介護の施設の種類と、自分に合う働き方ができる施設を知っておこう
- 早めの資格取得のプランニングと、これまで培った知識・スキルを活かせる働き方を見出そう
- 介護職の職場選びはしっかりと行おう
- 介護職専門の転職サイト・転職エージェントを利用しよう
介護の施設の種類と、自分に合う働き方ができる施設を知っておこう

介護の施設には、色々な機能や特徴を持ったものがあります。大きく分けると3つ。在宅生活をベースに介護施設に通う「通所系サービス」。それから、在宅に訪問してもらってサービスを受ける「訪問系サービス」。それと、在宅の代わりに施設に入所してサービスを受ける「入所系サービス」があります。
まずは、主な介護施設について、下記の表で確認をしておきましょう。
参考:介護施設の種類
介護施設の種類 | 概要 | 利用者の介護度目安 |
---|---|---|
デイサービス | 「通所系」サービス。主に公的施設、民間企業が運営。デイサービスは、日帰りで、送迎、入浴、機能訓練、交流、食事、レクリエーションなどを行なうところです。 近年では、要介護の状態にならないように、要支援1~2の利用者が積極的にサービスを利用する「介護予防」枠も重要視されています。 |
要支援1 ~要介護5 |
訪問介護 | 「訪問系」サービス。主に公的施設、民間企業が運営。自宅に訪問して、身体介護(入浴介助、排泄介助など)や、生活援助(掃除、洗濯、買物代行、調理など)を行ないます。 デイサービスと同様に、自立支援目的で要支援1~2の利用者が積極的にサービスを利用する「介護予防」枠も重要視されています。 |
要支援1 ~要介護5 |
有料老人ホーム(①介護付き/②住宅型/③健康型) | 「入所系」サービス。主に民間企業が運営。 ①介護付きは、施設職員の介護サービスを受けます。 ②住宅型は、外部のデイサービスや訪問介護と契約してサービスを利用します。 ③健康型は、食事や一部の家事支援などがついており、自立している方が利用する施設です。 |
自立、要支援1~要介護5(施設により条件が異なります) |
グループホーム | 「入所系」サービス。主に民間企業が運営。認知症の方が対象の、5~9人・1ユニットの共同生活施設です。 認知症の特徴を理解した上での、声掛けや見守りが重要な業務となります。少人数のため、アットホームなイメージの強い介護施設です。 |
要支援2 ~要介護5 |
介護老人保健施設 | 「入所系」サービス。主に医療法人や社会福祉法人などが運営する公的施設。リハビリを行いながら自宅復帰を目指す一時入所場所です。 通称「老健」と呼ばれています。常勤の医師が配置されており、その管理のもとリハビリ専門職によるリハビリを実施。 |
要介護1 ~要介護5 |
特別養護老人ホーム | 「入所系」サービス。主に自治体や社会福祉法人が運営する公的施設。医療的な入院治療などが無い限り、最後まで暮らせる入所施設です。 入所条件は要介護3以上で、在宅生活が困難になり、家族に代わって介護を行なう施設です。通称「特養」と呼ばれています。 |
要介護3 ~要介護5 |
40代からの介護職は、「通所系サービス(デイサービス・デイケア)」、「グループホーム」がおすすめ
40代の介護職未経験の場合、通所系サービスがおすすめです。
通所系の利用者の介護度は、比較的軽度の方が多く、高い介護スキルを必要とする身体介護の場面も少なく、認知機能も比較的保てている利用者が多いです。
通所系サービスでは、これまでに培ってきた社会経験やコミュニケーションスキルが活かしやすいため、おすすめです。
また、グループホームもおすすめの一つです。認知症の方が共同生活するグループホームは、通所系サービスの利用者と比べると、認知機能が低下している利用者が多いものの、他の入所系サービス(例えば、特養や老健)ほど、バタついて業務を行なうということはありません。
掃除・洗濯・調理等を、職員が見守りや声掛け、もしくは一部介助を行ないつつ、入居者のペースに合わせて、支援していきます。認知症に対する理解さえ抑えられれば、未経験からでも焦らずに介護について学ぶことができる職場と言えます。
生活全般に関わってくる業務のため、20代の若い職員よりも、40代の子育て経験や社会経験が豊富な職員の方が、向いている職場かもしれません。
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早めの資格取得のプランニングと、これまで培った知識・スキルを活かせる働き方を見出そう

資格の有無によって給与差が出てくる介護業界では、早めの資格取得のプランニングが重要です。
特に、40代で未経験から介護職を始める場合は尚更です。厚生労働省が定めるキャリアパスに沿って「介護職員初任者研修」⇒「介護福祉士実務者研修」⇒「介護福祉士」⇒「認定介護福祉士」と、ステップアップしていきましょう。
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介護報酬の中には、職員が資格を所持していることで施設側が得られる報酬があるため、運営側はそれをみて職員を配置しています。
言い方を変えれば、資格さえ取得してしまえば給与面だけでなく、自身の価値を高めることができるのです。
働き方の選択肢も広げられるため、より介護職にやりがいを感じられるようになるでしょう。
また、管理職などの経験があって部下の育成経験がある方は、そのスキルを活かせるよう、現場リーダーや管理者を目指すと良いでしょう。
PC業務経験が豊富なのであれば、PCでの事務処理や、施設内研修の資料作成を積極的に行なう等、自身の存在に価値を持たせる働き方も目指せます。
介護職は未経験だと不安もあるかもしれませんが、これまでに培ってきた知識やスキルは無駄ではありません。40代だからこそできる事を見つけ、年下の同期に差をつけていきましょう。
介護職の職場選びはしっかりと行おう

職場選びは、しっかりと行いたいところです。
まずは「職場見学」をおすすめしますが、その際に、事務員の対応も確認しておきましょう。
事務員は「施設の顔」とも言い替えることができます。事務所は管理者(施設長など)が一日の大半の時間を過ごす場所。その管理者の教えや考えが、その施設職員全体の業務に大きく反映されていることは容易に想像できます。そのため、まずは電話にてその対応を確認しましょう。
応募前に見学させてもらうのは気が引ける、という方もいるかもしれません。しかし、そのような心配はありません。
採用側としても、入職してすぐ「思っていた仕事と違ったため辞めます」と言われても困るため、真剣に検討しているのであれば、見学も歓迎してくれるはずです。
各施設のホームページなどのチェックはもちろんのこと、電話や見学を上手に活用し、後悔しない転職活動にしましょう。
介護の働く職場選びで、チェックするポイント
- ①求人内容(サービス内容、業務内容、待遇、福利厚生)
- ②職員数(利用者に対して人数が少なすぎないか、有資格者は一定層居るか、退職者の多さはどうか)
- ③育成・研修、マニュアルの整備等は充実しているか
- ④施設に電話した際の対応の様子
- ⑤気になっている事業所の法人について
①求人内容(サービス内容、業務内容、待遇、福利厚生)
サービス内容/業務内容:
介護士と一言で言っても、高齢者分野なのか、障害者分野なのか。また、通所なのか、訪問なのか、入所なのか。それによって、業務内容も大きく異なります。
例えば、高齢者分野のデイサービスの介護士であれば、入浴介助やレクリエーションなど。特別養護老人ホームであれば、食事介助、入浴介助や排泄介助などが、主な業務となることでしょう。
待遇/福利厚生:
サービス業種(訪問介護、デイサービス、特別養護老人ホームなど…)や夜勤の有無によっても給与は大きく異なります。
また、昇給や賞与はあるか、社会保険に加入しているか、退職金制度はあるか、交通費、扶養手当、住宅手当、食事代補助は出るのかなど、調べておくと良いでしょう。
仕事をしていく上でのモチベーションにもなるポイントです。
②職員数(利用者に対して人数が少なすぎないか、有資格者は一定層居るか、退職者の多さはどうか)
利用者に対して人数が少なすぎないか:
職員が少ないと体力・気力ともに余裕が無くなってしまいます。経営側は、人員基準をクリアすることに必死ですが、現場は人員基準の最低人数だけでは現場がまわらないことが多々あります。
良いケアを提供するためにも、重要なポイントです。
有資格者は一定層居るか:
有資格者がいる≒ケアに対しての理解がある≒良いケアが提供できる。すると、働き方にも余裕が生まれ、急なトラブルなどにも迅速に対応することが出来ることでしょう。
退職者の多さはどうか:
心身共に大変な介護職。職場環境が悪かったり、職員の教育制度が不十分であると、必然と退職者も増えてきます。この点もチェックしておくと良いでしょう。
上記3点については、「厚生労働省 介護サービス情報公表システム」でも確認することができます。
介護サービス情報公表システム

公式サイトURL:https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/
介護サービス情報公表システムは、高齢者介護分野の検索サイトです。このサイトでは、上記に挙げたような各事業所の情報を確認することが出来ます。

ただし、介護施設は多くの場合人の出入りが激しく、介護サービス情報公表システムで紹介されている情報が最新でない場合もあります。
紹介されている数字は参考程度にしておき、詳細はTELや見学するなどして、直接確認すると良いでしょう。
③育成・研修、マニュアルの整備等は充実しているか
職員の、育成・研修体制はどうか、マニュアルの整備等は整っているかという点は、非常に重要なポイントです。
例えば、介護の仕事をしていると、一つの介助に対して、方法がいくつもあるケースが多々あります。
職員によって介助方法が違うと利用者側は混乱し、その結果、事故の原因にもなりかねません。職員も不安感が強くなり、その積み重ねで、「離職」に結び付いてしまいます。
そこで、職員の育成や研修、マニュアルの整備等を行なっている職場は、介助に対して自信を持って対応できる上、離職の防止にも繋がります。
事業所の研修、マニュアルの整備状況の確認については、直接事業所に確認するほかに、「ワムネット 障害福祉サービス等情報検索」を活用すると良いでしょう。
ワムネット 障害福祉サービス等情報検索

公式サイトURL:https://www.wam.go.jp/sfkohyoout/COP000100E0000.do

ワムネットは障害福祉分野の事業所検索サイトで、前述の介護サービス情報公表システム同様に事業所の体制、取り組み等かなり細かいところまで確認することができます。
ただし、すべての事業所が完全に網羅されているわけではないこと、また紹介されている情報が最新でない場合もありますので、最新の情報は事業所に直接確認することをおすすめします。
④施設に電話した際の対応の様子
事務所の電話対応で、「その事業所の中身が全て分かる」と言えるくらい、事務所の電話対応はとても重要です。
いわゆる「施設の顔」なわけですから、ネット等で下調べを終えた後は、直接電話をしてみることをおすすめします。
介護施設は特に、施設長(場合によっては理事長)の介護に対する考えが、介護士の仕事を大きく左右します。
その施設長は、一日のうち大半の時間を事務所で過ごすわけですから、事務員の電話対応がしっかりしているところは、施設長の考えや教育がしっかりしている、と捉えても良いでしょう。
言い方を変えると、電話対応が悪いと、介護士の質も悪い事が容易に想像できてしまう、という事です。
入職を決める前に、事務職員の電話対応についても、チェックしておくと良いでしょう。
⑤気になっている事業所の法人について
法人内にある全ての事業所についても、知っておく必要があります。
例えば、「社会福祉法人〇〇」という訪問介護事業所に採用が決まったとします。かつ、社会福祉法人〇〇には、訪問介護のほか4つの事業所(合計5つ)が存在したとします。
- 訪問介護
- 通所介護(デイサービス)
- 短期入所生活介護(ショートステイ)
- 特別養護老人ホーム
- 居宅介護支援事業所
恒常的な人材不足である介護業界では、「同法人内の別事業所へ異動」というケースは多々あります。
最初は、訪問介護の事業所で採用になったものの、しばらくして仕事に慣れてきた頃、通所介護や短期入所生活介護の人手が欠けた時に、人事異動が発令される、ということがあります。
事前に法人全体の事業所を調べ、人事異動の有無についても、確認しておくことをおすすめします。
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介護職専門の転職サイト・転職エージェントを利用しよう

仕事をしながら、未知の領域である介護職への転職活動は、とても大変な作業かと思います。その際は、介護職専門の転職サイト・転職エージェントを活用してみてはいかがでしょうか。
未経験で職場を選ぶ際、どのようなポイントを抑えて探したらよいか分からず、自身の直感だけに頼りがち。その結果、「転職失敗」に繋がってしまうこともあるかもしれません。
そのため、大量の情報を収集できる転職サイトの活用や、介護業界の経験豊富なアドバイザーから助言をもらうことで、時間を有効的に使い、スマートな転職活動に変えてしまいましょう。
それと、それらの転職サービスには、それぞれの特徴や強みがあります。
また、アドバイザーとの相性の問題もあるため、複数のサービスへ登録をして、それぞれの強みを有効的に活かして、よりよい転職活動を行なっていきましょう。
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4)40代で介護職を目指す際の、おすすめの転職サイト・転職エージェント
ここからは、40代で介護職を目指す際のおすすめ転職エージェントを紹介します。
介護職は40代からでも未経験者を受け入れる施設も多くあります。
一方で、ここまでお伝えした通り介護の施設も、そこでの働き方も様々です。
どこがおすすめか、専門のアドバイザーからのサポートがあるとより安心して転職活動を進められるでしょう。
転職エージェント毎に特徴の違いもありますので、以下に紹介するサービスそれぞれを確認して、「自分に合いそう」と思ったものから登録を検討してみてください。
かいご畑
-
「介護職の仕事は未経験/経験が浅い…」という人におすすめのエージェントです。資格取得サポートなど、実務経験を積むための様々な支援を受けられます。
「かいご畑」は、介護職未経験者の転職支援に力を入れている転職エージェントです。
同サービスの主な特徴は、正社員ほかパート・派遣の仕事も紹介していること、そして「介護職員初任者研修」、「実務者研修」、「介護福祉士 受験対策講座」などの資格取得に向けて、無料で受講できるサービスを設けていることです。
職場探しと合わせて、これから介護士の資格取得を目指す人に特におすすめの転職エージェントです。
かいご畑の特徴
特徴 |
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サービス対応地域 | 北海道、東京、埼玉、千葉、栃木、群馬、静岡、愛知、大阪、京都、神戸、広島、福岡 |
公開求人数 | 約1.0万件(2022年11月現在) |
「まずは業務に慣れてから、徐々にキャリアアップを目指したい」という人は、かいご畑の「キャリアアップ応援制度」の活用がおすすめです。
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きらケア
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介護系転職サービスでトップクラスの求人数。担当エージェントのサポート品質においても高評価の高いサービスです。
きらケアは、人材紹介事業として最近勢いのある「レバレジーズ」の、介護向け転職サイト・転職エージェントサービスです。豊富な求人数と専門知識を持ったアドバイザーによる転職支援を受けることができます。
きらケアの特徴は、キャリアアドバイザーが積極的な求人提案をしてくれること、そして提案の際に職場情報をしっかり調べたうえで、応募の際の注意点やその後の働き方までアドバイスしてくれるサポートの充実さが挙げられます。
きらケアの特徴
特徴 |
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サービス対応地域 | 全国 |
公開求人数 | 約5.1万件(2022年11月現在) |
きらケアは正社員向け転職と派遣社員転職とで窓口が分かれています。派遣社員として働くことを予定している方はこちらよりご登録ください。
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マイナビ介護職
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「福利厚生が充実」「教育制度が整っている」などのホワイト企業の求人が多いと評判のサービス。担当のサポートも手厚いです。
「これまでの社会人経験を活かせる、介護職の職場選びをしたい」という方は、「マイナビ介護職」がフィットするかもしれません。
同サービスの特徴は、介護業界専門のアドバイザーが求人提案だけでなくその後のキャリアプランまで、しっかりとキャリアコンサルをしてくれること、そして介護系の求人を豊富に取り揃えてくれる点にあります。
介護士としてだけでなく、現場リーダーや施設責任者などのキャリアプランも検討している方に、適切なサポート・支援を提供してくれるでしょう。
マイナビ介護職の特徴
特徴 |
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サービス対応地域 | 全国 |
公開求人数 | 約6.2万件(2022年11月現在) |
マイナビ介護職の活用メリットの一つに「離職率や職場環境などの、詳細の施設情報を知れる」ことがあります。企業研究の際は担当からの情報を有効活用しましょう。
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ジョブメドレー介護
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介護職向けの求人数は国内No1!バリバリ正社員で働きたい人から未経験・復職向けまで幅広い案件を確認できます。
ジョブメドレー介護は、正社員としての介護職転職だけではなく、出産・育児をひと段落終えた人などの「復職支援」もしっかり行ってくれる転職サービスです。
同サービスを運営する「株式会社メドレー」は、長年 介護・医療に関わる人材紹介事業に携わっており、「それぞれの人にあった転職支援」を大切にしています。
利用者からの満足度も高く、公式サイトでは「利用者満足度96%」の実績が紹介されています。
内定率も高く、「転職サポートの品質が不安」と考えている人におすすめです。
ジョブメドレー介護の特徴
特徴 |
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サービス対応地域 | 全国 |
公開求人数 | 約20万件(2022年11月現在) |
ジョブメドレー介護のサービスは求人サイトがメイン。担当者からのサポートはありませんので、不安な方はきらケアやマイナビ介護職といった介護職向けエージェントを併用しておきましょう。
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計画的に資格取得を狙いつつ、それまでの経験を活かして仕事をしていくことで、40代からでも決して遅くないということが、伝わったのではないでしょうか。
複数の転職サイト・転職エージェントへ登録し、それぞれを有効活用することで、後悔しない介護職ライフをスタートさせましょう。