エンジニアのフルリモート勤務のメリット・デメリットと求人の探し方
[最終更新日]2021/12/31

働き方改革やコロナ禍により、フルリモートで働くことが脚光を浴びています。
毎日自宅や好きな場所で働き収入を得られることは、天国のように思う方も多いのではないでしょうか。
フルリモートは働く意欲を高めるメリットが多い、おすすめの働き方です。
一方でフルリモートは、誰にでも向く働き方ではありません。デメリットにも目を向けないと、後悔する可能性があるため注意が必要です。
目次
1)最近のエンジニアの「フルリモート」状況は?
フルリモートで働く難易度は、リモートワークの普及率やフルリモートの求人数に大きく影響されます。
まずはこの点について、確認していきましょう。
コロナ禍に伴い、IT企業の6割以上で「リモートワークの実施」が行われている
長引くコロナ禍のなか、IT業界においては引き続き多くの企業でリモートワークが行われています。
総務省が2021年6月18日に公表した「令和2年通信利用動向調査の結果」によると、情報通信業(従業員100人以上)におけるテレワークの導入率は、2019年の46.5%から2020年は92.7%と大きく増加しました。
参考:国内のテレワーク導入状況(総務省HPより)

参考:総務省「令和2年通信利用動向調査の結果」
従業員の側からも、リモートワークの普及を実感させるデータがあります。
カオナビHRテクノロジー総研が2020年9月17日に公表した「緊急事態解除後のリモートワークはどうなった?~リモートワーク実態フォロー調査レポート1~」によると、IT業界のリモートワーク実施率は以下の通りとなっています。
2020年5月 | 2020年8月 | |
---|---|---|
毎日リモートワーク | 52.0% | 31.4% |
出社とリモートワークを併用 | 16.4% | 29.6% |
出典:カオナビHRテクノロジー総研「緊急事態解除後のリモートワークはどうなった?~リモートワーク実態フォロー調査レポート1~」
2020年8月時点でも、IT企業の6割以上でリモートワークが実施されています。
リモートワークにはなじみのある業界といえるでしょう。
フルリモートの求人案件の多いITエンジニア職種

ひとくちにIT企業といっても働く方の職種はさまざまであり、リモートワークのしやすさも職種ごとに異なります。
フルリモートで働きたい方は、以下のようにフルリモートの求人案件が多い職種を選ぶことが重要です。
- Webエンジニア、Webアプリケーションエンジニア
- Webデザイナー
- プログラマー
- フロントエンドエンジニア
- ヘルプデスク、テクニカルサポート
上記に加えてスキルが高い方は、コンサルタントも選べます。お持ちのスキルにあわせて、応募する職種を選ぶことをおすすめします。
一方で顧客先での業務が前提となる職種の場合は、フルリモートでの勤務が難しい場合も多いです。代表的な職種として、カスタマーエンジニアやフィールドエンジニア、金融系のエンジニアが挙げられます。
インフラ系エンジニアもリモートワークが難しい職種ですが、近年ではクラウドの普及により、フルリモートが可能な案件も現れています。
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2)エンジニアがフルリモートで働くメリット
リモートワークの普及により、現代ではフルリモートで働くことも可能となりました。
エンジニアがフルリモートで働く主なメリットには、以下の3つが挙げられます。
エンジニアがフルリモートで働くメリット
いずれもより良いアウトプットをあげる上で、欠かせないポイントです。それぞれのメリットについて、順に解説していきましょう。
場所や時間に縛られずに仕事ができる

場所や時間に縛られないことは、大きなメリットの1つです。以下の効果を実感している方もいるでしょう。
- 通勤時間をゼロにできる
- 居住地に関わらず、希望する会社で働ける
- リゾート地や田舎など、自然を感じながら仕事ができる
「良い企業に勤めるなら、大都市に住むこと」という縛りを外せることは、働く方にとって大きなメリットです。ご自身の希望する環境にあわせて暮らす場所を選べること、ワーケーションに対応できることも見逃せません。
加えて勤務時間も自由であれば、仕事をする時間をあなたのライフスタイルに合わせることが可能です。さまざまな用事や通院、子どもの行事や介護など、生活と仕事を両立する力強い後押しとなります。
職場の人間関係のストレスに煩わされない

オフィスで仕事をする場合、職場の人間関係は仕事のしやすさに大きな影響を与えます。
気軽に雑談や相談できる職場なら自宅よりも働きやすい場合もありますが、そのような職場ばかりではありません。以下のような環境の職場は、ストレスを生む原因となります。
- 気が合わない、話しかけにくい人がいる
- 職場内の雰囲気がギスギスしている
- たびたび声をかけられるため、集中しにくい
- 飲み会が多く、出席を求められる
もちろんフルリモートでも職場と縁が切れるわけではありませんが、職場とは物理的な空間が別です。
このため、職場の悪い雰囲気による影響は軽減されます。飲み会で遅くまで付き合わされることも減るでしょう。
代わりに好きな音楽を流すなど、ストレスを軽減させる方法も自由に選べます。
このように職場の人間関係のストレスに煩わされずにすむことも、メリットの1つに挙げられます。
仕事の生産性が上がる

これまで説明した2つのメリットは、以下の通り仕事の生産性向上にも役立ちます。
- 通勤で疲労せずに済む
- 通勤時間をリフレッシュする時間にあてられる
- 十分な睡眠時間を取れる
- 会議があっても短時間で済み、時間を取られにくい
加えてフルリモートで働くことには、以下のメリットがあります。
- 自分好みの家具や機器を用意できる
- 集中して仕事に取り組める
- 電話が頻繁にかかってこない
快適な環境で集中して仕事ができるわけですから、仕事の生産性向上に貢献する点も見逃せないメリットです。
特に開発系エンジニアの方は集中して開発に取り組めるかどうかはパフォーマンスに大きく影響するため、フルリモートは有効な手段に挙げられます。
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3)エンジニアがフルリモートで働くデメリット
どのような働き方にも、メリットばかりの方法はありません。
良いことずくめに見えるフルリモートも、以下に挙げるデメリットがあります。
エンジニアがフルリモートで働くデメリット
後で「しまった」と思わないためにも、フルリモートで働きたい方は事前にデメリットを理解し、対策を取っておくことが求められます。それぞれのデメリットについて、内容と取るべき対策を考えていきましょう。
コミュニケーションコストがかかる

コミュニケーションコストがかかることは、フルリモートで働く主なデメリットに挙げられます。
職場で働く場合、コミュニケーションは五感を使って行えます。
一方でリモートワークの場合は、情報が文字や音声でしか伝わらない場合も少なくありません。
近年ではWeb会議システムも多く導入されていますが、オフィスと同じ感覚で進めるわけにはいきません。このため、以下の問題が生じるおそれがあります。
- 仕様の認識違い
- 手戻りの発生
- 想定外の製品が納品される
- トラブルの深刻化
加えてリモートワークでは、情報の伝達や合意形成まで時間を要することにも注意しなければなりません。
フルリモートで働く場合は余裕をもったコミュニケーションを取るとともに、誤解を生まないよう明快な表現を心がけることが重要です。
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わからないことがあっても、気軽に質問しにくい

もし仕事で何かわからないことがあった場合、気軽に質問しにくいことも見逃せないデメリットです。
フルリモートの場合はオフィスと異なり、質問すること自体のハードルが上がることが原因です。
- 有識者がすぐそばにいるわけではない
- 自分から質問しなくても、他のメンバーが気づいてくれることはあまり期待できない
- 同僚などと雑談しながら相談といったことをしにくい
オンライン会話ツールやビジネスチャットを導入している場合は比較的相談しやすいものの、質問内容を簡潔にまとめた上で、相談する相手を選んで会話を始める必要があります。
込み入った質問の場合は事前に画面のキャプチャを取っておく必要があるなど、準備が必要な点もデメリットの1つに挙げられます。
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自己管理能力が求められる

フルリモートは、ご自身の仕事を近くで監視している人がいるわけではありません。
気楽なようですが、高い自己管理能力が必要な方法です。
例えば毎日「明日からちゃんと仕事しよう。だから今日くらいはさぼっても大丈夫」と思い続けていると、締め切り間際になって大量の仕事をこなせず絶望することになるでしょう。
一方でいつでも仕事ができる環境にいることは、働き過ぎにつながることにも注意が必要です。
仕事にのめり込んだあげく、体を壊してしまってはいけません。
オン・オフを切り替えてしっかり休息や睡眠を取ること、意識して外出や運動する時間を設けることも、良い仕事をするコツです。
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4)フルリモート対応のエンジニア求人を探すポイント5点
フルリモートで働ける求人を探す際には、ぜひ押さえておきたい5つのポイントがあります。
フルリモート対応のエンジニア求人を探すポイント5点
いずれも希望に合った仕事を見つけ、職場で成功を収めるためにも重要なポイントです。
それぞれがなぜ重要なのか、順に詳しく解説していきましょう。
まずは自身が望む働き方を明確にしておこう(正社員・派遣社員・フリーランス)

リモートワークの導入が進んだ結果、フルリモートでもフリーランスだけでなく正社員や派遣社員といった、さまざまな働き方を選べるようになりました。
希望に合った仕事を見つけるためには、仕事を探す前にご自身が望む働き方を明確にしておくことが重要です。以下の表も参考にして、どのような働き方が向いているか決めるとよいでしょう。
働き方 | 向いている方 |
---|---|
正社員 |
|
派遣社員 |
|
フリーランス |
|
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フルリモートOKの会社でも、受け入れ体制は様々。入念な企業研究を

フルリモートOKの会社であっても、入社してすぐにフルリモートで働けるとは限りません。
一定期間は出社しなければならないケースや、フルリモート可能な方は高いスキルを持つごく一部の方だけに限られる場合もあります。
またテレワークの設備や体制、運用が不十分のケースもあります。従業員を放置する、逆に常時監視する、設備は自己負担といったケースがあるかもしれません。
このため「完全テレワーク」「フルリモートOK」と書かれていた場合でも、企業研究の際に以下の項目を確認しておくとよいでしょう。
- 教育や研修・OJTの内容
- フルリモートが可能な対象者
- コミュニケーションツールやタスク進捗ツールなど、リモートワークに欠かせない機能の活用状況
- セキュリティ対策への取り組み状況
- リモートワークに要する費用は誰が負担するか
上記の情報は、企業のWebサイトやSNSだけでは十分収集できない場合もあります。エージェントを活用し、実情を確認することをおすすめします。
正社員の場合は、求人数の多いエンジニア特化型エージェントを

正社員を希望される場合は、求人数の多いエンジニア特化型エージェントを使った転職活動がベストです。
エージェントを活用することで、以下に挙げるメリットが得られます。
- 幅広い選択肢があるため、より良い条件の求人を選びやすい
- 数多くの職種があるため、ニッチなスキルを持つ方でも転職を成功しやすい
- エージェントはエンジニア事情に精通しているため、細かい要望も実現しやすい
- 書類選考や面接のアドバイスも受けられる
- 仕事探しはある程度エージェントに任せられるため、忙しい方でも転職活動を行える
以下におすすめする5つの転職エージェントを紹介しますので、参考にしてください。
フルリモートエンジニアにおすすめの転職エージェント
転職エージェント | 特徴 |
---|---|
![]() レバテックキャリア |
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![]() マイナビITエージェント |
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![]() doda IT エンジニア |
|
![]() Geekly(ギークリー) |
|
![]() ワークポート |
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派遣社員の 場合は、案件(求人)数と福利厚生の充実した大手人材派遣会社を

派遣社員を目指す場合は、大手人材派遣会社がおすすめです。
派遣社員は入社してからどの会社で仕事すべきか決まりますが、その選択肢は派遣会社が持つ案件数に大きく影響されます。
案件数が多ければ多いほど希望する仕事に就きやすくなることは、大きなメリットといえます。
加えて以下の制度が充実していることも、選ぶ際の重要なポイントに挙げられます。
- 教育制度やキャリア支援など、スキルアップを支援する制度
- フォローアップの体制
- 福利厚生
以下におすすめする派遣会社を紹介しますので、参考にしてください。
フルリモートエンジニアにおすすめの派遣会社
派遣会社 | 特徴 |
---|---|
![]() パーソルテクノロジースタッフ |
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![]() modis |
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![]() リクルートスタッフィング |
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フリーランスの場合は、フルリモート対応案件の多いエージェントを

フリーランスの場合、仕事を効率よく獲得する目的でエージェントの活用をお考えの方も多いのではないでしょうか。
エージェントが保有する案件が多いほど選択肢が広がり、あなたに適した案件を選びやすくなります。
そのため、フルリモート対応案件の多いエージェントを選ぶとよいでしょう。
またエージェントは複数登録し、比較検討することもより良い案件を選ぶポイントに挙げられます。
以下におすすめのエージェントを紹介しますので、参考にしてください。
フルリモートエンジニアにおすすめのフリーランスエージェント
転職エージェント | 特徴 |
---|---|
![]() レバテックフリーランス |
|
![]() furien(フリエン) |
|
![]() ミッドワークス |
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まとめ)エージェントや派遣会社を活用し、フルリモートで活躍できる職場を見つけよう
フルリモートは画期的な働き方であり、うまく活用することで働く満足度と生産性をアップできます。
一方で、誰にでも向く働き方ではありません。「フルリモートで働いて良かった」と思うためには、ご自身が求める働き方を明確にすることが重要です。
そのうえでメリットを活かしデメリットの影響が少ない職場を選ぶことで、あなたのスキルを活かして活躍できる可能性が高まります。
本記事を参考にして、あなたに合ったフルリモートの職場を見つけてください。